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ドコモ、端末開発費を支援 NEC富士通など4社に、09年総額150億円
 NTTドコモは23日、業績が悪化している携帯電話機メーカーの支援に乗り出す方針を決めた。メーカーが全額負担している新機種の開発費の一部を負担。2009年中に150億円前後の支出を見込む。販売方式の変更に景気悪化が追い打ちをかけ、国内の携帯出荷台数は急減している。販売手数料の減少などで増益を見込むドコモは、需要低迷で疲弊するメーカーを下支えすることで競争力を維持する狙いだ。
 対象となるのは、ドコモ向け端末を開発するNEC、富士通パナソニックモバイルコミュニケーションズ、シャープの4社。今夏にドコモが発売する新機種に盛り込む新機能や新サービスの開発費として、総額約100億円を支出する。端末の販売動向をにらみながら、来年以降も継続するか検討する。



一般企業に公的資金、政府が注入制度 経済安定へ安全網
 政府は23日、銀行だけでなく、一般企業にも公的資金を使って資本注入する制度を創設する方針を固めた。世界同時不況による一時的な業績不振で赤字に陥った企業などを国が信用補完し、再生を促す狙い。2008年度中に数千億円規模の枠を確保する。与党内には保険会社や証券会社も対象に含めるべきだとの議論があり、09年度を含め注入規模は最大で数兆円に達する可能性がある。米欧に続き、日本でも公的資金を活用した安全網を大幅に拡充し、経済の安定化につなげる。
 政府は日本政策投資銀行を通じ、企業に資金を資本注入する。元手となる資金は政府系金融機関の日本政策金融公庫(日本公庫)が政府から借り入れたり、政府保証を受けて市場から調達したりする。これまで銀行や信用金庫などに公的資金を資本注入する仕組みはあったが、一般企業にはなかった。



自動車国内生産、4割減 1―3月、トヨタなど8社見通し
 トヨタ自動車など乗用車8社の今年1―3月の国内生産台数は170万台前後にとどまり、前年同期を4割強下回る見通しになった。トヨタの2、3月の生産台数は前年のほぼ半分と、石油危機に見舞われた1970年代前半の水準に落ち込む。日産自動車やホンダも3―4割の減産に踏み込む。内外の新車需要急減に対応した大幅減産が部品や素材、工作機械など周辺産業に打撃を与え、雇用調整圧力が一段と強まる公算が大きい。
 年度末商戦を控える1―3月は例年、生産が高水準となり大幅減産は異例。減少幅の130万台は過去最大とみられる。販売動向次第で減少幅が広がる可能性がある。



DRAM世界5位の独キマンダが経営破綻 価格下落で痛手
 【フランクフルト=後藤未知夫】代表的な半導体モリーであるDRAMで世界5位の独キマンダは23日、ミュンヘンの裁判所に破産手続きを申請して経営破綻した。世界同時不況に伴うDRAM価格下落で業績が悪化する同社に対しては昨年末に公的支援の枠組みが固まったものの、市場が冷え込むなかで資金繰りが一段と悪化した。欧州を代表するDRAM大手の破綻は半導体産業の経営環境の厳しさを浮き彫りにした形だ。
 キマンダは独シーメンスが分離した半導体会社の独インフィニオンテクノロジーズのメモリー部門が2006年に子会社として独立。昨年6月にはDRAMで世界3位の日本のエルピーダメモリと次世代品の技術・開発などで提携した。
 昨年12月には工場が立地する独ザクセン州ポルトガル政府などによる3億2500万ユーロ(約375億円)の融資支援と、独連邦・州政府による信用保証に合意したと発表していた。だが支援の詳細が決まる前に資金繰りがつかなくなったという。近く管財人が事業継続の可否などを判断することになる。



次世代携帯電話、4社参入を容認 総務省が正式発表
 総務省は23日、2010年以降に商用化される次世代携帯電話について、利用周波数の割り当て方針案を正式発表した。NTTドコモやソフトバンクモバイルなど携帯電話各社がサービス開始に名乗りを上げている現状に配慮。2、3社に限るとしてきた当初の計画を修正し、4社の参入を認める。6月に事業者を決定する。
 次世代携帯電話は「3.9世代携帯」とも呼ばれ、光ファイバー回線並みの移動通信環境を整えるのが狙い。総務省は利用周波数について、1.5ギガ(ギガは10億)ヘルツ帯に加え、当初想定していなかった1.7ギガヘルツ帯を開放、次世代携帯向けに割り当てる。今回の方針案で、電波の争奪戦は終局に向かう。



アサヒ、青島ビールに19.99%出資 中国事業拡大へ
 アサヒビールは23日、中国ビール2位の青島(チンタオ)ビールに19.99%出資すると発表した。青島ビール株の27%を持つビール世界最大手、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)から、593億円で取得する。日本のビール市場は縮小を続けており、世界最大のビール市場である中国での事業拡大をめざす。
 アサヒは中国当局の許認可を得て、3月中をメドに株式を取得。青島ビール株の30.7%を握る青島 酒集団公司に次ぐ第2位株主となる。役員を派遣するかどうかは未定。青島ビールの営業網を活用し中国で「スーパードライ」などの販売を拡大。原料の共同調達も検討する。アサヒと青島ビールは中国・山東省などでビールの合弁会社を持っており、生産・販売の強化にも取り組む。
 青島ビールの2007年12月期の売上高は約1740億円。ビール生産量は約500万キロリットルで、日本のビール生産全体の約8割に匹敵する。



アニメ制作会社4割「超低制作費押しつけられた」公取調査
 公正取引委員会が全国のアニメ制作会社114社にアンケートした結果、4割以上が、発注元から著しく低い制作費を押しつけられた経験があると回答したことがわかった。
 公取委は、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)や下請法違反に当たる可能性もあるとして、発注元にあたるテレビ局や広告会社など48の企業・団体からヒアリングを実施し、制作費などの透明化に努めるよう要請した。
 アニメ産業は小規模な制作会社が多く、問題が発覚しにくいことから、公取委は今回初めて制作会社533社にアンケートを行い、114社から回答を得た。



英、景気後退期入り 10-12月実質GDP、1.5%減
 【ロンドン=吉田ありさ】英政府が23日発表した2008年10―12月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、前期比1.5%減少した。昨秋に深刻化した金融危機で急激に景気が落ち込み、1980年4―6月期以来の大幅マイナスとなった。7―9月期(0.6%減)に続く2期連続のマイナス成長で英国は景気後退局面に入った。外国為替市場では英ポンドが急落、対円で一時1ポンド=118円85銭と過去最安値を更新した。
 国内の失業増や住宅価格下落に伴う消費減退に、世界的な景気失速による輸出需要の減少が重なり、サービス業(1.0%減)から製造業(4.6%減)、建設業(1.1%減)まで軒並み大幅に落ち込んだ。



ゆうパック」と「ペリカン便」、10月から新ブランドに
 宅配便事業の統合を決めている日本郵政グループの郵便事業会社と日本通運は23日、10月から新しいブランドで営業を始めると発表した。長年親しまれてきた「ゆうパック」「ペリカン便」の両ブランドは姿を消す。新ブランドは5月末をメドに発表する。
 2007年10月に宅配便事業の統合を決めた両社は新ブランドについて協議を重ねてきた。一時は郵便会社の「ゆうパック」への統一に傾いたが、日通側の社員の士気を保つため、第3のブランドを探すことにした。「利用者に浸透しているブランドを捨てるのは得策でない」との声もあったが退けられた。
 「ペリカン便」は1977年、「ゆうパック」は87年に誕生。知名度は高いが、近年は利用が低迷している。07年度のシェアは日通が10.7%、郵便会社が8.3%。ヤマト運輸と佐川急便の2強に大きく水を開けられていた。



日産、14年ぶり営業赤字 今期1000億円超、販売不振・円高響く
 日産自動車の2009年3月期連結決算は、本業のもうけを表す営業損益が1000億円超の赤字(前期は7908億円の黒字)になる公算が大きい。営業赤字転落は1995年3月期以来、14年ぶり。世界的な販売不振や円高が収益を圧迫する。既にトヨタ自動車が通期赤字見通しを公表しており、世界的な景気悪化の直撃を受け自動車大手の赤字転落が相次ぐ。
 カルロス・ゴーン社長が最高執行責任者(COO)に就任した99年6月以降では初の営業赤字となる。1―3月期の販売動向次第では赤字額が2000億円程度まで膨らむ可能性も残る。



ドコモの4-12月期、営業益2割増 端末販売手数料減る
 NTTドコモの2008年4―12月期の連結営業利益(米国会計基準)は7000億円台後半と、前年同期を約2割上回ったようだ。携帯電話の販売が大幅に落ち込んだ結果、販売代理店に支払う手数料などの営業費用が減ったことが大きい。
 携帯電話機の販売台数が減ると端末メーカーの業績は悪化する半面、ドコモのような通信会社は販売代理店手数料の減少という形で利益が増える。買い替え需要の低迷に加え、割賦販売比率の高まりによる端末の販売単価上昇が、支払手数料の減少につながっている。



日経社説 「消費税を増税できる経済」への道筋示せ(1/24)
 政府は税制改正関連法案を23日に閣議決定し、その付則で「消費税を含む税制の抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講ずる」とうたうとともに、増税の実施日について別の法律で定める方針を明記した。11年度の増税を想定していた政府の当初案に対し「先送り」の余地を持たせることで、政府・自民党内の混乱を収拾した。
 財政の厳しい現状や高齢化で社会保障支出が増えることを考えれば消費税率は早めに引き上げるのが望ましい。だが経済の不振が続くときに増税できるわけがない。実施時期に弾力性を持たせたのは当然だ。
 しかし政局絡み、総選挙にらみの今回の「消費税騒動」は、大事な問題を素通りした。
 まず、付則では増税の前提として「経済状況の好転」をあげているが、では経済を好転させるための短期的および中長期的な政策は何なのかを現内閣はまだ示していない。
 麻生政権は今春をメドに、日本が目指す経済社会とその実現のためのシナリオを作るという。福田前内閣の最後に閣議決定した「新経済成長戦略改訂版」をもとに低炭素社会の構築、医療・介護、農業などについて目標や具体策を検討中だ。
 今の不況から脱出するには積極財政も必要だが、どの分野をどう育てるかの青写真がなければバラマキに終わる。その意味でも、このシナリオ作りを急ぐ必要がある。
 だが、これまで内閣ができるたびにつくった成長戦略は政治的に難しい部分に手をつけず実効性の乏しいものに終わった。各省庁の案をもとにするやり方では当然だ。成長戦略は各省の予算獲得の手段に使われているのが実態。今回も各省庁案の寄せ集め方式では同じことになる。
 例えば、低炭素社会の構築なら、カギとなる排出量取引制度の具体策、農業活性化であれば参入を自由にする農地法の改正など重要課題に正面から切り込まないと意味がない。潜在成長力を高めて設備投資を誘発するようなパワーのある成長戦略をぜひつくり、実行してほしい。
 また消費税を増税した場合に増税分を社会保障にどのように活用するかの議論が全く進んでいない。年金にせよ、医療・介護にせよ、今の不公平で非効率な仕組みを前提にして消費税で不足分を補う発想では、増税に理解を得られないだろう。
 行財政改革を含め、増税の前提となる問題に本気で取り組まなければ消費税増税は11年度であれ、15年度であれ、そう簡単ではない。