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ウォン安対策、韓国に2.8兆円融通 日本政府方針、通貨危機防止
 日本政府は通貨ウォン相場の急落で外貨不足の恐れのある韓国を支援するため、日韓で結んでいる協定を拡充する方針を固めた。ウォンと引き換えに円やドルを韓国に融通する通貨交換(スワップ)協定の資金枠をいまの130億ドル(約1兆2000億円)から300億ドル(2兆8000億円)規模に広げる方向で最終調整しており、中国も人民元の供給枠を増額する方向。13日の日中韓首脳会議で正式合意する。金融危機の打撃でウォンがアジア通貨危機以来の安値に急落する中で、連携強化により危機再発を防ぐ。
 日韓が結んでいる現在の通貨交換協定には、中央銀行間でいつでもウォンと引き換えに円を融通する協定と、国際通貨基金IMF)が緊急融資を発動するような「危機」時にドルを供給する協定の2種類がある。それぞれの枠は円が30億ドル分、ドルが100億ドルで、合わせて130億ドル相当になる。これを2.3倍に引き上げる方向だ。



インドの乗用車販売、11月は23.7%減 過去最大の落ち込み
 【ニューデリー=小谷洋司】インド自動車工業会(SIAM)が10日まとめた11月の国内乗用車販売は、前年同月比23.7%減の9万9983台だった。減少幅は1995年に統計を取り始めて以来最大で、販売台数が10万台を割り込んだのは2年8カ月ぶり。金融機関の貸し渋りで販売が伸び悩んだ。
 販売減少は2カ月連続。4月からの累計販売台数は前年同期比1.1%増の100万4885台にとどまっている。現地最大手のスズキを含め前年実績を割り込むメーカーが相次ぎ、業界全体の来年3月までの年間販売は昨年度を下回る公算が大きくなった。
 販売低迷はローンを組めない消費者が続出しているため。中央銀行の金融緩和を受け、市中銀行が融資拡大を表明したが、SIAM首脳は「最大の問題は金融だ。(金融業界からの)意思表明と現場の実態はかけ離れている」と不満をあらわにしている。



EUの高齢化ペース加速、欧州景気は構造的低成長も
 【ブリュッセル=下田敏】人口高齢化のペースが加速し、欧州景気が構造的な低成長に陥るリスクが高まってきた。欧州連合(EU)の推計では、2060年には65歳以上の高齢者の割合が現在の2倍近い30%に上るとみられ、労働力の不足や社会保障費のコスト負担が深刻化する。金融危機に伴う景気対策でEU加盟国の財政収支は急速な悪化が見込まれており、欧州委員会は警戒を強めている。
 欧州委は人口高齢化の影響で、現在は2.4%前後のEUの潜在成長率が60年までに1.2%程度に下振れするとみている。潜在成長率は労働力や技術水準などからみて、将来的に達成が可能な経済成長率。経済活動を支える生産年齢人口(15歳から64歳)が60年にかけて5000万人程度減り、全人口に占める割合が現行の67%から56%にまで落ち込んでしまうためだ。



朝日新聞とテレ朝、KDDIと提携 テレ朝はリクルートとも
 朝日新聞社テレビ朝日KDDI(au)と月内にも業務提携する。auの携帯電話を対象にニュースなどのコンテンツ供給を増やす。朝日新聞グループは情報通信やネットと連携し、新聞・放送両媒体のコンテンツ活用を急いでいる。10日にはテレビ朝日リクルートの資本・業務提携も発表した。
 朝日新聞はすでにau携帯の待ち受け画面のニュース・コーナーにニュース記事を無料閲覧用に供給している。今回の提携で新たに、有料配信用の記事供給を始める。テレビ朝日は動画コンテンツを供給。コンテンツから得られる有料課金収入や広告収入は供給元がKDDIと分け合う。



トヨタ、世界販売2年連続減へ 09年計画1割弱減の700万台前半
 トヨタ自動車は2009年の世界販売計画(単体ベース)を700万台前半とする方針だ。世界景気減速で08年の販売は前年比5%減の800万台前後と10年ぶりの前年割れが確実だが、来年も厳しい環境が続くとみて、今年をさらに1割弱下回る計画を打ち出す。2年連続の販売減が収益を圧迫するのは必至で、生産体制見直しなど収益改善策が急務になる。
 09年の国内販売はほぼ横ばいの140万台半ばを見込むが、北米や欧州が一段と減少。全体ではピークの07年(843万台)を1割強下回り、05年(727万台)をやや上回る水準になりそうだ。同社の販売が2年連続マイナスになるのは1991―93年の3年連続減以来。



「環境車」の税優遇拡大 自民税調方針、新規購入時3段階で
 自民党税制調査会津島雄二会長)は10日、2009年度税制改正自動車重量税自動車取得税について、低公害車を対象に3年間の時限的な軽減措置を設ける方針を固めた。電気自動車やハイブリッド車などの低公害車を新車で購入した場合、環境性能に応じて50、75、100%の3段階で両税を軽減する。対象台数は200万台程度で、1台当たり平均10万円程度、軽減額は年2000億円強になる見通し。
 取得税について軽減措置を設けている現行の「グリーン税制」に重量税を加えて拡充する。グリーン税制は燃費や有害物質排出量などの基準に応じて取得税を軽減する仕組み。



民主、政権取ったら与党税調など廃止 「政府主導で決定」
 民主党税調は税制改革大綱で、政権奪取後の与党税調と政府税調(首相の諮問機関)の廃止を打ち出す方針だ。与党主導では業界団体などに配慮した不透明な論議になりかねないとし、決定過程を抜本的に改める。民主党は国会議員を副大臣政務官として政府に100人以上送り込む構想も示しており、新機関を置いて政府主導による税制改正を目指す。
 現在は自民党税調が税制改正を主導し、「インナー」と呼ばれる一部の幹部が実権を握っている。決定過程がわかりにくいとの批判があり、学者や地方自治体の首長らで構成する政府税調は存在がかすみがちだ。民主党は中長期的な税制改革の方向性を議論する有識者会議の設置も検討する。



SCE、プレイステーション向けの仮想空間サービス開始
 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は10日、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」向けに無料の仮想空間サービスを11日から始めると発表した。利用者はリアルなアバター(ネット上の分身)を動かして一緒にゲームで遊んだり会話したりできる。SCEはネットワークを活用してゲームの楽しみを深めることで、Wii(ウィー)など競合機種との差異化を図る狙い。



NTTとマイクロソフト、次世代ネットサービス共同開発へ
 NTTと米マイクロソフト(MS)は10日、通信網とソフトウエアを組み合わせた新サービスを共同開発すると発表した。NTTが3月に商用化した信頼性の高い次世代ネットワーク(NGN)を経由して、MSの各種ソフトを企業や個人に提供するサービスなどの事業化を目指す。
 NTT持ち株会社の主要子会社やMS、マイクロソフト日本法人でつくる検討チームを近く発足させる。NGNを経由してパソコンや携帯電話からMSのソフトをいつでもどこでも利用できるようにする考え。将来は海外でも事業を展開する方針だ。
 NTTは不正アクセス防止機能を高めたNGNを使い、通常のインターネット経由のソフト利用に慎重だった大企業や官公庁の需要を掘り起こす考え。今年5月には米業務用ソフト大手セールスフォース・ドットコムと提携するなど、海外のソフト大手との連携を強化している。



ソニー、米TV生産から撤退 ピッツバーグ工場閉鎖
 ソニーは10日、米ペンシルベニア州ピッツバーグにある液晶テレビ工場を閉鎖すると発表した。2009年2月末までに生産を停止して物流拠点に転換、10年3月末までに拠点自体を閉鎖する。従業員560人は解雇する方向で詰める。9日にエレクトロニクス事業の収益改善に向け、世界で5―6カ所の工場を閉鎖すると発表しており、その一環。ソニーはブラウン管時代から続けてきた米国でのテレビ生産から撤退する。
 ソニーは4日に磁気テープを生産している仏ダックス工場(ランド県)を09年3月末をメドに閉鎖すると表明。9日に包括的なリストラ策を発表した際、「海外2工場での生産を08年度内に終了する」としていたが、残る1工場がどこかは公表していなかった。
 ピッツバーグ工場は1990年にリアプロジェクション(背面投射型)テレビの生産拠点として設立。その後、ブラウン管テレビを素材から一貫生産する主力工場となったが、ブラウン管テレビなどの市場縮小に伴って液晶テレビの組み立て拠点に転換。北米市場向けに46型、52型の液晶テレビブラビア」を組み立ていた。



NYタイムズなど米新聞大手、財務改善へ負債圧縮急ぐ
 【ニューヨーク=小高航】米新聞大手のニューヨーク・タイムズとマクラッチーは9日、財務内容の改善へ向け負債の圧縮を進めると表明した。8日には同業のトリビューンが事実上、経営破綻した。ニューヨーク・タイムズも格付けが「投機的」水準になるなど財務内容が悪化しており、改善を急ぐ。
 ニューヨーク・タイムズのジャネット・ロビンソン最高経営責任者(CEO)は9日、ニューヨーク市内での講演で「米メディアは過渡期にある」と指摘。広告収入が激減する中、銀行団などと債務の圧縮などについて協議しているとした。
 同社は米格付け大手から先月、格付けを投機的水準に引き下げられ、資金調達環境が悪化している。8日には負債の返済原資として、昨年新設したばかりの本社ビル(ニューヨーク市)を担保に最大2億2500万ドル(約210億円)を借り入れると表明した。



広島女児殺害 拙速な審理が指弾された(12月11日付・読売社説)
 裁判の迅速化と真相究明とを両立させる難しさが浮き彫りになった。
 広島市で2005年11月、小学1年女児が殺害された事件のペルー人被告に対する控訴審で、広島高裁は、無期懲役とした1審判決を破棄し、広島地裁に審理のやり直しを命じた。「審理が尽くされていない」というのが理由である。
 被告は、いたずら目的で女児を絞殺し、遺体を空き地に遺棄したとして起訴された。
 1審は、来年5月に始まる裁判員制度を想定した審理の形式がとられた。
 初公判前に計8回、裁判官、検察官、弁護人が争点を絞り込むための公判前整理手続きが行われた。公判は、5日連続の集中審理などを経て結審し、51日にして判決が言い渡された。
 裁判員制度をめぐっては、審理のスピードアップを図るあまり、事実認定がなおざりにならないかといった懸念が示されている。
 高裁は、これを裏付けるように、1審の審理について、事実認定があいまいになったと批判した。司法関係者は、これを厳しく受け止めなければなるまい。
 高裁が、最も問題視したのは、犯行現場を特定しないまま、被告を無期懲役としたことだ。
 自室での犯行と認定できる捜査段階での被告の調書があるのに、裁判官が証拠採用しなかったことなどについて、「まことに不可解」と指摘した。場所特定は「犯情を判断する重要な事実」であり、解明すべきだと強調した。
 さらにペルーでの前歴資料を「判決に至っていない」として無視した点も、それが女児2人への性的犯罪であった以上、量刑判断で考慮すべき証拠だとした。
 死刑の適否を争う重大な事件である。高裁の判断は、妥当なものと言えるだろう。1審の事実認定は粗雑に過ぎたのではないか。
 そうなった原因として、公判前整理手続きにおける協議の詰めの甘さが挙げられる。
 この手続きは、裁判員制度導入にあたり、裁判員に争点をわかりやすくし、裁判の迅速化を図るために取り入れられたものだ。
 ただ、裁判官、検察官、弁護人による協議は、非公開で行われるため、手続きが適正かどうか、外部からチェック機能が働かないという批判がある。
 裁判の迅速化は必要としても、それによって審理が拙速に終わってはならない。1審判決の問題点を検証し、それを教訓として生かしていく必要がある。