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麻生内閣発足 「明るく強い国」をどう造る(9月25日付・読売社説)
 麻生新内閣が発足した。衆院解散・総選挙を間近に控えた異例の船出である。今後も活力ある日本を維持していくには、どうすべきか。麻生首相は、内政、外交の見取り図を、早急に示さねばならない。
 第92代、59人目の首相に選ばれた麻生首相は24日夜、組閣を終え、新内閣を始動させた。
 ◆政策推進の3原則◆
 麻生首相は、自ら記者会見して閣僚名簿を発表し、「日本を明るく強い国にする」と強調した。官房長官任せにせず、国民に対して直接、メッセージを発することを重視したものだ。
 首相は、閣僚の任命にあたり、「国民本位の政策を進める」「官僚は使いこなす」「省益ではなく国益に専念する」ように指示した。これを“麻生3原則”とし、政策推進の基本に据える考えを示したのだろう。
 内閣の要となる官房長官に、河村建夫・元文部科学相を起用した。自民党細田博之幹事長と同様、党内で評価の高い実務能力を買ったものといえる。
 総裁選を戦った与謝野経済財政相は再任、石破茂・元防衛相は農相に登用した。両氏の得意分野の政策能力を活用し、挙党態勢にも配慮した人事だ。
 自民党総裁選で麻生氏の勝利に貢献した議員を多数起用した。中川財務・金融相、鳩山総務相、甘利行政改革相は、麻生支持を打ち出し、早くから流れを作った。
 戦後最年少閣僚として、34歳で当選3回の小渕優子衆院議員を少子化相に抜擢(ばってき)した。
 ◆危機管理を怠るな◆
 今月1日の福田前首相の辞意表明後、国内外で、深刻な問題が発生している。内閣として、危機管理体制を総点検し、国政遂行に万全を期すことが求められる。
 米国発の金融危機は、日本の金融機関も巻き込んで、国境を越えた金融再編に発展している。一方で、日本の景気は下降線をたどっている。
 こうした難局にある経済政策の舵(かじ)取りでは、財政と金融の一体的、機動的な運営が欠かせない。
 首相は、中川財務相に金融相を兼務させた。先進7か国財務相中央銀行総裁会議G7)で、日本の財務相が金融行政に関与していない事態を避けるのが狙い、と説明した。当然の判断だろう。
 農薬などに汚染された事故米の不正転売問題で、警察当局は、米穀加工販売会社の強制捜査に踏み切った。行政の機能不全を露呈する不祥事だ。
 石破農相は、再任された野田消費者相と協力し、「食の安全」の確保と農水省の信頼回復に指導力を発揮すべきだ。
 北朝鮮金正日総書記の健康不安説で、独裁国家の意思決定の行方に不透明感が漂っている。
 そうした中で、北朝鮮は、無能力化に合意していた寧辺の核施設の復旧作業に着手した。日本人拉致問題も、被害者の再調査入りのめどが立っていない。
 中曽根外相、浜田防衛相は、米国など関係国との連携を再確認し、北朝鮮の動向に細心の注意を払う必要がある。
 麻生政権発足に先立つ自公両党の政権合意には、公明党が求めた所得・住民税の定額減税など当面の景気対策や、国民に批判の強い後期高齢者医療制度を見直す方針が盛り込まれた。
 一方で、消費税率の引き上げなど国民に負担を求める施策は見あたらない。財源確保策は、国の出先機関の廃止・縮小や、予算のムダの洗い出しなどの行政改革を掲げているだけだ。
 ◆責任ある説明を◆
 首相は「日本経済は全治3年」として経済対策のための財政出動を容認し、2011年度に基礎的財政収支を黒字化する目標については「前提条件が変わった」と先送りする考えを示唆した。
 後期高齢者医療制度の見直しは、自民党総裁選の終盤に唐突に浮上した。必要性を訴えてきた政府・与党の従来の説明と、どう整合性をとるのか。首相と舛添厚生労働相は、国民を混乱させないよう、しっかりと説明すべきだ。
 首相は、就任後初の記者会見で、来年度から基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げると明言しながら、財源については、明示しなかった。
 早急に具体的な財源措置を検討すべきである。
 近づく衆院選は、麻生首相が率いる自民党と、小沢代表の民主党との決戦となる。
 麻生政権が実績を上げていくには、まず、小沢民主党に勝利しなければならない。
 首相は、29日の所信表明演説で、日本再生のためのより明確な理念と、具体的な政策を国民に示す責任がある。代表質問でも、小沢代表をはじめ野党党首と、活発な論戦を展開してもらいたい。



三越、池袋店を閉鎖 鹿児島や宮城でも
 三越伊勢丹ホールディングスは24日、三越池袋店(東京・豊島)を閉鎖・売却することを決めた。大手百貨店が東京都心の店舗を閉めるのは、2000年のそごう東京店(東京・千代田)以来。消費低迷で百貨店の売上高が落ち込むなか、今後も不採算店閉鎖の動きが広がりそうだ。
 三越は池袋店の売却益を地方店の閉鎖などのリストラ資金にあてる。池袋店は1957年に開店したが、西武百貨店東武百貨店との競争が激しく集客で苦戦していた。地方店では、来年中に三越鹿児島店(鹿児島市)を閉鎖。イオングループの商業施設内に開設した武蔵村山店(東京都武蔵村山市)、名取店(宮城県名取市)も同3月に閉める。小型店では神奈川県鎌倉市盛岡市からも撤退する。



ソフトバンクモバイル、シャープ製携帯で異例の実質ゼロ円
 ソフトバンクモバイルは24日、本体カラーが豊富なシャープ製の人気携帯端末シリーズ「PANTONE(パントン)ケータイ」の新機種「830SH」を10月4日に発売すると発表した。昨年2月に出した初代機種「812SH」と共通の金型で製造。本体価格を発売時から実質ゼロ円に抑える。端末販売の不振でメーカーの採算も厳しいため、長期販売できる定番機種に育てたい考え。
 830SHのきょう体は812SHと共通だが、高速でネット接続できる「HSDPA」に対応したほか、カメラによる名刺読み取り、辞書など新機能を搭載した。本体価格は24回の割賦払いの場合、月1780円だが、同額が通信料金から割り引かれるため、実質負担はゼロ円。新たな開発コストが少ないため、新機種では異例の実質ゼロ円が可能になった。



NTT健保、保険料率引き上げ 10月から1%
 単独企業で国内最大の健康保険組合であるNTTの健康保険組合は10月、60万人弱の社員や家族が加入している健康保険の保険料率を1%引き上げる。政府の高齢者医療制度への資金拠出などで支出が膨らみ、健保財政の赤字が続いているため。料率上げは1997年の設立以来初めて。東京急行電鉄など首都圏私鉄各社で構成する健保組合も来年以降の引き上げを検討しており、保険料率上げの動きが産業界全体に広がり始めた。
 NTTとグループ会社の社員と家族が加入する「エヌ・ティ・ティ健康保険組合」は、加入者の給与や賞与などに対する保険料の比率を示す保険料率を、現在の6.27%から7.27%に引き上げる。保険料を加入者と企業が折半で負担しているため、上昇分のうち加入者の負担増は0.5%分となる。各加入者の負担額は年間3万円程度増える見通しだ。



ヤマダ電機、食品・日用品の低価格販売を拡大
 家電量販最大手のヤマダ電機は食品や日用品の低価格販売を拡大する。これまで既存の小型店の活性化策として売り場を設けてきたが、今後は新店や大型店にも最大1000平方メートル規模の本格的な売り場を毎月、最大10店超に開設していく。レジ担当者を家電売り場と共通にするなど運営を効率化し、メーカー品の食品などを希望小売価格より最大5割安く売る。節約志向が強まるなか、家電より購買頻度の高い商品を提供し集客力を高める。
 販売するのは飲料、酒類カップめんなどの加工食品や冷凍食品のほか、ティッシュペーパーや洗剤の日用品で、平均5000―6000品をそろえる。価格は500ミリリットル入りペットボトル飲料87円、発泡酒は500ミリリットル入り6本セット788円など。売り場は家電に隣接し200―1000平方メートルの規模。運営は2002年に買収したディスカウントストアのダイクマ群馬県高崎市)のノウハウを活用、競合店より原則安くする家電量販店の手法も導入する。販売価格の3―10%を家電と同様にポイントで還元する。



ジャガーとランドローバー、最終赤字3億8300万ドル 6月中間
 【ニューデリー=小谷洋司】インドのタタ自動車は米フォード・モーターから6月に買収した英高級車ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」の2008年6月中間期決算で、最終損益が3億8300万ドル(約400億円)の赤字になったと明らかにした。新興国インドの自動車メーカーが欧米の有力ブランドを買収した初めての事例として注目を集めたが、厳しい滑り出しとなった。
 タタは新株発行による資金調達の目論見書で両ブランドの04年以降の業績を公表した。06年までの3年間は最終赤字が続き、なかでも05年の赤字額は20億ドルに達した。07年は10億ドルの黒字に転換したが、今年に入って再び収益が悪化している。
 タタは買収に23億ドルを投じた。大型車が主体だった米市場で自動車販売が低調なうえ、原材料価格が上昇していることもジャガーとランドローバーにとって逆風となっているとみられる。



米GMトラック事業の買収、いすゞ社長「真剣に検討」
 【ハノーバー=後藤未知夫】いすゞ自動車の細井行社長は24日、米ゼネラル・モーターズ(GM)の商用トラック事業の売却について「正式な申し入れがあれば、真剣に検討する」と述べた。GMは非公式に事業売却を打診しており、近く正式提案してくる見込み。同社長は「いすゞにできる範囲で、十分に受け入れる可能性がある」と語った。
 細井社長は独ハノーバーで開催中の国際商用車ショーで日本経済新聞などの質問に応じた。同社長は「長い協力関係があるGMのトラック事業の状況については常に情報が伝わっており、GMもいすゞの実力は知っている」と説明。「社内にもゼロ回答はできないという心情がある」とも述べた。



中東・湾岸産油国系ファンド、米金融危機で投資対象見直し
 【ドバイ=松尾博文】米国の金融危機をきっかけに、中東・湾岸産油国の政府系ファンドの間で投資対象を見直す動きが出始めた。クウェート投資庁(KIA)は米金融機関の救済に応じず、低迷する国内株式市場へ資金供給を増やす方針を明らかにした。米銀などに巨額資金を投じてきた姿勢に国内で批判が出ているため。カタールアラブ首長国連邦(UAE)などのファンドも慎重な構えを見せており、産油国マネーの流れが変わる可能性が出てきた。
 KIAのアルサアド総裁は23日、「金融機関の救済はそれぞれの国の中央銀行の責任」と述べ、米銀救済に応じる考えのないことを強調。一方で「米欧アジアの危機で不動産や金融といった分野の投資機会が生まれるだろう」と語り、投資のポートフォリオを見直す考えを示唆した。



KDDIが超高速ネット接続サービスで、NTTに反撃
 KDDIは24日、光回線を利用し、戸建て住宅向けに通信速度が毎秒最大1ギガ(ギガは10億)ビットの超高速ネット接続サービスを10月1日から始めると発表した。NTTグループの主力光サービスに比べると、通信速度は10倍で、月額料金は同水準に抑える。国内の光通信市場では、NTTが7割超のシェアを持つが、KDDIは圧倒的な“速さ”を武器に反撃に出る。
 新サービス「ギガ得プラン」は月額料金が5460円(ネット通信のみ)で、通信速度が毎秒100メガ(メガは100万)ビットのNTTの戸建て住宅向け「Bフレッツ」と同額。既存のKDDI光通信サービスよりも約20%安い。関東と北海道のみで提供し、他地域は未定という。毎秒1ギガビットのサービスは、西日本地域ではケイ・オプティコムなどが提供している。
 光通信市場ではNTT東日本・西日本のシェアが6月末で72.9%を占め、KDDIは5.6%と大きく水をあけられている。
 NTTは今年3月に、ネットワークを専用機器で制御し安定的に高速通信ができる「NGN(次世代ネットワーク)」を始めるなど、サービスの品質向上で攻勢をかけている。
 KDDIの新サービスは「ネットワークの混雑を引き起こす特定ユーザーへの通信規制などで品質を維持する」(森田圭コンシューマ事業企画本部長)考えで、通信速度の優位性と合わせて、シェア拡大につなげる戦略だ。
 ただ、KDDIは法人やマンション向けには新サービスを提供しない方針で、新規の顧客開拓がどこまで進むかは不透明な部分もある。今後は、光通信事業者を買収した中部地域でのサービス展開など、提供エリアの拡大が課題となりそうだ。


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