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日米欧、ドル防衛で秘密合意 3月の金融危機
 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけにした米金融不安でドルが急落した今年3月、米国、欧州、日本の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密合意していたことが明らかになった。ドル暴落で世界経済に大きな混乱が広がるのを回避するためで、為替市場の安定に向けた緊急共同声明も検討された。米ブッシュ政権はかねて介入に慎重姿勢を貫いてきたが、深刻なドル離れで方針転換を余儀なくされた格好だ。米国主導のドル防衛策は過去にほとんど例がない。米住宅公社の経営問題などでドル不安はなおくすぶっており、各国当局が再び連携を探る可能性がある。
 複数の国際金融筋によると、各国当局がドル防衛策の詰めの作業に入ったのは、米証券大手ベアー・スターンズの経営危機が表面化した3月中旬。金融システムの動揺が収まらず、世界的なドル安、株安に歯止めがきかなくなっていた。



ETC深夜5割引、総合経済政策原案に重点20項目
 政府・与党が月内に策定する総合経済対策「安心実現のための総合対策」の原案が27日、明らかになった。生活・雇用支援や中小企業活力向上など七つの柱を設け、20項目の重点施策を盛り込んだ。
 目玉施策となる、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)の利用者の高速道路料金の引き下げは、平日深夜(午前0時〜午前4時)の割引率を現在の4割から5割程度に拡大する。
 さらに、割引開始時間を午前0時よりも早める方向で検討する。また、観光客の高速道路の利用を促進するため、休日の昼間に5割程度、料金を割り引く時間帯を新たに設ける。
 実施期間は今年10月から約1年間とし、約1000億円の予算を確保する方針だ。
 このほか、中小企業の資金繰り対策や、新型インフルエンザ対策などが盛り込まれた。中小企業支援策については、二階経済産業相と、伊吹財務相が同日に会談して、今年度の補正予算で4000億円を計上する方針を固めた。原材料価格などの高騰で、経営が悪化している中小企業に対して、各地の信用保証協会が債務の支払いを保証する枠の拡大などが実施される見込みだ。政府・与党は対策の事業規模や財源などを調整して29日にも対策を最終決定する。



TBS、有料動画の配信強化 地上波番組や公開前映画も
 TBSはテレビ番組や映画などのインターネット配信事業を強化する。同社グループが制作する新作映画を劇場公開前に有料配信するほか、地上波テレビ番組の一部も配信対象にする。ネット経由で家庭に動画コンテンツを配信する「IPTV」サービスの本格普及をにらんで有料視聴者を増やし、地上波のCM収入の落ち込みに備える。
 11月公開の映画「ニュータイプ ただ、愛のために」を公開の8日前から1回1000円で配信する。上映館のない地方での視聴促進と話題づくりが狙い。民放キー局が制作する映画の公開前配信は初めてという。出演者らの権利処理が難しい地上波番組も9月からネット配信する。



松屋フーズ、牛丼など9月から値上げ
 牛丼チェーン3位の松屋フーズは27日、牛丼など約2割の商品を9月1日から平均6.2%値上げすると発表した。主力の「牛めし」(並盛り)を30円上げて380円とする。主力商品の値上げは、BSE(牛海綿状脳症)問題で停止した販売を再開した2004年10月以来。
 穀物や畜産物などの食材価格が急上昇した昨年以降、大手牛丼チェーンが主力商品を値上げするのは初めて。最大手の吉野家は「値上げする予定はない」としており、その他の同業他社が追随するかは微妙だ。
 松屋フーズはすべての店を対象に、全83品目のうち17品目を値上げする。上げ幅は20―40円。豚めし(同)は20円高い350円となる。



リコーが米大手販社買収 1700億円、欧米販路拡充
 リコーは27日、米情報機器販売大手のアイコンオフィスソリューションズ(ペンシルベニア州)を買収すると発表した。買収額は16億1700万ドル(1721億円)。複写機など事務機器の国内市場が伸び悩むなか、メーカー各社は欧米の販売網拡充を急いでいる。リコーの複写機の世界シェアはキヤノンに次ぐ2位。同社にとって過去最大の買収資金を投じて販路を広げ首位獲得を目指す。日本企業が成長を求め海外企業を傘下に収める大型買収が加速している。
 アイコン社は欧米を中心に400以上の販売拠点を持つ。取り扱う事務機の約6割がキヤノン、3割がリコー製品。独立系事務機販社では世界最大規模で、2007年9月期の連結売上高は41億6800万ドル(約4400億円)、連結純利益は1億1400万ドル(約121億円)。従業員数は約2万4000人。


トヨタグループ、国内で大型車減産
 トヨタ自動車グループは国内で大型車の減産を拡大する。大型・高級車が中心のトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は2008年度の生産台数計画を前年度比16%減とし、トヨタから生産を受託している日野自動車羽村工場(東京都羽村市)での海外向け大型多目的スポーツ車(SUV)の生産台数を当初計画から2割程度減らす。北米ではガソリン高で新車販売の不振が続いており、国内工場の生産にも影響が広がってきた。
 トヨタ九州は08年度の生産計画を37万台に引き下げた。これまでは今年度の生産台数を同1割減の40万台程度としていた。トヨタは今月上旬、欧米の販売不振を受けて今年度の世界販売計画を下方修正しており、九州の生産計画も大幅に見直した。



スポーツ用品各社、中国出店を下方修正
 国内スポーツ用品メーカーが中国での出店計画を相次ぎ下方修正する。ミズノは2008年度の出店数を減らし、約300店を予定していた店舗数の増加をほぼゼロに抑える方向で調整に入った。アシックスも店舗数の目標達成時期を先送りする。北京五輪向けに事業を拡大してきた欧米や現地各社との競争による収益力低下や景気の先行き不透明感をにらみ、採算重視の戦略に転換する。
 ミズノは07年度末に871店だった店舗数を08年度中に1200店に拡大する計画だったが、取り下げた。採算性など出店の条件を引き上げるとともに、不採算店の閉店を本格化する。過去5年間は年100―200店増やしてきたが、今年度末には「昨年度末と同程度の900店弱にとどまる」可能性が大きい。



旧ソ連の親欧米国、ロシアへ警戒強める
 【モスクワ=古川英治】ロシアがグルジア領の南オセチア自治州アブハジア自治共和国の独立を承認したことで、ウクライナなど旧ソ連の親欧米国や東欧諸国でロシアに対する警戒が高まっている。各国ともエネルギー供給などで既にロシアの圧力を受けており、ロシア系住民も抱える。「グルジアの次の侵略の標的になる」と危機感を強める各国に対し、米欧諸国は支援強化に乗り出す構えだ。
 ウクライナには27日、英国のミリバンド外相が訪問、ユーシェンコ大統領らと会談した。同外相は「ロシアは『新冷戦』を回避する大きな責任を負っている」と発言した。ユーシェンコ大統領は同日、声明を発表し、「ロシアによる独立承認は欧州の平和と安定を脅かすものだ」と強調した。ウクライナには来週、チェイニー米副大統領も訪問、ロシアをけん制する姿勢を示している。



米欧対ロシア、グルジア巡り対立 日本「立ち位置」難題
 グルジア紛争を巡る米欧とロシアの対立が日本外交にも難しいかじ取りを迫り始めた。主要8カ国(G8)は例年、9月下旬の国連総会中に外相会合を開いているが、今年は日本が議長国としてグルジア問題などの議論を仕切らなければならない。一方、今年後半はロシア要人が相次いで来日する方向で、日本は米欧ロの力学をにらんだ外交力が試される。
 国連総会に合わせて開催するG8外相会合は例年、その年の主要国首脳会議(サミット)の開催国が議長を務める。この慣例に従って、日本は9月27日ごろ開催する日程を各国に打診しつつある。同会合では「グルジア問題は主要議題であり、取り上げないわけにはいかない」(外務省幹部)。



中国移動、純利益44.7%増 6月中間
 【香港=吉田渉】中国最大の携帯電話会社、中国移動(チャイナモバイル)が27日発表した2008年6月中間決算は、純利益が前年同期比44.7%増の548億4900万元(約8700億円)だった。農村に携帯電話が普及し、加入者数は合計4億1500万人と1年前に比べて約25%増加した。



液晶大型パネル、友達光電が1.4兆円で4工場新設
 【台北=新居耕治】台湾の液晶パネル大手、友達光電(AUO)は27日、台湾中部に大型パネル工場を建設することを明らかにした。4つの工場を新設する計画で、投資額は10年で4000億台湾ドル(約1兆4000億円)にのぼる。まず大型ガラス基板を材料に使う「第10世代」の第1工場を2011年にも稼働させる。
 AUOの李焜耀・董事長が同日、台湾の劉兆玄・行政院長(首相)との会談の中で明らかにした。液晶パネル大手には減産の動きが広がっているが、将来の需要増をにらみ大型投資に踏み切る。



日経社説 歯止めがかからない米住宅市場の低迷(8/28)
 米国の住宅価格が下げ止まらない。代表的な価格指標によると、主要10都市では6月までの1年間で17%下げた。記録のある1987年以降では最大の値下がりである。住宅バブルのピークだった2006年からの下落率は20%に達した。
 住宅市場の低迷は長期化する可能性が高い。中古住宅の在庫は販売の11カ月分に当たる470万戸と、過去最高の水準にある。売り手が在庫を圧縮しようとすれば値下げを強いられ、価格の下落は加速する。底打ちは来年以降ともされる。
 経済への影響は深刻だ。まず、世界の金融システムに一段の打撃を与える。米欧の主要金融機関は昨年来、サブプライムローンに絡む証券化商品の評価損などで3000億ドル以上の損失を計上、資本を傷つけた。財務体質を安定させるために資産の圧縮を進めているが、住宅価格の下落はこの傾向に拍車をかけ、貸し渋りが一層鮮明になる恐れがある。
 米国の実質国内総生産(GDP)の7割を占め、世界経済を支えてきた個人消費への逆風も強まろう。保有住宅の価値が減り住宅ローンの残額を下回る家計も増えており、収入を支出に回す余裕は落ちている。
 悪影響はすでに、米内外に広がりつつある。米国内では米企業の業績に飛び火した。新車の販売不振で自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)が無配に陥ったのは典型的といえる。企業の破綻は今年に入り増加に転じている。金融機関の債権を焦げ付かせ、新たな貸し渋りを生む悪循環が始まる兆しも出てきた。
 米国の消費に頼ってきた外国の経済も不透明感を増す。米国では新学期が始まる9月、「バック・トゥー・スクール」と呼ぶ商戦を迎える。対米輸出を主力とする企業にとってはかき入れ時だけに、消費意欲が盛り上がらなければ打撃は大きい。
 米住宅市場が落ち着く1つのかぎは、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)など住宅公社の経営の安定である。公社は巨額の住宅ローンを民間から買い取って市場を支えてきたが、住宅バブルの崩壊で危機に陥った。米議会は先月、公的資金の投入を含む支援法を成立させている。
 公社の株価はその後も下落を続け、民間による増資引き受けで再建する道は険しい。米当局はこれまで、市場の流動性を高めることで金融危機に対応してきたが、信用収縮の原因である金融機関の資本の棄損には手を打っていない。世界経済の不安を和らげるためにも、公的資金の利用を検討する時だ。主要国の連携も一段と重要になるだろう。


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