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ゲームの世界に出現した「スター経済」とは <COLUMN>
 任天堂の「ニンテンドーDSi」用ソフト「うごくメモ帳」(うごメモ)は、パラパラ漫画のような動画を簡単に作成でき、投稿サイト「うごメモシアター」はいまや小学生版「ニコニコ動画」のようなにぎわいを見せている。ユーザーは気に入った動画に「スター」を贈ることができ、このスターを集めようと子どもも大人も熱中するのだが、今回は「スター経済」というキーワードで、そのメカニズムとコミュニティーサイトに与える影響をみていこう。
 先週のコラム「DSiうごメモ』の大人にはわからない魅力」では、うごメモの人気ぶりと、投稿された動画の総合ランキングを左右するスターの果たす役割について考えた。そのなかで、うごメモのスターはいくら獲得したところで実経済的にはまったく無意味だが、それに序列や損得の概念が入ってきたときに意味を感じてしまう人間の脳の“癖”があると書いた。「スター経済」とはそうした原理に基づく現象である。
任天堂出身の起業家が名付けた「スター経済
 しかし以前は、この概念を一般化して理解するためのキーワードがなかった。これをスター経済と名付けて論じたのが、エンタースフィア(東京都町田市)の岡本基社長だ。2月に行われたオンラインゲームのカンファレンス「OGC2009」の講演でのことである。
 岡本氏がスター経済の代表例として挙げたのは、ニコニコ動画の「マイリスト」数や、画像投稿SNS「pixiv」の1日1回投稿できるスターといったものだ。これらのコミュニティーサービスは、「mixi」など幅広いユーザーが集まる汎用SNSとは異なり、特定のジャンルに絞り込んだ「特化型SNS」とでも言うべきものだが、岡本氏は「SNSの皮をかぶったオンラインゲーム」であると考えている。
 岡本氏は、「はじめてのWii」のチーフディレクター、「WiiFit」のトレーニングディレクターなどを担当した任天堂出身のベンチャー起業家だ。UGC(User Generated Content)の持つ潜在的な可能性に目を付け、2008年春に独立してエンタースフィアを立ち上げた。
 果たして、岡本氏がどのようなサービスを仕掛けてくるのか期待していたところ、「fg(エフジー)」というフィギュアファン向けのSNSを08年11月にスタートさせた。プラモデルやフィギュアなどの写真を投稿して他のユーザーに紹介できる。
 さらに今年2月には「cg(シージー)」という、その名の通り3次元のコンピューターグラフィックスの作品を投稿できるサービスも始めた。登録ユーザーは、fgとcg合わせて1万5000人(3月上旬時点)を超えており、順調に拡大している。
 現在は、広告以外の収益モデルを作ることができていないものの、fgは将来的にはフィギュアを投稿するユーザーとそれをほしいと考えるユーザーをつなぐ取引のプラットホームにすることを検討している。またcgでは3Dプリンターに出力してリアル化することで取引を可能にする仕組みを考えているという。
 いってみれば、個人ユーザーが自分の創作物を表現する場であると同時に、リアルマネーで売買できる商取引の場でもある。しかし、ここで重要なのは、現時点では経済的メリットがないにもかかわらず、うごメモと同じようにスター経済を基盤とするユーザーの競争が始まっているという点だ。
■上位獲得競争という「ゲーム」がもたらす結果
 fgに投稿された画像には、単純に閲覧された回数を表示する「閲覧数」、各ユーザーが5点満点の評価で付けた「スター」を合計した「総合点」、ユーザーが自分のお気に入りリストに入れた総数を示す「マイリスト数」の3つの評価軸がある。それに一定の係数をかけて計算した結果(もちろん、どういう計算式であるのかは非公開で、随時変更される)により、「毎日ランキング」「週間ランキング」「月間ランキング」が決まっていく仕組みになっている。
 投稿するユーザーは、自分の作品をランキング上位に載せようと様々な努力をするようになる。このスター経済に基づく行動こそが、SNSをゲームとして機能させる大きな要因となるのである。
 しかし、この上位獲得競争というゲームは、コミュニティーを活性化させる原動力になる一方で、「ゲームで勝つ」という目的が肥大化していく側面も持つ。その結果、次のプロセスとして、「攻略法を探す」という競争が始まるようになる。
 例えば、すでに起きているブームに便乗して評価を獲得しようという動きが活発化する。今であれば「初音ミク」といったよく知られている素材に人気が集中している。二次創作はUGCの定番だが、fgでも多くのユーザーの関心を得るために二次創作が多用されるという傾向が現れている。
■コミュニティー発展の妨げにも
 投稿するユーザーは、自分のランキングに非常に敏感であり、運営に関する問い合わせにはこのランキングの算出方法を聞くものが多いという。また、攻略法やテクニックが発見され、それが知られるようになるとランキング上位が固定化していく。こうした不均衡が長く続くと、コミュニティーの発展を阻害する可能性がある。
■行き過ぎた行為に至る場合も
 スター経済が過熱すると、例えば、fgの場合、アカウントの取得はメールアドレスがあれば簡単にできる。そのため、大量にフリーメールのアドレスを取得して登録をし、自分の作品の評価を上げる行動をしていると考えられるユーザーも出てくるようになった。しかし、現在のインターネットの仕組みでは、サービスの運用側が本当に意図的な行為かどうかを確認しようがない。
 このカジュアルチートは、ニコッとタウンでも確認できる。プログラムで自動的に他のユーザーのページに「足あと」を残し、善意でお礼に来るユーザーを利用してステキ度や仮想通貨を手っ取り早く増やすやり方だ。これも事実関係の認定が難しい。ただ、ステキ度や仮想通貨は、他のユーザーと交換できないため、コミュニティー全体にとっては無害なものにとどまっている。
 どんなシステムであれ、必ずユーザーは攻略法や裏技を様々な方法で探すという例である。
スター経済が示す「ゲームの原点」
 岡本氏は、このスター経済の発生により、ゲーム性の本質に戻った部分もあると指摘する。サービスが今後どう変わっていくのか、サービス提供側にもユーザー側にも完全にはわからない「不確実性」が存在していること自体が、ゲームのおもしろさの一部だった時期がかつてあったからだ。
 「スペースインベーダー」(1978年)が出たまだ初期のころ、遊ぶ人たちはどうすれば攻略できるのかイメージできず、また時々出現するUFOの謎のスコアパターンに熱中した。数百点、数千点のスコアを獲得し、他のプレーヤーよりも上位になったことが単に楽しかった。
 しかし、その後ゲームが発展し複雑になるにつれて、何点というスコアの意味は相対的に薄れ、ゲーム中のスコアはインフレを起こしていく。10万点、100万点を超えるようになると、もはやスコアは価値を失った。その結果、ゲームは高度なグラフィックスや、壮大なストーリーといった重厚長大型による刺激に発展していくしかなくなったのではないかと、岡本氏は考えている。
 スター経済の台頭は、もっと単純なレベルでも、数値の変化を通じて十分にゲーム性を楽しめる余地があることの証明でもある。これは、新しいゲームジャンルが登場していると言ってもいい現象であろう。



WBC、日本が準決勝へ キューバに5―0で快勝
 【サンディエゴ(米カリフォルニア州)=篠山正幸】ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンド1組敗者復活2回戦、日本―キューバは18日、当地のペトコパークで行われ、日本が5―0で快勝し、準決勝進出を決めた。
 日本は4回、2死2、3塁で小笠原(巨人)の中堅への飛球が落球を誘い、2走者がかえって2点を先制。5、7、9回と1点ずつを加えた。先発の岩隈(楽天)が6回を無失点、7回以降は杉内(ソフトバンク)が締めくくった。



政府、ベトナム原子力協定交渉 25日から、10年の合意目指す
 【ハノイ=岩本陽一】ベトナム政府は25日、首都ハノイで日本政府と原子力協力協定の締結交渉を始める。原発建設計画の加速で電力需要増大に備えたいベトナム側と、新興国に進出する日本企業を支援したい日本側の思惑が一致した。2010年の合意を目指す。早期の協定締結は、総額1兆円規模とみられる大型事業の受注を目指す東芝三菱重工業など日本勢にとって追い風となる可能性がある。
 原子力協定は原発の建設工事を受発注する際に必要な取り決め。日越協定には原発関連部品などの軍事転用や第三国への流出を防ぐ項目が盛り込まれる見通し。協定締結には日本企業が原発部品や燃料などを輸出する際の手続きを簡素化する狙いもある。日本は既に米英など7カ国・地域と協定を締結、今後は韓国とも交渉を開始する予定だ。ベトナムは米仏と交渉中。



円、大幅続伸 一時95円台半ば 米長期金利低下で円買い優勢
 19日の東京外国為替市場で、円相場は大幅に続伸。17時時点では1ドル=95円53―56銭前後と、前日の同時点と比べ3円01銭の円高・ドル安水準だった。午後に95円27銭程度まで上昇し、2月24日以来ほぼ3週間ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が18日に長期国債の買い入れを決定し、米長期金利が低下したことで円買い・ドル売りが優勢になった。



米新聞業界の規制緩和に含み ホルダー司法長官
 【ワシントン=共同】ホルダー米司法長官は18日、景気後退で苦境に立たされている米新聞業界について「健全な新聞産業を維持していくことが重要だ」と述べ、米新聞業界に対する現行の競争政策を見直す可能性に含みを持たせた。
 米独占禁止法(反トラスト法)は公正な競争を阻害する独占や寡占を防ぐため、新聞社によるオンラインメディアの買収などには一定の規制を科している。しかし、部数減少や広告費の落ち込みに対応するため、インターネット部門を充実させるなどして生き残りを図る新聞社などから、司法省に規制緩和を求める声が出ていた。
 長官は廃刊に追い込まれたり、事業を縮小する新聞社が相次いでいる現状を踏まえ「これから20年、30年、40年たっても、米国民はなお新聞を読んでいると思いたい」と述べた。



百貨店売上高、約11年ぶりの2ケタ減 2月11.5%減
 日本百貨店協会が19日発表した2月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比11.5%減の4695億円だった。12カ月連続の前年割れ。2ケタ減は1998年3月以来約11年ぶり。うるう年だった昨年に比べ1日営業日が少なかったほか、冬物衣料や高額品が引き続き不振だった。



ビックカメラ、郊外進出 ベスト電器の不振店を転換
 家電量販店5位のビックカメラは、グループ会社で同7位のベスト電器の不振店を「ビックカメラ」に切り替えることで郊外へ進出する。転換店は高率のポイント還元による実質値引きの拡大や品ぞろえ強化で立て直す。ビックは都心部の主要駅前が地盤で郊外出店は初めて。首位のヤマダ電機が都心出店を強めるなか、売上高単純合算で2位のビック・ベスト連合は郊外をテコ入れする。
 両社は4月にもベストが90%、ビックが10%出資する新会社を設立。新会社がビックとフランチャイズチェーン(FC)契約を結び、ベストの一部店舗を「ビックカメラ」に切り替える。2009年度にまず数店で始め、業績が良ければ約220店あるベストの他の郊外店にも広げる。