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スク・エニが「ドラクエ9」「10」で描くシナリオ <COLUMN>
 スクウェア・エニックスが10日に開催した「ドラゴンクエストIX」の発売日発表の記者会見で、次作の「X」を任天堂の「Wii」向けに開発することが表明された。新作の発売前に次期作のプラットホームを明らかにするという前代未聞のできごとである。話題作りとしては見事なサプライズで、正直「やられた」と感じた。
 ドラクエ9の発売のメドがついたタイミングで10の影を見せ、継続的にユーザーの期待を高め、ブランド価値を持続する。また投資家の注目も集めることができる。スク・エニは、ドラクエという強力なブランドを利用して、現行ゲーム機世代におけるゲーム開発と経営の両面で自社の立場を強化する土壌をうまく作ろうとしている。
■競争の先行きが見えてきた現世代ハード
 家庭用ゲーム機のハードウエア競争は、世代交代がスタートしてからほぼ3年が経過して将来予測が明快になってきた。「プレイステーション3(PS3)」と「Xbox360」が形成するハイエンドの据置機市場、Wiiが単体で作り上げたローエンドの据置機市場、「ニンテンドーDS」と「プレイステーション・ポータブル(PSP)」による携帯ゲーム機市場の3つのセグメントの共存だ。
 どのハードも、前の世代の「プレイステーション2(PS2)」のように圧倒的な独占を達成することなく、それぞれのハードの特性に合った最適なゲームが人気を博すという状況にある。これは、欧米を中心に市場の拡大が続いたために、それらが併存できるだけ市場のキャパシティーが広がったことが大きな要因と私は考えている。
 また、ハードごとにユーザーから期待されるゲームの嗜好性も変わりつつある。ハイエンド機が得意な技術で勝負するゲームをWiiで展開してもうまくいかないし、その逆もいえる。
ドラクエとFFを使い分け
 そうした状況のなかで、スク・エニは自社の2大ブランドを使い分けて、今後の変化に対応する戦略に出てきた。
 技術志向が強く、海外でも高いブランド力を持つ「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズは、ハイエンド市場の2機種を中心に開発し、世界を前提として戦略を立てる。
 一方で、今後もハイエンドな技術を必要とせず、日本国内でブランド力があるドラクエは、WiiとDSをターゲットにするという区分けだ。そこには、「ドラクエというジャンル」を確立しようという意図があるように見える。
 スク・エニ和田洋一社長は、10月の東京ゲームショウでの基調講演パネルで、FFはロールプレイングゲーム(RPG)というより「FFというジャンル」と発言している。実際、FF13は同じ世界観を共有する3タイトルの開発が同時に進められ、過去のFFシリーズも独自展開が推し進められている。同じロジックをドラクエに使っても、何一つ不思議ではない。
 「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」(DS、06年)は150万本以上のヒットとなり、タイトーのアーケード機用の「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」(07年)もヒットしている。原作者の堀井雄二氏が直接関わっていないドラクエブランドのタイトルは現在も数を増やしており、一つのシリーズを超えたジャンルとしての展開は今後さらに加速すると考えられる。
ドラクエ10の発売準備はすでに始まっている?
 ドラクエは「6」以降、次の新作が発売されるまで、4年あまりの開発期間がかかるのが普通になっている。その法則をそのまま当てはめると、10は2013年発売ということになる。それほど先であれば、このタイミングでWii向け開発を発表するということはあり得ないだろう。
 今から5年後といえば、下手をするとWiiの次世代機への移行が始まっている時期だ。つまり、10はすでに具体的な発売日設定が行われ、別チームによる準備が始まっていると考えてよいだろう。
 堀井氏は、すべてのシナリオやダンジョンなどを自ら徹底してチェックする丁寧な作り手であることは有名だ。ただ、それが開発期間を遅らせる理由でもあった。10日の会見の中でも「他の人が育ってきていろいろ任せられるようになってきている」と述べている。これは、堀井氏がすべてに関わらなくともよい開発体制に移行しつつあることを意味しているともとれる。
 そのためスク・エニは、ドラクエブランドではDSとWii向けの2本柱で、毎年何らかの新作を出す体制を整えてくると予想される。
■海外では弱いドラクエブランド
 ただし、ドラクエは日本のローカルなブランドであり、日本人が感じるようなブランド力は海外ではない。それは露骨に販売結果に表れている。
 スク・エニの2009年3月期第2四半期決算説明会資料によると、「ドラゴンクエスト4」(DS、07年)の販売は、日本が119万本なのに対して、北米は9万本、欧州は14万本だった。「ドラゴンクエスト ソード」(Wii、07年)も日本の50万本に対して、北米は11万本、欧州は10万本と、海外販売比率が低い。
 前作の「ドラゴンクエスト8」(PS2、04年)は、国内で350万本という大成功の後、海外に展開した。海外版は完璧なローカライズが行われ、高い完成度が評価されたが、それでも欧米市場全体で90万本にとどまっている。これはヒットではあるが、大型タイトル相応の大成功にはほど遠い。
 FFが世界の各市場で最低100万本の規模であることと比較すると、いかに海外でドラクエブランドが通用しないかがわかる。
 8が苦戦した理由は、欧米ではコマンド選択をして戦闘するシステムという一番古典的なRPGの形式を現在も守っており、これがユーザーには古いゲームシステムと評価された点がある。またキャラクターも日本的なデフォルメで、欧米人の好みと異なることも人気を得にくい理由と考えられている。
ドラクエ9の1000万本販売は可能か?
 ただ、逆の考え方もできる。日本で形成した巨大なブランドを海外に展開できていないということは、それだけビジネスチャンスを広げられる可能性があるとも言えるのだ。少なくともゲームの質に関しては、それほど心配がないと思えるため、マーケティング的な仕掛けが成功すれば海外でも大きく化ける可能性はある。
 和田社長は、5月の会見でドラクエ9の販売本数について、「1000万本も、ニンテンドーDSではありえない話ではない」と発言し、それが「非現実的な数字ではないか」と波紋を呼んだ。そして、その数字が独り歩きしてしまったために2008年9月の中間決算発表時には、目標販売本数を発表しないというスタンスに切り替えた。
 ただ、その意味するところは明確だ。この年末商戦でDSは1億台突破の可能性さえ見せ、しかも世界のそれぞれの市場で販売台数にそれほど大きな差がない。そのうちの10%、つまり日本、北米、欧州で各300万本ずつ販売することができれば、1000万本到達の可能性があるという単純なポテンシャルの問題だ。
任天堂が支援を約束
 最大の敵は、8と変わらない。今年になって欧米のゲームメディアでは、日本のRPGを分類する「JRPG」という言葉が蔑称に近い響きを帯び始めている。日本人が海外ゲームを「洋ゲー」と呼ぶニュアンスと変わらない。欧米でのドラクエのブランド確立はその壁との戦いになるだろう。
 10日の会見にサプライズ登場した任天堂岩田聡社長は、会見で「ドラゴンクエストをより海外で普及させるためにしっかりやっていきたい」と述べており、海外市場でのサポートをその場で約束している。実際、任天堂はJRPGにも関わらず、JRPGと分類されない「ポケモンというジャンル」を持っていて、海外でも成功を収めている。
 そのため、ドラクエは、「ポケモン」と同じような存在になれるのかという問いに置き換えることもできる。鍵を握るのは、まだ、全体像が明瞭でない、オンライン対戦機能あたりにありそうだ。
 ドラクエ9は今後、国内外で「ドラクエというジャンル」を確立する基盤を作れるかどうかを左右するだけでなく、スク・エニの将来の成長性を決める重要な存在であることは間違いないだろう。



トヨタ、下期は赤字転落
 トヨタ自動車が、平成21年3月期の連結業績予想を再度下方修正する方向で調整していることが13日、わかった。下期(10−3月)の営業損益は1000億円規模の赤字に転落する見通し。半期ベースの営業赤字は米国会計基準を導入した11年以降で初めて。金融危機に伴う景気悪化で新車販売台数は世界的に落ち込んでいるほか、1ドル=90円を突破する急激な円高も利益を圧迫する。
 トヨタは11月の中間決算発表時に通期の連結業績予想を大幅に下方修正。営業利益は従来予想を1兆円も下回る6000億円(前年同期比73・6%減)となる見通しを示し、市場では「トヨタ・ショック」と呼ばれた。
 トヨタの上期の連結営業利益が5820億円。もともと下期の営業利益はわずか180億円にとどまる見通しだったが、これがすべて吹き飛ぶ形だ。
 金融危機以降、トヨタが「ドル箱」にしてきた米新車市場の落ち込みが止まらない。これまで競争力の高かった日本車も販売減を余儀なくされており、トヨタの11月の米新車販売台数は前年同月比34%減の13万307台となった。また、中国やロシアなど新興国市場も減速が著しい。
 追い打ちをかけたのが急激な円高ドル安。トヨタは下期の想定レートを1ドル=100円とみていたが、実際は90円台前半で推移している。海外販売の多いトヨタは為替感応度も高く、対ドルで1円、円高が進むと営業利益は年間で400億円減少する。仮に年度末までの3カ月間1ドル=90円の円高水準が続けば、それだけで営業利益が1000億円減少する計算だ。



携帯電話の年間純増数、ソフトバンクが初の首位へ
 携帯電話の新規契約数から解約数を差し引いた年間純増数で、ソフトバンクモバイルが2008年に初の首位となることがほぼ確実となった。
 電気通信事業者協会によると、08年1〜11月の純増数はソフトバンクが225万1100件だったのに対し、06〜07年と2年連続首位のKDDIは95万9400件で、約130万件差を12月に逆転するのは困難な状況となっている。
 ソフトバンクは、月額基本料980円の「ホワイトプラン」などで契約数を伸ばし、7月に発売した米アップル製の新型携帯電話機「iPhone(アイフォーン)・3G」も新規契約増に貢献したという。



浜岡原発2基を廃炉 中部電力が検討
 中部電力耐震強度の向上工事のため長期運転停止中の浜岡原発1号機、2号機(静岡県御前崎市)の廃炉を検討していることが13日、分かった。両機の耐震工事が当初想定の規模を超え、計画通りの2011年度からの運転再開が難しくなる可能性が出てきたためだ。老朽化した原発廃炉・更新は電力業界での課題となっている。
 浜岡原発1、2号機はそれぞれ1976年、78年に運転を開始。配管破断事故などで1号機は01年、2号機は04年から耐震強度を高める長期の点検・工事に入った。炉心を覆う隔壁のシュラウドの交換や国が想定した地震動を上回る1000ガル(加速度の単位)の強度に対応する工事のため、10年度中の作業完了が困難との見通しが出ている。工事費用も数千億円規模に膨らみ、浜岡原発の隣接地に新たな原発を設置した方が経済的との意見も出ていた。
 中部電の発電電力量のうち、原発が占める比率は07年度で18%と、業界平均の約3割を大きく下回る。原油など燃料価格の高騰に直面し、コストの安い原発の増設が経営課題となっている。



パソコン値下げ急ピッチ 今秋冬モデル早くも3割安
 パソコンが急ピッチで値下がりしている。大手家電量販店では今秋発売の人気モデルが発売開始からわずか2―3カ月で5万円(30%)前後下落。前年の同じ時期に比べ、値下がり幅も1万―2万円拡大している。店頭価格が5万円前後の「超小型パソコン(ウルトラモバイル)」の台頭で、パソコンの価格体系が大きく変動してきた。
 値下がりが目立つのがパソコン各社が9月に投入した「秋冬モデル」。東京・秋葉原ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでは人気の富士通のノート型パソコン「FMV―BIBLO NF/B70」が11万9800円と発売時より5万円下がった。