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一般歳出初の50兆円台 09年度6%増
 2009年度予算編成で、社会保障や公共事業など政策的経費に充てる一般歳出が当初予算ベースで初めて50兆円台に乗る見通しとなった。来年4月から基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げることなどに伴い歳出が大きく膨らむ。一方、景気後退で国の税収は40兆円台に急減する見込み。財政の健全性の目安となる基礎的財政収支は大幅な悪化が確実で、政府が努力目標としている11年度黒字化は一段と遠のく格好だ。
 今年度当初予算(47.3兆円)からの伸び率は約6%。一般歳出の伸び率としては、第2次石油危機後の景気刺激のため13.9%に達した1979年度予算以来の高い水準となる。



支持率急落、与党に衝撃 「話し合い解散」も浮上
 麻生内閣の支持率急落を示した報道各社の世論調査が8日にほぼ出そろい、政界に衝撃が広がった。勢いづく民主党に加え、自民党内でも来年の通常国会を乗り切れないのではないかとの懸念が強まった。来春の衆院解散・総選挙を条件に来年度予算案や関連法案の年度内成立を野党に呼びかける「話し合い解散」論も浮上してきた。
 「非常時だ。一致団結して経済対策に取り組むべきだ」。8日の政府・与党連絡会議では、危機感を訴える声が相次いだ。自民党内でも「誠に深刻。もはや解散する力は今の麻生政権にない」(山崎拓氏)など悲鳴に近い声が上がった。



米紙トリビューンに経営危機説 新聞再編の引き金にも
 【ニューヨーク=小高航】「ロサンゼルス・タイムズ」などを発行する米新聞大手トリビューン(本社シカゴ)に経営破綻説が浮上している。同社は創業160年の老舗。昨年、米不動産王のサミュエル・ゼル氏が買収、長年続いた同族経営に終止符を打った。本社ビル売却、従業員削減、主要紙「シカゴ・トリビューン」の編集長交代など改革を進めているところに金融危機が直撃した。破綻すれば米新聞業界の再編につながる可能性もある。
 米メディアによると、トリビューンは早ければ週内にも米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請、経営破綻する可能性がある。同社は9月末現在で約63億ドル(約5800億円)の債務超過の状態。銀行などが貸し出しを渋る中、借入金の返済や資金の借り換えが困難と指摘されていた。



SUMCO、太陽電池向け投資拡大 素材生産5倍に
 シリコンウエハー大手のSUMCOは太陽電池向けウエハーの増産投資を拡大する。145億円投じて建設中の新工場に、170億円を追加投資して増産幅を拡大。2010年をめどに生産規模を現状の5倍に引き上げる。世界シェアは3%から10%程度に高まる見通しだ。年率3割のペースで拡大する太陽電池市場を早期に取り込み、市況に左右されやすい半導体向けウエハーを補完する体制を整える。
 2009年2月に立ち上げる新工場(佐賀県伊万里市)の設備を増強する。シリコン原料を鋳造する1次加工装置を増設、薄く切って最終製品に仕上げる設備も新たに導入する。09年2月稼働時には年30万キロワット(発電能力換算)の生産能力を、10年中に50万キロワットに拡大。現在は子会社で年間13万キロワット生産しており、10年には同社の年産能力は63万キロワットとなる。



1―11月の企業倒産、5年ぶり高水準 上場企業倒産、戦後最多に
 民間調査機関の東京商工リサーチが8日発表した2008年1―11月の企業倒産件数は1万4284件となった。03年暦年の1万6255件以来、5年ぶりの高水準を11カ月間で記録した。上場企業の倒産は30件で、暦年の戦後最多を更新した。世界的な金融危機と景気悪化が日本企業に打撃を与え、業種や規模を問わず倒産が増えている。
 11月の倒産件数は1277件。5年5カ月ぶりの高水準となった10月より10.6%減ったものの、前年同月に比べると5.2%増えた。負債総額は5760億5200万円で、前年同月比16.9%増加した。
 全10業種のうち7業種の倒産件数が前年同月より増えた。運輸が2.4倍に膨らんだほか、金融・保険(50%増)や情報通信(37.5%増)などの伸びが高かった。建設(5%減)と不動産(6%減)はやや減少したものの、両業種の倒産件数は全体の3割強を占めている。卸売業(13.2%増)や製造業(10.7%増)なども増え、業種のすそ野が広がってきたという。



豊田市、法人市民税収9割減 09年度見通し、トヨタの業績悪化で
 愛知県豊田市は8日、来年度の法人市民税収が今年度の当初予算比で9割減り、400億円近い減収になるとの見通しを明らかにした。世界的な自動車販売の減少で、トヨタ自動車を中心に市内の企業の業績が急激に悪化していることが原因。同市では既に進めていた予算査定をやり直すなど歳出削減策を急ぐほか、積立金を取り崩して歳入を穴埋めする方針だ。
 同市の今年度一般会計の当初予算は過去最高の1712億円で、このうち法人市民税収は442億円を占める。しかし、10月にトヨタ自動車が2009年度3月期の連結営業利益が当初予想を1兆円下回るとの見通しを発表。これを踏まえて同市が来年度の法人市民税収を計算したところ、400億円弱の税収減になることが分かった。



田崎真珠、希望退職者450人募集
 田崎真珠は8日、本体全社員の3分の1に当たる約450人の希望退職者を募集すると発表した。同社は独立系投資ファンドの傘下で経営再建中で、小売りや養殖など全部門の要員配置を見直すことに伴う人員削減。2008年10月期の業績予想も同日下方修正し、店舗の閉鎖費用などで、連結最終損益が159億円の赤字(前期は20億円の赤字)になる見通しだと発表した。
 希望退職は田崎真珠本体の全社員を対象に、15日から09年1月15日まで募集、割増退職金を支給する。希望者には外部委託会社を通じ再就職もあっせんする。退職日は09年2月28日まで。人員削減による経費の削減額は明らかにしていない。



年末年始の成田利用客10%減 01年以来の大幅な落ち込み
 成田国際空港会社は8日、年末年始(12月19日―1月5日)の成田空港の利用客が前年同期比10%減の約125万人になる見通しとの推計値を発表した。
 今年は、長期休暇の取りやすい曜日配列に加え円高など、海外旅行を後押しする要因も多いが金融危機による景気後退が響き、米同時多発テロの影響で同13.5%減だった2001年以来の大幅な落ち込みとなる。
 出国ピークは12月27日で約4万4900人、帰国が1月3日で約4万7800人の見通し。



神奈川県受動喫煙防止条例 小規模飲食店も除外
 神奈川県の松沢成文知事は8日、全国初となる屋内での喫煙を規制する「公共的施設における受動喫煙防止条例」の素案を発表した。骨子案では、パチンコ店など「喫煙者の割合が特に高い」とされた施設について条例施行後3年間の適用除外を認めたが、素案では除外対象を店舗面積100平方メートル以下の小規模飲食店にまで拡大。さらに譲歩した格好となった。2月の定例議会で提案する。
 県によると、店舗面積100平方メートル以下の小規模飲食店は、県内の飲食店の約7割。県は「施設の規模が小さいほど効果的な分煙方法をとることが困難」として適用除外を認めた。
 ただし、どの施設も除外期間中は受動喫煙防止対策を進め、最終的に禁煙か分煙を選択しなければならない。松沢知事は、期間中の対策について資金的に分煙施設の設置が困難な施設には融資などでサポートする意向を示した。



中小企業の事業承継時、相続株の8割課税せず 政府案
 中小企業の後継者の相続税負担を軽減する「事業承継税制」について、政府が2009年度税制改正で導入を目指す拡充案の内容が8日、明らかになった。租税特別措置法を改正し、事業の後継者に限って相続する株式の課税対象額を8割減額する。自民党税制調査会などで最終調整し、来年度の税制改正大綱に盛り込む。中小企業の廃業を食い止め、雇用確保や技術の継承につなげる。
 事業承継税制の導入に向けて、自社株をすべて後継者が相続できるようにする「中小企業経営承継円滑化法」は5月に成立した。ただ相続税額の軽減などを定める税法の内容はまだ決まっておらず、政府が詳細を検討していた。



国の出先機関 職員大幅削減を画餅にするな(12月9日付・読売社説)
 大胆な職員削減の目標を画餅(がべい)に終わらせてはなるまい。政府は、国の出先機関の見直しに従来以上に真剣に取り組むことが求められる。
 政府の地方分権改革推進委員会が第2次勧告を決定した。15系統の出先機関の事務や職員の地方移管や合理化により、将来的に職員3万5000人程度を削減するよう提言している。
 これほど大規模な職員削減が実現すれば、大きな成果となる。それには各出先機関の事務の徹底した地方移管が前提となるが、関係府省の抵抗が確実な中、今後の展開は決して楽観できない。
 国土交通省地方整備局が直轄する国道はこれまで、81路線の約2500キロ分の移管が決まったが、全体の12%にすぎない。一級河川の移管も、分権委が求めた63水系のうち6水系だけだ。
 国道は61路線、河川は20水系について、国土交通省と関係都道府県との協議が続いている。
 地方農政局の農産物の生産・流通助成事務や経済産業局の新規産業・中小企業支援事務は、「全国的視点に立った」事務を出先機関に残すことになった。
 今後、各省任せにすれば、全部が「全国的視点」の事務と分類され、地方に移されないだろう。
 その場合、出先機関改革は、地方整備局や農政局などを総合出先機関に統合するだけの「看板の掛け替え」になってしまう。
 分権の実を上げるには、地方に移す事務量を極力積み増すことが何よりも肝心である。
 行政の無駄を省き、地方を活性化する視点からも、出先機関のスリム化の必要性は増している。
 麻生首相は先月、地方整備局などの統廃合の作業を加速するよう分権委に指示したばかりだ。首相の「言葉の軽さ」に対する批判にこたえるためにも、今回の勧告を軽んじることは許されまい。
 政府は今後、職員の地方移管などに関する総合調整組織を新設する。質・量とも十分な人材を配置し、勧告をきちんと実行する強力な体制を整えるべきだ。
 勧告は、国が自治体の仕事を法令で細かく縛る482法律の約1万項目の「義務付け・枠付け」について、約4割を廃止または見直すよう提言した。
 保育所や老人福祉施設の設置基準などで自治体の自由度を高めることは、地方分権の本質だ。国民生活に与える影響も大きい。
 関係省庁との調整はこれからだが、政府全体として、必要な法改正を着実に進める必要がある。