ヾ(゜Д゜)ノ"新聞

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GDPで10位以内復帰へ、経済版「福田ビジョン」来春策定
 福田首相は23日、20年後に国民1人当たりの国内総生産(GDP)を世界10位以内に押し上げるための中長期的な経済ビジョンを策定する方針を固めた。
 首相が目指す「ストック型(持続可能)社会」への指針となるもので、有識者らの意見も聞き、来春の策定を目指す。次の臨時国会冒頭の所信表明演説で正式表明する意向だ。
 日本の1人当たり名目GDPは、経済協力開発機構OECD)の加盟国の中で、1993年の2位をピークに下落傾向が続き、2006年には18位まで落ち込んでいる。このため、首相は日本経済復活に向け、経済分野を中心に「日本社会のあるべき姿」を具体的に示す必要があると判断した。
 ビジョンでは、少子高齢化の進行や中国などの新興国の台頭を踏まえ、国民が生み出した「富」の量を表すGDPを目安に、日本が生産性を高めるための方策を示す。生産性向上によって税収を増やし、国民一人一人の生活を豊かにすることにもつなげたい考えだ。社会資本整備や地域再生地方分権低炭素社会づくりのあり方も柱となる。
 ビジョン策定は、社会保障に加え、経済社会構造改革も担当することになった伊藤達也首相補佐官社会保障担当)が中心となる。
 首相は、6月に発表した温室効果ガスの大幅削減を図る「福田ビジョン」に続く「経済版福田ビジョン」と位置付ける考えだ。中長期的な視野で政策課題に取り組む姿勢を示すことで、早期の衆院解散や首相交代を求める声をけん制する狙いもあるとみられる。



光回線、ADSLを逆転 6月末契約1300万件
 ブロードバンド(高速大容量)通信の契約件数で光ファイバー回線がADSL(電話線を使ったデジタル高速通信)を初めて上回った。2001年に始まった光回線は6月末時点で1300万件を突破。通信各社がインターネットと電話、映像配信の融合サービスを強化していることも普及を促し主役交代となった。
 3月末に約1215万件だった光回線契約数はNTTグループ、KDDIが3カ月で計90万件増やし、6月末に1300万件を超えたもよう。日本の光回線普及率(人口ベース)は10%強に達した。ADSLは06年3月末をピークに減少し、6月末は1250万件以下とみられる。



造船、採算重視で選別受注 鋼材高に対応
 造船大手が鋼材高を受けて新造船の受注を絞り込んでいる。建造コストの約3割を占める鋼材の価格上昇で採算が悪化、収益を優先するため選別受注を進めており、ユニバーサル造船川崎市)など大手の今年度の受注量は前年度実績を下回るのが確実だ。造船各社は今後も原材料高が続くとみて強気の船価を提案。海運会社など発注側も急激な船価上昇で発注に慎重になり始めている。
 JFEホールディングス傘下のユニバーサル造船は、2008年度の受注を前年度実績(24隻)を下回る20隻未満に絞る方針。4―6月期は「ゼロに近い」(同社)水準だった。



省庁、中途採用広がる 志望減で人材確保難しく
 中央省庁が幹部候補である「キャリア職員」の中途採用に動き始めた。国土交通省は国家公務員1種採用試験の合格者を対象とする通常の新卒採用とは別に、民間企業などの勤務経験者を3年連続で中途採用するほか、中央省庁で初めて米国での選考にも乗り出す。民間企業の採用活動の前倒しや相次ぐ官公庁の不祥事などで公務員の志望者数は減少傾向にあり、幅広く人材の確保を目指す。
 国交省中途採用は、来年4月時点で民間企業などで5年以上の勤務経験を積んだ人が対象。同省は他省庁に先駆けて、法務や語学など特定分野の経験・能力を求めない中途採用を手掛け、2006年度に2人、07年度に3人を採用。金融機関やマスコミなどの出身者を本省係長職に当たる「キャリア職員」として任用している。



経済対策「2兆―3兆円必要」 自民の中川・元政調会長
 自民党中川昭一政調会長は23日、北海道帯広市で講演し、政府が今週中にまとめる経済対策について「国内総生産(GDP)1―2%の経済効果を上げるためには2兆―3兆円ぐらい必要だ」と述べ、積極的な財政出動が必要との認識を示した。農林水産業や中小企業を対象にした投資減税なども提案した。福田康夫首相に関しては「何もしない政治、何も発信しない首相では駄目だ」と語った。



債務保証の三セクなど、6県・市で累損200億円超 日経調査
 地方自治体が債務保証か損失補償をしている公社や株式会社(第三セクター)のうち11法人で、2007年度末の累積損失が100億円を超えていたことが日本経済新聞の調査でわかった。自治体別では大阪市で主要4法人の累損が900億円に達するなど、6県・市で200億円を超えていた。08年度決算からは地方財政健全化法が適用される。借金を肩代わりする契約を結んでいると自治体側の負担と見なされるため、不振三セクの処理が急務となりそうだ。
 調査は06年度末に自治体が1億円以上の債務保証か損失補償をし、累損額が10億円以上あるなどした約100法人を対象に実施。公社や財団法人については「欠損金」などを基に集計した。



民主オバマ氏、副大統領候補にバイデン氏起用
 【ワシントン=丸谷浩史】米大統領選で民主党オバマ上院議員(47)は23日、副大統領候補にジョゼフ・バイデン上院議員(65)を決定したと発表した。バイデン氏は当選6回のベテラン議員で、外交・安全保障政策に詳しい。オバマ氏には弱点とされる外交・安保分野の経験不足を、バイデン氏の起用で補う狙いがある。
 副大統領候補の決定は支持者らに携帯電話のテキストメッセージなどで伝えた。オバマ氏はインターネットのホームページで「バイデン氏は広範な外交経験があり、超党派の協力経験も印象的だ」と強調。外交通をパートナーにすることによりイラク政策などで共和党のマケイン上院議員(71)への対抗姿勢を鮮明にした格好だ。



バイデン氏、白人労働者層に人気 舌禍事件への懸念も
 ジョゼフ・バイデン上院議員(65)はペンシルベニア州で生まれ、少年時代にデラウェア州に移った。シラキュース大ロースクール在学中に結婚し、卒業後は弁護士を務めた。
 6期連続で上院議員に当選し、外交・安全保障政策と司法分野でキャリアを重ねた。父が自動車セールスマンだったことなどから、白人労働者層に根強い支持がある。大統領選には1988年、2008年と2回出馬したが、いずれも早々に選挙戦から撤退した。
 テレビ討論番組の常連で、ざっくばらんな語り口の論客として知られるが、舌禍事件への懸念もある。72年にデラウェア州上院議員に初当選した直後、自動車事故で妻と娘を失った。77年に教職にあった女性と再婚した。



日経社説 外国人の子ども受け入れに備えを急げ 人材開国を考える(8/24)
 多くの学校現場が今、外国人の子どもの教育をめぐる悩みを抱えている。日系ブラジル人をはじめ様々な形で日本にやってくる労働者の子どもをどう就学させ、日本語指導などをいかに進めるべきか。政府には総合的な指針がなく、自治体や学校が孤軍奮闘しているのが実情だ。
 専門教員養成の道探れ
 外国から人材を受け入れるということは、どんな人材をどの程度まで受容するか、それが定住や永住につながるかどうかを別にして、彼らの子どもへの教育にもかかわる問題である。まず現状を直視し、将来への備えを早急に築かねばならない。
 文部科学省の調べでは、公立の小中高校に在籍する外国人の児童生徒は約7万人。このうち日本語指導が必要な子どもは昨年9月時点で約2万5000人に上る。前年度に比べ13%の大幅増だ。こうした現実はすでに教育現場を突き動かしている。
 たとえば外国人が人口の16%ほどを占め、全国の市町村で最も比率の高い群馬県大泉町。子どもを伴った日系ブラジル人らの増加を受け、町立の全小中学校に日本語学級を設けたのが特徴だ。町費でポルトガル語などができる日本語指導助手を雇っているほか、県も教員を増員して町の取り組みを支援している。
 指導内容も手づくりだ。教育委員会考案のテキストを使い、初期、中期、後期の3段階に分けて言語指導と適応教育を並行して進めている。中学校卒業までに日本社会への適応がほぼ可能になるといい、今春の高校進学率は90%を超えた。
 地域でこんな取り組みが進む一方で、国の対策は始まったばかりだ。そのひとつが、文科省有識者会議が最近まとめた報告である。報告は(1)教育委員会やボランティアによる就学支援(2)総合的な日本語指導のガイドライン開発や指導教員の育成(3)地域社会による放課後の「居場所」づくり――などを提言した。
 具体策に乏しく、実現への道筋もあいまいだが、これでも過去にない提言だという。このこと自体が国の対策の遅れを示しているが、報告が外国人子女対策の課題を浮かび上がらせているのも事実だ。
 まず根本的な問題は、学齢期なのに就学しない子どもも多く、現場でもその実態を十分に把握できないことだ。保護者の認識不足だけでなく、転出や帰国を把握しきれない外国人登録制度の不備も背景にある。
 就学後の課題も山積している。有識者会議は日本語教育カリキュラム「JSL」の普及などを提唱しているが、これを一般の教員が使いこなすのは難しい。大泉町のような独自のプログラムもしっかりした担い手なしには機能しない。日本人の子どもへの異文化理解教育も必要だ。
 こうした要請にこたえるためには、国も本気で外国人子女教育のための人材養成を考える必要がある。自治体が自力で一定の成果を収めているにせよ、現場任せには限界があろう。専門教員などの育成はコストと時間がかかる施策だけに、効果的な手立てを探らなければならない。
 同時に、使い勝手のよいカリキュラムを開発し、学習指導要領などに盛り込む必要もある。米国などでは言語指導を中心にした多様なプログラムを用意し、子どもたちが社会に適応するのを支えている。内外の様々な取り組みを参考に、指導内容と方法の確立を急ぐべきだろう。
 高度人材の子女対策も
 外国人の子どもが、これまでのように特定の学校だけに集中しているならここまでの体制整備は必ずしも必要ではないかもしれない。しかし現実は大きく変わりつつある。
 文科省の調査では在籍人数が4人以下の学校が約8割を占め、様々な地域や学校に分散する傾向が出てきた。在籍する学校数も増え続けている。もはや一部の集住都市だけの問題ではないと覚悟すべきだろう。
 将来、もし単純労働者を本格的に受け入れるとすれば子どもの教育は極めて深刻な課題となるし、そこに至らない段階でも日系人などの流入は続く。現時点でしっかりした対策を打ち出しておくことは、将来にも必ず生かされるはずだ。
 一方で高度人材は政府が今後も受け入れを進める方針で、日本への留学生についても卒業後にそのまま日本で働けるよう規制緩和を促す動きもある。その子女が漸増するのに備えて、英語を軸とした教育機関を整備するのも怠ってはならない。いわゆるインターナショナルスクールへの積極的な支援も必要だろう。
 外国人の力を借りる以上、たんに労働力だけを借用して済ませられるだろうか。人材開国の行方は、日本社会が外国人の子どもたちに十分な教育を施せるかどうか、その備えがあるかどうかにもかかっている。


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