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企業の減益幅32%に悪化 上場1400社の今期、日経集計
 上場企業の業績が急速に悪化している。日本経済新聞社が26日、2009年3月期の見通しを集計したところ、連結経常利益は前期比32%減と11月の上半期決算発表時点の集計(25%減)から1カ月あまりで7ポイント減益幅が拡大した。秋以降の世界景気変調と1ドル=90円前後に進んだ円高で、自動車や電機など国際展開する製造業を中心に売り上げが急減速。業績予想の追加的な下方修正が相次いでいる。減益幅はさらに拡大する可能性がある。
 集計対象は10年間の業績が継続比較できる3月期決算企業1483社(金融、新興3市場を除く)。経常減益はIT(情報技術)バブル崩壊後の02年3月期以来、7期ぶりで、減益幅もこの時の49%に迫る大きさだ。上場企業は前期、5期連続で最高益を更新したが、利益の水準は一気に5年前に戻る。



12月の国内新車販売3割減 08年通年は320万台、5年連続減少
 国内の自動車販売が深刻な不振に陥っている。12月の新車販売台数(軽自動車を除く)は25日時点で約16万1000台と2007年の同時点に比べ27%減少した。2カ月連続して3割近い減少となる。08年通年では前年比7%減の320万台前後と5年連続の減少になる見通しだ。
 26日にも新車登録はできるが、例年、年末最終日は手続きが少ない。07年並みの登録(1万3000台強)にとどまった場合は、1968年の調査開始以来、12月としては最も販売台数が少なくなる。



東芝四日市半導体新工場着工を半年延期
 東芝西田厚聡社長は26日、2009年春に三重県四日市市で着工を予定している半導体の新工場について、「(地主などとの間で)用地取得に時間を要し、着工が半年ほど先送りになりそうだ」と述べた。同時着工予定の岩手県北上市の新工場についても、「(需要が急減している状況などから)今後、市場動向を見極め(着工時期を)判断したい」と語り、両工場ともに着工延期を示唆した。
 両新工場には、提携先の米サンディスクと合わせ総額約1兆7000億円を投資し、携帯電話などに使われるメモリー製品(NAND型フラッシュメモリー)の増産に向け、10年春の稼働を目指していた。



富士通、米社へのHDD事業売却を断念 雇用など折り合わず
 富士通は米ウエスタンデジタルへのハードディスク駆動装置(HDD)事業の売却を断念した。今秋、HDDメーカー世界2位のウエスタンと売却交渉に入ったが、雇用などの条件で折り合えなかった。今後、HDD事業の採算改善に取り組みながら引き続き、ウエスタン以外の企業への売却の道を探る。
 富士通の野副州旦社長は26日、日本経済新聞のインタビューに対し「(ウエスタンと)話し合いを持っていたことは否定しないが、現時点で(売却実現の)可能性はゼロだ」と語った。



みずほインベスターズ、希望退職200人を募集 全体の1割
 みずほインベスターズ証券は26日、200人程度の希望退職者を募集すると発表した。みずほインベの従業員数は2445人で、約1割を減らす。株安で収益環境が悪化し、業績の低迷が続いているため、人件費を減らす。システム投資を中止するほか、役員報酬の削減も実施する。
 希望退職の対象となるのは、40歳以上の正社員。年内から来年1月中旬まで募集する予定。人員削減と同時に、低採算店舗を統廃合する。本社部門の人員を減らして、営業部門にシフトすることで営業力の低下は補いたい考えだ。



高島屋の今期、一転40%減益に 株安で売上高が20年ぶり低水準
 高島屋は26日、2009年2月期の連結純利益が113億円と前期に比べ40%減る見通しだと発表した。従来は199億円(6%増)を見込んでいたが一転、減益となる。業績予想の下方修正は9月に次いで2度目。金融混乱をきっかけにした株安や所得環境の悪化などで消費者心理が急速に冷え込んでいる。高額品や衣料品の販売が一段と落ち込み、売上高は20年ぶりの低水準にとどまる。
 売上高にあたる営業収益は6%減の9778億円。従来予想を479億円下回る。売上高が1兆円を下回るのは1989年2月期以来。



全国124銀行の9月中間、最終利益60%減 全銀協集計、37行が赤字
 全国銀行協会は26日、加盟124行の2008年9月中間決算(単体ベース)を発表した。最終利益は4824億円と前年同期に比べ60.4%減った。景気減速による融資先の経営悪化で不良債権処理損失が膨らんだほか、世界的な株安で保有株の減損処理を迫られたのが響いた。赤字だったのは37行で前年同期の3倍以上に増えた。
 本業のもうけを示す業務純益も2兆177億円で同21.1%減。投資信託の販売手数料が減少したことなどが影響した。
 黒字だったのは87行で前年同期より27行減った。このうち71行が減益だった。



介護報酬、初の増額決定 社会保障審、人手確保へ待遇改善
 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)は26日、介護保険から介護サービス事業者に払う報酬の改定内容を決めた。来年4月から報酬全体を3%増やし、2000年の介護保険制度の導入以来初めての引き上げとなる。夜勤や専門性の高い職員が多い事業所への加算を新設するほか、人件費が高い都市部の報酬を手厚くした。介護現場の人手不足の解消や待遇改善に重点を置き、給付抑制方針を転換する。
 社保審の介護給付費分科会が改定案をまとめた。(1)介護従事者の人材確保と処遇改善(2)医療との連携と認知症ケアの充実――などが柱になる。介護現場では労働条件の悪さから離職率が他産業に比べて高いため、職員の待遇改善に重点を置いた。
 介護サービスの利用者は00年度の184万人から06年度に354万人と2倍弱に増えたが、介護職員数はここにきて伸び悩んでおり、人手不足感が強まっている。



消費者物価上昇率、「09年春マイナス」の見方広がる
 消費者物価が来春にもマイナスに転じるとの見方が広がっている。全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年同月比上昇率は夏の2%台から徐々に低下し、11月は1.0%となった。原油価格の反落で急速に伸び率が落ち、民間調査機関の間では12月にはゼロ近辺に下がるとの予想が多い。
 11月の物価指数をみると、ガソリンや灯油などエネルギー価格の押し上げ圧力はほぼなくなった。物価上昇への寄与度は0.04ポイントにとどまる。農林中金総合研究所の南武志氏は「物価を取り巻く環境は夏までと様変わりした」と指摘する。



AIG系生保、売却交渉越年へ アリコ、1月中に入札実施
 経営危機に陥った米保険大手、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の米アリコなど、生保子会社の売却交渉が年明けにずれ込むことになった。アリコは来年1月中に入札を実施。日本の生保子会社2社も、2月までには売却先を決める見通しだ。外資による水面下の争奪戦が本格化しつつある。
 AIG金融危機で資金繰りが悪化、9月に米連邦準備理事会(FRB)から8兆円を超える融資を受けた。これを受け10月、経営再建策としてアリコと日本のAIGスター生命保険、AIGエジソン生命保険について売却方針を示したほか、日本などをのぞくアジア生保事業を統括するアメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)の一部株式も売却対象とした。



富士重、電気自動車でもトヨタと連携 社長が表明
 富士重工業の森郁夫社長は26日、日本経済新聞記者の取材に対し、提携先のトヨタ自動車と「電気自動車システムの開発で連携する」ことを明らかにした。具体的な中身は今後詰めるが、電池の充放電制御システムやモーター駆動系部品など主要部品・システムを共同開発する見込み。自動車メーカーの業績が悪化するなか、巨額の開発投資が必要な次世代環境技術での連携を加速する。
 電気自動車の量産化技術を早期に確立するため富士重トヨタと連携する。富士重は2009年内に電気自動車の販売を始める計画。トヨタは10年代の早い段階に量産化する方針を打ち出している。先に実用化する富士重が「実際の走行で得た実証データなどを(トヨタと)共有することで、両社の開発加速につなげる」(森社長)という。



EU、電力・ガスの相互供給網整備へ ロシア依存脱却狙う
 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)は電力やガスの安定供給に向けて、加盟国のエネルギー供給網の相互接続を加速する。資源をロシアに頼るバルト諸国などを軸に2009年から投資していく計画。ロシアと旧ソ連圏とのガス交渉が紛糾して欧州向け供給が止まる事態を想定し、調達先の多様化と、各国がガスなどを融通できる体制の整備を進める。EUは独自の予算を使った景気対策でも供給網の一体化を公共投資の重点項目と位置付ける考えだ。
 欧州委員会は加盟国向けの政策文書で「分離状態のエネルギー市場の接続が最優先の課題」になると指摘した。今後、加盟国の供給網接続でエネルギー安全保障の強化や調達の多様化、資源の効率利用を進める方針。



【産経主張】ガス版OPEC 露の支配力拡大に注意を
 世界の主要な天然ガス生産国が参加する「ガス輸出国フォーラム」が、新たな国際組織創設で合意した。参加国はロシアやイラン、中東諸国など15カ国だ。その埋蔵量は世界の約7割を占める。天然ガスは石油と並ぶ重要なエネルギー資源である。
 創設を主導したのはロシアだ。価格や供給量のカルテルを結ぶ石油輸出国機構(OPEC)のような「ガス版OPEC」をめざそうというのだろうか。消費の大半を輸入に頼る日本も、その動向に警戒することが必要だ。
 新組織創設の背景には米国発の金融危機に伴う世界経済の悪化がある。ロシアやイランなど産油国の経済も大きな打撃を受けている。それに拍車をかけているのが昨夏から約4分の1に急落した原油価格の動きだ。
 天然ガスの価格も原油につれて下落している。危機感を持った生産国は、新組織により価格を立て直そうとしているようだ。ロシアやイランは安全保障面で欧米を揺さぶる狙いもあるのだろう。
 特にロシアはしたたかだ。中央アジアのガス生産国に対して国際価格での買い取りを約束した。ロシアを通さず、カスピ海からトルコ経由で欧州と結ぶパイプラインの活用を牽制(けんせい)する狙いである。一方で、意に沿わないウクライナなどに対し、ガス供給の停止をちらつかせている。
 もっとも、原油天然ガスは取引の形態が異なるので、現状では価格カルテルは難しい。原油は市場が整備され短期のスポット取引も多いが、天然ガスは産出国と消費国の間の長期契約が主流だ。
 天然ガスの輸出はパイプライン形式が多く、輸送に便利で価格設定が柔軟な液化天然ガス(LNG)にして輸出する割合は全体の約3割にとどまっている。
 しかし、ロシアの狙いはLNG支配力の拡大だろう。日本も昨年、間もなくLNG供給が始まるサハリンでの天然ガス開発において、ロシア側から出資比率の引き下げを要求された経緯がある。ロシア主導の新組織は今後のLNG拡大を見据えて、消費国との販売価格調整などの役割を担おうとしているのではないか。
 それらを踏まえれば、消費国側も今後連携して交渉にあたる必要がある。石油における産出国と消費国の間で定期的に開かれている産・消対話などの枠組みも参考になるはずだ。