(((゜Д゜;)))新聞

トヨタ、鋼板7年ぶり値下げ要求へ 鉄鋼大手に09年度分
 トヨタ自動車新日本製鉄など鉄鋼各社に自動車用鋼板の値下げを要求する方針を固めた。世界的な自動車販売不振で鋼板需要が減り、鉄鋼原料価格も下落に転じる見込みのため。2009年度購入分について3割程度(1トン3万―3万5000円)の引き下げを求める方向だ。年明けから交渉に入るが7年ぶりの値下げが実現する可能性が高い。他の自動車大手や造船・電機会社も値下げを求めるのは必至で、03年から上昇してきた鋼材価格は転換点を迎える。
 自動車メーカーと鉄鋼メーカーは年に1回価格を決め、トヨタ新日鉄の合意価格が相場の指標となる。トヨタは年明けからまず新日鉄と09年度分の本格交渉に入る。



ルイ・ヴィトン」のLVJ、銀座の旗艦店出店計画を撤回
 仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」商品を扱うLVJグループ(東京・港)が東京・銀座で計画していた世界最大級の店舗計画を撤回したことが15日、わかった。高額消費不振が深刻なため。積極出店を続けてきたヴィトンが計画を修正したことで、他の海外高級ブランドも日本戦略の見直しを迫られそうだ。
 銀座の数寄屋橋交差点近くに2010年に完成する「ヒューリック数寄屋橋ビル」(地下4階・地上12階建て)をほぼ1棟を借り受け、パリ店に匹敵する旗艦店を造る構想だった。



東芝半導体工場を一時休止 北九州1カ月、大分3週間
 東芝半導体の主力工場で長期間の生産調整に踏み切る。年末年始をはさみ、北九州工場(北九州市)でほぼ1カ月間、大分工場(大分市)では3週間にわたり生産ラインを休止する。メモリー製品を生産する四日市工場(三重県四日市市)の休止は7年ぶりになる。デジタル家電や自動車メーカー向けの販売不振で稼働率が低迷しているため。異例の大規模減産で在庫を圧縮し、市況の底入れを狙う。
 北九州工場は今月25日から来年1月18日までの25日間にわたりラインを完全休止する。生産復旧までの期間を含めると通常操業に戻るまでにほぼ1カ月かかる見通しだ。1年前の年末年始の休止は9日間だった。同工場は自動車や薄型テレビ、携帯電話機などに幅広く搭載される半導体を生産しており、世界的な消費不振の影響を受けた。



森永乳業・製菓が統合交渉 来秋メド、売上高7600億円
 乳業2位の森永乳業と菓子4位の森永製菓が経営統合に向け交渉に入ったことが15日、明らかになった。早ければ来秋の統合を目指しており、実現すれば統合会社の連結売上高は約7600億円(2008年3月期実績の単純合計)と食品業界9位。乳業最大手の明治乳業と菓子2位の明治製菓が来春統合を決めており、森永2社も統合で収益基盤を強化する狙い。人口減による国内市場縮小に景気悪化が重なり、食品業界の再編が加速しそうだ。
 乳業は製菓から1949年に分離して誕生。製菓は現在、乳業株式の10.3%を持つ筆頭株主で、乳業は製菓に1.3%を出資している。来春までに首脳人事などを詰め、来年6月の株主総会にかける案が有力だ。



ブルーレイもDVDもOK、共同テレビがディスク開発
 テレビ番組制作の共同テレビジョンはDVDとブルーレイ・ディスク(BD)プレーヤーの両方で使えるディスクを開発、来年2月に発売する。「ハイブリッドディスク」と呼ばれ、価格は3万6540円。視聴環境を広げ、ソフトの売り上げ増につなげる。
 発売するのはフジテレビの人気ドラマをディスク四枚に入れた「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」。1枚のディスクにDVDとBD両方の記録層を作り、DVD、BDソフトをそれぞれのプレーヤーが自動認識し再生する仕組み。



日産・ゴーン社長「日本経済は危機」 信用収縮・需要減・円高
 日産自動車カルロス・ゴーン社長は15日、主要メディアを集めた懇談会で「日本経済はきわめて危うい。このまま事態を放置すると、日本経済のけん引役だった自動車産業などの製造業が大きな打撃を被る」と危機感を表明した。さらに、日本政府に対して「信用収縮などへの対策を早急に講じるべきだ」と述べ、対応を迫った。
 ゴーン社長によると、日本経済は3つの危機に直面している。1つは急激な信用収縮が起き、長期の投資資金だけでなく、足元の運転資金さえ部品会社や販売店では枯渇しかねないことだ。自動車産業は取引関係が複雑に絡み合い、ある会社の経営が行き詰まると、玉突き的に危機が連鎖する恐れがあるという。
 2つ目は深刻な需要減退。米欧で顕著な新車販売の減速が日本にも波及した。先行き不安から消費者は財布のひもを引き締め始めた。さらに3つ目の問題として、1ドル=90円前後に達した急激な円高をあげた。「円相場がこの水準で定着すれば、日本製品は競争力を持ち得なくなる」とし、製造拠点の海外シフトがいや応なく進むとの認識を示した。



08年の半導体世界市場、4.4%減 日本勢は東芝が3位、民間予測
 民間調査会社、ガートナージャパンは15日、2008年の半導体の世界市場が前年比4.4%減の2619億ドル(速報値ベース)にとどまるとの見通しを発表した。需要減退と価格下落を受け、韓国サムスン電子、米テキサス・インスツルメンツ(TI)など上位10社のうち5社が2ケタの減収になる見込みだ。
 日本勢では東芝の売上高が105億1000万ドル(前年比11.1%減)になる見通し。シェア4%と昨年に続き3位。ルネサステクノロジは減収ながら前年から一つ順位を上げ7位に浮上。NECエレクトロニクスは売上高を前年比5.3%伸ばし、シェアは2.2%。順位が前年の12位から10位に上がった。



OPECが大幅減産へ、17日に臨時総会
 【ロンドン=清水泰雅】石油輸出国機構(OPEC)は17日にアルジェリアのオランで開催する臨時総会で、大幅減産に踏み切る見通しだ。世界的な景気後退に伴い原油需要は急速に減退するとみられる。需給バランスを回復するためには、大幅減産が必要と判断したようだ。
 仏AFP通信によると、OPECのヘリル議長(アルジェリア・エネルギー鉱業相)はオランで15日、「すべての加盟国が減産を支持している。減産は間違いない」と述べた。イランのノザリ石油相も日量150万―200万バレルの減産を支持する発言をしている。
 今年7月に1バレル147ドルまで上昇した原油価格は一時は約40ドルに下落。現在は40ドル台後半で推移している。国際エネルギー機関(IEA)によると、今年の世界石油需要は25年ぶりに前年実績を下回る見通しだ。OPEC加盟各国にとっては原油価格の下落が国家収入の減少に直結する。大幅減産で供給を絞り、価格の引き上げを狙う。



J・フロント:3年で1000人削減へ 新規採用を抑制
 大丸と松坂屋を傘下に置くJ・フロントリテイリングは15日、08〜10年度の3年間で、正社員の約15%にあたる約1000人を自然減により削減する方針を明らかにした。米国発の金融危機を受けた景気後退で高級品や衣料などの消費不振が深刻化する中、新規の採用を抑制して経費削減を進め、経営の効率化を急ぐ。
 08年上期の大丸と松坂屋の正社員数は約6000人で、10年度までの3年間に定年や自己都合による退職者が約1200人見込まれている。一方、09年春の新規採用は約50人。10年以降の採用も同程度以下にとどめる計画で、人員の減少分は、業務の効率化やパート社員の活用などで対応する方針だ。
 J・フロントは不採算の松坂屋横浜店(横浜市)を今年10月末に、大丸今治店(愛媛県今治市)を年内で閉鎖。09年度には直営20店の売り場改装を凍結し、投資を抑制する方針を打ち出している。J・フロントの奥田務社長は「あらゆる経費を聖域なく下げていく」と述べ、コスト削減により消費低迷を乗り切る考えを示しており、百貨店各社にも今後、同様の動きが広がりそうだ。



国内のIPTV契約数、12年末に300万件突破へ IDCジャパン予測
 調査会社のIDCジャパン(東京・千代田)は15日、インターネットを経由して家庭のテレビに番組を配信するIPTVサービスの国内契約数が2012年末に313万件に達するとの予測を発表した。同サービスに対応する薄型テレビの普及なども手伝って、07年末に24万件だった契約数は5年で13倍に伸びる見通しだ。
 予測はテレビ向け有料サービスが対象でパソコン向け映像配信は含まない。国内では通信会社が高速大容量の光ファイバー通信回線の付加サービスとしてIPTVサービスを始めており、NTTぷらら(東京・豊島)の「ひかりTV」などが代表例。IDCジャパンは07年に113億円だった同サービスの市場は12年に1085億円に拡大するとみている。



日経社説 異常な景気に政策のスピード上げよ(12/16)
 日銀による12月の企業短期経済観測調査(短観)は、米国発の金融危機が日本経済を根元から揺さぶる構図を如実に示した。大企業製造業の景況判断は9月より21ポイント悪化し石油危機時の1975年2月と並ぶ過去2番目の大きな下げ幅だった。企業の資金繰りも悪化が著しい。政府・日銀は結果を直視し、一段と敏速な政策対応を打ち出すべきだ。
 日銀短観は約1万の民間企業に直接、景気や金融、雇用の動きを聞いた重要な経済指標である。景気の実感が「良い」とみる企業の割合から「悪い」を引いた業況判断指数は大企業製造業でマイナス24と、情報技術(IT)バブル崩壊後の2002年3月以来の低水準だった。自動車の業況判断が46ポイント悪化するなど、日本を代表する業種の落ち込みが著しい。雇用や設備の過剰感を聞いた指数も10ポイント近く悪化した。
 9月の前回調査は米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻や世界金融市場の激震を十分に織り込んでいない。ある程度予想はされたが、これほど急激な企業心理の冷え込みは深刻というほかない。景気の先行きに対する判断指数も全規模合計の製造業で19ポイント、非製造業で10ポイント、それぞれ前回より悪化した。
 資金繰りや金融機関の貸し出し態度など企業金融の判断も悪化し、信用収縮が始まっているようだ。大企業が短期資金を調達するコマーシャルペーパー(CP)の発行環境判断は21ポイント悪化し、「厳しい」と答えた企業の割合が大幅に上回った。
 企業が一斉に雇用調整や設備投資抑制に走れば、さらに景気が下降する悪循環に陥る。政府と日銀はもっとスピードを上げ、集中的に危機対応の政策を発動する必要がある。
 麻生太郎首相は金融安定化や雇用支援など23兆円規模の経済対策を表明したが、数字ばかりを積み上げた色彩が濃い。バラマキでなく、地球温暖化対応など将来につながる有効需要を政府部門が創出することも大胆に考えるべきではないか。
 日銀も今週の金融政策決定会合での政策判断が問われる。政府は日銀に企業のCPを直接買い取る資金繰り支援策を求めたが、現時点で日銀は慎重だ。金融機関のCPを担保にとって資金供給する方式と違い、企業の倒産リスクを日銀が直接かぶることに抵抗感があるのはわかる。
 だが、緊急事態では必要に応じて非伝統的な政策発動もためらうべきでない。現在年0.3%の政策金利の引き下げも検討課題となろう。異常な景気悪化の局面ではスピードが大切である。