(゜Д゜)新聞

上場企業の海外売上高、初の減少 4―9月、米州で営業利益半減
 日本の主要上場企業の海外売上高が初めて減少に転じた。2008年4―9月期(上期)の海外売上高は67兆400億円と前年同期に比べ1%減った。米州では自動車を中心に売上高が1割近く落ち込み、営業利益は半減した。欧州でも営業利益が3割弱減少。世界景気後退の影響が海外売上高比率の高い日本企業の業績を直撃している。中国などアジア諸国の景気も急減速しており、下期も海外部門が企業収益をさらに押し下げる公算が大きい。
 3月期決算企業(金融、新興3市場を除く)のうち連結の所在地別収益を00年9月中間期から比較できる396社を対象に、日本経済新聞社が集計した。連結中間決算の開示が義務づけられた00年9月中間期以降、海外売上高が前年同期を下回るのは初めて。米州の売上高が21兆8000億円と、同9%減ったのが大きい。



オバマ次期大統領が経済再生計画 半世紀ぶりの大型投資表明
 【ワシントン=米山雄介】オバマ次期米大統領は6日、週末恒例のインターネットとラジオを通じた演説で、自らの政権の経済再生計画の概要を明らかにした。「高速道路網を整備した1950年代以来、最大の公共投資を実施する」と述べ、約半世紀ぶりの大型投資を表明。公共建物のエネルギー効率の改善や学校、医療システムの近代化、高速・大容量のネット環境整備にも取り組む考えを示した。
 オバマ氏は「今回の景気後退ですでに200万人近い雇用が失われた」と指摘。経済の困難の克服に向け「今、行動が必要だ」と述べ、経済チームに250万人の雇用を生む経済再生計画の策定を指示したことを改めて強調した。
 同日公表した計画の概要は具体的な財政出動の金額などについては触れていない。ただオバマ氏は「1月に再開する議会と協働して、計画を迅速に成立させる」と力説。景気対策を早急に実行に移す考えを示した。



政府、大企業にも低利融資 09年度末まで6000億円超
 政府は企業の資金繰り支援を拡充する。資金調達が厳しさを増していることから、週明けにも日本政策金融公庫による危機対応円滑化業務の発動を認定。中小企業だけでなく大企業、中堅企業も通常より低い金利で政策金融による貸し渋り対応の融資が受けられるようにする。2009年度末まで6000億―1兆円規模の低利融資枠を設ける方針だ。
 融資の対象は今回の金融危機で、急激に資金繰りが厳しくなった企業。政策公庫が大規模災害や金融環境の混乱などの対応のために設けている「危機対応円滑化業務」を活用し、年内に融資が受けられるようにする。10月に民営化した日本政策投資銀行を通じ、6000億―1兆円規模の大・中堅企業向け低利融資のための枠を確保する。



三者増資、総会決議を義務化 法務省会社法改正で検討
 法務省は、買収防衛などに活用される第三者割当増資により利益が縮小しかねない既存の少数株主の保護に向け、会社法改正の検討に入った。現行法では事実上、取締役会の判断で新株を発行できるが、株主総会の決議を義務付ける方向。来年秋にも法制審議会(法相の諮問機関)で始める会社法の次期改正論議で論点の1つとし、2011年の通常国会への改正案提出をめざす。
 第三者割当増資は取引先や提携先の企業など特定の第三者に新株を割り当てる資金調達方法。1株当たり利益の縮小や投資ファンドなどへの経営権の移動も考えられるため、少数株主や外国人投資家らから規制強化を求める声が強まっていた。



日立のパネル子会社、派遣社員250人を削減
 日立製作所の子会社でプラズマテレビ用のパネルを製造する日立プラズマディスプレイ(宮崎県国富町)は、派遣社員250人全員を来年1月に削減する。パネルのガラス部材の生産を中止し、来年度以降、パナソニック(旧松下電器産業)からの調達に切り替えるためだ。約1000人の正社員についても余剰感があることから、最大で約400人を宮崎県外にある日立グループの工場などに配置転換する。



予算編成3つの難題、調整はヤマ場に 特別枠予算など
 政府は2009年度予算編成の懸案の1つだった基礎年金の国庫負担割合の引き上げを、当初予定通り来年の4月から実施する方針を固めた。予算編成を巡る政府・与党内の調整は今週ヤマ場を迎えるが、地方交付税の増額や、社会保障費の抑制方針を巡る攻防などの難題は着地点が見えない。選挙を控えた与党内の予算増圧力はきわめて強く、与党でくすぶる「特別枠予算」構想が再び勢いを増す可能性もある。
 決着が最後までもつれこみそうな課題が、地方交付税の増額だ。麻生太郎首相は当初、「道路特定財源一般財源化に際し、1兆円を地方に移す」と表明。政府・与党内では1兆円を地方交付税にするか、交付金にするかの論争に発展した。



ダイムラーBMW、新車販売前年割れの公算 08年
 【フランクフルト=後藤未知夫】欧州の新車販売の悪化が続いている。高級車が強みのドイツのダイムラーBMWは、11月の世界販売がそれぞれ前年同月比25%減少。両社とも今年の世界販売が前年実績を割り込む公算が大きい。
 ダイムラーメルセデス・ベンツ乗用車部門は、11月に8万4500台を販売。1―11月の累計販売台数は前年同期比1%減の115万8200台にとどまった。12月も2割強の減少となれば、過去最多だった昨年の129万台を上回るのは厳しい。
 BMWの1―11月の累計は1.8%減の132万3600台。同社は通年で過去最多だった昨年の150万台の販売記録更新を断念した。



北米で追加減産、トヨタが意向 4工場対象
 【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車は5日、北米4工場で追加減産に踏み切る意向を明らかにした。米新車市場の急減速に合わせ、減産の対象を従来の大型車から「カローラ」など乗用車に拡大。来年1月にかけ、最大10日ほどの休業日を設け生産台数を減らす。
 「カムリ」を生産するケンタッキー工場で9日間、米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁工場でカローラを生産する「NUMMI」(カリフォルニア州)で10日間の休業日を追加する。
 このほか、カナダ工場(オンタリオ州)とインディアナ工場が対象となる。



ドイツ取引所、NYSEと合併構想浮上 独メディア報道
 【ロンドン=石井一乗】フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所と、ニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクスト経営統合構想が浮上していることが6日明らかになった。独週刊誌シュピーゲル(電子版)が報じた。ドイツ取引所のトップが、持ち株会社方式による経営統合を盛り込んだ提案書を提示したという。ドイツ取引所はコメントを控えた。
 ドイツ取引所はかつてロンドン証券取引所や欧州取引所連合ユーロネクストの買収を試みたがいずれも失敗。その後NYSEグループがユーロネクストと統合した経緯がある。



郵政見直し、揺れる自民 4分社体制に異論
 自民党内で郵政民営化策の見直し論が浮上してきた。郵便事業会社と郵便局会社の統合など4分社体制の修正や郵便貯金の預入限度額(1000万円)の引き上げなどが主な論点。次期衆院選を前に組織票を持つ全国郵便局長会(全特)との関係を修復したい思惑もちらつく。ただ、小泉改革の象徴ともいえる郵政民営化の見直しには反対論も根強く、麻生内閣の新たな火種になりかねない。
 「一体経営でないと全国一律サービスは担保できない」。5日の自民党の郵政事業に関する検討・検証プロジェクトチーム(PT、中谷元座長)の会合。全特の浦野修会長は現行の4分社体制の見直しを強く求めた。中谷座長も来年1月の取りまとめに向けて「全特の意見に沿って中身を詰める」と断言した。



タイ野党「連立樹立めざす」 タクシン派は再結束探る
 【バンコク三河正久】タイ野党・民主党は6日、憲法裁判所の判決で2日に崩壊したソムチャイ政権で連立与党に参加していた中小政党と連立政権を樹立すると表明した。憲法裁判所判決で解党されたタクシン元首相派の旧最大与党「国民の力党」内の最大会派もこれに合流を決定。下院(定数480)の現職議員の過半数に当たる少なくとも250人以上を集めたとし、民主党主導の連立政権実現に自信を示した。
 ただ、旧国民の力党の解党後、タクシン派議員が移籍した「タイ貢献党」も同日、「我々は過半数の228議席を維持している」と主張し連立維持を表明。5日にはタクシン氏と離婚したポチャマン元夫人も帰国しており、タクシン派が再結束に向け巻き返しに出るのは必至だ。



中国、石油製品の消費税引き上げへ
 【上海=渡辺園子】中国国家発展改革委員会は来年1月1日からガソリンや軽油の消費税を引き上げる方針を発表した。道路整備費として徴収している「養路費」など6項目の費用の廃止に伴うものだが、長期的には省エネルギーなどにつなげたい考え。ガソリンの価格決定メカニズムも国際市場価格との連動を強めるという。
 改革案を5日に発表、一般からの意見を募る。ガソリンの消費税は現在の1リットル当たり0.2元(1元は約14円)を5倍の同1元に、軽油は同0.1元を8倍の同0.8元にそれぞれ引き上げる。発展改革委では「今回の税引き上げで石油製品価格は変わらない」としている。
 中国政府はかねて養路費など自動車諸費用の見直しと「燃料税」導入を検討。最近の原油価格の下落や国内の物価上昇の一段落で導入の機運が高まっていた。



常用漢字 IT時代踏まえ議論深めよ(12月7日付・読売社説)
 情報技術(IT)の進展と共に、日本語をめぐる環境は急速に変化している。そうした時代の変化に応じて、漢字政策も見直していかなければならないだろう。
 常用漢字の見直し作業が、文化審議会国語分科会の漢字小委員会で進められている。
 一般の社会生活での「漢字使用の目安」として1981年に制定された常用漢字表には、1945字が掲載されている。
 しかし最近は、正確に覚えていない難しい漢字でもパソコンの変換キーさえ押せば、難なく表示できる。常用漢字以外の漢字も広く使われるようになった。
 最新のパソコンには、JIS漢字コード表が規定する約1万字が搭載されている。手書きを前提に制定された常用漢字表とのギャップが広がっている。
 小委員会では、書籍や新聞、インターネットなどから使用頻度の高い漢字を選んで、新しい常用漢字について検討を進めてきた。
 「俺(おれ)」「串(くし)」「鬱(うつ)」「彙(い)」など191字を追加候補とし、現在の常用漢字表から「錘」など5文字を削除する案が内定した。
 今後、一般から意見を求めてさらに吟味し、2010年に答申をまとめる方針だ。
 「鬱」や「彙」などは、読むことは出来るが書けないという人が多いのではないか。
 現実に国民が漢字の読み書きをどの程度できるのか、早急に実態調査を行う必要もある。
 学習指導要領は、高校卒業までに「常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字が書けるように」なることを求めている。
 学校の漢字教育のあり方も含めて、国民的な議論を深めていく必要がある。
 字体も、重要な焦点となっている。常用漢字以外の主な漢字の印刷標準字体について、国語審議会が答申した表外漢字字体表は、伝統的な字体を基本としている。
 例えば、新常用漢字の候補となっている「謙遜(けんそん)」の「遜」は、表外漢字字体表では、点二つの「●」が用いられている。(●は点二つのシンニュウに「孫」)
 04年に改正された新しいJIS漢字コード表も、表外漢字字体表の字体を例示している。
 しかし、点二つの「しんにゅう」で常用漢字表に掲載されれば、「遠」などと字体の整合性がとれなくなる。
 IT時代の漢字政策を決定づける重要な見直し作業である。混乱が生じることのないよう、慎重に検討を進めるべきだろう。