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中国と有事の場合、佐藤首相「米は核報復を」 外交文書
 佐藤栄作首相が1965年1月、首相として初訪米した際のマクナマラ国防長官との会談で、中国と戦争になった場合には「米国が直ちに核による報復を行うことを期待している」と、先制使用も含めた核による即時報復を要請していたことが、22日付で外務省が公開した外交文書で明らかになった。
 さらに首相は「洋上のもの(核)ならば直ちに発動できるのではないか」と、核の持ち込み黙認とも受け取れる発言もしていた。首相が前日のジョンソン大統領との首脳会談で「核の傘」の保証を求めていたことはすでに明らかになっているが、先制核使用まで念頭に置いていたことが新たに分かった。
 マクナマラ長官との会談は、首相の宿泊先のブレアハウス(迎賓館)で行われた。長官は、64年10月に中国の原爆実験が成功したことについて「今後2、3年でいかに発展するか注目に値する」と指摘。日本の核開発に対する基本姿勢の説明を求めた。



ドバイにも金融危機の影…止まったクレーン・解雇の波
 世界一高いビル、世界一豪華なホテルなど「世界一」を冠する建築物を次々に登場させ、21世紀に入って猛烈な勢いで発展を続けてきたドバイ。中東の物流・金融センターとして、200に及ぶ国籍の労働者や投資家を引きつけてきたこのペルシャ湾岸の小さな首長国にも、金融危機の影は忍び寄っていた。その現場を歩いた。
 ドバイ北東部にあるアラブ首長国連邦(UAE)労働省。「カスタマーサービス局」待合室に、沈んだ表情の外国人労働者が目立つようになった。解雇通知を受け、苦情を申し立てに来た人々だ。
 ドバイの中堅建設会社で工事現場監督を務めてきたインド人のV・ヒレマタさん(45)は今月12日、1枚の紙を手渡された。「あなたが提供するサービスは必要なくなりました。滞在許可も1か月後に失効します」
 クレーンを操縦していた同郷のスンニル・Bさん(40)も解雇された。ドバイには世界のクレーンの3割が集まっていると言われてきたが、「今は多くが止まっている。再び職を得るチャンスはまずない」と、帰国の覚悟を決めたようだった。
 ドバイ居住者の8割を占める外国人労働者の滞在許可証は、仕事や労働許可証と不可分に結びついている。職を失えば、雇用主が労働局への解雇届け出を遅らせるなど特別な措置を講じない限り、1か月以内に出国しなければならない。「ドバイには失業者がいない」と言われるゆえんだ。
 ドバイの海岸には、上空から3本のヤシの木に見える群島が沖合に延びる。埋め立てでつくったリゾート・居住用地だ。100万人の住空間ができあがると言われる最大の木「パーム・デイラ」では、クレーンの多くが動きを止めていた。
 ドバイを代表する政府系デベロッパーで、「3本のヤシ」のプロジェクトを推進する「ナヒール」社は11月30日、総従業員の15%にあたる500人を削減する方針を明らかにした。
 同社で工期やコストを管理する仕事を担当してきたスリランカ人のSさんはこの日、上司に、1月31日付での解雇を言い渡された。資金繰り悪化によるプロジェクト停止が理由と説明された。「オフプラン(設計図段階)の事業の大半が停止された」とSさん。「年明けには、さらに人員削減されるのは間違いない」
 ナヒール社だけではない。民間最大のデベロッパー「DAMAC」も11月、200人の解雇を発表、解雇の波は確実に広がっている。



輸出通関、製造業向けに優遇拡充 財務省、09年度から
 財務省は2009年度から、通関手続きを簡素化する制度を拡充する。一定の基準を満たした企業を優遇する認定事業者(AEO)制度で、製造業を対象にした資格を新設。製造者がAEO資格を得れば、資格を持たない商社などを介して輸出しても、通関手続きで同様の優遇を受けられるようにする。物流をスピードアップして販売機会のロスや流通在庫を減らし、製造業の国際競争力を高める狙いだ。
 AEO制度は法令順守や内部統制、財務状況などの基準をクリアした企業を対象に、財務省がAEO事業者と認定。税関の輸出入手続きを優遇する仕組みだ。



景気「急速に悪化」86% 社長100人アンケート
 日本経済新聞社が21日まとめた「社長100人アンケート」によると、国内景気が「悪化している」との回答が99.3%に達した。中でも「急速に悪化している」と答えた経営者は前回調査(10月上旬)の10.8%から86.8%に増えた。設備や人員の余剰感が高まっており、年明けから設備の統廃合や雇用調整が一段と強まる可能性がある。一方で2010年春の新卒採用は4割以上が09年春と「変わらない」と答え、厳しい経営環境の中でも人材を確保する姿勢を示した。(詳細は22日付日本経済新聞社朝刊、日経産業新聞に掲載)
 社長100人アンケートは国内主要企業の社長(会長、頭取などを含む)を対象に12月中旬までに実施、137社から回答を得た。



与謝野経財相「景気回復直後に消費税率上げを」
 与謝野馨経済財政担当相は21日のテレビ朝日番組で、消費税上げの時期と景気の関係について「景気の上がり際のところで負担をお願いすることが大事だ」と述べ、日本の実質経済成長率が1%台半ばから後半とされる潜在成長率に達したと同時に消費税率を上げるのが望ましいとの考えを改めて強調した。
 「ピークに近いところで増税するとすぐ下降局面に入り、落ちるのを加速する」と理由を説明した。税率の上げ幅については2015年までに税率を5%引き上げる必要があることを改めて強調。上げ方に関しては「11年にいきなり5%上げると経済へのショックが大きい」と段階的に実施する考えを示した。
 経財相は「25年ごろの世代の人たちは社会保障と税との関係をもう一度考えなければいけない」とも語り、少子高齢化が進展すればさらに増税が必要になるとの見解も示した。



自民・園田氏「10年度以降は困難」 社会保障費2200億円抑制
 自民党園田博之政調会長代理は21日のNHK番組で、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府目標について「再来年以降は大変厳しくなったことは認めざるを得ない」と述べ、2010年度予算以降は目標達成は困難との見方を示した。
 政府は「骨太方針06」に基づき、社会保障費の伸びを07年度からの5年間で計1兆1000億円(年平均で2200億円)抑制する計画を進めてきた。園田氏は「削減をずっと続けて相当無理がきた。削減計画としては筋のいい方法ではない」と指摘、骨太方針09などで抑制目標を変更する可能性を示唆した。



オバマ次期米大統領景気対策積み増し 雇用創出300万人に
 【ワシントン=米山雄介】オバマ次期米大統領20日までに、就任後2年間で250万人の雇用を創出するとしていたこれまでの目標を「2年間で300万人」に拡大する方針を固めた。米主要メディアが同日、政権移行チーム幹部の話として一斉に報じた。公共投資など景気対策の規模は、2年間で8500億ドル(約76兆円)程度に積み増す方向で議会と調整を進めているもようだ。
 雇用創出を最大の政権公約に掲げるオバマ氏が目標を引き上げたのは、景気後退の深刻化に伴い、来年にかけて雇用情勢が一段と悪化する恐れが出てきたためだ。



富士電機非正規社員を2000人削減
 富士電機ホールディングスはグループ内の非正規社員を2009年9月末までに約2000人削減する方針を固めた。ハードディスク駆動装置(HDD)に使う磁気ディスクや産業機械に組み込むモーターなどの主力製品の需要急減を受け、生産調整に踏み切る。子会社再編にも乗り出し、年間200億円のコスト削減を目指す。
 雇用調整はグループ全体で約6900人(08年9月末時点)いる非正規社員が対象。生産量が急減している磁気ディスクを抱える電子デバイス部門などで人員を約3割削減する計画。グループ全体で約1万9000人の正社員に対しても、一時帰休の実施を検討する。役員報酬は09年1月から6カ月間、最大20%減らす。



国債安定消化へかじ取り難しく 財務省、09年度に市場で増発
 財務省が2009年度に市場で発行する国債が4年ぶりに増加する。今年度の当初計画に比べて発行額を8兆2000億円増やす計画。日本経済の減速に伴い税収が大幅に落ち込む一方、景気下支えのための財政支出は膨らんでおり、財源を国債増発に頼らざるを得ないためだ。世界的な金融危機の影響で海外投資家が資金を引き揚げる中で、安定的に国債を市場で消化させるため、国債管理政策を担う財務省は難しいかじ取りを迫られる。
 財務省がまとめた09年度の国債発行計画では、あらかじめ入札の頻度や金額を定めて発行するカレンダーベースの市中発行額は113兆3000億円。今年度当初計画に比べ8兆2000億円増やした。増加は4年ぶり。来年度予算で財源を確保するため、新規国債を今年度当初予算より7兆9460億円増発し、33兆2940億円とするのが主因。個人向け国債の販売不振で、市場で消化しなければならない国債が増えることも響く。



【産経主張】大学の資産運用 失敗して困るのは学生だ
 駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用のデリバティブ金融派生商品)取引で約154億円もの損失を出し、理事長が解任された。
 金融危機の中、資産運用で損失や含み損を出しているのは駒沢大だけではない。大学経営は冬の時代を迎えているが、教育機関としての重い責任を自覚すべきだ。
 低金利が続き、リスクの高い金融商品で資産運用を行う大学が増えている。日本私立学校振興・共済事業団の平成17年度末の調査ではデリバティブ取引を行っていた大学・短大は75校あった。
 国立大の資産運用は、法律で元本が保証されたものに限られている。これに対し、私立大の資産運用は原則自由になっている。
 駒沢大は昨年度から外資系金融機関と契約してデリバティブ取引を始めた。ところが金融危機で含み損が膨らみ、今年10月にあわてて解約したものの巨額の損失だけが残ったという。
 大学側は、教育研究には影響がないとしている。だが損失を埋めるため、銀行から約110億円の融資を受ける際にはキャンパスの土地建物やグラウンドを担保にせざるをえなかった。
 入試時期を控え、総長、学長らは留任した。大学経営の根幹にかかわる問題であり、学生らの動揺は小さくない。問題があれば隠すことなく、経営内容の透明性を高めることが重要だ。
 文部科学省は「私立大の資産運用は自己責任で」との立場だが、問題が明らかになった先月、事態を重視して報告を求めている。
 南山大を運営する南山学園名古屋市)をはじめ、その後も金融取引で損失を出した大学が次々と明らかになっている。この事態は深刻に受け止めねばならない。
 少子化で受験生が減る中、大学は学費や受験料以外の収入源を求める傾向を強めている。金融機関から勧められるまま、十分なリスク認識もなく安易な資産運用に手を出すケースも多いようだ。教育機関マネーゲームに巻き込まれるようであってはならない。
 税制の優遇や私学助成などがある私立大などは、一般企業に比べ経営が甘くなりがちだ。今回の失敗を猛省し、大学経営の根本を見つめ直す必要があろう。
 大学をめぐる環境は今後さらに厳しさを増す。高い経営判断と真に教育研究の質を高める地道な努力が一層求められる。