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ドコモ、夏商戦向け「906i」「706i」19機種を発表・動画など強化
 NTTドコモは27日、夏商戦向けに6月から順次発売する携帯電話端末の新製品19機種を発表した。基本機能が中心の「706iシリーズ」では世界最薄ながらワンセグ機能を備えた機種など使いやすさを高めた11機種をそろえた。高機能の「906iシリーズ」8機種では動画向けの機能を充実させた。中村維夫社長は会見で「本格的なケータイ動画時代の幕開けを迎える」と語った。
 706iシリーズでは薄型の7機種と、使いやすさを重視した4機種「706ie」をそろえる。世界最薄という9.8ミリの薄さながらワンセグ機能を備えた「P706iμ」(パナソニックモバイル製)や防水対応のワンセグケータイとなる「F706i」(富士通製)などがある。
 706ieでは文字の大きさや騒音のなかでの音の聞こえやすさといった操作性を高めた。「機能より使いやすさを高めてほしい」といった顧客の声に対応した。
 906iシリーズは「Music&Videoチャネル」などの動画サービスに対応した8機種29色をそろえた。8機種すべてで自宅のパソコンに保存した動画や文書ファイルを携帯電話で見られるサービス「ポケットU」に対応した。利用者の3分の1が「デコメール」を使っているといい、アニメーションが使える「デコメアニメ」にも対応する。
 「N906iL」(NEC製)は無線LAN機能を備え、自宅などの無線LANルーターを経由して高速なデータ通信やIP電話を利用できる新サービス「ホームU」に対応する。ホームUは6月から月額使用料1029円でサービスを開始予定で、ホームU利用者同士のIP電話は無料となるほか、他の携帯や固定電話との通話も3割程度安くなるという。
 動画については「ドコモ動画」という名称で、サービスを充実させる。6月にポケットUをはじめるほか、動画ポータルをリニューアルした。動画の利用者を増やすため、夏には300本以上の動画を無料で見られるキャンペーンを実施する。
 プロダクト&サービス本部プロダクト部長の永田清人執行役員は「動画を使ったことがある人はまだ2割に達していない状況だが、簡単なユーザーフェースなら使いたいという人は5割を超える。パソコンで動画が広まったように、携帯電話でも動画利用が広まる」と語った。
会見での永田執行役員の主な一問一答は以下の通り。
――7.5メガのHSDPAに対応した機種はないのか。
 「今回の新商品にはない。コストと開発の関係で7.5メガにグレードアップするのはもう少し待ってほしい」
――動画に力を入れると同時にパケット料金を見直す考えはないのか。
 「あらゆる場合を想定して議論はしているが、きょうは答えを用意していない」
――プレゼンで「顧客の声」が紹介されたが、顧客の声のうち応えやすいものに応えたという印象がある。
 「まだ新ドコモ宣言を出して1本目。十分に顧客の声を拾えているかについては、おっしゃる通り。真摯に受け止めたい。今回、紹介した(顧客の)声は直近で解決しなければならないものと考えている。優先順位のつけかたには議論があると思うが、お客様の声を真摯に聞く姿勢は持っている。半年後、1年後をみて評価してほしい」
――端末の調達価格は前回と比べて変わったのか
 「全体的に調達価格を下げることにしている。905iに比べると、お札になるほどではないが下げた。700シリーズの方が厳しく下げ幅は小さい」
――906iの販売価格の割引は前回より小さくなっている。原価は下がる半面、販売価格は上げるのか
 「残念ながら調達との差がうまっていない。今後はますます値段と提供するものの価値がシビアに見られると思っている」
――動画は需要があるのか
 「パソコンを見ていると、動画の時代はすぐ来るのではないかと思う。パイプを太くして価格を下げればこんなに広まるのかと驚いた。動画に乗り遅れたらまずいという感覚はある。コンテンツの魅力が次の問題だ」



著作物利用拡大へ法改正 ネット配信向け政府方針
 政府の知的財産戦略本部(本部長・福田首相)は著作権法を改正し、他人の著作物を利用しやすくするために新規定の創設を検討する方針を固めた。グーグルに対抗した次世代のネット検索エンジンの開発など、ベンチャー企業が新規事業を起こしやすくするのが狙いだ。
 具体的には米国の著作権法にある「批評、解説、報道、研究などを目的とする、著作物のフェアユース(公正な利用)は著作権の侵害とならない」という規定の日本版創設を検討する。米国ではこの規定によって、ネット検索エンジンの開発などがしやすくなったとされる。
 日本の著作権法は、他人の著作物を勝手に複製したり、ネット配信したりすることを原則として禁止している。その上で、例外として「家庭内での私的な複製はできる」「学校の授業のためにはコピーできる」など著作権が及ばない範囲を個別の規定で列挙し、著作物の利用形態ごとにユーザー側の自由を認めている。
 創設が検討されているのはこうした個別規定と別に、公正な利用をその形態にかかわらず広く認める規定だ。
 米国の著作権法では「公正な利用」かどうかの判断は、利用の目的が商業性を持つか、利用することで著作物の市場に影響があるかなどが考慮されている。日本版でも「著作権者の利益を不当に害さない」といった条件を付け、ユーザー側はその条件のもとで利用が許されることになりそうだ。
 公正利用規定が導入されると、一般ユーザーには、どんなメリットがあるか。遊園地でアニメキャラクターと一緒に撮った記念写真のブログ掲載や、他人の作品を利用したパロディーは、こうした利用を許す個別規定が現行法には無いため、著作権法に触れる恐れがある。しかし、公正利用規定があれば、合法となる可能性 もある。
 また現在は、ウェブサイトの情報を複製・蓄積する「ウェブ・アーカイブ・サービス」も違法の恐れがある。新規定ができれば、企業はその適用を見込んで事業を始めることができるようになる。
 同本部は6月、「知的財産推進計画2008」に検討の方針を盛り込み、知財制度専門調査会(中山信弘会長)などでの審議を経て、09年以降の著作権法改正をめざす。



デジタル機器の補償金で対立・文化庁著作権小委を延期
 文化庁は27日、29日に開く予定だった文化審議会著作権分科会の小委員会の開催を取りやめることを決めた。私的な録画・録音に対する著作権料(補償金)をハードディスク内蔵録画機器などのデジタル機器に上乗せするかどうかを巡り、賛成する著作権者側と反対するメーカー側の対立が解けず、開いても議論をまとめられないと判断した。
 補償金を巡る両者の対立は、地上デジタル放送の番組のコピー回数制限を10回に増やす「ダビング10(テン)」に飛び火しており、6月2日に始まる予定だったダビング10は開始時期のメドが立っていない。ただ関係者の間では「五輪商戦に向けて折り合うべきだ」との声も出ており、今後も調整が続きそうだ。



EUで原発回帰論、欧州委員長「温暖化対策に有効」
 【ブリュッセル=下田敏】大幅な原油高や地球温暖化対策をにらみ、欧州連合(EU)で原子力発電への回帰論が広がってきた。EUのペテリング欧州議会議長は26日、二酸化炭素(CO2)の排出抑制などで「原発利用が必要になる」と語った。英国やイタリアは原発凍結政策の転換に踏み切っており、7月からEU議長国になるフランスは原発の活用をEU各国に訴える構えだ。
 ペテリング議長は原発をエネルギー調達の重要な手段と位置付けたうえで、利用拡大を検討する考えを示した。バローゾ欧州委員長は「原発利用は温暖化対策での有効な手段」と表明。加盟国が個別に決める政策としながらも、EUとして原発利用に政策の軸足を移す方針を示唆した。



国内の石炭発電技術、米中印導入で年13億トンのCO2削減
 経済産業省は27日午前、2007年度のエネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)を閣議で決定した。地球温暖化の問題を取りあげ、国内の高い石炭火力発電技術を米国や中国、インドにも導入すれば二酸化炭素(CO2)を年13億トン削減できる可能性を指摘。温暖化ガスを産業分野別に積みあげる「セクター別アプローチ」の効果を強調した格好だ。
 白書は温暖化問題と原油高を主に分析した。セクター別アプローチについては「我が国は世界最高のエネルギー技術を実現しており、国際展開することにより世界的なCO2削減に寄与する」と主張。CO2の排出量が多い石炭火力発電、鉄鋼、セメントなどの分野で効果を検証した。
 うち石炭火力発電での効用を初めて試算した。投入した熱エネルギーが電力に変わる割合は40%超と日本が最も高い。その技術を効率が30%台にとどまる米国、インド、中国の3カ国に適用すると年間で日本全体の排出量(12.1億トン)をやや上回る約13億トン減らせると強調した。



科学技術政策 世界との競争に遅れるな(読売社説)
 日本は将来、国際的な地位と豊かな生活を失うかもしれない――。
 そうした危機感を、文部科学省がまとめた今年の「科学技術白書」が露(あら)わにしている。
 世界経済に占める日本経済の比率は2006年に9・1%と、10年前の半分まで下がった。
 少子高齢化による労働力人口の減少で、1人当たりの国内総生産は低下し、経済協力開発機構OECD)に、「日本人はもっと働け」と言われている。
 白書が強調しているのは科学技術の活用だ。その成果を使い、働き手は減っても、価値の高い製品やサービスを生み出すしかないという。誰しも異論はない。問題はその仕組みが日本にあるかだ。
 白書は、「国際的大競争の嵐を越える科学技術の在り方」をテーマに、欧米や中国など海外の取り組み例を分析している。
 共通するのは、有能な研究者を確保しつつ、成果が不確実な「ハイリスク」研究にも果敢に挑むという政策を、政府が前面に立って進めていることだ。
 人材確保では、中国の「海亀政策」がある。海外の有能な自国研究者を給与や保険面で優遇して呼び戻す。日本の国立大学や公的研究機関は、財政制度の制約からこうした方策が取りにくい。
 米国や英国では、もともと、科学・工学系博士課程の学生の4割以上が外国人だ。その定着を目指している。日本は、これが1割前後しかない。教育段階から、大きな差がついている。
 ハイリスク研究も、米国では法律で、予算配分の目標を設けるよう義務づけている。中国は、失敗しても研究者を寛容に扱う、と法律に明記している。
 日本では、公的資金を使った研究は、他の施策と同じく綿密な評価が求められる。事務作業も膨大で、研究者から「予算申請と評価作業で研究する時間もない」という嘆きをよく聞く。
 厳しい財政状況下でも、科学技術には毎年、3兆円以上の予算が投じられている。これが十分に生きる制度改革が要る。
 有望な研究を後押しすることも無論、重要だ。政府の総合科学技術会議がまとめた「革新的技術戦略」はその一環だろう。
 例えば、ロボットや様々な細胞に変化する「新型万能細胞(iPS細胞)」の研究に予算を重点的に配分し、実用化に向けた法制度の検討も政府が支援する。
 大胆かつ繊細な科学技術政策が大競争時代には欠かせない。


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