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ドコモ夏モデルは「NTTカラー」・ケータイ動画は切り札になるか <Column>
 NTTドコモは27日、夏商戦モデルとなる「906i」「706i」シリーズ19機種63色を発表した。通常、NTTドコモの新製品発表会といえば、執行役員もしくは役員クラスがプレゼンテーションするだけに留まっていたが、今回は6月下旬からの経営陣刷新後に相談役となる中村維夫社長があいさつで登壇した。 中村社長は「新製品は今後ニーズが高まってくる動画がキーワード。ケータイ動画の本格的な幕開けといえる。コンテンツ、ワンセグ、パソコン、家電との連携など、ユーザーのニーズは多様化している。ユーザーの声を受け止め、商品開発に反映してきた」と語り、今回の新製品が「新ドコモ宣言」の序章に過ぎないことをアピールした。
■完成度は高まったが……
 ただ、906iシリーズは前モデルとなる905iシリーズと比べると、目新しさに欠けてしまうのが正直な感想だ。急激な進化ポイントはあまり見られず、デザインや形状もかなり見慣れてしまっており、驚きは少ない。
 それでも全体的に完成度は高まっており、誰にでも勧められる製品群に仕上がっているのは評価すべきポイントだろう。905iシリーズを購入したユーザーが906iシリーズを見たら、「購入するのを待てばよかった」と後悔したくなるくらい、欠点が克服されているのだ。
 905iシリーズのなかで品切れを起こすほど大ヒットを飛ばした「VIERAケータイP905i」は、「P906i」になってワンセグのアンテナを内蔵化した。余計な出っ張りがなくなり、全体的にすっきりとした印象になった。さらにP905iでは横画面にしてもメニュー表示が横にならず、かなり使い勝手が悪かったが、P906iではメニュー表示も横に対応し、操作性が向上した。
■2年所有が開発の前提に
 昨冬商戦においてNECは、5メガピクセルカメラとワンセグに対応したN905iと、薄さを重視してワンセグ非搭載としたN905iμの2製品を投入した。
 実際にふたを開けてみれば、ユーザーの好みはハイスペックなN905iに集中した。「割賦販売制度が導入され、ユーザーは長年使っても安心できるようにと、いままで以上に高機能なモデルを好む傾向が強くなったようだ」(NEC関係者)という。今回、N906iμが薄さに加えてワンセグを導入してハイスペック路線にシフトしたのは、割賦販売制度によるユーザーの高機能志向に応えるため、というのがひとつの理由でもある。
 またNECではN906iにおいて、これまでのNTTドコモ向け端末には珍しいグラデーション塗装を施している。「今ではなく、1年から1年半後にトレンドとなるような本体カラーにチャレンジした。本体カラーにおいても、他社よりも先んじる必要があると感じている」とNEC開発担当者は話す。
 他メーカーの開発担当者も「買い換え期間が長期化するだけに長く使ってもらうように配慮している。レスポンスやカメラの画質、通話品質などに注力せざるを得ない」と本音を漏らす。すでに製品開発は、ユーザーが2年間所有することが前提となっているようだ。長期間保有することを考え、ハイスペックで高機能かつ飽きのこない本体カラーが求められているのだ。
■日本メーカーならではの操作性
 一方、さらに完成度が高まったと感じさせるのが「SH906i」だ。
 タッチパネルを搭載し、ディスプレーを外側にして折りたたんでも、メールやワンセグなどの閲覧、視聴が可能だ。直感的に操作できるだけでなく、画面をタッチしたときに振動するので、操作した感覚もしっかりと伝わるようになっている。
 さらに、「光タッチクルーザー」と呼ぶ機能を搭載し、パソコンのタッチパッドのような感覚で画面中のポインターを動かすことが可能となっている。タッチクルーザーは「SH904i」などでも採用されていたが、タッチクルーザーと4方向キーが別々に配置されていたため、必ずしも使い勝手のいいものではなかった。しかし、SH906iではタッチクルーザーと4方向キーが一体化されたことで、操作性は格段に向上した。
 「タッチパネルを採用したことによって、横画面で使うときの操作性を改善することに注力した。ワンセグフルブラウザなど横画面で使うシーンが増えてきたが、そうはいっても、ケータイはまだまだ縦画面で使うことも多い。そのため、光タッチクルーザーを導入して縦画面で使うときの操作性を向上させた」とシャープ開発担当者は話す。
 「iPhone」や「プラダフォン」など、今年さらに注目を浴びそうなタッチパネルケータイ。しかし、この2機種はタッチパネルしかなく、文字入力においてかなりのハンデを背負っている。その点、シャープのアプローチは、タッチパネルで操作する楽しさ、目新しさを提供しつつ、文字入力や通常の操作では従来のテンキーと4方向キー、さらにタッチクルーザーという様々な操作方法を両立させている。このあたりの細かな配慮は日本メーカーならではと言えるだろう。
三菱電機ユーザー狙う他メーカー
 今回の発表から、これまで長年、NTTドコモ向け製品を供給してきた三菱電機の端末がなくなっている。慣れ親しんだ「D」ブランドの端末が見あたらないと、改めて寂しい気持ちになってしまう。
 そんななか、他のメーカーはこれまでDを使っていたユーザーを取り込もうと、虎視眈々とチャンスを狙っているようだ。
 ある端末メーカーの開発担当者は「Dユーザーを分析すると、特に若い女性が多いようだ。内蔵コンテンツのかわいらしさが、女性ユーザーをとらえていたように思える」と語る。
 三菱電機の撤退が発表された3月は、すでに906i706iシリーズの製品化に向けた準備が着実に進みつつあった段階だ。そのため、三菱電機の撤退がわかっても、すぐに製品開発の路線を変更するわけにはいかない。しかし、プロモーションの準備には充分に間に合うタイミングであるだけに、各社ともこれまでDを使っていたユーザーを取り込むプロモーションを仕掛けてくることは充分に予想される。
 今回のラインアップを見渡すと、906iシリーズのなかでは、例えば女性に人気のファッションブランド「サマンサタバサ」とコラボレーションしたN906iμは、まさにDユーザーを狙い打ちできるモデルになっている。イルミネーションやメールボタン、さらに内蔵コンテンツに至るまで、ハートをモチーフにしたつくりになっている。メール送受信のアニメーションもハートになっているなど、Dの内蔵コンテンツに喜びを感じていた女性ユーザーの心をがっちりととらえそうだ。
 今後は、スライド形状や内蔵コンテンツの充実度を強化して、Dユーザーをターゲットにした製品がいくつものメーカーから投入される可能性がありそうだ。
■NTT色強まる新サービス
 一方、端末ではなく、新サービスを見てみると、やはりドコモの象徴であるiモードを主軸としたものはほとんどなく、NTT色の強いものとなっている。
 家庭内のブロードバンド回線に接続できる「ホームU」は、自宅では無線LANに接続して、携帯電話からフルブラウザや動画コンテンツなどにアクセスできる。IP電話としても機能するので、ホームU同士の通話は無料、さらに相手先が固定回線やFOMA回線でも通話料金が3割引になる。固定回線とケータイが融合したFMCの先駆けのようなサービスであり、かなり魅力的に見える。
 しかし、対応端末がいまのところ「N906iL onefone」しかなく、自宅に導入するにはホームU対応の無線LANルータ(無線QoS対応)と、ホームU対応のブロードバンド回線(現状はNTT東西のフレッツサービスのみのようだ)が必要になってくる。月額1029円のほか、設定を依頼すると訪問基本料と作業料で1万円近い金額がかかってしまう。確かに便利そうなサービスだが、実際にユーザーが導入するには敷居がかなり高そうだ。
■「動画」で戦うための秘策は
 NTTドコモではこれから動画サービスに注力していくようだ。ワンセグiモードの動画コンテンツ、自宅のパソコンやブルーレイ・レコーダーに保存してある動画を閲覧できる環境を整え、「ドコモ動画」という名称で、ユーザーに認知させていく。NTTはフレッツ・スクエアなどで豊富な動画コンテンツを提供しており、実績は充分だ。NTTらしいサービスと言えるが、一方でauは「LISMOビデオ」、ソフトバンクモバイルは「ヤフー動画」といった動画サービスに力を入れ始めている。
 HSDPAなどモバイルでも回線が太くなることで、各社とも動画コンテンツをひとつの売りにする。
 競争軸が「動画」になったとき、各キャリアが勝つための秘策は何なのか。コンテンツの品揃えなのか、料金の安さ、ネットワークの品質、それとも画質なのか。若者はすでにケータイで動画を見ることを素直に受け入れているが、幅広いユーザーに「ケータイで動画」は普及するものなのか。
 これから、いかにケータイで動画を当たり前のものにしていくか、各社の知恵比べが始まりそうだ。



ノジマ六本木店がP906iの深夜販売、大手量販でも店頭イベント
 ノジマは、東京・六本木のノジマでんわ館六本木店で、6月1日発売予定のNTTドコモP906i」を6月1日0時より販売する。
 通常、ノジマでんわ館六本木店は22時までの営業となっているが、5月31日は営業時間を延長し、6月1日2時まで営業して、P906iを販売する。同日は、PRADA Phoneの発売日でもあるため、PRADA PhoneとP906iが6月1日を迎えた直後から販売されることになる。
 このほか、ヨドバシカメラでは東京・秋葉原ヨドバシカメラマルチメディアAkibaで、ビックカメラでは有楽町本館で906iシリーズとPRADA Phoneの発売記念イベントを行なう。ヨドバシカメラでのイベントは9時〜、ビックカメラでのイベントは9時35分〜となっており、どちらもNTTドコモ代表取締役副社長で、次期社長就任予定の山田隆持氏が来店する。



宮崎監督の「崖の上のポニョ」、長嶋一茂さんが声優初登板
 宮崎駿監督の新作アニメーション映画「崖の上のポニョ」(7月19日公開、特別協力・読売新聞)の主な声優が27日、明らかになった。
 主人公・宗介の父親を長嶋一茂さん、母親を山口智子さんが演じる。長嶋さんが声優を担当するのは初めてで、「宮崎さんの作品に参加できるのは、とても光栄です」とコメントしている。
 宗介役の土井洋輝君、魚のポニョ役の奈良柚莉愛(ゆりあ)さんは、いずれも8歳。ほかに、天海祐希所ジョージ吉行和子奈良岡朋子さんらが演じる。



米書店大手、ネット販売や書評強化――アマゾンに対抗
 【ニューヨーク=杉本晶子】米書店チェーン大手2社が相次ぎ、インターネット販売の強化に乗り出した。業界2位のボーダーズが27日、自前の販売サイトを立ち上げたほか、最大手のバーンズ・アンド・ノーブルは本の検索・購入に加え新作の批評などコンテンツを大幅に増やした。従来型の書店はネット販売で急成長するアマゾン・ドット・コムに押され業績が悪化しており、反撃に打って出る。
 ボーダーズはこれまで7年間、アマゾンにネット販売を委託していたが、契約を打ち切った。約1000店を展開するが、2―4月期の米国内の既存店ベースの売上高は4.1%減と低迷し、最終損益も3170万ドルの赤字となった。店舗販売とネットとの相乗効果で「競合のネット企業に奪われた売り上げを取り戻す」(ジョージ・ジョーンズ最高経営責任者=CEO)のが狙いだ。


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