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「折りたたみのNEC」からチェンジ 秋冬商戦メーカー編(COLUMN)
 携帯電話の秋冬商戦モデルが出そろったなか、メーカー別に見て最も「変化」を感じたのがNECの端末だ。これまでの折りたたみ一辺倒から脱却し、ハイスペックモデル「N-01A」ではフルタッチパネル、テンキーと横画面の併用、従来からの縦画面という3つのスタイルを使い分けられる機構を採用した。
 NECが折りたたみ機構を構想してから20年。NTTドコモから4機種を出す今秋冬商戦は再起をかけるNECにとって大きな節目となりそうだ。
■首位奪還を狙う「クリエイティブスタジオ」
 NECが頂点を極めたのは「iモード」全盛時代と重なる。「メールやiモードコンテンツを大画面で見たい」というユーザーの要求に折りたたみケータイがマッチした。同社初のカラー液晶搭載「N502it」、iアプリ対応「N503i」などは空前の大ヒットとなった。
 これにより業界では「折りたたみでないと売れない」が定説となり、他メーカーとも一斉に追随した。ケータイ売場は折りたたみ機種ばかりになり、先駆者であるNECはトップシェアを獲得した。
 だが、首位となったNECは保守的な端末開発にシフトしていく。目新しい機種を出すことなく、いつしか、シャープにその座を奪われることとなる。結果、いまではシャープの牙城が築かれ、NECは下位に沈んでしまった。
 そこで2006年7月、トップシェア奪還に向け、NEC社内に設立されたのが「クリエイティブスタジオ」だった。ライバル会社からデザイナーを引き抜き、これまでとは違った組織体制でケータイを開発するプロジェクトが発足したのだった。
■伊デザイナーと共同開発した「N904i
 だが、新たな組織を作っても、すぐに成果が表れるわけではない。端末開発は発売の2年近く前から行われていることもあり、新製品に対してやれることは限られるからだ。
 実際にクリエイティブスタジオの成果が出たのは2007年5月発売の「N904i」からとなる。イタリアの大物デザイナー、ステファノ・ジョバンノーニ氏とのコラボレーションモデルとして投入し、クリエイティブスタジオは主に本体カラーの調整やプロモーション計画に従事した。
 クリエイティブスタジオが本格的に端末開発にタッチしたのは「N905i」からとなる。折りたたみ式は通常、上と下で同じかたちのものを重ねて折りたたむという設計が一般的だが、N905iでは違う形状にするという取り組みを行った。
 当時、ワンセグの人気によって「AQUOS」や「BRAVIA」といった家電メーカーブランドケータイが相次いで登場してきていたが、NECはやはりパソコンメーカーというイメージが強い。そこで、テンキー部分にパソコンのキーボードのようにしっかりとした感覚のあるキーを採用し、パソコンのような横画面を意識したデザインに仕上げた。
■2年かけ、折りたたみを脱却
 そして、クリエイティブスタジオ設立から2年余りが経過し、彼らが満を持して投入するのが、今回のN-01Aだ。
 佐藤敏明チーフクリエイティブディレクターは「ユーザーがメディアと対話するスタイルが変わりつつある。これまでは限られた相手へのアクセスが中心だったが、いまでは常に情報に接している状態にある」と開発の背景を語る。
 これまでの折りたたみケータイはまさに限られた相手へのアクセスに適した形状だったという。折りたたみを開くのは、本やラブレターを開く感覚とよく似ている。必要なときに人から見られないようにこっそりと開いて情報を見るという世界だ。
 しかし、いまではユーザーは常に情報に接し、自らも情報を発信する時代となっている。ウェブやSNSはパソコンで閲覧するが、他人が横からパソコンの画面をのぞき見してもあまり気にしない世界だ。
 N-01Aが折りたたみではなく、ディスプレーが表に出ているのは、こっそり情報をやりとりするのではなく、いつでも情報を受け取り、すぐに自らも発信できる環境を実現するためである。
 またN-01Aは片手の手のひらで使うことに徹底的にこだわり抜いた。タッチパネルを採用するが、iPhoneのように両手を使うことを前提にしては、日本市場では受け入れられない。片手はつり革、片手はケータイというような通勤スタイルでも快適に使えるためには片手ですべての操作が完結しなくてはならないのだ。
 折りたたみは構想20年、製品化されて17年目のNECの定番であり、「画面を表に出すのに2年かかった」(佐藤氏)という。それだけ、NECにとって、N-01Aは社内的にも大きな変化であるのだ。
■「N-02A」は“究極”の折りたたみ
 だが、NECは折りたたみを捨てたわけではない。もう一方で、“究極”の折りたたみケータイとして仕上げたのが、「N-02A」となる。
 「こちらは17年目の集大成。『ザ・クラムシェル』を目指し、質感にもこだわった」(佐藤氏)。
 NECはこれまで、アークラインと呼ばれる緩やかな曲線を描くモデルや、薄型折りたたみで人気を博してきた。それらをバージョンアップさせることで、究極の折りたたみケータイを実現したという。実際、触ってみると、本体は薄いながらもテンキーはかなり押しやすくなっている。従来機種と比べても差は歴然としている。
■衣食住の「食」を開拓
 NECではこれまで数多くのコラボレーションモデルを手がけてきているが、今回の商戦ではフランスを代表するスイーツブランド「ピエール・エルメ・パリ」をテーマにした「N-03A」を用意した。
 これまでのNECのコラボレーションモデルを分析すると、実は「衣食住」に分けることができる。「衣」はサマンサタバサモデルがあり、ファッション性として佐藤可士和モデルもここに位置づけられる。「住」はamadanaフランフランモデルがある。今回のピエール・エルメは「食」の世界として、NECが先鞭をつけようとしている新しいカテゴリーなのだ。
 「食は生活に一番近く、また気分転換のツールとして最適」(佐藤氏)という。スイーツという日常生活でちょっと幸せな気分になれる世界観をケータイに持ち込んだというわけだ。
 ピエール・エルメは都内に5店舗しかないが、佐藤氏がパリで見つけて、自ら交渉して製品化した。キャリア主導ではなく、メーカーが責任を持ってキャリアに提案し採用に至ったとのことである。
 4機種目の「N-04A」は、今年2月に発売されたamadanaモデルの後継機種となる。今回はNECでは初となるスライド機構を採用した。
 N-04Aに対応したUSB接続のスピーカーもamadanaから発売される予定だ。「USBスピーカーはドコモショップでの販売になる予定」(佐藤氏)。つまり、ドコモショップamadanaブランドの製品を扱うようになる。ケータイとブランドだけでなく、販売店もコラボレーションの一つに加わる形だ。
■Nケータイの「変革」が復活につながるか
 昨今、新販売制度の悪影響によって、ケータイが売れない時代になりつつある。NECの山崎耕司執行役員は「端末価格が上がっているように見えるが、だからこそユーザーはこれまで以上に慎重にケータイ選びをするようになる。その時に、本当に製品の良さで選んでもらえるのがNであるはず」と新製品に自信を見せる。
 大きく変革したNケータイをユーザーはどう受け止めるのか。N-01Aをはじめとする4つのラインアップがNEC復活のカギを握っている。



米シティに再編観測、部門売却や統合検討 米メディア報道
 【ニューヨーク=松浦肇】米大手銀シティグループが証券大手ゴールドマン・サックスなどとの経営統合や部門売却を検討していると、複数の米メディアが20日報じた。金融危機で財務悪化懸念が強まり、再編を含む経営改革を迫られている。同日の米国市場ではシティなど金融株主導で株価が大幅に続落。金融危機の影響は個人消費など実体経済に波及したが、危機の根源である大手金融機関の経営不安が再び台頭、金融市場の混迷が一段と深まってきた。
 シティは21日に取締役会を開き、経営統合や部門売却を含めた抜本的なリストラを検討するという。米メディアによると、ゴールドマンやモルガン・スタンレーなど大手金融機関との合併や資本提携のほか、クレジットカード事業や証券部門スミス・バーニーなどの部門売却も検討されるもよう。シティは一連の報道について「コメントしない」と答えた。
 シティ株は過去1年間で84%下落。20日は前日比26%の急落で、5ドルを割り込んだ。米メディアによると、5ドル割れは米景気が低迷し金融機関が不動産融資の損失処理を迫られた後の1994年以来。



米ビッグ3支援、12月に結論先送り 再建計画踏まえ再審議
 【ワシントン=大隅隆】リード米上院院内総務ら民主党幹部は20日の記者会見で、金融安定化法に基づく米自動車大手3社(ビッグスリー)向け支援の審議を凍結すると発表した。特定産業向け支援の拡大を懸念するブッシュ大統領共和党の支持を得られず、法案成立が難しいと判断したため。12月初旬までに3社が提出する再建計画をふまえ再審議する。
 民主党ビッグスリーの破綻を回避する方針を維持しているが、リード総務は「公聴会で経営トップは救済の必要性を説得できなかった」と説明。12月2日までにビッグスリーが再建計画を提出し「計画が適切であれば同8日の週から審議を始める」(ペロシ下院議長)とした。
 民主・共和両党の超党派の妥協案も20日、ほぼ固まったが、支持は広がっていない。



ビッグスリー再建、「時間との勝負」に
 【ワシントン=武類雅典】経営難のビッグスリー(米自動車大手3社)への政府支援策が固まらなかったことを受け、3社の経営は綱渡りの状況が続く見通しだ。当面の最優先課題は議会と政府を納得させるだけの事業計画を12月2日までに練ることだが、本業の不振は深刻で、手元資金は急減している。米政界を巻き込んだビッグスリーの再建は「時間との勝負」になった。
 ゼネラル・モーターズ(GM)は20日夕に出した声明で、「米議会に提出する事業計画で『存続能力のあるGM』をお見せしたい。米国の納税者への説明責任を果たす」と強調した。フォード・モータークライスラーも同日、事業計画を提出する考えを示した。
 18日と19日に開かれた上下両院の公聴会で、出席議員から経営姿勢への批判や再建への不安が続出しており、従来計画の焼き直しでは支持を集めることは難しい。GMなどは米議会に提出する事業計画の中に資産売却や人員削減などの追加リストラ策を盛り込む可能性もある。



11月の月例経済報告、基調判断2カ月連続で下方修正
 与謝野馨経済財政担当相は21日夕、11月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気の基調については「弱まっている」としたうえで「世界経済が一段と減速するなかで、下押し圧力が急速に高まっている」と判断。足元の景気が急速に悪化していることを反映し、2カ月連続で下方修正した。
 ただ、主要個別項目で下方修正したのは「輸出」だけで、先月の「緩やかに減少している」から「緩やかに」の文言を削除した。内閣府の内規では直近発表の経済指標は分析対象としないが、財務省20日発表した10月の貿易統計で輸出額が減少したことを特別に反映し、2カ月連続で判断を引き下げた。
 主要個別項目の引き下げが実質的にない中での総括判断の下方修正は極めて異例。内閣府は「非常時モード。データだけで見ると判断を間違える恐れがある」と説明し、急速に悪化する景気を注視する必要性を強調した。



iPhone 3Gが絵文字、ストリートビューに対応
 アップルは、iPhone 3Gで絵文字が利用できるようになる最新ソフトウェアの提供を開始した。最新の本体ソフトウェアのバージョンは2.2。
 iPhoneの絵文字対応は、10月30日に開催されたソフトバンクの発表会で予告されていたもの。SMSと、ソフトバンクが提供するiPhone専用のメールサービス「Eメール(i)」( ○○○@i.softbank.jp )で絵文字がサポートされ、これによりiPhoneとほかのソフトバンクユーザーとの間で、絵文字を含んだSMS・Eメールが送受信できるようになる。ほかのキャリアとの絵文字メールのやりとりは、今後順次対応される見込み。
 最新バージョンのソフトウェアではこのほか、Google マップにおける「ストリートビュー」の表示に対応し、Safariの安定性が向上する。また、無線LANおよび3G回線によるポッドキャストのダウンロード機能が追加され、文字入力における自動修正機能のオン/オフが設定できるようになるなど、細かな修正・改善が含まれる。



トラック4社減産 人員削減2000人超に
 国内トラック大手4社が減産に入る。最大手の日野自動車は小型トラックを中心に工場操業体制を見直して12月に減産に入るほか、三菱ふそうトラック・バス川崎市)といすゞ自動車も近く実施する。減産幅(台数ベース)はいずれも当初計画比3割前後の見込み。減産に伴う非正規従業員の削減規模は全体で2000人超になるもようだ。
 日野自は12月から小型トラックを生産する羽村工場(東京都羽村市)の操業時間を半分強に短縮する。大中型を生産する日野工場(東京都日野市)では12月中に5日間操業を停止。うち4日間は2009年1―3月期内に休日を稼働日に変更して調整する計画で「12月の減産は緊急対応」(同社)としている。



米デルの8―10月期、純利益5%減 IT需要の冷え込み響く
 【シリコンバレー=村山恵一】米デルが20日発表した8―10月期の純利益は、前年同期比5%減の7億2700万ドル(約680億円)と2四半期連続の減益となった。人員削減など合理化に取り組んだが、デスクトップ型パソコンが14%の減収となるなど主力品の販売が鈍った。景気減速による世界的なIT(情報技術)需要の冷え込みを示した。
 売上高は3%減の151億6200万ドルだった。10月末の従業員は8万800人と1年で9%を削減。投資を重点分野に絞り込むなどコストを抑制したが、収益力の大幅改善には至らなかった。自社株買いで株数が減り1株利益は0.37ドル(前年同期は0.34ドル)となった。
 マイケル・デル最高経営責任者(CEO)は「品ぞろえの見直しで収益性は増した」と述べた。しかし当面IT需要は伸び悩むとみて合理化を続ける方針だ。