(ノ゜Д゜)八(゜Д゜)ノ新聞

シャープ、太陽電池を欧州で生産 伊電力首位と合弁
 シャープは欧州第2位の電力会社であるイタリアのエネルと合弁で太陽電池現地生産する。日本メーカーによる太陽電池の海外生産は初めてで、総投資額は1500億円規模とみられる。イタリアに設ける工場の生産能力は世界最大級になる見通しで、2010年の稼働を目指す。発電時に二酸化炭素(CO2)を発生しない太陽電池は世界的な景気後退下でも需要が拡大しており、世界2位のシャープは積極投資で首位浮上を狙う。競争激化による価格下落で普及に拍車がかかりそうだ。
 シャープ、イタリア最大の電力会社のエネル、欧州機械メーカーの3社が来年初めにも合弁会社を設立する。欧州2社が過半を出資、残りをシャープが負担する方向で最終調整している。合弁設立後にイタリアで工場建設に着手、原材料のシリコンを節約できる「薄膜型」という最新型の太陽電池を生産する。



東芝、HDD代替品を増産 10年度1000億円めざす
 東芝フラッシュメモリーを使うパソコン用の新型記憶装置「ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)」の大量生産を始める。現在は月間4万個の生産規模を2010年度下期に同60万個に引き上げる。ハードディスク駆動装置(HDD)の代替品として主にノート型に供給する。大容量化やコスト低減を進め、10年度には売上高1000億円強を目指す。急速な市況低迷を受け、業績が悪化している半導体事業の巻き返しにつなげる。
 半導体の主力生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)内でSSDを生産している。09年度上期には月産10万個程度とし、その後、段階的に60万個まで生産能力を引き上げ、世界シェア5割を狙う。



有害サイト、民間が自主規制で対応を 総務省研報告案
 総務省の研究会は26日、民間の自主的な規制強化により、ポルノや自殺ほう助といったインターネット上の違法・有害情報への対策を進めることを柱とした報告書案をまとめた。ネット関連会社や一般企業が、健全なネット利用環境づくりを誓う「自主憲章」への参画を促す。表現の自由を尊重し、国による規制拡大は見送る。
 報告書案は違法情報の削除などを定めるガイドラインを、中小のネット関連企業も活用するよう求めている。NTTドコモやPTAなどが来年1月に設立する産学の団体が中心となり、安心なネット環境の実現を目指す。
 国は来年度から有害情報を自動的に検出する技術開発を支援。「自殺」「きもい」といった表現が、特定のサイトと組み合わせて見つかった場合に、有害と判断するような仕組みの開発に補助金を出す。また、利用者が児童ポルノサイトを見ようとすると、プロバイダー(接続業者)が自主的にアクセスを止める実証実験も来年度に行う。



オリエンタル白石が破綻 上場企業 戦後最多30社
 東証1部上場の建設会社オリエンタル白石は、26日、会社更生手続きの開始を東京地裁に申し立てて受理されたと発表した。負債総額は約605億円。信用調査会社の帝国データバンクによると、今年経営が破綻(はたん)した上場企業は30社目で、戦後最多となった。
 オリエンタル白石は、オリエンタル建設と白石が平成19年10月に合併して誕生。合併で経営の合理化を図ってきたが、資材価格の高騰などで経営環境が悪化。また、米サブプライム住宅ローン問題で、金融機関の融資姿勢も厳格化して、資金繰りのめどが立たなくなった。
 東証は26日、12月27日付でオリエンタル白石株を上場廃止にすると発表した。



フィットネス、値上げ広がる
 フィットネスクラブで値上げの動きが広がってきた。最大手のコナミスポーツ&ライフ(東京・港)は12月から首都圏の店舗を中心に月会費を再び上げる。4位のティップネス(東京・千代田)もこのほど月会費を約3%上げた。電気料金上昇や会員数の伸び悩みで収益が悪化しているため。消費者の節約志向が強まる中、フィットネス離れが進む可能性もある。
 大手の大半は1―6月に値上げしている。このうちコナミスポーツ&ライフは3月に実施しており、今回さらに月会費を平均3%強上げる。首都圏では店舗の半分強に当たる約50店が対象。一部店舗では、今年の値上げ幅は合計で8%になる。



財政支出拡大は「緊急避難」 財制審建議、概算要求基準は堅持
 財政制度等審議会財務相の諮問機関)は26日、2009年度予算編成に関する建議をまとめ、中川昭一財務相に提出した。従来の建議は財政健全化を最優先としてきたが、経済対策に伴う補正予算での歳出拡大について「緊急避難的」と容認する姿勢を示し、総選挙を控えた麻生政権への配慮をにじませた。
 今年度補正予算に盛り込んだ経済対策に伴う財政支出の拡大は国際的な経済・金融の大混乱時に対応したものと位置付けた。11年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字にする目標に関しては「目標に向けた取り組みを怠ってはならない」と指摘し、「堅持」と明記した6月の建議より表現を弱めた。
 一方で公共事業費の3%削減などを定めた来年度予算の概算要求基準は堅持するよう求めた。社会保障費の抑制目標は、雇用保険に投入する税負担の削減などで達成すべきだと訴えた。
 建議を受け、中川財務相は近く政府の経済財政諮問会議に報告。予算編成に向けた最終調整に入る。



EUが2000億ユーロの経済対策 財政規律重視を転換
 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)の欧州委員会は26日、総額2000億ユーロ(約25兆円)規模の経済対策を加盟国に提案した。
 今後2年間で企業支援や税制優遇などの景気刺激策を各国に求めたほか、付加価値税(日本の消費税に相当)の引き下げによる消費促進なども盛り込んだ。金融危機に伴う深刻な景気後退をにらみ、財政規律を重視する政策を転換。日米と協調して景気を下支えする。
 経済対策の規模は域内総生産(GDP)の1.5%分に相当する。財政政策は加盟国がなお主権を握っており、欧州委は経済対策で各国に約1700億ユーロの財政出動を求めた。景気刺激策は向こう2年間で集中的に実行し、この間はEUが特例的に各国の財政赤字の拡大を容認して財政支出の余地を広げる。これと並んで欧州委はEU予算などから約300億ユーロを拠出し、横断的に失業補償や職業訓練、研究開発投資を進める計画だ。



09年の世界半導体売上高、5.6%減 SIA予測
シリコンバレー=田中暁人】米国半導体工業会(SIA)は2009年の世界の半導体売上高が08年予測に比べて5.6%減の2467億ドル(約23兆6000億円)になるとの予想を発表した。世界景気の減速を受け、個人用IT(情報技術)機器向けの需要が減る。前年比減となるのはIT株バブル崩壊の影響で売り上げが落ち込んだ01年以来。
 世界の半導体需要の約6割を占めているパソコンと携帯電話の販売数がマイナス成長になることが響く。SIAのジョージ・スカリーズ会長は「世界経済の混乱が半導体売上高に大きな影響を与えているのは明らかだ」と説明した。
 08年の世界売上高は同2.2%増の2612億ドルと、6月時点の予想(2666億ドル)を下方修正した。10年には同7.4%増と再び拡大基調に乗せ、11年には2847億ドルに拡大するとみている。



10月の米個人消費、1.0%減 7年ぶりのマイナス幅
 【ワシントン=米山雄介】米商務省が26日発表した10月の個人消費支出は季節調整済みの年率換算で10兆399億ドルとなり、前月に比べ1.0%減少した。マイナスは4カ月連続で、2001年9月(1.2%減)以来、約7年ぶりの落ち込み幅となった。米個人消費の一段の低迷を映しており、米経済は深刻な景気後退に陥る可能性が出てきた。
 10月の消費支出の市場予想平均は前月比0.7%減。減少率は予想を上回った。9月は同0.3%減で修正はなかったが、7、8月は共に0.1%減とマイナスに修正され、消費の落ち込みが夏から始まっていたことが判明した。
 10月は自動車や家電など耐久財が4.0%減と大幅なマイナスになったほか、衣料など非耐久財も2.5%減と不振。減少率は共に前月より拡大した。
 10月の個人所得は前月比0.3%増と3カ月連続のプラス。市場予想平均の0.1%増を上回った。税引き後の可処分所得も0.4%増と2カ月連続でプラスとなった。



米一戸建て住宅販売、18年ぶり低水準続く 10月5.3%減
 【ワシントン=米山雄介】米商務省が26日発表した10月の新築一戸建て住宅の販売件数は、季節調整済みの年率換算で43万3000戸となり、前月に比べ5.3%減少した。前月水準を下回ったのは2カ月ぶり。米住宅販売は1991年1月(40万1000戸)以来、約18年ぶりの低水準が続いている。
 10月の販売件数は、前年同月比では40.1%減と大幅な落ち込みを記録。同月末の在庫件数は季節調整済みの年率換算で38万1000戸と前月比では8.0%減少したが、販売件数に対する在庫の割合は11.1と9月末の10.9から上昇。過剰在庫の調整が遅れている。



中国が大幅利下げ 下げ幅1.08%
 【北京=高橋哲史】中国人民銀行中央銀行)は26日、商業銀行の貸し出しと預金の基準金利を27日から引き下げると発表した。下げ幅は期間1年の基準金利で1.08%。人民銀は9月半ば以降、3回にわたって0.27%の幅で利下げを進めてきたが、今回は下げ幅を一気に広げる。世界的な金融危機の影響で減速感が強まる景気を下支えする。



アリコジャパンの上期、純損失1410億円
 経営危機に陥った米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下のアリコジャパンの2008年度上半期の純損失が、1410億円に達した。保有するAIG株の大幅な下落が響いた。財務基盤の安定化に向け、経営母体の米アリコは26日付でアリコジャパンに、526億円の資本注入を実施した。
 アリコジャパンは今上期、有価証券含み損3061億円を計上。このうち2235億円を日本の法律上、資本金の代わりに持っていたAIG株が占めた。
 アリコジャパンへの資本注入は9月末に続き2度目。総額1434億円に達した。
 AIG関連ではAIGスター生命保険との合併を目指すAIGエジソン生命保険も同日、605億円の資本増強を発表した。アリコ、スター、エジソンの3社はAIGのリストラで売却対象となっている。「10月以降も銀行窓販で販売に大きな影響が出ている」(AIG広報部)としており、資本増強で資産の劣化を防ぎたい考えだ。



【産経主張】財政再建 国民に安心与える道筋を
 来年度予算編成に関する財政制度等審議会の建議(意見書)がまとまった。先の「生活対策」の財源問題に懸念を示すとともに、財政再建に向けた税制「中期プログラム」の具体化と実行を求めている。
 定額給付金2兆円を含めた「生活対策」の財政措置5兆円は今年度第2次補正予算案に盛り込まれる。建議が補正に言及するのは異例で、それだけこの財源問題に強い懸念があるのだろう。
 麻生太郎政権は財源について赤字国債に頼らないとし、財政投融資特別会計の積立剰余金を使うという。だが、これは法的に国債償還に充てる財源であり、実質的に赤字国債発行と同じになる。建議が「臨時・特例的」とくぎを刺したのは当然である。
 こうした財政規律の緩みは地方対策や社会保障などあらゆる分野に及んでいる。とくに「骨太の方針2006」で示した財政再建目標の揺らぎは深刻である。
 歳出・歳入一体改革による2011年度の基礎的財政収支黒字化目標を達成するには、今夏の試算で最大の歳出削減を行っても3・9兆円の増税が必要だった。米金融危機の影響による税収減に総選挙に向けた歳出圧力が加わると、大増税が不可避となる。
 こうしたことから、与党内には目標先送り論まで出ている。建議がこの目標維持を求めると同時に、2010年代半ばの債務残高対GDP(国内総生産)比引き下げという第2段階の目標と密接にからむ「中期プログラム」に言及したことに注目したい。
 「生活対策」に盛られた中期プログラムは、年末までに策定する社会保障の安定財源を確保するための消費税を含む税制抜本改革の道筋のことだが、どこまで具体化されるのか不透明だ。建議も求めたように、確かな道筋策定と実行の担保は極めて重要である。
 また、道路族や地方が財源分捕り合戦を展開している道路特定財源一般財源化でも、あくまで国の財政健全化に沿うべきだとし、巨額の積立金を有する雇用保険では税負担削減を提言している。もはやこうした既得権益が許されないことは言うまでもない。
 麻生政権にとって大事なのは目先の景気対策だけにとらわれず、社会保障の安定財源確保と財政再建の道筋をどう具体化するかだ。それが国民の安心と成長を支えることを忘れてはならない。