(゜∀゜)人(゜Д゜)ナカマ新聞

動き始めたMVNOビジネスで一番恩恵を受けるプレーヤー <COLUMN>
 今週はMVNO仮想移動体通信事業者)関連の動向が話題になることが多かった。11月27日に日本市場向けの端末供給から撤退することを明らかにしたノキアが、NTTドコモのネットワークを借りて「ヴァーチュ」ブランドを来年2月に開始することを正式に発表した。ウィルコムがドコモとMVNOに関して交渉していることも明らかになった。
日本通信が動かしたMVNO
 MVNOという事業方式は携帯電話産業を活性化させると期待されていたが、環境整備が不十分でビジネスモデルの構築がなかなか進まなかった。かつては新規で通信事業を始めようとする企業がドコモなどにMVNO事業の交渉を持ちかけても、条件が明確になっていないなどの理由により拒まれるケースも相次いだ。
 しかし、総務省の後ろ盾もあり、MVNO事業に積極的な日本通信が大きな動きを見せた。
 2006年からドコモと相互接続の交渉を続けてきた日本通信は2007年7月9日、協議の不調を理由に総務相に裁定を求める申請を行ったのである。その裁定は同年11月30日に下された。これによって12月7日、iモード端末接続用として相互接続協定が締結され、日本通信は2008年2月にiモード端末で他のプロバイダーのメールを自動受信できるサービスを開始した。
 両社は2008年6月にはiモード端末以外でも相互接続に合意した。日本通信は中国ZTE社のUSB端末を調達し、「b-mobile3G」というデータ通信サービスを開始している。さらにアラブ首長国連邦ドバイにあるi-mate社から「Ultimate 8502」というWindows Mobile搭載のスマートフォンも調達し、法人市場に売り込みをかけている。本格的なMVNO時代に向けて大きな風穴が開いたのである。
ノキアの超高級ブランドもドコモの回線で
 ノキアの「ヴァーチュ」は、ドコモの回線を借りて来年2月にお目見えする。
 2009年2月19日に東京・銀座に直営店「VERTU銀座フラッグシップストア」をオープンし、端末の予約受付を始める予定。ユーザーにはメンバーシップサービス「VERTU Club」が2009年第2四半期より提供されるという。しかし、話題となっていたコンシェルジュサービスやメールなどの具体的なサービス内容はまだ発表されていない。端末価格は最低でも67万円、最高額は370万円というから、一般ユーザーには縁が遠いかもしれない。
MVNOが前提のモバイルWiMAX
 これに対して、2009年春にも試験サービスが始まるモバイルWiMAXはもともとMVNOを前提としており、より身近な存在となりそうだ。事業を手がけるUQコミュニケーションズは、サービス開始当初は自社ブランドでデータ端末などを供給することもあるが、将来的には裏方にまわり、ネットワーク提供会社に徹する見込みだ。携帯電話事業のようにキャリア自体が端末を永続的に調達するという事業形態にはならないだろう。
 ユーザーは家電量販店などで「UQコミュニケーションズ認証」のデータ端末を購入し、どこかのMVNO事業者と契約するといった形になる。ちょうど「無線LANカード」のように、自由に端末を購入して好きな公衆無線LAN事業者と契約するイメージだ。メーカーもMVNO事業者も参入しやすい方式といえる。
 韓国の端末メーカー関係者は「メーカーが在庫の負担を抱える仕組みではあるが、いずれはVoIPができるような端末を積極的に投入していきたい」と語る。日本におけるモバイルWiMAX市場の立ち上げに期待しているようだ。
■「データ端末版ドッチーモ」の誕生?
 さらに日本経済新聞の報道で話題になったのがウィルコムMVNO参入だ。ドコモのHSDPAネットワークを借りてサービスを提供するという。ウィルコム関係者によれば「交渉しているのは事実だが、まだ決まったわけではない」という。
 もし実現すれば、ひとつの端末でウィルコムPHSネットワークとドコモのHSDPAネットワークが使える「データ端末版ドッチーモ」が誕生する。
 ウィルコムでは、2009年に次世代PHSウィルコムコア」のサービス開始を予定しているが、当初はエリアが限られてしまうため、実用性はかなり乏しいと予想される。であれば、すでに全国的に広がっているドコモのHSDPA/W-CDMAネットワークを間借りして次世代PHSのつなぎにすれば、ユーザーの引き留めも容易になるという考えだろう。
■大手キャリアにも朗報
 ドコモのネットワーク開放は既存の大手携帯キャリアにとっても朗報なはずだ。
 例えば、現状では音声の無料通話にネットワークの負荷がかかってしまっているソフトバンクモバイルが、ドコモのネットワークをMVNOで借りられれば、サービス提供できていないパソコン向けの定額プランも始められる。まさにサービスの「穴」を埋めることができるのだ。
 MVNOを希望する会社がドコモと交渉しやすくなったのは日本通信の功績といっても間違いないだろう。MVNO市場が立ち上がれば、昨今、停滞気味の市場の活性化につながることが期待される。
 ユーザーから見れば、商品やサービスの選択肢は一気に広がる。ウィルコムのような事例が成功すれば、ネットワークの種類やエリアを意識することなく、いつでもどこでもインターネットを楽しめる世界が訪れる。
 
■結局は「餅は餅屋」に?
 とはいえ、総務省としては本来、ドコモにネットワークを開放させMVNO市場を整備したのは、新規に参入を希望する企業のためだったはず。このままではノキアウィルコムといった既存プレーヤーのための仕組みになりかねない。
 一方で、全くの畑違いの企業がMVNOとして通信事業に参入するのはかなりのリスクがあり、成功するのは難しいとも言われている。
 アメリカでMVNOとして参入したディズニーが失敗し、日本ではMVNOではなくソフトバンクモバイルのなかの一つのブランドとして展開している例から見ても明らかだろう。
 新たな市場が期待されているMVNOではあるが、結局は「餅は餅屋」にまかせておくということになるかもしれない。むしろ、そちらのほうが、ユーザーにとってのメリットは大きくなる可能性もありそうだ。



SNSで商品開発の企業増加 トヨタ、イメージ戦略利用
 不景気でなかなか物が売れないことから、各企業は顧客層を絞った商品の開発や宣伝に力を入れ始めた。そうしたなか、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と呼ばれる会員制交流サイトに注目する企業が増えている。商品開発やイメージ戦略に利用する媒体としての価値を探っているのだ。
 昨年から、国内最大手のSNS「ミクシィ」でアイデアを募って開発した商品が誕生している。ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルは洋楽CD「MAXミクシィセレクション」を、カルピスは「『フルーツカルピス』ミックスフルーツ&カルピス」を発売。12月にはエースコックカップめんなどの新商品を出す。エースコックは昨年に続き2度目。
 企業はミクシィ内に「コミュニティ」と呼ばれる特定の話題に興味を持つユーザーが集まり書き込みできる「場」を作り企画案を募集する。応募案を絞った後に、コミュニティでさらに意見を募り、最後に投票で商品化する物やデザインを選ぶ。開発過程はすべて公開。参加者全員が開発者になれる仕組みだ。
 企業の担当者は「時間も労力もかかったが、ユニークな発想が多くあった。消費者と直接コミュニケーションが図れ、マーケティング手段として有効だ」とし、商品開発以外の利用法がないか検討している。
 「若者の利用が多くターゲット層が一致する」と評価するのはトヨタ自動車。同社は、若者向けコンパクトカー「bB(ビービー)」の宣伝手段の一つにミクシィを選んだ。若者に、自分だけの音楽を作って遊べる「場」を提供している。
 若者の自動車離れが進んでいるなか、彼らが関心のあるものを提供して、「使ってみたい」という気を起こさせて呼び込み、印象づけるのが狙いだ。
 SNSを一つの媒体としてどのように使っていくか。ある担当者は「今後は話題性だけでなく、いかに売り上げに結び付けていけるかがポイントになる」とみている。



新車へのCO2規制、EUが12年以降に段階適用へ
 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)は日米欧などの主要自動車メーカーを対象とする二酸化炭素(CO2)規制を2012―15年で段階的に適用する方針だ。当初は導入年次を12年に設定していたが、金融危機や自動車大手の業績悪化を踏まえ、全面導入の時期を15年に遅らせる。新規制はCO2排出量を現行比で平均20%近く削減する内容で、自動車各社は新型エンジン開発や車体改良などの取り組みを迫られそうだ。加盟27カ国が4日から開く環境相理事会で合意する。欧州議会も月内に承認する見通しだ。
 欧州委員会が昨年末にまとめた原案では、導入年次を12年に設定していたが、EUは達成期限に一定の幅を持たせて、自動車各社に環境対応の確実な実行を迫る。EUの新規制は日本が15年度から導入する新規制より厳しい。新規制はEU市場で販売される新車を対象に、1キロメートル走行あたりのCO2排出量を平均130グラム(現行は158グラム)に抑える。



新日鉄とミタル、米での設備増強を凍結 自動車冷え込みで
 新日本製鉄は4日、鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルルクセンブルク)との合弁事業として米国で進めていた、自動車用溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備の増強計画を凍結したと発表した。北米自動車市場の冷え込みを受けた措置で、回復の見通しが立つまで延期することで両社が合意した。
 ミタルとの合弁会社「I/N Kote」(インディアナ州)の工場で、2010年の稼働を目指していた新ラインの建設を中断する。日系自動車メーカーの需要が伸びていたことから2008年春に設備増強計画を打ち出したが、計画凍結を余儀なくされた。ただ、中長期的には北米市場は成長が期待できるとして、継続的に再開を協議していく方針としている。



ホンダ・キヤノン人員削減、期間従業員など 英で早期退職募集
 大手製造業が相次いで人員削減策を打ち出している。ホンダが英国法人の正社員を対象に希望退職者を募るほか、キヤノンでは大分の生産子会社で働く請負会社の従業員数を削減。世界景気の後退を受けて、自動車など製品の需要が急速に減退しているためだ。今後、雇用調整の動きが一段と加速しそうだ。
 ホンダは4日、今月から英国工場で従業員の早期退職を実施する方針を明らかにした。英国工場は2009年2月から2カ月間、操業を停止する計画で同工場は正規従業員の削減に踏み切る。国内でも部品工場中心に来年1月末で期間従業員を490人追加削減する方針。需要不振で各工場の稼働率は低下しており人員削減で工場の採算を改善させたい考えだ。



三洋買収交渉 米ゴールドマン、パナソニックの提示価格を拒否
 三洋電機の買収交渉を巡って、パナソニック(旧松下電器産業)から1株130円前後の買収価格の提示を受けた主要株主の米ゴールドマン・サックス(GS)グループが4日、同水準での売却を拒否したことが分かった。パナソニックはGSの合意抜きで51%以上の三洋株の取得をめざす方針とみられる。
 パナソニック首脳は4日午前、都内でゴールドマン日本法人の首脳と会い、買収価格を提示した。GSは時価(三洋株の3日終値は169円)を下回る水準での売却は困難として、即座に売却を拒否する考えを伝えたもようだ。



米景気、一段と悪化 地区連銀報告、消費不振が鮮明
 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は3日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。総括判断で「経済活動は全域で弱まった」と指摘。全米で景気が一段と悪化したとの認識を示した。とくに小売りや自動車販売など個人消費の不振が鮮明。金融危機の影響は実体経済全般に波及し、米景気後退は深刻化が避けられない情勢だ。
 前回10月の報告に続き、全米での景気悪化が確認されたことで、FRBは15、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げなど一段の金融緩和に踏み切る公算が大きくなった。