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日本のネット産業は元気を取り戻すか 開拓者・革命児…経営者が語る(COLUMN)
 日本のインターネット業界から明るい話題が減っている。2008年はけん引役だったミクシィディー・エヌ・エーの成長に陰りが見えはじめ、磐石と思われたヤフーや楽天も世界的な景気悪化で経費削減に軸足を移した。話題となったのはiPhoneやグーグル・ストリートビューなど米国発の製品やサービスの上陸ばかり。きたる2009年に日本のインターネット企業は元気を取り戻せるのか。
■好調企業にも減速感
 2008年は「勝ち組」とされたネット企業の成長に減速感が見られた1年だった。SNS「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーは10月に2009年3月期の業績見通しを下方修正した。利益率の高いアバター(サイト内で使用するキャラクター)の販売が頭打ちとなり、「下げ止まったとはいえない」(南波智子社長)ためだ。
 本業が好調な企業にも危機感は広がっている。ヤフーは、広告は好調だが景気後退により求人情報などの企業向けサービスが失速。井上雅博社長は「経費の削減を継続し、経営の効率化を目指す」と話す。楽天は11月の決算発表時に説明資料をA3用紙の裏表に小さめの表示でぎっちりと書き込んだ。三木谷浩史社長が提唱する「ケチケチ作戦」の一環だ。「楽天市場はまだまだ利益率を上げられる」と三木谷社長は話すが、放っておいても市場の伸びにあわせて収益が拡大する状況ではなくなった裏返しでもある。
 米国発の金融危機は世界同時不況へと波及し、市場は混乱が続く。インターネット企業はこれまで市場規模が拡大基調にあり、景気との連動性が低いとされたが、株価はさえない。ディー・エヌ・エーミクシィの株価は年初来高値に対して半分以下の水準に落ち込む。比較的堅調なヤフーでさえも3割以上安い。ネットベンチャーが多く上場する新興市場は株価低迷が続き、東証マザーズ指数、ヘラクレス指数とも算出来安値圏で推移する。
 東証一部なども合わせた新規上場は49社と昨年から6割減少。上場のハードルが低い新興市場での資金調達をテコに高成長を持続するモデルは機能不全に陥ったままだ。
■日本のネット産業は枯れた?
 ネット企業の進化が頭打ちなのか、それとも起業家を育てる環境に問題があるのか。1990年代末にネット起業家の交流活動「ビットバレー」を西川潔氏とともに仕掛け、創業間もないミクシィに出資した小池聡ngiグループ社長は「日本のネット産業は枯れてしまった」と苦笑する。「検索エンジンブラウザーが重要なインターネットの世界ではだいたいやりつくしてしまった感がある。ベンチャー投資をしているが、『おおっ』というようなビジネスプランに出会うことは減っている」
 起業意欲を持つ人材もここにきて減ってきた気がするという。「以前は、大手商社で通らなかった思い入れのある企画を独立して始めたいという人がいたものだが、最近は見られなくなった。金融危機で安定志向が出ているかもしれない」と語る。
 ただ、小池氏は悲観はしていないともいう。引き合いに出すのは12月17日に上場したグリーだ。市場環境が厳しいなかでの上場だったが、初値は公募価格を5割上回り、時価総額は1000億円を超えた。グリーの田中良和社長は「ゲームなどは低価格のエンターテインメントで不況に強い。SNSはまだ伸びしろがある」と上場会見で強気の姿勢を見せた。
 田中社長はかつてngiの前身であるネットエイジでアルバイトをしていたことがある。そのころからの付き合いとなる小池氏は、「ネットに限らず、起業家は試行錯誤を繰り返して経験を積む。それで成功する可能性が高まる。あとは成功にたどり着くまでに時間がかかるかどうかだ。確かに深刻な状況だが、この嵐が過ぎれば後は楽になる一方。ベンチャーにはチャンスになる」とみる。
■かつての「革命児」はどうみるか
 ITバブル崩壊、新興市場ブームとその後の低迷、そしてWeb2.0ブームと金融バブル崩壊。ネット企業はこれまでも山谷をいくつも経験してきたが、「100年に1度」といわれる今回の危機も乗り越えて成長と進化を続けられるのか。
 新興市場低迷の始まりとなった2006年の「ライブドア事件」で、一審に続き今年7月の二審でも懲役2年6カ月の実刑判決を受け上告中の堀江貴文ライブドア元社長。ネット業界にとってはすでの過去の人となったが、上昇と転落を経験したかつての「革命児」の目に今の風景はどう映っているのだろう。
■業界全体がスピードダウンした
 12月初旬都内で会った堀江氏は、サブプライムローン問題に端を発した市場の混乱については、「バブルの崩壊と生成って何回も繰り返してきたこと。循環でしょう。バブルって別に悪いことではないし、『景気がいい』と『バブル』はほぼ同義語といっていいくらい」と、以前と変わらぬ口ぶりだった。
 ライブドアニッポン放送敵対的買収を仕掛けた当時、資金面で力を貸したリーマン・ブラザーズをはじめ、金融バブルを演出した多くのプレーヤーがすでに市場から姿を消した。しかし、「資金が余ればカネは行き先を求める。投資銀行はいずれ復活するでしょう。すでに割安な株を買い始めているかもしれない」とも語った。
 では、日本のネット業界は以前と今でどこか変わってきただろうか。「僕がライブドア社長をやっていた頃は業界全体がすごく焦っていたと思う。社内でも『早くやれ早くやれ』って言っていたし、ものすごい先行投資をしていた。僕がネット業界全体をせかしていたかもしれない。いなくなって、みんなラクになったんじゃないかな。ライブドアの事件で日本のネット業界はスピードダウンしたと思う」
 堀江氏は今年8月に友人である藤田晋氏が社長のサイバーエージェントでブログを再開した。そして社長時代にブログを書いていたライブドアのサービスも使ってみて、気がついたという。「インターフェースが何も変わってないし、機能も追加されていない。自分が社長だったら『これじゃダメだ』って言ったと思う。あれから何やってたんだろうなあ」
■開拓の余地はまだまだある
 2008年に海外では、2月にマイクロソフトが米ヤフーに買収を提案。グーグルはヤフーとの提携を検討したほか、秋にはブラウザーソフトの配布をするなど、着々と「クラウド・コンピューティング」の世界へと布石を打った。ブレーキを踏むことが敗北と同義のような米国に比べて、日本のネット企業はスピードの点でますます引き離されている。
 必要なのは起業家精神とスピード感。語りつくされた言葉だが、しばらく続いた好況と突然襲いかかった経済危機のなかで、いま一度、胸に刻む必要があるのかもしれない。
 ngiの小池氏は、「枯れた日本」でも開拓の余地はまだあるという。「モバイルはまだ、やれることがたくさんある。パソコンでできて携帯電話でできないことはたくさんあるでしょう。シニア層もまだネットを使いこなせていない」
 小池氏自身は次のネット事業の大きな流れとして「3Dによる仮想世界」に注目し、ngiでは関連ビジネスに積極的に資金を投じている。「インテル半導体をたくさん売りたい。IBMはたくさんのサーバーを使わせたい。追い風は来るはず」と読む。
 仮想世界もセカンドライフにより広がった米国発のサービスだが、「図書館に行ってパラパラ本をめくったり、マンションのモデルルームに家具や家電製品を並べて日当たりまで確認したりと、セカンドライフよりずっと利便性を感じられるものになる」と予想する。ただ、と付け加えた。「普及には時間がかかる」

 野村総合研究所が12月中旬に発表した中期予測によると、消費者向けの電子商取引(EC)やネット広告、音楽配信などを含む国内ネットビジネス市場は2008年度の約9兆1000億円から2013年度には約16兆円へと約2倍近く拡大するという。特に伸びが大きいのがモバイル向けのEC市場で、ネット広告も伸び率は鈍化するが成長を続けるという。
 景気が後退しているとはいえ、米国発のサービスや製品が日本への上陸を続けるのは、日本のネットユーザーが新しいサービスに対して貪欲で、潜在的な市場が大きいと見ているためだ。世界で勝負できる企業が少ないといわれ続けてきた日本のネット企業。このまま挑戦し続ける意欲さえも失ってしまえば、世界進出はおろか海外の企業に残された市場を奪われてしまう。2009年は次の成長に向けた種をどれだけまけるかが勝負になる。



トップ10に新機種が7モデル 携帯電話の販売台数ランキング
 国内家電量販店の販売実績をまとめた「日経BP・GfK ランキング」では、携帯電話機の製品別販売台数ランキングが一変した。過去7回(28週)連続トップだった「FOMA P906i」が7位に落ち、1位〜6位と8位の7モデルが新機種になった。
 NTTドコモの高機能機種のシリーズ「docomo PRIME」からは1位の「F-01A」、4位の「P-01A」、5位の「SH-01A」、6位の「N-01A」と4モデルがランクイン。人気の高さがうかがえる。また、NTTドコモのスタンダードなシリーズ「docomo STYLE」からは「N-02A」が2位に入った。
 KDDIau)は3位の「EXILIMケータイ W63CA」、9位の「AQUOSケータイ W64SH」とどちらも2008年11月発売の新機種がランクインした。ソフトバンクモバイルは10位以内に1機種も入らなかった。



<ゲームランキング>年間トップは「モンハン」 PS系は「ドラクエ8」以来4年ぶり
 アスキー・メディアワークスが発表した08年のゲームヒットランキング(07年12月31日〜08年12月21日の51週)によると、カプコンのPSP用アクションゲーム「モンスターハンターポータブル 2nd G」が約250万本を売り上げ、トップに立った。ソニー・コンピュータエンタテインメントプレイステーション(PS)系のゲームソフトが年間トップを獲得したのは、04年の「ドラゴンクエスト8」(PS2、スクウェア・エニックス)以来4年ぶりという。
 2位には、約212万本を売り上げた「ポケットモンスター プラチナ」(DS、ポケモン)が入り、3位には、07年12月発売で、08年中に202万本を販売した「Wiiフィット」(Wii、任天堂)が残った。トップ10は「モンスターハンターポータブル 2nd G」以外、すべてニンテンドーDSかWiiのソフトで占められ、うち7作品が任天堂のソフトで、PS3用ソフトでは、約65万本を販売した「メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」(KONAMI)の13位が最高だった。



フジテレビが5年連続視聴率3冠
 フジテレビが平成20年の年間視聴率3冠を獲得したことが29日、ビデオリサーチの調べ(関東地区、19年12月31日〜20年12月28日)で明らかになった。ゴールデンタイム(午後7〜10時)で13.3%、プライムタイム(午後7〜11時)で13.3%、全日(午前6〜零時)で8.5%だった。またゴールデンタイムではNHKが13.0%で2位と健闘した。



サッカーくじの売り上げ、08年は史上最高の950億円
 サッカーくじを運営する日本スポーツ振興センターは29日の天皇杯全日本選手権準決勝でことしの販売を終了し、2008年シーズンの総売上額が約950億円になったと発表した。7月の時点でこれまで最高の売上額だった01年シーズンの604億円余りを更新していた。
 コンピューターが結果を予想し、1等6億円の当せん金が期待できる「ビッグ」が導入1年目の昨年以上に好調。繰越金が積み上がったことも購買欲をあおり「ビッグ」だけで約700億円もの売り上げがあった。新商品の「ビッグ1000」も約78億円を売り上げた。
 サッカーくじは販売開始2年目の02年シーズン以降は低迷し、05年シーズンには約143億円まで落ち込んだ。だが昨年は「ビッグ」の導入で500億円を超えるまでに持ち直していた。