(/Д\)イヤン新聞

ドコモ、アジア提携拡大 「おサイフケータイ
 NTTドコモはシンガポールの通信大手スターハブと携帯電話に金融決済機能を持たせる「おサイフケータイ」サービスで提携した。ドコモがスターハブに同サービスの技術やノウハウを提供する。国内携帯市場の飽和感が強まる中、ドコモはアジア各国・地域の事業者との提携を強化することで成長の機会を広げる狙い。携帯電話の国際接続を中心に進めてきたアジアでの連合づくりを加速する。
 【シンガポール=野間潔】スターハブはドコモの技術支援を基に、「EZ―Link」と呼ばれるシンガポール電子マネーを携帯電話機に搭載することをめざす。地下鉄やバス、コンビニなどでの利用を想定しており、近くシンガポール国内で実証実験に乗り出す。



三井住友、英バークレイズに1000億円出資 アジア展開などで提携
 三井住友銀行と大手英銀バークレイズは19日、資本・業務両面で幅広い提携関係を結ぶ方向で最終調整に入った。三井住友銀がバークレイズに第三者割り当てで1000億円規模を出資。業務面でもアジア展開や資産運用事業などで連携を深める。米住宅バブル崩壊で傷を負った欧米金融機関の資本増強を通じ、邦銀が海外事業の拡大を狙う動きが活発になってきた。
 両行が月内をめどに正式発表する方向で調整中。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関連し、バークレイズはこれまでに合計5000億円規模の損失を計上。健全性の目安となる自己資本比率を引き上げるため、40億ポンド(約8400億円)規模の増資を検討していた。中東やアジア新興国の政府系ファンドに加え、海外の銀行では唯一、三井住友銀に支援を仰ぐ方向になった。



出光と三菱商、非食料バイオ燃料を量産 100億円投じ工場
 出光興産と三菱商事は食料を原料としないバイオ燃料の量産に乗り出す。ホンダなどが開発した稲わらや雑草を原料に使う生産技術を導入。北米やアジアを候補地として世界最大級の工場を建設、2011年にも日本などに出荷する。温暖化ガス対策や原油高に伴うバイオ燃料の需要急増は世界的な食料価格上昇の一因と指摘されている。米デュポンなどが非食料系燃料の量産を計画、日本政府も実用化推進を表明しており、普及へ向けた国際競争が加速する。
 出光と三菱商事は、ホンダ子会社の本田技術研究所(埼玉県和光市)と地球環境産業技術研究機構(RITE)からバイオエタノールの量産技術の供与を受ける。原料を大量に安く調達できる北米か中国、東南アジアの穀倉地帯に一貫生産設備を建設する計画。生産能力は年20万―50万キロリットルと世界最大級になる見通し。総事業費は100億円程度とみられ、近く候補地を絞り込む作業に入る。



東芝、32ナノ半導体の性能向上に新技術
 東芝は2010年ごろに実用化を見込む次世代半導体の性能を高める技術を開発した。回路の線幅が32ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体で、トランジスタを試作して性能を確認した。製品化している線幅45ナノメートル世代の半導体に比べ、処理速度は1.3倍以上になる。19日、米ハワイで開いた半導体国際学会「VLSI(大規模集積回路)シンポジウム」で発表した。
 開発したのは線幅を細くすると起きるトランジスタ内の電流低下を抑える技術。トランジスタの性能は電極間の電流の量で決まるが、電極にニッケルなどを加えて電流量を従来に比べて15%増やし、実用レベルに達した。今後、このトランジスタを並べたLSIを試作する考えだ。



ダビング10、7月4日にも開始 著作権団体が一転容認
 地上デジタル放送番組の複製制限を現在の1回から10回に緩和する「ダビング10」について、情報通信審議会(総務相の諮問機関)の専門委員会は19日、7月4日にも始めることを決めた。著作権者に支払う補償金の上積みを求めてきた著作権団体側が一転、開始を容認する考えを表明した。
 当初は6月2日開始を予定していたが、著作権団体と家電メーカーが対立し延期していた。
 著作権団体側は19日の会合でも「ダビング10の開始は補償金増額と引き換え」とする従来の主張をしたが、最終的には「膠着(こうちゃく)状態にすべきでない」などと方針を転換。2つの問題を切り離して考える必要性にも触れ、開始日の確定作業に応じた。補償金の問題は別途、文化庁の審議会で議論される見通しだ。



ブロードバンド整備に300億円を…戦略会議が最終報告案
 2010年度までにブロードバンド(高速大容量通信)が全国どこでも利用できる環境整備を目指す総務省の「デジタル・ディバイド(情報格差)解消戦略会議」の最終報告書案が19日、明らかになった。
 高速通信のインターネットが利用できない離島や山間部でブロードバンド網を整備するため、政府に09〜10年度の2年間で約300億円の予算計上を求めている。20日に正式決定する。
 報告書案によると、ブロードバンドを利用できない世帯は08年3月末時点で約86万世帯(全世帯の1・7%)あり、これを解消するための総事業費は09〜10年度で910億〜2180億円かかると推計した。過疎地での光ファイバー網整備や通信衛星(CS)を活用してネット接続を可能とする事業を進めるには、民間が単独で取り組むには採算が合わず、国の支援が欠かせないと指摘している。
 このほか、携帯電話を利用できない地域の人口が08年3月末で約30万人いると推計。超小型基地局の設置など、携帯電話の「不感地帯」解消策の総事業費を最大3750億円と試算している。



日商外国人労働者の受け入れで要望書
 日本商工会議所は19日、高度な技能を持たない外国人労働者の受け入れについて政府への要望書をまとめた。製造、農林水産など幅広い分野で3―5年程度の期間、研修生でなく労働者として日本で就労できるビザを発行するよう求めた。前提条件として日本語教育の事前受講や生活習慣の習得を挙げた。優秀な実績を残した労働者に対しては、本人が希望し条件を満たせば日本への滞在を延長できる制度の創設も求めた。



消費税増税、必要額の試算が焦点に
 「どういう(給付の)内容に対して負担をどうするというのがないと、議論が完結したというわけにはいかない。(消費税率引き上げは)最後は政治的な判断になる」。福田康夫首相は19日夕、記者団にこう語った。社会保障給付費の将来見通しは、首相が消費税率引き上げを決断する際の「根拠」となる公算が大きいためだ。
 秋の最終報告に向けて焦点となるのは、医療・介護費用の将来試算。これまで厚生労働省社会保障給付費の将来見通しを過去の伸びを基に機械的に試算してきたが、国民会議では「医療・介護でどういうサービスが必要なのか、提供体制を効率化できるかなど、様々な前提条件をおいて推計する」(事務局)予定だ。



中国、石油製品や電力料金を値上げ
 【大連(遼寧省)=渡辺園子】原油や石炭価格の急騰を受けて、中国がガソリンなど石油製品と電力など統制してきたエネルギー料金の引き上げに踏み切る。石油製品の値上げ幅は16―18%。原油高騰局面が続く中、22日の産油国・消費国の閣僚会合を前に、需要抑制に動く姿勢を打ち出して「浪費」批判をかわす狙いもあるとみられる。18日にはブッシュ米大統領が石油増産策を打ち出すなど消費国側の原油高への対応が相次いでいる。
 国家発展改革委員会が19日夜に発表した。ガソリンと軽油は1トン当たり1000元(約1万5650円)、航空燃料は同1500元の値上げとなる。全国平均小売基準価格の上昇幅はガソリンで16.7%、軽油で18.1%。さらに基準価格から8%の範囲内での価格設定が認められる。値上げは昨年11月以来。液化ガスと天然ガスは値上げしない。
 電力料金は7月1日から平均でキロワット時あたり0.25元引き上げる。値上げ幅は4.7%。都市部と農村の一般住宅向けと農業、肥料産業向けの電力料金は据え置く。



韓国貨物労組スト終結へ 運送料19%上げ合意
 米牛肉輸入問題を発端に、物価高などまでを含む政府批判のストが広がる韓国で、トラック運転手で構成する労働組合、全国運輸産業労働組合貨物連帯(貨物連帯)による全国ストが7日ぶりに終結に向かう見通しとなった。貨物連帯は大手物流業者の業界団体、コンテナ運送事業者協議会との間で19日、運送料の19%値上げで合意し「ストを終了する」との声明を発表した。
 妥結水準は21.5%の賃上げを要求する貨物連帯と、16.5%が限界とする協議会のほぼ中間で決着した。貨物連帯によると、中央組織の交渉と並行し、地域や事業者間で進めた交渉も60―70%が妥結した。ただ、現代自動車サムスン電子、LG電子など一部の大手荷主との交渉は続いており、部分的なストは続く見通しだ。



【産経主張】米国務長官発言 納得できぬテロ指定解除
 ライス米国務長官は、北朝鮮が近く核計画の申告書を中国に提出すると述べるとともに申告後、ブッシュ大統領が米議会に対して、北へのテロ支援国家指定解除などを通告すると語った。
 これまでブッシュ政権は指定解除には核計画の完全かつ正確な申告や核施設の無能力化が必要としてきた。
 ところが、ライス長官発言は北が正しく申告すれば、米政府が指定解除を通告する内容だ。これまでの見解を覆すものであり、きわめて遺憾と言わざるを得ない。
 ライス長官は同時に「北の過去の歴史を考えると信用することはできない」と明言した。議会通告後、指定解除が発効するまでの45日間に北の協力の度合いを見極め、非協力の場合などでの制裁強化に言及している。だが、申告内容をまず検証してから指定解除の手続きを取るのが筋だろう。
 拉致問題についてライス長官は「悲劇的な日本人拉致事件に関する日朝協議を支援してきた。人権問題への支援で米国が沈黙することはない」と述べるにとどめた。ブッシュ大統領が2年前、拉致被害者横田めぐみさんの母、早紀江さんと面会し、北の拉致を絶対に許さないとした米国のメッセージはどうなってしまったのか。
 日米同盟関係にも根底から悪影響を及ぼしかねない。米政府に強く再考を求めたい。
 一方、日本政府は先の日朝実務者協議を受け、対北朝鮮制裁を一部解除する方針を示したが、北の拉致被害者の再調査の具体化を見極める立場を強調し始めた。
 19日の衆院拉致問題特別委員会で、町村信孝官房長官は「北が再調査で具体的行動を取れば、それに見合う日本側の措置を取る」と述べた。これまで町村長官は「北朝鮮が『拉致問題は解決済み』との従来の立場を変更した」ことを「一定の前進」と評価し、制裁を一部解除すると表明していた。
 ようやく「行動対行動」の原則が明示されたが、当たり前のことである。北の曖昧(あいまい)な「再調査」の約束などで制裁の一部解除を表明したことへの批判や反発がいかに強いかを物語っている。
 問題は、北の「具体的な行動」の中身だ。これまで北が不誠実な対応を取ってきたことを忘れてはなるまい。拉致被害者の全員帰国につながる再調査でなければ、国民は納得しないことを政府は銘記して交渉に臨むべきである。


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