∩(゜Д゜)∩ばんじゃい新聞

「1000円たばこ」を巡る虚々実々(Column)
 筋金入りの禁煙推進派から、1日2箱は吸うというヘビースモーカーまで加わって発足した「たばこと健康を考える議員連盟」。同床異夢でたばこ1箱1000円を目指すが、消費税引き上げ論議もからんで、虚々実々の駆け引きが早くも始まっている。取り残されそうなのが少数派に転落した喫煙者という名の“社会的弱者”。抵抗の手段は残されているのか。
価格引き上げは時代の流れ?
 諏訪内「このところ『たばこ1箱1000円論』が急浮上していますね、エンジョウジさん。あなたのように片時もたばこを手放せない方は、気が気じゃないんじゃないですか?」
 煙常時「いや、なに、スワナイさん。たばこをお吸いにならないあなたにまでご心配をおかけするとは恐縮の限りですが、これも時代の流れ。いずれこうした議論が出てくることは以前から予想しておりましたよ」
 諏訪内「これはまたずいぶんと物分かりの良いことで。もう少し驚いたり、怒ってくれないことには、なんだか面白くないような……」
 煙常時「だって、国際的に見て日本のたばこが安いことは紛れもない事実です。英国では20本入り1箱が1297円、米ニューヨーク市では759円。このうちたばこ税などがそれぞれ802円、396円含まれています。これに対して日本のたばこ関係税は174円にすぎず、1箱の価格は300〜350円と、英米の半額から3分の1以下です。喫煙率が高いのはたばこの価格が安いためとの指摘は、喫煙者といえども否定できません」
 諏訪内「喫煙者は今や少数派。社会的にも弱い立場にあります。そんな社会的弱者に一方的に増税を押し付けるのは安易な発想だし、いじめのようなものだと批判する意見もあります」
 煙常時「私に言わせれば、何をいまさらといったところですな。1998年には旧国鉄の長期債務処理の財源に充てるとして『たばこ特別税』が創設され、2003年と2006年には国債の発行抑制を理由にたばこ税の税率が引き上げられました。喫煙者いじめは今に始まったことではありません」
8割が禁煙すると税収は減
 諏訪内「今回の『たばこ1箱1000円論』は、禁煙推進派に加えて、新たな財源の確保を目指す勢力も加わって、大きな動きになっています。実現の可能性もそれだけ高いのではないですか?」
 煙常時「果たしてそうでしょうか?」
 諏訪内「たばこの税収は、今年度の見通しで、国・地方合わせて約2兆2000億円ですが、1箱1000円にすると最大で8兆円以上の税収増になるそうです。消費税を引き上げる際に予想される抵抗の大きさを考えれば、たばこ1箱1000円の方が現実的と考える人が増えても不思議はありません」
 煙常時「ただしそれは、1箱1000円に値上げしても、消費本数が今と変わらないことを前提にした“空論”です。ある医薬品メーカーが実施した調査では、1箱が1000円になったら8割の喫煙者がたばこをやめると答えています。消費本数が2割以下になれば、税収は増えるどころか今より減ってしまいます」
 諏訪内「8割がやめると答えていても、実際にやめるとは限らないんじゃありませんか。私の知る限り、喫煙者のたばこに対する執着は、あなたも含めてただならぬものがありますからね」
 煙常時「確かに、実際にどれだけの人がやめるかは神のみぞ知るです。でも、肝心なのは8割の人がやめると答えたという事実です。調査のたびにこのくらいの人がやめると言い続ければ、財源確保を目的に1000円論を唱えている人は、早晩あきらめるに違いありません」
 諏訪内「本当はやめるつもりがないのに、聞かれれば『やめる』と答えるのは、1箱1000円を阻止するための喫煙者の作戦というわけですか。ところでエンジョウジさん、もしたばこが1箱1000円に値上げされたら、あなたはどうなさるおつもりですか?」
 煙常時「はい、もちろんやめますよ」



社会保障費で「日本経済は沈没」=消費税率の引き上げを−額賀財務相
 額賀福志郎財務相は29日、NHKの番組に出演し、増大する社会保障費について「働く世代にすべて負担を任せたら、日本の経済は沈没する」と述べ、高齢者も含め国民が幅広く負担する消費税率の引き上げで賄うべきだとの考えを示した。その上で「北欧やドイツも消費税は20%前後になっている。その一方で所得税法人税を下げているのが世界の姿だ」と指摘した。



米航空大手、合理化を加速 国内の輸送力1割減
 【シカゴ=毛利靖子】原油価格が騰勢を強めるなか、米航空大手各社が合理化を加速する。国際線を運航する大手6社は減便を上積みし、今年末にかけて米国内線の輸送能力を1割削減する。燃料費高騰や米景気減速で経営環境が急速に悪化、合理化計画の見直しを迫られているためだ。航空機の退役を進める一方、購入を先送りする動きもあり、航空機メーカーなどへも影響が広がりそうだ。
 米航空輸送業協会によると、2008年12月期のジェット燃料購入費は業界全体で610億ドル(約6兆5000億円)と前期の1.5倍に膨らむ見込み。原油価格が1バレル140ドル前後で推移し続けた場合、各社が計上する最終損失の合計額は130億ドルと、米同時テロで旅客需要が冷え込んだ02年12月期を上回る可能性が高い。価格競争の厳しい米国内を中心に赤字路線が続出している。



日産車体、新車の生産設備に中国社製品を採用
 【上海=渡辺園子】日産車体は福岡県で建設中の新車工場の生産ラインに、中国の有力コンベヤーメーカー、江蘇天奇物流系統工程(江蘇省無錫市)の製品を採用した。中国企業からの設備導入は同社では初めて。中国の生産設備の品質向上と価格競争力により今後、採用する日本企業が増えそうだ。
 日産車体の新車工場は2009年の稼働へ向けて日産自動車九州工場内(福岡県苅田町)に建設している。塗装工程と組み立て工程を結ぶ車両搬送コンベヤーなどを天奇物流から調達する。「技術や価格、納期の面から総合的に判断した」(日産車体)という。天奇物流によれば契約額は9億880万円。



食料と競合しないバイオ燃料 日・ブラジルが開発協力
 日本・ブラジル両政府は、食料生産と競合しない「第2世代」のバイオ燃料の開発で協力する。食料を原料とするバイオ燃料の増産が、食料価格の高騰を招いているとの批判があり、サトウキビの搾りかす(バガス)を使った大量生産技術にめどをつけたい考えだ。
 7月2日にブラジルで閣僚級の「エタノールワーキンググループ」を開く。経済産業省系の独立行政法人産業技術総合研究所と国立リオデジャネイロ大学が第2世代のバイオ燃料の共同開発に関する覚書を締結する。甘利明経産相やブラジルのミゲル開発商工相も出席する。



道路一般財源化巡る与党協議会、7月に設置ずれ込み
 2009年度から道路特定財源を全額一般財源化する問題や税制のあり方を話し合う与党協議会の設置が遅れている。当初は21日の国会閉幕後、直ちに初会合を開く段取りだったが、自民党税制調査会が7月1日に税制抜本改革に向けた議論を始めた後、同月中に立ち上げる方針に転じた。消費税増税を巡る福田康夫首相の発言も影を落としている。
 「消費税議論が迷走しているなかで道路政策の議論だけを先に始めるのは難しい」。自民党幹部の1人はこう語る。



オバマ氏、激戦州で支持拡大 マケイン氏をリード
 米大統領選で民主党の候補指名が確定しているオバマ上院議員が激戦州での支持を拡大している。米クイニピアック大が26日に公表したミネソタ州など4つの激戦州を対象とした世論調査によると、4州すべてで共和党候補のマケイン上院議員をリードした。勝敗のカギを握る無党派層からの支持率もオバマ氏がすべて上回った。
 マケイン氏との差が最も大きかったのはミネソタ州で17ポイント。このほかウィスコンシン州13ポイント、ミシガン州6ポイント、コロラド州5ポイント差と、すべてでオバマ氏が上回った。



個人情報保護ガイドライン、24分野で改訂へ 政府方針
 政府は2008年度中にも雇用や金融など24分野の個人情報保護ガイドラインを改訂する。保護対象となる個人情報の定義、開示要求があったときの公表手続きなどの記述方法を統一し、個人情報保護法が想定する義務を明確にする。学校などが名簿作成を控えるといった「過剰反応」を抑えるとともに、企業が個人情報の管理・保護をしやすい環境を整える。
 30日の内閣府国民生活審議会個人情報保護部会で、24分野の合計で37本に上るガイドラインの改訂方針を決める見通し。今後、内閣府がつくった基準に沿って、各省庁がガイドラインの見直し作業に入る。



CO2排出量表示の国際標準化、日本が英独などと提案
 商品をつくる過程で排出した温暖化ガスの総量を表示する手法について、日本政府が英国やドイツなどと共同で、国際標準化機構(ISO)に国際規格をつくるよう提案した。ISOは9月に国際規格の策定を正式に採択し、年内にも原案をまとめる見通しだ。地球温暖化対策として日本国内で本格的に普及する前に早くも国際標準化の動きが始まった。
 コロンビアのボゴタで27日(日本時間28日)開いたISOの会合で共同提案した。



【産経主張】球界変革 ファンの存在を忘れずに
 交流戦を終え、再スタートを切ったばかりのプロ野球界に衝撃が走った。ヤクルトのダニエル・リオス投手の禁止薬物使用が発覚、1年間の出場停止となった。
 今季、ドーピング違反で処分を受けるのは、巨人のルイス・ゴンザレス内野手に次いで2人目である。米大リーグと同様、日本球界の薬物汚染も深刻といわざるを得ず、徹底した調査で事実関係を明らかにしなければファンは離れていく。
 その球界は今、大きな変革期を迎えている。日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会はこのほど、2年後の見直しを条件に今シーズンのオフから、フリーエージェント(FA)資格取得期間を現行の9年を最短で7年に短縮することで合意した。
 労使双方は、期間短縮に加え、FA移籍した選手の新所属球団が旧所属球団に支払う補償金が年俸順位によって、減額または免除されることを成果の一つにあげている。これにより、準レギュラークラスや控え選手にもFA移籍の機会が増え、球界の活性化につながるという。
 しかし、ファンにとってメリットがあるのか疑問だ。選手の権利意識ばかりが目立つ。また、今回の改革が戦力均衡に直結するほど単純ではなく、高年俸選手の獲得競争は続くだろう。かえって、資金力による球団間格差が拡大するのでは、との見方がある。
 球界を活性化しようとするのなら、もっと積極的にトレードを敢行すべきだ。
 昭和38年12月の山内一弘外野手(大毎=現ロッテ)−小山正明投手(阪神)の世紀の大トレードがオールドファンの記憶に残っているだけで、最近は影を潜めてしまった。入団4、5年目の主力選手を交換するほうがインパクトがあるのではないか。
 セ・パ交流戦は、今季も前年比1・6%増の1試合平均2万6017人の観衆を集め、せっかく定着したにもかかわらず、一部の球団が来季の試合数を削減しようという動きをみせている。
 来月1日から、前駐米大使の加藤良三氏がコミッショナーに就任する。薬物汚染、選手の海外流出など難問が山積しているだけに、手腕に大きな期待がかかる。
 新コミッショナーをはじめ球界関係者は「ファンあってのプロ野球」の基本姿勢を忘れずに改革に邁進(まいしん)してほしい。


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