(ノ゜Д゜)八(゜Д゜)ノ新聞

自動車大手救済で米政府、1.5兆円融資 破綻を当面回避
 【ワシントン=大隅隆】ブッシュ米大統領は19日、経営危機に陥っているゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーにつなぎ融資を実施すると発表した。最大174億ドル(約1兆5000億円)で金融安定化法に基づく公的資金を活用する。2社は、来年3月末までに債務や人件費の削減など抜本的な再建計画を策定する。金融危機で深刻化した米自動車大手の経営危機は、政府支援による破綻回避でひとまず決着。本格再建の行方はオバマ次期米政権に持ち越された。
 ホワイトハウスで声明を発表したブッシュ大統領は「自動車大手の経営破綻は深刻な景気後退を招く」と指摘。「通常なら破産法を適用すべきだが(異常な経済情勢の)現時点ではうまくいかない」と語った。
 つなぎ融資はGM134億ドル、クライスラーが40億ドル。12月29日から来年2月まで順次実施する。このうち40億ドルは2月に議会の追加承認を経て実施する。



ホンダ社長「円高続くと正社員削減も」 国内生産、縮小検討
 ホンダの福井威夫社長は19日、日本経済新聞社の記者らの取材に応じ「現在の円高水準が続くと来期(2010年3月期)には正社員の削減もありうる」と述べ、為替相場が1ドル=90円前後で推移し続けると一段のリストラに踏み込む意向を示した。海外にさらに生産をシフトすることも検討する。来期の赤字転落を防ぐため「聖域を設けずリストラに取り組む」という。
 ホンダは世界的な自動車販売減と急速な円高の進行で業績が悪化。2008年度下期(08年10―09年3月)の連結営業損益が1900億円の赤字に転落する見通し。業績悪化に歯止めをかけるため新工場や研究所の稼働時期を延期するなど事業戦略の大幅見直しに着手している。
 福井社長は同日の取材で「1ドル=80円台は異常な水準で、100円台に戻ると思う」と述べた上で、仮に来期以降も現在の円高水準が定着すると、11月末時点で約4500人いる期間従業員が「限りなくゼロに近づく」との考えを示した。雇用確保で最重要視していた既存正社員についても「削減がありうる」と語った。



電子情報産業の08年世界生産額、横ばいの237兆円に下方修正 JEITA
 電子情報技術産業協会(JEITA)は19日、世界の電子情報産業の生産額見通しを発表した。2008年の生産額は昨年12月時点の07年比7%増をプラスマイナス0%となる237兆円に下方修正する。09年については08年比2%増と予測したが、会見した庄山悦彦会長(日立製作所会長)は「伸ばしたいという期待も込めた数字」と述べた。
 庄山会長は「このような時期に予測を出すのは非常に困難」と前置きしたうえで、08年の下方修正の理由を「北京五輪による購買機運が期待ほど盛り上がらなかった」「新興国についても世界的な経済不振の影響を受けた」と述べた。ITソリューション分野はほぼ予測通りに伸びたものの、全体のマイナスを補うほどではなかったという。
 日系企業の世界生産についても、当初予測の07年比6%増から3%減にマイナス9ポイント下方修正した。ITソリューションサービスは予測通り3%増となった一方、電子機器は3%減、電子部品・デバイスは5%減と落ち込んだ。
 09年の分野別の世界予測では、08年に5%増の伸びを見せたテレビが1%増と減速する一方、HDDレコーダーなどの映像記録再生機器は22%増と高い伸びを見込む。携帯電話は08年の0%に続き、1%増とほぼ横ばいにとどまる。パソコンも2%増の微増。日系企業の09年世界生産はプラスマイナス0%で、世界全体の伸び率を下回ると予測している。



ダイア建設民事再生法の適用を申請 負債総額300億円
 中堅マンション分譲会社のダイア建設は19日、東京地裁民事再生法の適用を申請、同日受理されたと発表した。負債総額は300億円。同社は2003年8月に産業再生機構が支援を決め、レオパレス21が支援企業となり経営再建を進めてきた。しかし、不動産市況の低迷で主力の分譲マンション販売が苦戦し、年末の資金繰りに行き詰まった。
 ダイア建設は「ダイアパレス」ブランドでマンション分譲事業を展開、08年3月期は1740戸を供給した。ただ、市況の低迷などで売れ行きは振るわず、完成在庫が500戸を突破した。



レノボ、「超小型パソコン」を値下げ 発売後2週間で
 レノボ・ジャパンは19日、6日に発売した超小型パソコン「IdeaPad S10e」を20日に値下げすると発表した。希望小売価格を5万4800円から4万9980円にし、直販サイトでも同日から新価格を適用する。発売後に競合メーカーが同程度のスペックの機種を値下げしたため、発売後わずか2週間での値下げで対抗する。
 価格が5万円程度で持ち運びしやすいノートパソコンは人気が高まっており、メーカー間の競争が激化している。



トヨタ富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に
 トヨタ自動車富士重工業と共同開発を進めている新型の小型スポーツ車の生産、商品化を先送りする方針を固めた。当初は2011年末に生産を開始して国内で投入する計画だった。延期期間は未定だが、12年以降で市場動向を見て判断する。両社は4月に提携を拡大、スポーツ車事業は協業の柱だったが国内市場の低迷が深刻化。十分な販売を確保するのが難しいと判断した。
 両社は4月、トヨタ富士重工への出資比率を8.7%から16.5%に引き上げることを決めたのを受け、共同で小型のFR(後輪駆動)式スポーツ車の開発に着手した。富士重群馬県大泉町に専用の新工場を建設し2011年末に生産を開始、一部をトヨタに供給して両社ブランドで販売する計画だった。生産台数は年間10万―15万台を想定していた。



アジア企業、続々賃下げ 個人消費低迷に拍車
 【シンガポール=野間潔】アジア企業が賃金引き下げで人件費を削減する動きを本格化している。給与削減の対象は役員・管理職から一般従業員にまで広がってきた。大幅な人員削減は世論や労働組合の反発もあり困難なため、雇用を確保しながら総人件費抑制を図る。米国発の金融危機で輸出依存度の高いアジアの景気は減速しており、賃金カットの動きは域内の個人消費までも冷え込ませかねない。
 韓国の中堅鉄鋼メーカー、東部製鉄は来年1月から課長級以上の給与を30%削減する。資金不足に直面しており、役員だけではなく、幅広く管理職の人件費削減に踏み切る。ハイニックス半導体も年明けから最高経営責任者(CEO)の報酬を30%、他の役員は10―20%削減する。



パナソニック、三洋買収を発表 戦略分野に1000億円投資
 パナソニック(旧松下電器産業)と三洋電機は19日、パナソニックが三洋を買収することで最終合意したと発表した。来年2月にも三洋の全株式を対象に1株131円でTOB(株式公開買い付け)を実施、3月末の子会社化を目指す。パナソニックの大坪文雄社長は同日の記者会見で「(充電池など)戦略分野で1000億円規模の投資を実施する」と表明、世界景気減速下でも成長戦略を加速する。
 パナソニックは同日、三洋株の過半取得を目指しTOB実施を決議した。既に米ゴールドマン・サックスグループや大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の大株主3社は保有する三洋優先株の売却で合意しており、TOBは成立する見通し。三洋も同日、TOBへの賛同を決めた。



経済界、日銀利下げを歓迎 「経済下支えに」
 日本経団連御手洗冨士夫会長は19日、日銀の利下げについて「国際金融情勢、日本経済を取り巻く状況から適切な措置だ。企業金融の円滑化に向けた追加措置導入も評価する」とのコメントを発表した。日本商工会議所の岡村正会頭も「需要の激減に加えて円高が進行している現在、金融面から経済を下支えする必要があり、歓迎する」との談話を出した。



政府、生活防衛対策で金融安全網を大幅拡充
 政府は19日、金融安定化策や雇用対策など総額で43兆円規模の生活防衛対策を決めた。このうち金融安定化策は33兆円に上る。銀行や事業会社の保有株式の受け皿となる「銀行等保有株式取得機構」の買い取りを再開したうえで、買い取り枠を過去の2兆円から20兆円に大幅に増額する。金融機関に公的資金を予防注入する新たな金融機能強化法の公的資金枠も10兆円増やして合計12兆円にする。金融安全網を拡充することで金融システムが動揺することを防ぐ。
 政府の対策で目立つのが銀行等保有株式取得機構による株式買い取り枠の増額だ。過去の枠から一気に10倍の20兆円に増やす。その根拠は今年3月末で銀行が持つ株式が17兆円、事業会社が持つ銀行株が5兆円と合計で22兆円に上ること。理屈の上ではこれら株式をほぼすべて買い取ることができるようにする。機構が買い取り原資を調達する際の政府保証枠として今年度第2次補正予算案に盛り込む。



「中川氏に新党構想も」 森元首相が見通し
 自民党森喜朗元首相は19日のTBS番組の収録で、中川秀直元幹事長が政界再編に踏み切る可能性について「結構におわせている。そういうことはかなり前から聞く」と強調した。さらに「次期衆院選後に自民・民主両党が半数を超えないこともあり得る。ひょっとしたら中川氏を大将に1党つくろうとなるかもしれない」と述べた。
 森氏は中川氏による新党結成について「そういう考えがあるかもしれない。そこは僕らのように自民党でずっと来た人とちょっと違う」と語った。中川氏が麻生太郎首相が表明した3年後の消費税増税を批判していることには「今はみんなで心を1つにして政策を提起していくときだ」と苦言を呈した。



金利0・1% 危機モードに戻った金融政策(12月20日付・読売社説)
 世界的な金融危機と国内景気の急速な悪化を受け、金融政策が再び危機対応モードに戻った。
 日本銀行は19日の金融政策決定会合で、政策金利を0・2%引き下げ、0・1%とした。
 バブル崩壊後の金融不況期に採用された「ゼロ金利政策」が事実上、復活したと見てよかろう。
 長期国債の買い取り額の上積みや、企業への新たな資金供給策も打ち出し、実質的な金融の量的緩和政策に踏み込んだ。
 ゼロ金利量的緩和は、米連邦準備制度理事会FRB)が16日に導入した。日銀は前回の利下げから2か月足らずでこれに呼応した形だ。
 12月の企業短期経済観測調査(短観)では急速な景気の落ち込みが確認された。米国が日本より低金利になり、円高圧力も強まっていた。迅速に追加緩和を決断したのは妥当だったと言えよう。
 政府は2008年度の実質成長率の見込みをマイナス0・8%に下方修正した。09年度は0%成長の「目標」を掲げたが、実際には約10年ぶりに2年度連続のマイナス成長となりそうだ。
 物価上昇率も、09年度はマイナスとなる見通しで、デフレ再来の恐れは一段と強まってきた。
 財政・税制による景気対策に加えて、潤沢な資金供給による金融市場の安定が、デフレの深刻化を防ぐために欠かせない。
 日銀が今回、金融機関から買い入れる長期国債の規模を、月額1・2兆円から1・4兆円に増額したのも、市場への十分な資金供給を確保するためだ。
 01年から5年間続いた量的緩和政策では、日銀当座預金に最大30兆円超の資金を積み上げ、金融市場の不安を和らげた。しかし資金の多くは金融機関に滞留して企業などに届かず、景気改善の効果は限られたとされる。
 今回の金融危機では、コマーシャルペーパー(CP)や社債での資金調達が困難になり、大企業も資金繰りに苦しんでいる。
 このため日銀は、CPを買い取る新制度を打ち出した。自ら「最後の買い手」となり、企業に資金を流すのが狙いだ。買い取る債券などの対象拡大も検討する。
 倒産などで資金が回収できなくなるリスクを日銀自身が負うのは異例だ。金融正常化に向けた強い決意がうかがえる。
 日銀は、財務の健全性を大きく損なわない範囲でさまざまな工夫を凝らし、金融緩和の実効性を高めてほしい。