Y(゜Д゜)Yかにさん新聞

日本、所得流出際立つ 1―3月原材料高響く
 資源高の影響を受け、日本の所得の海外流出が米欧と比べても突出して進んでいる。所得の実質的な流出額は2008年1―3月期に年率換算で26兆円と1年前の1.6倍に膨らみ、今後も広がる見通し。資源高で産油国などへの輸入支払いが増える一方、電子機器や自動車などの輸出価格に転嫁が進まない。所得流出が長く続くようなら、企業と家計に悪影響を及ぼしかねない。
 内閣府によると、実質的な所得の流出入を示す日本の交易利得・損失は26兆円のマイナスと、現行のGDP統計でさかのぼれる1995年以降で最大となった。損失額は07年1―3月期の16兆円に比べて約6割の増加となる。


松下、有機ELテレビ量産 3年後、大画面37型で世界初
 松下電器産業は23日、次世代ディスプレー(映像表示装置)として期待される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を使った37型テレビを2011年度から量産する方向で最終調整に入った。30型台の大画面有機ELテレビの具体的な量産計画を固めたのは世界で初。松下は他社の機先を制し、次世代テレビ市場で世界シェア首位の座を狙う戦略だ。
 計画では、松下が、日立製作所などと出資する液晶パネル生産子会社、IPSアルファテクノロジ(千葉県茂原市)の茂原工場と、10年1月の稼働を目指して兵庫県姫路市に建設する液晶パネル新工場に、有機EL専用ラインを新設。有機ELテレビの基幹部品となるパネルを量産し、国内外の工場でテレビに組み立てる。



鉄鋼大手、追加負担1000億円 「豪産鉄鉱石価格2倍」受諾へ
 新日本製鉄など鉄鋼大手は24日、英豪系資源大手リオ・ティントと進めていた2008年度の豪州産鉄鉱石の価格交渉で、07年度と比べ最大約2倍の値上げを受け入れる方針を固めた。すでにブラジル産は65%上げで決着しているが、それより大幅に上がる。鉄鋼業界全体で新たに1000億円規模のコスト負担増が生じることになり、鉄鋼各社は主要顧客に鋼材の追加値上げを要請する可能性が高い。
 リオは中国鉄鋼最大手の宝鋼集団と23日に鉄鉱石値上げで合意した。新日鉄、JFEスチール、住友金属工業神戸製鋼所日新製鋼の大手5社も週内に同水準の値上げ受諾で合意する。値上げ幅は塊状鉱石が96.5%、粉状鉱石が79.88%で、上げ幅は過去最大。豪州産は日本の鉄鉱石輸入量の約6割を占める。豪英系BHPビリトンとの間でも同水準の値上げを受け入れる方針だ。



音・においを商標に、特許庁検討 2010年の法改正目指す
 特許庁は音やにおい、動きなど新しいタイプの商標を導入する検討に入る。インターネットの普及などで企業が自社の製品やサービスを他社と区別する方法が多様化し、新しい権利の保護が必要になっているためだ。商標の対象を文字、図形など「目に見えるもの」に限る従来方針を転換するため、7月に研究会を発足。2年後にも商標法改正案の提出をめざす。
 日本で現在、商標登録によって権利を保護しているのは、文字、図形のほか、立体、記号やそれらを組み合わせたもの。商標の対象が「目に見えないもの」にまで広がると、企業の商品、広告、販売戦略などに広範囲で影響を与えそうだ。



IPテレビの規格統一 放送・通信など15社合意
 インターネットで高画質映像を楽しめるテレビ「IPTV」の規格が、日本国内で統一されることになった。現在はサービスを提供する通信会社ごとに異なる端末をテレビに取り付ける必要があるが、市販テレビに統一規格の受信機能をつけることに関係企業が合意した。地上デジタル放送(地デジ)の番組再送信の拡大にも弾み がつきそうだ。 NHKや民放キー局、NTTなどの通信会社、松下電器産業ソニーなどの家電メーカーが、24日に規格統一のための法人組織「IPTVフォーラム」の設立を発表する。放送・通信・家電の主要15社がそろうオールジャパンの陣容で、次世代DVDをめぐる規格争いのような事態は早期に回避された。 同フォーラムは8月末〜 9月に、全家電メーカー共通のIPTVの新規格(バージョン1)を作る。この規格に対応したテレビか端末があれば、すべてのIPTV事業者のサービスを受けることができるようになる。早ければ年内にも、共通規格のテレビが発売される見通しだ。 
IPTVは、デジタル放送並みのきれいな映像をネットを使い超高速で配信する。テレビ画 面で
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逃したドラマやニュースを好きな時に受信し、好きな時に有料でダウンロードするVOD(ビデオ・オン・デマンド)を楽しむこともできる。放送・通信が本格的に融合する契機になる次世代サービスとされる。 すでに、松下などが出資する「アクトビラ」やNTTが、光回線を使い多チャンネルのサービスを始めている。NHK も12月から、過去の大河ドラマNHKスペシャル、放送済みのニュース番組などを流す「NHKオンデマンド」を始める。総務省はIPTVの契約者数が6年後に現在の7.5倍の300万人に達すると見込む。 ただ、現在は各通信会社ごとに利用者が契約し、セットトップボックスと呼ばれる専用端末をテレビに取り付ける必要がある。別会社 のサービスを使うには別の端末まで必要で、規格の統一を求める声が高まっていた。


GM、臨時生産調整へ 販売不振で追加策、株価33年ぶり安値水準
 【シンシナティオハイオ州)=武類雅典】米ゼネラル・モーターズ(GM)は大型車の需要不振に対応するため、7月から年末にかけて北米の大型車工場7拠点で臨時休止に入る。工場の夏季休業延長や休業期間の追加で生産台数を絞る。割引販売も実施する。同社は大型車事業の縮小を表明済みだが、販売不振が深刻で、株価は約33年ぶりの安値水準に下落。経営危機が再燃する可能性も出ており、追加策を打ち出した。
 臨時休止を予定する7工場はいずれもピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)の工場。ウィスコンシン州ジェーンズビルやカナダ・オンタリオ州オシャワの大型車工場などで休業期間を延ばす。ジェーンズビル工場の場合、7月に2週間、さらに年末までに10週間の臨時の休業期間を追加する。



株主総会各地で開催、トヨタ社長「徹底的に無駄省く」・JTは陳謝
 3月期決算企業の定時株主総会が24日午前、各地で相次ぎ開かれた。トヨタ自動車は愛知県豊田市の本社で総会を開催。原材料高などで収益環境が厳しさを増すなか、渡辺捷昭社長は「徹底的に無駄を省き、一時的ではなく真に強い企業体質を目指す」と強調した。
 一方、東京都内で株主総会を開いた日本たばこ産業(JT)は、子会社のジェイティフーズ(東京・品川)が輸入販売した中国製冷凍ギョーザの中毒事件に関し、木村宏社長が「多大なご心配とご迷惑をおかけしていることを心からおわび申し上げます」と陳謝した。
 シャープは大阪市内で総会を開き、執行役員制度導入に伴う取締役の退職慰労金制度の廃止や買収防衛策の継続など9議案を株主に提案、可決された。片山幹雄社長は堺市に建設中の液晶パネル工場や太陽電池工場について「業界をリードし企業価値の増大に努めたい」と述べた。



営業時間短縮も選択肢=店舗、地域ごとに判断−ローソン社長
 コンビニエンスストア大手ローソンの新浪剛史社長は23日、京都市や埼玉、神奈川両県などが地球温暖化対策としてコンビニ業界への深夜営業自粛要請を検討していることについて、「24時間(営業)をやめてという店や地域があれば、それはそれで考える」と述べ、店舗や地域の状況に応じて、営業時間の短縮も選択肢になるとの考えを示した。訪問先の盛岡市で語った。
 24時間営業の見直しに関し、コンビニ業界首脳が検討の可能性に言及したのは初めて。今後の論議に影響を与えることも予想される。ローソンは今年2月末時点で、全体の97.8%に当たる8331店舗が24時間営業している。
 ただ、新浪社長は「画一的な議論をしてはいけない。店舗ごとに判断する話」として、各地の店舗を取り巻く事情を勘案して個別に対応することが前提との認識を強調。その上で「上から何かを押し付けることは絶対にやってはいけない」とも述べ、条例などによる一律の規制には反対する見解を示した。 



北朝鮮テロ指定解除方針、米が日本に通知 外相が表明
 高村正彦外相は24日の閣議後の記者会見で、北朝鮮が26日までに核計画の申告を実施し、それとほぼ同時に米国が北朝鮮へのテロ支援国家指定解除の手続きに入るとの通知が米国から日本側にあったことを明らかにした。高村外相は「いろいろなレベルで伝わってきている」と述べた。
 米ホワイトハウスは報道官などを通じ、北朝鮮が26日までに申告をするとの見通しを示している。町村信孝官房長官も記者会見で「米側の行動対行動の原則を考えると、指定解除を議会に通告する可能性が高いと日本政府は判断している」との認識を表明。申告が26日までにあった場合、それに合わせて解除通告があるのは自然の流れとの考えを示したものだ。
 ただ、高村外相はテロ支援国家の指定解除に関して「米政府の説明では意図の通告であり、申告があったらすぐ解除するわけではない。申告に問題がある場合は手続きをやめることもあり得る」と指摘。解除が発効するまでの45日間で申告の内容を見極め、内容が不十分な場合は米側が解除手続きを停止することもあり得るとの見方を示した。



石油産消国会合 どう出るサウジ増産の影響(6月24日付・読売社説)
 原油価格高騰の背景には、原油マネーゲームの材料にした投機筋の動きがある。
 それでも、石油輸出国機構(OPEC)の盟主であるサウジアラビアが増産と生産能力の拡大に乗り出す影響は小さくあるまい。
 1バレル=140ドルに迫る原油高への対応を話し合う産油国と消費国との会合が、サウジアラビアで開かれた。
 行き過ぎた現在の価格水準に危機感を持ったサウジアラビアが呼びかけ、OPEC加盟国はじめ、日本、米国、英国など36か国が参加した。
 会合で焦点になったのは、原油需給を緩和するための増産と、投機筋に対する規制のあり方だ。
 増産については、サウジアラビアが、現在日量950万バレルとされる生産量を、7月から20万バレル引き上げて970万バレルにすると表明した。需要次第では、一層の増産に踏み切る考えも示した。
 さらに生産能力も、2009年までに日量1250万バレルに拡大する。場合によっては、現在の1・5倍以上の日量1500万バレルまで増やす用意もある、とした。
 最大の原油埋蔵量を持つ国が、供給を大幅に拡大する意向を示したことは、需給に対する不安の緩和に役立とう。
 投機筋に対しては、取引の透明性確保など、規制強化の必要性が声明に盛り込まれた。
 日本のエネルギー白書は、原油価格が1バレル=90ドルだった時点で、投機マネーによるかさ上げ分が30ドル程度あると分析した。
 投機筋の動きを制限しない限り、価格高騰に歯止めをかけるのは難しいとの受け止め方だ。
 その認識は当然だろう。規制に消極的な米国と、その他先進国との思惑の違いはあるが、今後議論を進め、投機筋に対する何らかの規制強化を図るべきである。
 1970年代の2度の石油危機では、価格高騰の反動で、その後に価格が急落した。
 最近の原油高には、中国やインドの経済成長による需要増もあり、過去の石油危機のケースとは環境が違うのも事実だ。
 だが、ロシアやカナダ、ブラジルなど非OPECの有力産油国も増産に動き出した。世界的に省エネのムードも高まりつつある。
 ナイジェリアの国内紛争や中東情勢の先行きによっては、さらに原油価格が上昇する局面もありえようが、天井知らずだった価格の動きに、いずれ変化が生じると期待したい。


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