(Д)゜゜!!新聞

ICT関連の景気対策を策定へ
 総務省は17日、ICT(情報通信技術)分野での雇用創出などを目指した「デジタル日本創生プロジェクト(ICT鳩山プラン)」の骨子を取りまとめた。平成21年度から3年間に取り組むべき9つの重点項目を打ち出し、アナログ放送終了後に空白となる電波帯域を利用した新産業の創出のほか、ICT技術による地域活性化などを盛り込んだ。
 同省では近くこの骨子を政府の経済財政諮問会議に提出する。政府・与党は21年度予算が成立後、ただちに補正予算の編成に着手する方針であり、5月にもまとまる補正予算案にこうした事業費を盛り込むよう働きかける。
 今回の日本創生プロジェクトを実現することで、同省では27年をめどにICT産業で最大100兆円の新市場を創出し、市場規模を18年時点の約95兆円から倍増させる計画だ。
 重点項目の中では23年度にアナログ放送が終了した段階で発生する電波の空白域を使った新たな無線通信網の整備などに加え、中央官庁の情報システムを統合する「霞が関クラウド」の構築などが対象となる。こうしたプロジェクトを通じて新市場を創出し、23年度までの3年間で30万〜40万人の雇用創出につなげたい考えだ。
 一方、自民党の国際競争力調査会(尾身幸次会長)も17日、中間提言をまとめた。学校など公共施設のテレビの完全デジタル化や過疎地域への光ファイバー網の整備などICT分野のほか、交通インフラ整備など、14兆7000億円の財政出動を求め、同日開催された自民党日本経済再生戦略会議町村信孝会長)に提言した。
 政府・与党としてICTを活用した経済対策を打ち出すことで国民にアピールする狙いだが、どこまで具体化できるかには不透明な要素も残っている。



太陽光発電>20年に10兆円産業に 経産省試算
 経済産業省は17日、日本企業による国内外での太陽電池の販売拡大などにより、2020年の太陽光発電の産業規模が現在の10倍の最大10兆円になるとの試算を明らかにした。雇用規模も1.2万人から11万人への拡大を見込む。同省は、太陽光発電を日本経済の成長を後押しする新たな成長分野と位置づけ、普及拡大や技術開発を積極的に推進する。
 経産省は国内で家庭の太陽光発電の導入量を20年に現状の10倍、30年には40倍に拡大する目標を掲げている。太陽光発電システムの導入費用を3〜5年の間に現在の半額に低減させることを目指し、国内普及と共に海外での販売を大幅に伸ばす方針だ。
 太陽光発電の主要部品である太陽電池は、07年に日本がシェア約25%とトップを維持している。だが、世界的な競争激化を背景に、05年の約50%から大幅に縮小。経産省は、20年の日本のシェアを約33%まで引き上げることを前提にしている。雇用規模はパネルの製造や販売、取り付け工事にかかわる雇用の創出効果を算定した。
 太陽光発電システムは、多様な原料や関連機器が必要とされ、住宅や建材メーカーも含め産業のすそ野が広いのが特徴。



日銀、大手銀や地銀の資本増強に1兆円 劣後ローンで資金
 日銀は17日、政策委員会の通常会合を開き、銀行の資本増強を支援するために劣後ローンによる資金供与を検討することを決めた。国際業務を展開している大手銀行などを対象に、総額1兆円を貸し付ける。白川方明総裁は同日夜に記者会見し、株安が進むと「金融機関が自己資本の状況を踏まえ、貸し出しを抑制する」懸念があると説明。政府の公的資金注入を補完する枠組みを用意して銀行の自己資本の底上げを後押しし、金融システムの安定と景気の下支えを目指す。
 白川総裁は会見で最近の株安などを踏まえ、「有価証券の損失や信用コストが増大するなど金融機関の経営全般に悪影響が及んできている」と危機感を表明した。日銀は決算発表が集中する5月に向けて、企業収益の悪化などを背景に株安が進むと、銀行が自己資本比率の低下を懸念して貸し渋り姿勢を強めかねないと警戒している。



ロシア、失業増・インフレ同時進行 金融危機、生活を直撃
 【モスクワ=金子夏樹】ロシアで金融危機の影響が市民生活を直撃し始めた。企業の人員削減が相次ぎ、登録失業者数は半年間で約100万人も増加。実際の失業者数は約600万人に達したもようで、過去10年で最悪の水準にある。インフレ率も2月は年率換算で約14%に上昇。景気悪化と物価上昇が同時進行するスタグフレーションの様相を見せ始めたことで、高い支持率を維持してきた政権への不満が表面化している。
 メドベージェフ大統領は15日、「実質的な失業者は現在600万人に達した」と述べた。ゴリコワ保健社会発展相によると、2月25日現在の登録失業者数は197万人(失業率2.6%)と昨年8月より約100万人増加。失業者増に登録が追いついていないのが実態のようだ。



日本はマイナス5%成長 IMFが下方修正
 国際通貨基金IMF)当局者は17日、近く発表する世界経済見通しの改訂版で、日本の2009年の実質成長率を前年比5%減と予測、1月末の予測(2・6%減)から大幅に下方修正することを明らかにした。
 世界全体は0・6%減、米国は2・6%減、ユーロ圏は3・2%減にいずれも下方修正する。
 ストロスカーンIMF専務理事の顧問がリスボンでの会議で発言した内容として、ロイター通信が伝えた。
 IMFは1月末に、世界経済は今年、第二次大戦後で最悪水準の0・5%成長になると予測。米国は1・6%減、ユーロ圏は2・0%減と厳しい見通しを示したばかりだった。



電機、定昇で対応二分 シャープ・東芝凍結、パナソニック実施
 シャープとOKI(沖電気工業)は4月に予定していた組合員の定期昇給の実施を一時凍結する方針だ。両社は定昇そのものは維持するが、コスト削減に向けた緊急対策として実施を先送りする。すでに東芝も定昇凍結の方針を固めており、半年を軸に期間を調整する。これに対しパナソニック三菱電機は予定通りに4月から定昇を実施する考えで、電機大手の間で対応が分かれる。
 電機各社は18日、定昇の維持と賃金改善の見送りを一斉に回答する。その後、春季交渉と切り離して定昇の一時凍結を労組に申し入れる。



ヤフー、経済ニュースを強化 「プレジデント」も配信
 ヤフーはポータル(玄関)サイトで配信する経済ニュースのコンテンツを拡充する。今月4日に雑誌「週刊東洋経済」の記事配信を開始したのに続き、18日には雑誌「プレジデント」の配信も始める。昨年秋以降の世界同時不況を受け、経済ニュースの閲覧数が増加していることから、経済誌の配信を手厚くして閲覧者拡大を狙う。
 「ヤフー!ニュース」の雑誌コーナーで、経済誌の中で関心の高そうな記事を選択して掲載する。昨年9月からは「ダイヤモンド」の記事を配信している。



後期高齢者医療制度見直し 年齢区分や財源で方向示せず
 後期高齢者医療制度の見直しを議論してきた舛添要一厚生労働相直属の「高齢者医療制度に関する検討会」(塩川正十郎座長)は17日、「高齢者医療制度の見直しに関する議論の整理」と題する報告書をまとめた。「後期」という言葉が高齢者に不評だった名称は「速やかに見直すことが必要」と明記。一方、年齢区分や財源については複数案を示して方向性を出さず、論点整理にとどめた。
 75歳以上の高齢者が対象の後期高齢者医療制度は昨年4月に開始した。周知不足もあって混乱が生じ批判が相次いだたため、舛添厚労相は昨年9月に有識者を集めた検討会を設置。議論を重ねてきた。



モデルハウス削減しコスト抑制 積水ハウス旭化成ホームズ
 大手住宅メーカー各社は全国のモデルハウスの数を削減する。積水ハウス旭化成ホームズは約1割、三井ホームも約5%減らす方針だ。住宅需要の低迷で各社は収益改善を迫られており、主力モデルなどに展示を絞り込み、コスト削減につなげる。
 積水ハウスは約500棟のモデルハウスを2010年春までに約50棟減らす。同社の都心部のモデルハウス維持費は土地賃料や光熱費など年間で1棟当たり約3000万円かかるため、年15億円程度のコスト削減を見込む。



凸版がファッションショー 関連雑誌など販売
 凸版印刷はファッションショー事業に参入する。日本メイクアップ技術検定協会(JMA、東京・港)やタレント事務所などと製作委員会を発足、9月に都内で人気モデルの出演するショーを開く。関連雑誌やDVDを販売するほか、ショーに登場した小物や洋服を携帯電話サイトを通じて販売する。初年度5億円、2011年度に30億円の売上高を目指す。
 ファッションショー「原宿スタイルコレクション」は9月12日に開催。24社前後のブランドが参加し、約30人のモデルが出演する。入場料金は3000円から。



【産経主張】日テレ社長辞任 説明不足では不信消えぬ
 日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」が虚偽証言に基づいて岐阜県が裏金づくりをしていると報じた問題で、同社の久保伸太郎社長が引責辞任した。
 同番組は昨年11月、元会社役員の証言を報道した。しかし、元役員はのちに証言を翻し、岐阜県の告訴を受けて同県警に偽計業務妨害容疑で逮捕された。
 入手した情報の裏付け取材を徹底して行うというのは、報道に携わる者の最も基本的、かつ重要なルールだ。ここがおろそかになると読者や視聴者の信頼を失い、報道全体の危機に直結する。
 にもかかわらず、番組スタッフはこの報道の大原則を守らなかった。社長辞任という事実の重さを日テレ社員は深刻に受け止めなければならない。
 それにしても、近年テレビでこの種の問題が相次いでいる。
 平成19年に関西テレビの情報番組でデータ捏造(ねつぞう)が発覚した。続いて、TBSの情報番組で不二家が賞味期限切れチョコを再利用していたとの内部告発を十分に検証せずに放送した。その後もニュース番組での過剰演出などが立て続けに表面化している。
 背景に、激しい視聴率競争や下請け制作会社への放送局の圧力などがあるのは確かだろう。しかし、問題が続くのは、放送人にテレビの影響力の大きさや、報道にかかわっていることに対する意識が希薄だからではないか。
 その意味では、スタッフが虚偽証言を見抜けなかった原因についての久保氏の説明も不十分だ。社長辞任を含めた社内処分、謝罪や訂正放送にとどまらず、誤報の原因を突き止め、その経緯を公表するまでは、報道機関の責任を果たしたとはいえまい。
 さらに、今回、日テレは視聴者の不信を増幅する行動をとった。社長辞任会見への出席記者を1社1人に制限し、写真撮影を禁止したのである。閉め出されたカメラマンらの激しい抗議を受け、結局、入室できなかった記者やカメラマン向けに改めて会見した。
 久保氏は「冷静な雰囲気の中でご意見をもらいたかった」と釈明したが、報道機関が報道される側に回ったとたんに、取材を規制するというのでは国民の理解は得られない。こうした姿勢もまた、メディアの自殺行為であろう。自戒を込めつつ報道の責務を果たしていきたい。