(#゜Д゜#)新聞

OKI、半導体部門をロームに売却・年内に1000億円規模
 OKI(沖電気工業)は半導体部門をロームに売却する方向で最終調整に入った。年内に同部門を会社分割方式で譲渡する方向で、売却額は1000億円規模に達する見込み。国内半導体業界のM&A(合併・買収)は2003年に日立製作所三菱電機がシステムLSI(大規模集積回路)事業を統合して以来。巨額の投資を必要とする半導体事業は単独での生き残りが厳しさを増しており、再編が再び動き出した。
 28日にも両社が基本合意し、発表する見通し。両社は今夏に具体的な条件を確定、今年末までに実施する方向で最終調整している。実現すれば国内企業同士で半導体部門を丸ごと譲渡する初のケースとみられる。



NHK、ユーチューブで映像配信開始
 NHKは27日、動画共有サイト「ユーチューブ」に専用ページを開き、総合テレビで6月に放送する特別番組の関連映像配信を始めた。主な地上波テレビ局でユーチューブにコンテンツ(情報の内容)を供給するのは初めて。NHKが次期経営計画で成長戦略の柱に据えるインターネット活用の具体策となる。
 日本の放送局は著作権侵害への懸念からユーチューブなどに距離を置いてきたが、今後は活用が進む可能性が高い。ユーチューブで配信するのは6月6日から3日間、総合テレビで放送する地球環境問題を扱った特番の関連映像。総合司会を務める藤原紀香さんらが登場する短編映像を7月下旬まで30本程度供給する。



オークラとロイヤルホテル提携、外資系に対抗
 ホテルオークラと、「リーガロイヤルホテル」を運営するロイヤルホテルは全面提携する。両グループの営業部門を統括する共同出資会社を設立、顧客管理や予約業務を一本化する。資材・食材の共同調達などにも取り組む。ホテル大手同士の提携は国内で初のケース。マーケティングなどで連携することでサービスを向上し、世界規模で事業を展開する外資系に対抗する。
 両社は今週中にも提携の基本合意契約を結び、発表する予定。合計のホテル数は国内27、海外6の計33、客室数は約1万室強。国内の都市型ホテルでは4番目の規模となる。地域的な重複が少なく、相乗効果が見込めるという。



大塚製薬、仏飲料大手に49%出資・1200億円投資、欧州に販売網
 大塚製薬はフランス飲料大手のアルマ社(パリ市)の株式の49%を取得することで、アルマ社の全株式を持つ仏投資会社と合意した。投資額は約1200億円。国内食品市場が縮小する中、アルマ社を拠点に、手薄だった欧州市場を開拓する。
 日本の食品会社の海外投資としては、2007年にキリンホールディングスがオーストラリア乳業大手のナショナルフーズ社を2940億円で買収したのに次ぐ規模となる。



韓国LG電子、プラズマパネル増産投資せず・液晶優位鮮明に
 【ソウル=鈴木壮太郎】韓国LG電子の最高経営責任者(CEO)の南ヨン副会長は27日の記者会見で、世界2位のプラズマパネル事業について「追加の大規模投資はしない」と語り、生産能力増強を伴う投資を中止する方針を表明した。LGグループは世界的に需要の伸びが高い液晶への比重を高める方針で、プラズマ陣営の劣勢がより鮮明になる。
 同社のプラズマ事業(テレビも含む)は同業の松下、韓国サムスンSDIとの競争に加え、液晶パネルとの競争も激化。2006年10―12月期から5四半期連続で赤字が続いていた。



三菱重・日立・東芝原発3社の投資額1200億円に
 原子力発電所関連メーカー大手が相次ぎ、原発関連設備を大幅に増産する。三菱重工業は2工場を増設するなど、今後3年間で約500億円を投資。東芝日立製作所もそれぞれ投資額を積み増す。3社合計の投資額は約1200億円に達し、過去3年の2倍を超える見通し。世界規模で原発の新設ラッシュが進む中、設備の安定供給体制を築き、今後の受注競争の本格化に備える。
 三菱重工は同日開いた原動機・原子力事業説明会で投資計画を明らかにした。原子力タービンを生産する高砂製作所(兵庫県高砂市)と、原子炉容器などを手掛ける二見工場(兵庫県明石市)でそれぞれ工場を増設する。高砂ではすでに着工しており、二見でも今年度中に建設を始める。投資額はそれぞれ100億―200億円とみられる。



電子マネー「ナナコ」、発行枚数は目標の6割どまり
 セブン&アイ・ホールディングス独自の電子マネー「nanaco(ナナコ)」の発行枚数が当初目標を大幅に下回っている。サービス開始1年に当たる今年5月末の時点で1000万枚を目指していたが、590万枚程度にとどまる見通し。コンビニエンスストア以外の店舗での展開が遅れたためで、1000万枚の目標達成を来年2月末に先送りする。
 発行増に向け、6月1日からグループ会社が発行するクレジットカード「アイワイカード」を所有している人を対象に、インターネットを経由して入金(チャージ)できるサービスを始める。今夏をメドに企業が贈答用などに使えるカードを発行。ナナコ加盟店を現在の1万9000店から来年2月末までに6万2000店に引き上げる計画だ。



受信料値下げ、ほとんど触れず・NHK次期経営計画素案
 NHKは27日、経営委員会(委員長=古森重隆富士フイルムホールディングス社長)に9月までにまとめる次期経営計画の素案を示した。関連団体のさらなる再編などを盛り込んだが、具体的な数字に乏しく、抽象的な表現が目立つ。懸案の受信料値下げにもほとんど触れておらず、課題の解決にはまだ時間がかかりそうだ。
 次期計画は放送のデジタル化が完了する2011年度までの3年間を核とする5カ年計画。素案では「無駄のない強じんな公共放送への転換」を掲げる。事業面ではテレビに加えパソコンや携帯電話など多様な媒体にコンテンツを届ける戦略を明記。国際放送もアジアを中心に取材体制を強化する。
 古森委員長は同日の記者会見で「数字が入っていない。ほんの目次のようなものだ」と語り、計画素案の内容に物足りなさを隠さなかった。



NECエレ、システムLSI増産
 NECエレクトロニクスは27日、家庭用ゲーム機やデジタルカメラの動作を制御する半導体であるシステムLSI(大規模集積回路)を増産すると発表した。直径300ミリの大型シリコンウエハーを材料とする先端ラインの生産能力を、2010年3月までに月産2万5000枚と約2倍に増やす。投資額は300億円以上の見通しだ。
 全額出資子会社のNECセミコンダクターズ山形(山形県鶴岡市森岡國男社長)が増産投資する。まず約100億円を投じ、3月末時点で月産1万3000枚だった能力を09年3月までに同2万枚に増強。さらに200億円以上かけてクリーンルームなどを追加整備し、10年3月までに同2万5000枚に引き上げる。
 増産するのは、業界最先端レベルの線幅55ナノ(ナノは10億分の1)メートルや40ナノメートルの回路加工技術を使うシステムLSI。300ミリウエハーで1万2000枚分の増産が300億円余りの投資で済むのは業界でも珍しく、「設備効率を上げる努力を集大成した」(森岡社長)としている。



日産、中国に小型商用車の新工場・100億円投じ年産10万台
 日産自動車は中国で小型商用車の新工場を建設する。約100億円を投じ、中国合弁の鄭州日産汽車(河南省)に年産能力10万台規模の新工場を建設。2010年をめどに稼働させる。中国では経済成長とともに小型商用車の需要が年率2ケタ以上伸びている。日産は日本勢では唯一、小型商用車を販売する。商用、乗用双方を手掛ける強みを生かして、先行するトヨタ自動車を追う。ロシア、インドなどにも参入し、成長市場での小型商用車の事業体制を強化する。
 日産は中国の自動車大手、東風汽車公司と折半出資の合弁会社東風汽車有限公司湖北省)を設置し、乗用車や商用車を生産している。鄭州日産はその子会社で、SUV(スポーツ多目的車)や小型商用車「ピックアップ」など年産6万台規模の工場を持つ。すでにフル生産で増産余地が乏しいため、隣接地に第2工場を建設。12年に合計の生産規模を年16万台に高める。



東証、上場企業に行動指針・第三者割当増資や買収防衛策
 東京証券取引所は株主の利益を損なう企業行動をなくすため、新しい企業行動指針を作成する。相次ぐ大規模な第三者割当増資や過剰な買収防衛策などが企業価値を損ない、投資家の不利益になっていると判断。2008年秋にも要綱をまとめ、企業経営の透明度を引き上げるよう求める。透明な資本市場を形成して東京に世界のマネーを呼び込み、国際競争力を強化したい考えだ。
 東証は最近の企業行動について(1)大量の新株予約権の発行などで発行済み株式数が数倍に膨らみ、1株あたりの利益が大幅に薄まる(2)財務内容が悪かったり、不透明だったりする会社などへの第三者割当増資(3)横並び的に買収防衛策の導入を決める――などの事例が増えていることを問題視。いずれも資本市場の透明性を低下させ、株主価値を損なうとして、是正を促す必要があると判断した。



【産経主張】アフリカ開発会議 援助と自助の相乗効果を
 日本が主導して開く国際会議としては最大のアフリカ開発会議(TICAD)の第4回首脳級会合がきょうから横浜市で開かれる。
 日本が暫定政権を承認していないソマリアを除く全アフリカ52カ国から代表が来日、うち約40カ国からは首脳級が参加する。
 TICADは冷戦終了でアフリカの戦略的価値が薄れた後の1993年、日本が国連などと共催で第1回会議を東京で開いて以来、5年に1度日本で開いてきた。
 首脳級の参加者は第1回5人、第2回13人、第3回23人、今回は約40人と増えてきた。日本の政府開発援助(ODA)が97年をピークに4割も減り、90年代の世界1位から昨年は5位にまで転落した中で参加首脳がこれだけ増えたのは、援助期待だけでなく、会議に意義を見いだしているからだろう。TICADは日本外交の数少ない成功例に挙げられる。
 アフリカは90年代まで、援助を重ねても貧困や飢餓、紛争、感染症などから抜け出せなかった。しかし、2001年以降は資源などの高騰で、先進国の経済協力開発機構OECD)加盟国平均を2倍も上回る5〜6%の成長を続けてきた。アフリカはようやく経済的に離陸しようとしている。
 こうした情勢を受け、今回のTICADの基本メッセージは「元気なアフリカを目指して」だ。具体的には(1)成長の加速化(2)平和の定着と「人間の安全保障」の確立(3)環境・気候変動−が主要議題となる。食糧危機対策も入る。
 だが、貧困、感染症などの問題はなお深刻だ。福田康夫首相は、会議で日本の対アフリカODA倍増計画を打ち出す。財政再建下、容易ではないが、日本のODA予算は一般会計の1・5%にすぎない。工夫の余地があるはずだ。元気になったアフリカには円借款の拡大も可能となろう。
 アフリカ諸国にとっても自助努力の環境が整いつつある。援助と自助努力が相乗効果を生むような展開を期待したい。
 日本のアフリカ支援には当然ながら戦略的意味がある。アフリカの資源確保、国連常任理事国入りでのアフリカ票の獲得などだ。
 中国やインドはアフリカの資源目当てに近年、日本を上回るほどのアフリカ接近を続けている。負けられない競争だが、日本ならではの支援を通じて、信頼という国の資産を増やしていきたい。


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