(メリ゜Д゜クリ)新聞

ソフトバンクにかかるプレッシャー PCデータ定額は近い?(COLUMN)
 ソフトバンクは今年も相変わらず豊富な話題を提供してくれた。特に驚かされたのがアップルの「iPhone」発売だった。当時の「NTTドコモから発売されるのでは?」という予想を裏切って、孫正義社長がiPhone発売権を奪っていった。
 7月11日には表参道に大行列ができ、メディアがこぞってiPhone発売を取り上げた。しかし、メディアが盛り上げすぎたのか、ブームのさなかに端末を供給できなかったためか、現在の売れ行きは30万台強と推測されている。「思ったより売れていない」とも言えるが、一方で「スマートフォンといわれる分野でこれだけ売ったのは立派」という評価も聞こえてくる。
 おそらく、ソフトバンクモバイルには、もっとiPhoneを売らなくてはいけないというプレッシャーがあるのだろう。広告や販売面でiPhoneは特別待遇をされており、それに対して他メーカーは面白くないと感じているようだ。
 特にiPhoneの割を食ったのがサムスン電子の「OMNIA」。1年前ぐらいから「ソフトバンクモバイル初のタッチパネルケータイ」と言われてOMNIAを開発したはずが、2008年7月にiPhoneが登場して、「初のタッチパネル」という称号をとられてしまった。
 また「タッチパネルでワンセグ対応」をアピールしようと思ったら、今度はiPhoneで外付けバッテリー経由でワンセグを見ることができる周辺機器が発売された。さらに、「いよいよ11月28日に発売」と発表した11月21日には、iPhoneのバージョン2.2のソフトウェアが配布され、話題はiPhoneの絵文字対応に持っていかれてしまった。
 OMNIAiPhoneによって、存在感をことごとくかき消されてしまっているのだ。
■インフラ問題にどう取り組むか
 ソフトバンクモバイルで今後注目しておきたいのは、ネットワークインフラ品質だ。「オープンなインターネットの世界をケータイに持ち込む」と孫正義社長は表明していながら、いまではパソコン向けパケット定額制を提供していない唯一のキャリアとなってしまった。
 音声定額制を導入してしまったため、ネットワークへの負荷によりパソコン向けの定額制が実現できなくなってしまったのだ。
 そんななか、先週のことだが都内の家電量販店のソフトバンクモバイル売場でエリア限定のキャンペーンを目にした。「ソフトバンクモバイルのデータ端末を契約すると深夜1時から夜6時まで使い放題。しかも、ネットブックが5円で買える」という。ただし、加入するには、Yahoo!BBもセットで契約しなくてはいけないというものだった。
 昼間の外出時はHSDPA網を使い、家ではADSLを使って下さい、ということだ。
 ソフトバンクモバイルによると、この売り方は「テストマーケティング」なのだという。昨今、ネットブックとの組み合わせで勢いを増しているイー・モバイルは、契約すると無料でADSLも使えるようになっている。おそらくソフトバンクとしては、HSDPAのモバイル通信だけでなく、ADSLのユーザーを奪われることも避けたいのだろう。
 だが現状では、昼は定額制、夜は従量制という使いにくいデータ通信サービスしか提供できていない。iPhoneで公衆無線LANスポットを無料で使えるようにしたのも、ユーザーの利便性という表向きの理由だけでなく、ネットワークの負荷を考えてのことだろう。
 ソフトバンクモバイルとしては、フェムトセルトラフィックを逃がしたい考えのようだが、具体的な話はまだ聞こえてこない。基地局への設備投資を抑えているなか、今後、どのように肥大化するトラフィックを処理していくのかが気になるところだ。



電力料金、09年春に数百―1000円下げも 原油価格を反映
 経済産業省が検討する家庭向けなどの電気料金制度の見直し案が25日、明らかになった。原油など燃料価格の変動を電気料金に反映する仕組みを3カ月平均で毎月変更するようにし、現状の原油価格が続けば、来春には新制度導入の前後で月額数百円から1000円程度値下げになる可能性がある。また現行制度では不要な燃料価格上昇を反映する際の認可申請については、政府が必要かどうかを点検するようにする。燃料高を料金に反映させる上限は現行制度のまま維持する。
 経産省は25日夕の総合資源エネルギー調査会の小委員会に料金制度の見直し案を示す。2009年4月から新制度を実施。検針日の関係で実質的には5月の料金から適用される見込みだ。



高齢運転「もみじマーク」、未表示の罰則撤回へ 法改正試案
 警察庁は25日、75歳以上の運転者に表示を義務付けた高齢運転者標識(もみじマーク)について「努力義務」とし、当分の間表示しなくても取り締まらないことなど高齢者の運転支援につながる道路交通法改正試案を明らかにした。来年の通常国会に同法改正案を提出する。今年6月にいったんは罰則まで定めた内容で法施行しただけに、異例の見直しといえそうだ。
 来年1月には「高齢運転者標識の様式に関する検討委員会」(仮称)を立ち上げ、デザインの変更も含めて検討する。
 もみじマークの義務化は、昨年の道交法改正で導入が決まり、75歳以上の運転者の違反には行政処分1点と反則金4000円を科すとされた。改正道交法は6月から施行されたが、警察庁は、1年間は違反を摘発せず、指導にとどめるよう各都道府県警に通達していた。



11月の国内自動車生産20.4%減、過去最大の下げ幅
 日本自動車工業会が25日発表した2008年11月の国内自動車生産実績は、前年同月比20.4%減の85万4171台となった。自工会が月次生産統計を集計し始めた1967年1月以来、過去最大の下げ幅となった。各社が減産を進めた結果、トヨタ自動車など大手全12社がマイナスとなった。輸出も18.1%減(49万1990台)となり、11月から世界的な自動車販売の不振が一段と加速した実態が鮮明になった。
 生産の前年同月比マイナスは2カ月連続。08年1―11月の生産は同2.0%増の1083万8077台だった。
 11月の生産はトヨタ自動車が27.2%減、日産自動車が35.6%減と大幅に下落。車種別でも乗用車が20.3%減、トラック20.9%減、バス16.3%減と、いずれの車種も2ケタ減となった。



「S!ループ」「S!ミュージックコネクト」が来年3月末で終了
 ソフトバンクモバイルは、コミュニケーションサービス「S!ループ」と、音楽関連サービス「S!ミュージックコネクト」を2009年3月31日で終了する。
 「S!ループ」は、2006年10月にスタートしたコミュニケーションサービス。日記を付けたり、ユーザー間で情報交換できるサークルを開設できる機能などが用意されている。もう一方の「S!ミュージックコネクト」は、2007年11月にスタートし、パソコンに専用アプリをインストールし、有料楽曲を購入したり、CD楽曲を取り込んだりして、携帯電話に転送できる。
 同社では、他のコンテンツ・サービスが充実したことで、これらのサービス提供を終了することにしたという。なお、「S!ミュージックコネクト」と連携する有料楽曲配信サービス「mora win for S!ミュージックコネクト」で購入した楽曲は、Windows Media Player 10で利用できる。



アパレル大手の主力ブランド、最低価格帯引き下げ
 アパレル大手が2009年春夏物から、主力ブランドの衣料品の最低価格帯を引き下げる。オンワード樫山が「自由区」で割安なコートを投入するほか、三陽商会も女性向けブランドで従来より2割安い商品を発売する。景気悪化に伴う消費者の節約志向を受けて、衣料品販売は低迷が続く。各社は手の届きやすい価格帯の品ぞろえを拡充することで顧客層を拡大、販売テコ入れにつなげたい意向だ。
 三陽商会は20―30代の女性向け主力ブランド「フラジール」の最低価格を見直す。09年1月中旬から百貨店の店頭に順次並ぶ来春夏物のスカートは、今春夏より20%安い1万2600円から、パンツは12%下げて1万5750円から品ぞろえする。



リチウムイオン電池材料、年率11%の成長を予想 富士経済
 調査会社の富士経済(東京・中央)は電池材料の世界市場に関する予測をまとめた。充電できる2次電池の部品や素材など材料の市場規模は、2012年に1兆8832億円と07年より21%増えると予測。2次電池のなかでもパソコンのほか自動車への採用が見込まれるリチウムイオン電池の材料市場は08年以降は年率11%程度で拡大し、12年は07年より89%増えて6178億円になるとみている。
 リチウムイオン電池材料のうち、正極材は12年に数量で07年比108%増の5万2000トン、金額で同81%増の2700億円と予測している。材料のひとつであるコバルトが高価なためニッケルやマンガンでの代替が進み、数量に比べ価格の伸びが鈍くなるとしている。正極と負極を分離する膜「セパレーター」は数量で同108%増の4億1500万平方メートル、金額で07年の2倍の1110億円と予測した。



戦争と経済危機克服で協力呼びかけ オバマ氏がクリスマス演説
 【ワシントン=共同】オバマ次期米大統領は24日、クリスマスに合わせた国民向けラジオ演説で、年明けの就任を控えイラクアフガニスタンでの戦争と経済危機の克服に最優先で取り組む姿勢を強調し、米国民の協力を求めた。
 オバマ氏は「楽しい時期を迎えるに当たって、故郷から離れた戦地で働く勇敢な男女のことを忘れてはならない」「数百万人が職を失い、多くの人が借金を返すのに苦労している」と米国が直面する課題を指摘。
 その上で「われわれは共通の運命を背負っていることを認識し、今まで以上に助け合わなければいけない。力を合わせ歴史の歯車を動かすことができれば、米国を新しい方向に導いていける」などと、米国民に結束を要請した。演説はインターネットでも視聴可能。



【産経主張】「学士力」 卒業認定を厳しくしたい
 中央教育審議会が、大学の卒業認定の厳格化などを求める答申を塩谷立文部科学相に提出した。大学教育の質向上は喫緊の課題だ。各大学は答申を厳しく受け止めねばならない。
 中教審は学部教育(学士課程)で身につけるべき知識や能力について「学士力」という言葉を使って質の向上を促した。
 「うちの学部学科ではこういう能力がつく」という教育方針・目標を各大学が明示し、卒業させる責任を強く求めたものだ。
 かつて「学士」といえば高い教養と専門性が尊敬された。学士という言葉自体、死語のようになり、さらに大学全入時代を迎えて学生の質が急速に低下した。
 受験勉強で疲れ入学後は勉強しない。授業に出なくても簡単に優やAの成績が取れる。日本の大学にはこんなイメージが根強い。実際、学生の学習時間は授業を含めても1日平均でたった3時間半という調査結果もある。
 米国の大学のような厳しい卒業認定は、中教審などで過去にも提言された。文科省は大学設置基準を改正するなどし、講義のやり方など教育方法改善や成績評価基準の明示などを促している。
 教育内容の改革に取り組む大学は多い。しかし、成績の悪い学生に厳しく退学勧告するような大学はごく一部だ。
 答申では、取得単位の成績の平均が基準に満たないと落第する米国型の「GPA(グレード・ポイント・アベレージ)」の導入など厳しい成績評価方法を例示している。こうした評価法を実際に導入している大学もある。改革を怠れば大学間の差は開くばかりだ。
 学力試験なしで入れるような推薦入試などにも見直しを求めている。大学入試は小、中、高校の教育への影響が大きい。大学の教育方針と関連させた入試方法の改善が重要だ。
 大学をめぐる環境は厳しさを増している。就職活動は年々早まり、景気悪化のなか、大学の就職課は1年生から学生に発破をかけている状況だ。就職支援も確かに重要だが、企業側は就職活動のテクニックの上手な学生を求めているわけではない。
 答申は大学には「目先の学生確保」が優先される傾向があるとクギを刺した。変化する時代には基礎をしっかり持った資質が必須だ。学部教育が本来の役割を果たすよう見直すときである。