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NYダウは777ドル安、過去最大の下げ幅
 【ニューヨーク=山本正実】29日のニューヨーク株式市場は、米下院で公的資金を投入して金融機関から不良資産を買い取る緊急経済安定化法案が否決されたことを受け、全面安の展開となった。
 ダウ平均株価(30種)は、前週末比777・68ドル安の1万365・45ドルで取引を終え、過去最大の下げ幅を記録した。



米金融安定化法案、下院が否決
 【ワシントン=矢田俊彦】米下院は29日、米政府による不良資産の買い取りを柱とした緊急経済安定化法案を否決した。
 巨額の税金を投入して金融機関を救済することに国民の反発が強く、選挙を控えた下院議員の投票動向に影響を与えた模様だ。
 これを受け、ニューヨーク株式市場は急落し、先週末比の下げ幅が、700ドルを超えた。各国の金融市場でも大きな動揺が広がる可能性がある。
 緊急経済安定化法案は、最大7000億ドル(約74兆円)の公的資金を投入し、金融機関から不良資産を買い取る内容だ。巨額の税金投入となるため、米議会の反発が強く、特に、下院共和党公的資金を使わずに不良資産を分離する対案まで示していた。調整は難航したが、米政府と議会指導部は28日、国民負担の軽減を図る修正案で合意していた。



シティがワコビア買収へ、総資産307兆円・世界最大級に
 【ニューヨーク=山本正実】米銀行最大手のシティグループは、同4位のワコビアの銀行事業を21億ドル(約2200億円)で買収する。
 米連邦預金保険公社(FDIC)が29日発表した。ワコビアは、資産運用など一部の事業を残し、大半の資産をシティに譲渡する。両行の総資産を単純合計すると2兆9000億ドル(約307兆円)にのぼり、世界最大級の規模となる。米メディアによると、シティは政府がまとめた金融安定化策を活用する方針といい、不良資産買い取りの第1号になる可能性がある。
 シティは、3120億ドル(約32兆7000億円)あるワコビアの融資から生じる420億ドル分の損失を負担する。それ以上の損失は、FDICが負担する。事実上の公的支援となる。
 株価の急落から経営不安が広がり、FDICが、取り付け騒ぎが起きる前に買収を促したとみられ、シティによるワコビア救済のための買収と言える。



日米欧10中銀、ドル供給65兆円に倍増 金融危機の欧州波及で
 日米欧の主要10中央銀行は29日、米金融危機が欧州などに拡大したことを受け、ドル資金を自国市場に供給する協調策を拡充すると発表した。各国中銀が米連邦準備理事会(FRB)からドル資金を調達して自国に供給する額を、これまでの2900億ドルから6200億ドル(約65兆1000億円)に倍増し、期間も来年1月末から同4月末に延長する。日銀も供給額を1200億ドルに倍増する。民間金融機関のドル調達難が続いており、各国中銀は協調体制を強めて金融システムの安定化を急ぐ。
 協調策を拡充するのは日銀、FRB欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行スウェーデン中央銀行など10中銀。10中銀は同日「引き続き密接に協調し、必要に応じて適切な手段を講じる」とする共同声明を発表した。日欧などの中銀は今月18日から26日にかけて、FRB通貨スワップ協定を結んで自国市場に合計2900億ドルのドル資金を供給する緊急策を発表したばかり。



コンテンツ配信・決済独占、携帯各社に開放促す 総務省研究会
 日本の携帯電話市場の課題と改善策を検討する総務省の研究会の最終報告書案が明らかになった。NTTドコモの「iモード」など携帯各社が公式サイトを使い、音楽やゲームなどのコンテンツについて、配信から決済まで独占的に手掛ける仕組みを問題視。事業モデルの抜本的な転換と新規参入拡大を通じて、利用料金の引き下げにつなげる狙いだ。
 30日に開く総務省の「通信プラットフォーム研究会」で正式に提示する。携帯電話のコンテンツは現在、NTTドコモやKDDIなど携帯事業者が公式サイトに乗せるかどうかの権限を持つ。本人確認(認証)と料金支払い代行(決済)も携帯各社が独占的に行う仕組みで、参入の余地がない。携帯各社が設定する仲介手数料も基本的にコンテンツ利用代金の9%とされ、割高との指摘が多い。



東芝、低価格パソコン参入 成長市場、無視できず
 東芝は29日、低価格の超小型ノートパソコンを10月下旬に発売すると発表した。店頭価格は米国や台湾メーカーが先行する「5万円パソコン」より高めの7万円台半ばになる見込み。国内各社は現行品との食い合いを避けるため発売に慎重な姿勢を示してきたが、東芝は急成長する市場を無視できないと判断した。国内大手の参入は初めてで、同市場の競争は一段と激しくなりそうだ。
 国内大手では既に富士通が5万円前後の超小型ノートパソコンを年内に中国などで発売する計画を発表しており、国内での発売は来年夏ごろになる見通しだ。東芝富士通に先駆けて国内での販売に動いた。今後、他の国内大手も追随する可能性があり、低価格パソコンの市場拡大に弾みがつくことも考えられる。



韓国サムスン電子、50ナノDRAMを量産
 【ソウル=鈴木壮太郎】韓国サムスン電子は29日、回路線幅が50ナノ(ナノは10億分の1)メートル、記憶容量が2ギガ(ギガは10億)ビットの新型DRAMを10月から量産すると発表した。最新の微細加工技術の採用で1枚のウエハーから取れるチップの数が大幅に増え、生産効率が従来より60%高まるという。コスト競争力を強化し、販売拡大に結びつける狙いだ。
 回路線幅が50ナノ台のDRAMではすでに韓国ハイニックス半導体が7―9月期から54ナノ製品の量産に着手。日本のエルピーダメモリも来年1―3月期から量産に着手する方針で、メモリー大手による競争が激化する見通しだ。
 サムスンは昨年9月からパソコンやサーバーに使う2ギガビットDRAMを量産しているが、これまでは60ナノ技術を使っていた。今回、50ナノまで微細化を進めたことで、より細い線で回路を構成できる。60ナノ製品よりもチップがさらに小型化し、1つのウエハーから取れる個数が増えた。



8月の訪日外国人2%減 燃料高で06年以来のマイナス
 日本政府観光局(JNTO)が29日発表した8月の訪日外国人客数は74万2000人となり、前年同月に比べて2.0%減少した。前年割れは、旧正月の時期が前年と異なったために落ち込んだ2006年2月以来。この変動要因を除くと、重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2003年7月以来の減少という。原料高による燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の上昇が旅行需要を直撃したとみている。
 国別にみると、韓国は8.6%減の24万8000人だった。円高・ウォン安が進んだことも需要低迷に拍車をかけた。中国は四川大地震による消費者心理の冷え込みが響き、6.3%減の9万3000人。米国は9.2%減の5万7000人、英国は10.7%減の1万6000人で、世界景気の減速などで欧米の訪日外国人も落ち込んだ。
 同時に発表した8月の日本人出国者数は10.1%減の151万6000人で16カ月連続のマイナス。燃料高で海外旅行を控える傾向が続いた。



8月のリース取扱高19%減
 リース事業協会が29日発表した8月のリース取扱高は、前年同月比19.2%減の4218億円だった。前年割れは15カ月連続。企業の設備投資が落ち込んでいることに加え「中小企業の倒産が増えているなかで、リース会社も与信を厳格化している」(企画部)ことが背景にある。
 内訳を見ると、取扱高全体の1割を占める産業機械が37.9%減と大幅に落ち込んだほか、工作機械も27.8%減少した。



大ガス、年明けに大幅値上げへ 料金本格改定
 大阪ガスは29日、ガス料金の本格改定を11月1日に実施すると発表した。原料価格の高騰が続くなか、料金計算の基準となる原料価格を2年ぶりに引き上げるとともに、コスト削減分を料金に反映させる。11月は標準家庭で6019円の月額が45円下がるが、現在の原料価格水準が続けば来年1月には約270円の大幅値上がりになる見通しだ。
 ガス料金の改定は計算基準自体を見直す本格改定と、液化天然ガス(LNG)などの調達価格を3カ月ごとに約半年遅れで料金に反映させる原料費調整制度(原調)の2種類がある。1月の値上げは七ー9月の原料価格をもとに決める原調によるものだが、同制度に基づく上昇幅としては過去最大になるもよう。



日航3労組、10月1日にスト計画 国内線1万4000人影響も
 日本航空は29日、同社の3つの労働組合が10月1日にストライキを計画していると発表した。ストに突入した場合、国際線は通常通り運航するが、国内線は地方路線を中心に152便が欠航、4便が遅延し1万4000人に影響が出る恐れがあるとしている。
 スト計画の背景には、経営再建を目指した会社側の人件費削減案がある。



日経社説 型破り麻生演説に小沢答弁が聞きたい(9/30)
 麻生太郎首相は衆参両院本会議で就任後初の所信表明演説をした。民主党の国会対応を厳しく批判したうえで、2008年度補正予算案などへの対応を問いただす型破りの内容だった。民主党に宣戦布告した形で、次期衆院選の決戦が間近であることを強烈に印象づけた。
 福田康夫前首相はほぼ1年前の最初の所信表明演説で、衆参ねじれ国会の状況を踏まえ、低姿勢で野党に対話を呼びかけた。麻生首相の演説は対照的で、ここはぜひ小沢一郎民主党代表の「答弁」が聞きたい。
 首相は前通常国会での民主党の国会対応を「政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする姿勢に終始した」と断じた。そのうえで合意形成のルールを打ち立てるべきだとの考えを示し「民主党にその用意はあるか」と問いかけた。
 首相は補正予算の成立が「焦眉(しょうび)の急」と訴える一方で、民主党が反対する場合はその論拠などを代表質問で示すよう求めた。所信表明演説で首相自ら野党の国会対応をたずねるのは極めて異例だ。
 来年1月に期限が切れるインド洋上での給油活動に関しても「手を引く選択はあり得ない」と強調し、給油活動の延長法案に反対してきた民主党の見解をただした。
 小沢氏の外交・安全保障観を「国連至上主義」と批判する首相は「日米同盟と国連。両者をどう優先劣後させようとしているのか」とも指摘した。選挙で給油延長の是非などを争点にする狙いを込めたものだ。
 首相は政権の緊急課題として日本経済の立て直しを挙げ「全治3年。3年で日本経済は脱皮できる」と力説した。当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長の3段階で、経済の再生を目指す考えを改めて表明した。
 所信表明などの首相の演説では、各省の政策に満遍なく言及するのが通例だが、首相はこれを排して「麻生色」を鮮明に打ち出した。政権を担う決意は伝わってきた。ただ最優先課題の景気対策でも、補正予算案の成立や定額減税の年度内実施などを除けば具体策は乏しかった。
 首相は近くまとめる自民党マニフェスト政権公約)で、経済成長戦略などを具体的に示す必要がある。税制の抜本改革などに臨む基本方針も明確にしてもらいたい。
 演説の冒頭で首相は、中山成彬国土交通相が一連の問題発言で辞任したことを陳謝した。選挙戦への影響は避けられないが、民主党よりも説得力のある政権公約を示すことで活路を開くしかない。


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