エェ(;゜Д゜)ェエ新聞

7―9月期の実質GDP、年率0.4%減 2四半期連続でマイナス成長
 内閣府が17日朝発表した7―9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.1%減、年率換算で0.4%減だった。前期に大幅減少した輸出の戻りが鈍い中、控除項目の輸入が増加。内需の柱である設備投資も落ち込み、2四半期連続でマイナス成長になった。
 重しになったのは外需で、成長率への寄与度はマイナス0.2%だった。輸出は前期比0.7%増えたが、控除項目の輸入が1.9%増と一段と伸び、補いきれなかった。
 一方、内需も0.1%増と勢いに乏しかった。企業の投資意欲の減退に伴い設備投資が1.7%減少。個人消費は0.3%増え、改正建築基準法施行の影響が一巡した住宅投資も4.0%増加したが、設備投資の落ち込みが響いて内需全体ではゼロ近傍にとどまった。民間在庫の寄与度はプラス0.0%で、GDP成長率のうち内需の寄与度はプラス0.1%だった。



経財相「景気は後退局面にあると認識」
 与謝野馨経済財政担当相は17日午前、同日朝に発表した7―9月期の国内総生産(GDP)速報について「景気は後退局面にあることを示しているものと認識している」と述べ、政府として後退局面入りを認めた。景気の先行きについては「当面、世界経済が減速する中で下向きの動きが続くとみている」と指摘。米欧の金融危機の深刻化や株式・為替市場の大幅な変動をリスク要因に挙げ、「景気の状況はさらに厳しいものになるリスクに留意する必要がある」と続けた。
 経財相は、2009年度の成長率が日米欧そろってマイナスとなるとの国際通貨基金IMF)の見通しを紹介。そのうえで「成長のための良い材料はそろっているとは思えない」と述べ、来年度のマイナス成長見通しを暗に認めた。10年度については「放っておけばプラスに転じるという性格の話ではなく、政府、民間挙げて日本国もプラスに転じるように努力しなくてはならない」と語った。



米GM、スズキ株全株を売却へ スズキが223億円で取得
 スズキは17日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が保有するスズキ株を全株売却することで合意したと発表した。GMは18日に1641万3000株(発行済み株式総数の3%相当)を市場で売却し、スズキは同日午前の東証時間外取引で同数の自社株を取得する。取得総額は223億円を予定し、全額をスズキの手元資金で賄う。
 スズキの鈴木修会長は「GMが資金調達上、保有株式を処分する必要性に迫られた状況も十分理解した」とのコメントを発表した。「現在進行している個別プロジェクトは継続することで(GMの)ワゴナー会長とも確認し合っている。スズキの今後の経営方針に影響が及ぶことはない」としている。
 両社は1981年から提携関係にあり、今後も自動車の技術開発での協力など業務提携を継続するとしている。



米景気後退、09年も 1―3月マイナス成長予想 エコノミスト
 【ワシントン=米山雄介】全米企業エコノミスト協会(NABE)は17日、景気予測調査を発表した。2008年10―12月期の米国の実質経済成長率を前期比年率でマイナス2.6%と予想。09年1―3月期もマイナス1.3%成長を見込んでおり、来年第1四半期まで景気後退が続くとの見通しを示した。
 調査は金融機関などに所属する企業エコノミスト50人を対象に実施。10月下旬から11月上旬にかけての予測を集計した。
 08年10―12月期と09年1―3月期の成長率見通しは、前回の10月時点の調査ではそれぞれ0.1%、1.3%とプラス成長を維持していた。金融危機の影響が実体経済に波及しているのを踏まえ、成長率予測を大幅に下方修正した。



キリンHD、豪コカ・コーラに買収提案 4880億円投入
 キリンホールディングス(HD)は17日、豪清涼飲料大手コカ・コーラ・アマティル(CCA)に買収提案したと発表した。傘下のオーストラリアのビール大手ライオンネイサンを通じた買収総額は80億豪ドル(約4880億円)で、国内食品会社による海外企業の買収では過去最大。少子高齢化などを背景に国内市場が縮小するのに対応し、海外での営業基盤を一気に拡大する。
 ライオンネイサンがCCAの全株式を取得したうえで、両社の統合を目指す。CCAの株主が現金支払いと株式交換のいずれか、もしくは両方の組み合わせを選べるようにした。1株当たりの実質的な取得額は10豪ドル80セントで、14日のCCAの終値に31%のプレミアムを上乗せしたとしている。
 CCAは17日、買収提案について「国内外の飲料会社(の買収)に払われている金額よりもかなり低い」とのコメントを発表した。



トヨタの国内販売、09年は28年ぶり低水準に
 トヨタ自動車の2009年の国内販売台数計画(単体)が150万台を割り込む見通しとなったことが、17日わかった。実績ベースで比較すると、1981年(149万台)以来、28年ぶりの低水準となる。
 国内景気の悪化に加えて、若者の車離れに歯止めがかからず、国内市場の縮小が続くと判断したためだ。
 トヨタの08年の国内販売台数は、1〜10月が前年同期比4・9%減の127万台に落ち込み、7月に5万台を下方修正した目標(155万台)の達成は困難になっている。07年実績(158万台)を下回れば、4年連続の前年実績割れとなる。
 09年は「プリウス」の新型などハイブリッド車4モデルを投入するなどして需要を掘り起こす方針だが、国内市場の冷え込みは厳しく、慎重な計画にせざるを得ない情勢だ。



オバマ氏、米ビッグ3「援助が必要」 大幅なリストラ条件に
 【ワシントン=米山雄介】オバマ次期米大統領は16日放映の米CBSテレビのインタビューで、経営難に陥っている自動車大手3社(ビッグスリー)について「われわれは自動車産業に援助の手を差し伸べる必要がある」と述べた。今週、ホワイトハウスと議会との間で救済策の具体化が進むことへの期待を表明。大統領就任後の優先課題として、住宅差し押さえ防止に取り組む考えも明らかにした。
 大統領選で勝利した後、オバマ氏がメディアのインタビューに応じたのは初めて。番組は14日に収録され、ミシェル夫人も一部同席した。
 オバマ氏は「いまのような経済状況での自動車産業の破綻は大惨事になる」と指摘。公的支援の必要性に言及した上で「(額面が空白の)白紙小切手であってはならない」と強調、大幅なリストラや実現可能な再建計画の策定を条件とする考えを示した。



米ゴールドマンCEOら7人、ボーナス辞退
 【ニューヨーク=藤井一明】米証券大手ゴールドマン・サックスのブランクファイン最高経営責任者(CEO)ら7人の経営陣は2008年のボーナスの受け取りを辞退した。ロイター通信などが16日報じた。金融危機を受け、これまで「勝ち組」とされてきたゴールドマンも収益が急速に悪化してきたことに加えて、金融機関の幹部の高額報酬に対する批判も響いたとみられる。
 ブランクファインCEOは昨年、6850万ドル(約66億円)のボーナスを受け取り、同業他社で返上の動きが広がったのとは対照的な決定として注目を集めた。今年は9―11月期に赤字に転落する見通しが強まり、株価は急落。大幅な人員削減の計画も浮上した。銀行持ち株会社に移行し、公的資金による資本注入の対象にもなるなど経営は厳しさを増していた。
 ロイター通信はすでに7人は社内の報酬に関する委員会にボーナスを受け取らない意向を伝え、委員会も了承したと伝えた。金融業界の高額報酬については公的資金の資本注入の枠組みを決める際に政治問題化した。



中豪首脳、FTA交渉加速で合意 ワシントンで会談
 【シドニー=高佐知宏】オーストラリアのラッド首相と中国の胡錦濤国家主席は16日、ワシントンで会談し、自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を加速させることで合意した。首相は記者会見で「豪州の資源・エネルギー分野や中国のサービス分野への相互の投資を促進するうえでも、早期のFTA締結が重要だ」と述べたが、合意期限の設定には否定的な考えを示した。
 中豪両政府は2005年4月にFTA交渉開始で合意し、同年5月から交渉を始めた。中国側の投資・サービス市場の開放などで交渉が行き詰まり07年11月の第10回交渉後に中断。今年4月のラッド首相訪中時に再開に合意し、6月に北京、10月にキャンベラで交渉を開いた。第13回交渉は来月にも北京で開く見通し。



海外への所得流出、最大の31兆円に 7―9月期の年率換算で
 7―9月期のGDP統計によると、日本から海外への所得流出の規模(交易損失)は実質の年率換算で31兆7845億円となった。前期に比べ約3兆円増え、現在のGDP統計を採用した1994年以降、過去最大の規模を記録した。原油価格はこのところ下落しているものの、なお高い資源・食料価格が日本経済に打撃を与えたことが浮き彫りになった。
 資源の輸入価格が製品の輸出価格を相対的に上回ると、日本から海外に所得が流出する。輸出依存型の日本では、輸入に頼る資源や食料の価格が上昇すると所得流出の規模が拡大する。
 7―9月期は輸入価格が前年同期比17.5%上昇し、輸出価格は0.1%低下した。資源高や食料高の輸出価格への転嫁が進まず、所得流出が拡大した。



YouTube」はラジオ代わり、CDは買わない?――イマドキ中高生と音楽(COLUMN)
 “音楽CD不況”が続いている。カセットテープやMDと違い、CDの楽曲データをコピーするのは簡単。「YouTube」や「ニコニコ動画」にはさまざまな楽曲が動画付きで公開されており、「iTunes」や「着うた」も普及するなど、CDを購入せずに音楽を楽しむ手段が増えている。
 「最近の高校生はCDを『マスター』と呼ぶ」――ブログ「小鳥ピヨピヨ」に投稿されたこんな記事が話題になった。CDは「コピー元のマスター」という扱いで、1人が手に入れたらクラス中で回し、PCに取り込むのが当たり前らしい、という内容だ。
 実際に今の中高生は、CDにどのように接しているのだろうか。中学3年生男子(15)と高校2年生男子(16)、高校2年生女子(17)の3人と、大学1年生(20)に聞いてみた。
 音楽を全く聴かない人から好きなアーティストのCDは必ず購入するという人まで、4人の音楽への接し方はバラバラ。ただCDを「マスター」と呼ぶかについては、「呼ばない、聞いたことがない」と全員が答えた。また、全員が「YouTube」や「ニコニコ動画」の楽曲付き動画をBGMにしているか、そうしている友だちがいると話していた。
好きなアーティストならCDを買う
 「好きなアーティストのCDは新品で購入し、ちょっと好きな場合は中古で買う。見つからなければ借りることもある」――中3男子CDの買い方は、“CD派”の大人と変わらなかった。高2男子も「本当に欲しかったら買う」という。
 メジャーな楽曲ならYouTubeなどを通じて聴くこともできるが、好きなアーティストのものならCDで欲しいという。理由は「カップリングが聞きたかったり、グッズとして欲しいから」。着うたは音が悪い上「携帯はいつもマナーモードだから」ダウンロードしないという。
 高2男子は「データだけでいい場合は借りるが、本当に欲しかったら買う」そうだ。「音は実体のないものだから、本好きな人が本を買うように、音が好きな人はCDを買う。わざわざ買うというのはアーティストへの尊敬の念」という意識だ。
 「いいものはCDで買うが、中途半端なアーティストは買われなくなる。消費者は頭がよくなったんだろう。ネットで落として聞く人は、その音楽に愛情がないんじゃないか」(高2男子)
CDはマスターと呼ばない
 4人全員が「CDをマスターとは呼ばないし、呼ぶ人をも見たことがない」という。もともと音楽を聴かないという大学1年生(20)は「音楽を聴く友人でも、CDを『マスター』と呼んでいる人はいない」と話していた。
 残りの3人は、CDの貸し借りはするものの、クラス全員で回すことはないという。高2女子(17)は「これって、クラス全員が共通のCDを欲しがらないと発生しない状況だよね」と指摘する。好みが多様化した今では想像しにくい状況ではあるようだ。
 中3男子は「CDを持っている人は大切にするから、信頼できる人にしか貸さない」と話す。「貸してと言われても、雑に扱う人には『持ってない』と言う」――CDは彼にとって、「楽曲データを運ぶ媒体」以上の価値を持っているようだ。
YouTubeやニコ動をBGMに
 YouTubeニコニコ動画をBGMとして利用している中高生は多いようだ。中3女子は、YouTubeから楽曲付き動画ダウンロードし、動画の音声をMP3ファイルに変換して楽しんでいるという。
 中3男子も「欲しいCDでも買う余裕がないときはYouTubeで済ませることもある」と話す。ニコ動に投稿されている『作業用BGM』を聞くことも。DVDを買うお金はないから、YouTubeやニコ動で見ることもある」
 高2男子は「YouTubeはBGMとして聴いており、音楽のプロモーションビデオをダウンロードすることもある。ただ、音質が良くないのでMP3に変換したりはしない」という。
 ――今回、話を聞いたのはたった4人。これだけの結果で「中高生はCDを買っている」とか「CDをマスターとは呼ばない」と言い切ることはもちろん、できない。
 ただ、若者にCDが売れないのは「コピーが簡単」という理由だけではなさそうだ、と改めて感じる結果になった。