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携帯・PHSキャリアの「通信簿」で振り返る2008年(COLUMN)
 早いもので2008年ももうすぐ終わろうとしている。改めて振り返ってみると、割賦販売制の本格化やiPhoneの上陸など、今年も携帯電話市場は話題には事欠かない1年だったといえる。そこで今回は、2008年における各キャリアの動向や課題を見直しながら、今年の携帯電話市場を振り返ってみたいと思う。
回復基調にあるNTTドコモ、だが割賦制は諸刃の剣
 最大手のNTTドコモは、昨年から純増数で「一人負け」状態を引きずっていた。だが今年中盤からは持ち直し、現在は回復基調に入っている。
 同社が純増数を回復した大きな要因の1つに挙げられるのは、“高機能端末”を求める1台目ユーザーに対し、魅力ある端末を提供できるようになったことだ。そのきっかけとなったのが、昨年末から今年初めにかけて販売され、初代「VIERAケータイ」(P905i)などヒット端末を多く生み出した「905iシリーズ」である。昨年までNTTドコモの端末は、ワンセグなどでauに後れをとっていた。だが905iシリーズの投入でその立場を逆転できたことが、後の純増数回復に結びついたといえよう。
 そしてもう1つ、auより先に分離プラン「バリューコース」による割賦制を本格化させ、それにより販売店が「バリュー一括」を展開できたことも挙げられるだろう。これによって低価格端末を求めるユーザーも取り込み、高機能端末と合わせて1台目需要を守れたことが、回復への道筋につながったといえる。
 とはいえ、同社にとって、割賦制は諸刃の剣である。端末の売れ行きの好不調が顕著に表れ、撤退するメーカーが増えているというのも大きいが、先のことを考えるとより大きな問題となってくるのが、サービスに関する部分だ。
 現在、905iシリーズがヒットしたことで、2年間の割賦払いを抱えているユーザーが多く、今冬は先進的なユーザーの買い換えが進みにくいことが予想される。それゆえ「iコンシェル」などの新サービスが一度に浸透しづらく、従来同社が得意としていた「端末と一体となった魅力あるサービス」の提供が難しくなりつつある。今後そうした問題をいかに解消しながら新サービスを普及させていくかということが課題となってくるだろう。
 また純増数を考えるなら、2台目需要についても踏み込んだ策が必要になってくるかもしれない。新シリーズにおける"PRO series"などはその回答の1つといえるが、NTTドコモらしい2台目需要を創出できるかという点も、大きな影響を与えてくるように感じている。
プラットフォームに苦しめられたau
 今年のauを一言で言い表すなら「KCP+」という言葉に尽きるといっても過言ではない。それくらい、新プラットフォームである「KCP+」の産みの苦しみを味わった1年だったといえるのではないだろうか。
 ことの発端は、昨年の秋冬モデルの“目玉”であり、KCP+を搭載した初のモデル「W56T」「W54S」「W54SA」の3機種が、開発の遅れなどにより、発売が今年にずれ込んでしまったことにある。その後、KCP+自体の使い勝手や動作速度の問題が相次いで指摘されたのに加え、KCP+端末の不具合が頻発したことから、特に先進的なユーザーからKCP+端末、ひいてはau自体を敬遠する声が聞かれるようになった。このことが、今年中盤からauが急速に低迷する大きな要因になったといえるだろう。
 またプラットフォーム統一化の影響で、開発の自由度が低くなっているというのも、au端末の魅力が失なわれ、低迷する一因になっているように感じている。例えば、最新の秋冬モデルでも、タッチ操作に対応したモデルを1機種も用意していないのはauだけであり、最新の市場動向に柔軟な対応をするのが難しくなっていることが見て取れる。
 料金制度でも、割賦制の本格導入が遅れた影響は大きい。販売店において他社が端末料金だけでなく、基本料まで安くなる「一括」を提供しているのに比べると、従来のフルサポートコースによる「0円端末」は魅力が薄く、価格目当てのユーザーも他社へと流れる結果を招いてしまったからだ。
 問題点が目立ち、純増数でも低迷してしまった今年のau。だがサービス面を見ると、スポーツ活動を支援する「au Smart Sports」や、PCなしでLISMOサービスが利用できる「au BOX」、さらに販売店で携帯電話の中身や外観を変更できる「フルチェン」「ナカチェン」など、auらしさを感じるユニークなサービスを多く展開してきている。1つ1つの内容を見るとまだまだ課題は多いが、PCやヘビーユーザーに偏らないサービス開発体制は評価できる。端末開発・販売体制を早急に立て直し、これらサービスとの連携をうまく進めることが、auの人気回復に求められているといえよう。
ソフトバンクモバイルの勢いは継続するか?
 今年1年を通じて、最も好調であり、かつ大きな話題をふりまいたのがソフトバンクモバイルであることは、疑う余地がないだろう。犬の「お父さん」で人気を博したCMに加え、日本初となるiPhoneの発売によって、表参道に1000人を超える行列を作ったことなどは、多くの人が記憶するところではないだろうか。
 iPhoneに限らず、端末面でも個性を発揮し、大きなインパクトを与えてきた。QWERTYキーボードを搭載した「インターネットマシン」こと「922SH」、株取引に特化した「株ケータイ」こと「920SH YK」、1000万円を超える「823SH Tiffanyモデル」、そして普通のケータイでフルタッチ操作を実現した「931SH」など、改めて見てもそのバリエーションの広さと個性の強さ、ユニークさには驚かされる。
 イメージアップ戦略とユニークな端末の投入などが功を奏して、今年も好調を維持し、TCAの発表でも11月まで連続で純増数1位を記録している。だが一方で、加入者の増加を支える「スパボ一括」で、端末を購入したユーザーの増加が、同社の悩みにもなりつつあるようにも感じている。これについては過去記事(理由はエコだけ? “トリセツ有料化”から垣間見えるソフトバンクモバイルの悩み)で詳しく取り上げているが、その後も来年2月に開始予定だったYahoo!ケータイトップページ通信料の有料化が、ユーザーの反発によって見送られるなど混乱する一幕があったようだ。
 さらに今後を考えると、同社のサービス開発力についても気になるところだ。それを象徴しているのが、今年の秋冬モデルから提供される新サービス「モバイルウィジェット」。同社としては久しぶりに端末と一体となったサービスといえるが、導入当初の対応機種が1機種しかなく、非常にアンバランスな印象を受けたのも事実だ。
 また先のモバイルウィジェットに加え、iPhoneにサービスの主導権を与えたりするなど、オープン性を強く打ち出す戦略を見せているのも気になる部分ではある。オープン性を高めることは、先進ユーザー層に対し選択肢を広げるというメリットになる一方、一般ユーザーに対しては「何を選べばいいのか分からない」など混乱を与えるデメリットにもつながりかねない。一歩間違えば、収益性の高い1台目ユーザーにそっぽを向かれたり、"土管屋"に成り下がってしまったりする可能性もあるだけに、その成否については注視していくべきだろう。
モバイルデータ通信で成否が分かれた2社
 音声端末の分野と比べると動きが少なかったデータ通信の分野でも、今年は大きな変化があった。特にその影響を受けたのが、イー・モバイルウィルコムだ。
 イー・モバイルは、今年から音声関連のサービスを開始したのに加え、昨年から展開しているモバイルデータ通信系のサービスを強化し、下り最大7.2Mbps、上り1.4Mbpsと通信速度を大幅にアップさせてきた。だが市場により大きな影響を与えたのが、端末の販売戦略だ。特にイー・モバイルの端末とセットで購入すると、ネットブックが大幅に値引きされる「100円PC」などのセット販売の反響は大きく、10月には純増数で首位のソフトバンクモバイルに迫るなど躍進している。
 一方で、その割を食ったのがウィルコムだ。昨年イー・モバイルだけでなく、NTTドコモauなどが相次いで定額データ通信に参入して競争が激化した。その結果、通信速度が最大800kbpsと見劣りするウィルコムが低迷。TCAの資料を見ると、11月までになんと5回の純減を記録している。同社は速度差を埋めるため、来年サービス開始予定の次世代PHSWILLCOM CORE」への準備を進めている最中だが、予想以上にデータ通信需要が落ち込んでいる可能性もある。それゆえ、一部ではMVNONTTドコモの回線を借り、来春3Gによるのデータ通信サービスを行うとの報道もなされていた。
 イー・モバイルが現在の好調を維持するには、ネットブックによる2台目需要を食いつぶす前に、次の手が打てるかどうかにかかっているといえる。最近ではスマートフォンの割引販売が好評を得たり、販売店モバイルルーターとのセットなど新しい形態が確認されたりしているが、こうした新たな2台目需要をいかに創出できるかが、今後の鍵を握るといえそうだ。
 一方、ウィルコムの課題は、WILLCOM COREが本格的に立ち上がるまでに、データ通信需要の落ち込みをいかにカバーできるかという点に尽きるだろう。現在好調を博しているという通話定額需要の強化もその1つといえるが、先のMVNOが実現するかどうかという点も、大きな影響を与えてくるかもしれない。



08年ドラマ視聴率上位10傑、出揃う
 10月〜12月期の主要な連続ドラマが最終回の放送を終え、2008年のドラマ視聴率のベスト10がほぼ出揃った。1位はNHK大河ドラマ篤姫』(11月30日放送)の29.2%、2位は『CHANGE』(フジテレビ系)最終回(7月14日放送)の27.4%という結果となった。ビデオリサーチ社(関東地区)による12月23日までのデータで、連続ドラマは最高視聴率をもとにランキング化した。
08年ドラマ視聴率ベスト10 一覧
 3位には『ごくせん』(日本テレビ系)の4月19日放送回の26.4%、5位には『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)最終回が22.8%でランクイン。今シーズンのものでは『流星の絆』(TBS系)最終回(12月19日)が22.6%で6位にランクインした。
 今年の目玉といえば、やはり1位を獲得した宮崎あおい主演NHK大河ドラマ篤姫』。1月6日の放送第1回目から最終50回目まで、20.0%以上をキープ。9月には視聴者からの希望に答え大河ドラマでは異例ともいえる第1回からの集中アンコール放送を最終回を迎える前に実施し、それが奏効したのか11月30日放送では29.2%を記録。今年の1位記録となった。



ドコモ、来夏からFOMAを内線電話にできる法人サービス
 NTTドコモは、FOMA端末とオフィス内の内線電話で、内線通話できるようにする法人向けソリューション「全国型内線サービス(仮称)」を2009年夏より提供する。
 これまでFOMA端末を導入した法人では、一般ユーザーの使い方と同じように、オフィス内の電話とFOMA端末の通話は、携帯電話宛の通話となっている。今回発表された「全国型内線サービス(仮称)」を利用すれば、社内の電話から同一法人のFOMA端末宛の通話は、内線通話として取り扱えるようになる。
 提供エリアは、全国のFOMAサービスエリア内。FOMAと社内の内線電話、FOMAFOMAの通話を定額で利用できる。



11月の訪日外国人数19.3%減、5年ぶりの大幅減
 日本政府観光局(JNTO)が24日まとめた11月の訪日外国人数(ビジネスなど観光以外の来日を含む)は前年同月比19.3%減の55万3900人だった。訪日外国人数の大幅な落ち込みは、近年では2003年6月に重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響で20.1%減って以来5年5カ月ぶりとなる。米国発の金融危機による世界的な景気減速や円高が進行し、10月の5.9%減から減少率が急拡大した。
 最も多い韓国からの訪問客数がウォン安の影響などで46.2%減と大幅に減った。台湾は13.4%減、オーストラリアは11.1%減、米国は12.5%減だった。一方、中国は5.3%のプラスだった。
 同日発表した出国日本人数は14.1%減の124万7000人と、19カ月連続で前年実績を下回った。