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コンセプトはよいが・・・1年遅れてきたやってきた「au Box」 <COLUMN>
 KDDIは25日、携帯電話とも連携するテレビ用セットトップボックス「au BOX」を発表した。これはケータイとネット、さらにはテレビをつなぐというKDDIの戦略商品で、コンセプトは大いに理解できる。しかし、根本的な疑問もあるのだ。 au BOXはテレビと接続して、au電話機でダウンロードした「着うたフル」などを再生したり、CDの楽曲を携帯電話に取り込んだりできる機器だ。ターゲットは、パソコンを所有していないユーザーである。
■高校生の8割が「自分の部屋にテレビ」
 KDDIでは、すでにパソコン向けに「LISMO Port」といったソフトを提供している。パソコンで音楽や映像を購入して携帯電話で再生、あるいは携帯電話でダウンロードしたコンテンツをパソコンにバックアップとして取っておくといった用途で使われている。
 しかし、「パソコンで使ってもらうというスタイルは想像以上に敷居が高い」(高橋誠コンシューマ事業統括本部長)ことから、今回のパソコンが不要なセットトップボックスが生まれた。
 KDDIが特に想定しているユーザーは10代を中心とした若年層だ。セットトップボックスといっても、家族が集まるリビングでの使用は見込んでいない。高校生や大学生といった学生が、自分の部屋で使うために開発されている。
 同社の調べでは、「自分専用のパソコンがない」というユーザーは56.5%で、高校生に限定すると約8割になるという。一方で、自分の部屋にテレビがあるというユーザーは82%で、高校生でも約8割が所有している。これは、「地デジ対応の薄型テレビが普及したことで、いままで使っていたテレビがリビングから子ども部屋に移動している」(高橋氏)という理由があるようだ。
■「気合い」が伝わる価格設定
 KDDIが今回、au BOXを本気で普及させようという「気合い」を感じさせるのが価格設定と申し込み方法だ。機器のレンタル料金は月額315円。コンテンツの月額料金と変わらない少額の設定になっている。しかも、申し込みは携帯電話ででき、「2―3日で自宅に郵送されてくる」(高橋氏)という。au BOXはDVD/CD再生の機能もあるため、「DVDプレーヤーを買うくらいなら、au BOXのレンタルで済まそう」という人も現れそうだ。
 現在、KDDIがパソコン向けにサービス提供を行っている「LISMO Video Store」では映画や海外ドラマなどの映像コンテンツが約5000本ある。実際、筆者も“モノは試し”と人気海外ドラマ「HEROES」をあえてLISMO Videoを使って視聴し続けている。携帯電話に転送しても字幕がはっきりと読めるので、ドラマの流れはちゃんと分かる。
 ただ、使い勝手が悪いのが「視聴期間」だ。購入した映像コンテンツには視聴期間が設定されており、その期間を過ぎると再生できなくなってしまう。ちなみにHEROESの場合は48時間。つまり2日間しかない。
 携帯電話に映像を転送して「時間のある時に視聴しよう」と思っていたら、再生可能期間が過ぎていたということもしばしばある。コンテンツを保護するという意味で再生可能期間が設定されているようだが、このあたりの改善は早急に行ってもらいたいものだ。
■スペック不足が残念なau BOX
 さて、au BOXだが、この商品コンセプトはとてもKDDIらしいものに仕上がっているように思う。同社では「FMBC」として、固定通信と移動体、さらには放送との連携を目指しているが、その第一歩としてのau BOXの存在価値はあると言える。
 au BOXとインターネット回線をつなげば、LISMO Video Storeでビデオが購入できるし、携帯電話のパケット網を使わず、ブロードバンド回線経由で音楽配信サービスから楽曲を買うことができる。さらにKDDIの「ひかりone TVサービス」に加入すれば、多チャンネル放送を視聴することもこれ1台で可能なのだ。
 ただ、残念でならないのが、au BOXのスペックがあまり高くはないという点だ。モトローラ製のセットトップボックスは、1ギガバイトの保存容量があるのだが、システム部分に800メガバイト弱程度が使われており、ユーザーが使用できる容量は200メガバイト強しかない。音楽CDを取り込んだ場合、約110曲程度しか保存できないのだ(ATRAC3plus/64kbpsでエンコードした場合で、1曲4分と想定)。
 ちなみにHEROESの場合、1話約43分で135メガバイト程度が必要になってくる。いかにau BOXの容量が小さいかがわかるというものだ。ちなみに現在のところ、外部メモリーなどで容量を増設する、といったことは不可能だという。
 パソコンのLISMO portの場合、携帯電話のなかにあるデータをバックアップしておくという用途としても使える。携帯電話でさえmicroSDなどを使って数ギガバイトまでメモリーを増やせるのに、au BOXが200メガバイト強しかないのではバックアップどころの話ではない。
 KDDIではau BOXの機能拡張のためのソフトウエアバージョンアップも検討しているようだが、その場合はシステムの領域がさらに増大する可能性もある。ユーザーが使用できる容量はさらに減ってしまう恐れもありそうだ。
■パソコンのない部屋にLAN回線がある?
 また、au BOXはパソコンを所有していないユーザーをターゲットにしているが、そもそもパソコンのない部屋にブロードバンド回線が引かれているかはかなり疑問だ。残念ながらau BOXは無線LANには対応していない。インターネットに接続しなくても使用は可能だが、DVDプレーヤーなどごく一部の機能しか使えない。au BOXの醍醐味を味わうにはインターネット回線は不可欠であり、そのためにわざわざ回線を引かざるを得ないのは、ちょっと納得がいかない。
 KDDIの複数の関係者に話を聞くと「商品化がかなり遅れた。当初は、KCP+(携帯電話のプラットフォーム)の投入開始に合わせたかったが、この時期になってしまった」という裏事情がある。KCP+の投入開始といえば、昨年の秋冬モデルのタイミング。つまり、一年近く遅れたことになる。
 au BOXのコンセプトは素晴らしい。しかし、商品化のタイミングが遅れたことによって生じた見劣りするスペックが足を引っ張りそうな気がしてならない。



マケイン・オバマ両候補、変革競う 米大統領選討論会
 【オックスフォード(米ミシシッピ州)=丸谷浩史】米大統領選で共和党のマケイン、民主党オバマ両候補は26日の第1回テレビ討論会で、支持率が低迷するブッシュ大統領との距離をともに強調した。金融危機外交政策で、オバマ氏が再三にわたってブッシュ氏とマケイン氏を結びつけると、マケイン氏は「私は一匹おおかみだ」と強く反論。ともに変革を掲げる両氏は「脱ブッシュ」を競い合った。
 先制攻撃したのはオバマ氏だった。最初のテーマになった金融危機について「マケイン氏が支持したブッシュ政権の失政」と決めつけ、その後にも「あと4年間は耐えられない」と、マケイン氏が「第3期ブッシュ政権」だ、と印象づける手法を多用した。
 金融危機と景気は、約40日後に迫った本選挙で最大の争点。これまで多用してきたイラク政策での「ブッシュ―マケイン」の一体性だけでなく、経済を好転させるためにも民主党への政権交代が必要との理屈だ。



毎日新聞、英文サイトの記事無断利用で謝罪
 毎日新聞社は英文サイト「毎日デイリーニューズ」のコラム(閉鎖)が出版や新聞計32社の記事を無断で利用・翻訳していたとして、謝罪する記事を27日付毎日新聞朝刊に掲載した。無断利用した記事の一部は他社の出版物への転載を許して転載料を得ており、返還手続きを進めているという。
 同社によると、サイトの前身の英字紙に1989年10月から2001年3月まで掲載されたコラムにも無断利用・翻訳があり、著作権者への説明、謝罪を続けているという。英文サイトのコラムは不適切な表現があったとして今年6月に閉鎖された。
 毎日新聞社社長室広報担当の話 記事を無断利用・翻訳し著作権を侵害した32社に心よりおわびする。今後、著作権について社員教育を強化する。



中国の成長率「9%程度まで減速」 銀行業監督管理委主席
 【天津=渡辺園子】中国銀行業監督管理委員会の劉明康主席は27日、今後の中国経済について「成長率は(昨年実績の)11%台から9%程度まで下がるだろう」と述べた。中国の政府当局者は2008年の成長率について「10%程度」との見通しを示すことが多かった。劉主席は「大切なのは成長の質」と強調、経済全体は「問題ない」と強調した。
 天津で開催中の世界経済フォーラムの夏季会議(夏季ダボス会議)で質問に答えた。劉主席は金融危機などを背景にした一層の減速懸念について、内陸部でのインフラ投資や所得水準の向上による消費拡大で「輸出減少などの埋め合わせはできるだろう」と述べた。また米政府による金融危機対策について「最大7000億ドルの不良資産買い取りはファストフード的な対応。中国のスープのようにじっくり取り組む対策も必要だ」と指摘した。



米銀10位ナショナル・シティ株が急落
 【ニューヨーク=松浦肇】26日の米株式市場では米銀10位のナショナル・シティ(オハイオ州)の株価が急落し、3.71ドルと前日比で25%下げた。前の日に米貯蓄金融機関(S&L)最大手ワシントン・ミューチュアルワシントン州)が破綻しており、連想売りが出たようだ。同行が基盤とする中西部はサブプライムローン問題に加え、地場企業の経営も悪化している。財務担当者は「自己資本は十分にある」と信用不安説を否定した。



日経社説 麻生首相の駆け足外交の意気は買うが(9/27)
 麻生太郎首相は組閣翌日にニューヨークに向かい、国連総会で演説した。平板な政策演説ではなく、肉声を感じさせた。滞在10時間の駆け足外交の意気は評価するが、G8(主要8カ国)首脳会議議長国の首相としての活動はなかった。日本の政局の動きが国連での外交活動に負の影響を与えている。
 毎年9月下旬に首脳演説がある国連総会に日本は2年連続、首相が出席できなかった。2年前は小泉政権から安倍政権、昨年は安倍政権から福田政権への過渡期だったためだ。2年前、麻生外相(当時)は閣僚、党役員の人事協議を優先して出席を見送り、私たちは「国連外交より人事、では困る」と批判した。
 首相は今回、機中泊だけの厳しい日程で総会に出席した。国連演説を就任後最初の見せ場にしたいと判断したのだろう。自民党総裁選挙のさなかにも草稿に筆を入れていたとされる。個性的な表現を使いながら、世界経済での日本の役割や開発・環境問題、日本外交の関心領域などにも触れた政策演説になった。
 金融危機に「持てる経験と知識の貢献に心がけたい」と述べ、テロとの戦いに「今後とも国際社会と一体となり、積極的に参画する」と語った点は最初の国際発信となる。「いとけない少女、『めぐみ』を含むわが国国民を拉致した北朝鮮」の表現、集団的自衛権をめぐる憲法解釈を変えるべきだとする記者団への発言も麻生氏らしい発信だった。
 国連総会で首相や外相に期待される外交活動は演説だけではない。様々な会談も重要である。このために中曽根弘文外相が同行したが、政権発足以前の22日から24日までは、森喜朗元首相、川口順子元外相がニューヨークに滞在し、首相、外相の事実上の不在を補った。
 それでも、これまで毎年この時期に開いてきたG8外相会議は、日本が議長国だったためか、開けなかった。グルジア問題のせいでロシアを交えた外相会談を準備する情勢ではなかったと説明されるが、問題があればこそ、会談が意味を持ったはずである。開催できなかったのは、主に日本の内政事情であり、日本外交は自らの判断で出番を逸した。
 日本の有権者を意識してあえて日本語を選んだ首相演説には麻生氏らしい味わいはあるが、翻訳版ではどう伝わったか。演説で安全保障理事会非常任理事国選挙に立候補すると表明したが、過去に熱心な運動をしてきた常任理事国入りに対する発言はなかった。日本は意欲を失ったと誤解される危険もある。


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