(#゜Д゜)ノ新聞

角川、投稿アニメで広告・ユーチューブと連携
 角川グループホールディングスは6月から、米グーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ」への投稿動画を利用して新しい広告事業を始める。自社アニメ作品の映像を使った動画が投稿されると、ユーチューブ経由の配信を認めるかどうかを角川が判断。許諾する場合は動画に広告を付け、その収入を角川、ユーチューブ、投稿者の3者で分配する仕組み。共有サイトを広告媒体として活用する日本初の試みで、ほかのコンテンツ会社にも広がる可能性がある。
 テレビ局や映画会社などはこれまで、自社作品を許可なく加工した投稿動画は著作権侵害だとして動画共有サイトに全面削除を求めてきた。これに対し角川は配信を容認するかどうかの線引きを明確にすることで、合法的な投稿を利用者に促す方針に転換。ユーチューブを自社作品を世界で広くPRする手段と位置づけた。今回の広告事業ではさらに一歩進めて、投稿動画を収益源にする戦略を打ち出した。



株主配分、利益の5割・07年度、上場企業
 上場企業が株主への利益配分を拡大している。配当と自社株買いを合計した株主への「総配分」は2007年度、12兆円と過去最高を更新し、純利益(約25兆2000億円)の5割に迫った。6期連続の増益で手元資金が積み上がっていることが背景。利益をため込む一方だった日本企業の財務運営が転機に来た。
 日本経済新聞社が5年間比較可能な全上場企業3791社を対象に集計した。07年度の配当総額は約7兆6000億円と前年度に比べ14%増え、過去最高を更新した。一方、野村証券金融経済研究所の集計によると自社株買いは約4兆6000億円と15%増えた。自社株買いも過去最高だ。



アクトビラ、動画配信サービス対応TV100万台目標
 ソニー松下電器産業など家電大手が出資するテレビ向け動画配信のアクトビラ(東京・港)は、現状で約40万台の同社サービスへのテレビ接続台数を今年度中に100万台に引き上げる計画を決めた。7月にシャープを含め出資する全メーカーの対応テレビが出そろうのを契機に、配信コンテンツの拡充などで攻勢をかける。30日付で大野誠一社長(49)の後任に松下出身の沢根浩一取締役(60)が昇格。新体制で10年度の黒字浮上を目指す。
 06年7月設立のアクトビラソニーグループと松下、シャープのほか東芝日立製作所が出資。液晶テレビ最大手のシャープが7月に発売する新製品で、出資全メーカーの動画配信対応テレビが出そろう。



日立、サーバー生産を集約・神奈川
 日立製作所はサーバーの生産拠点を神奈川事業所(神奈川県秦野市)に集約する。豊川工場(愛知県豊川市)のラインを同事業所に移設し、10月1日までに増強。大型のメーンフレーム(大型汎用機)や普及機などすべての機種について、基板から装置まで一貫生産する体制を整える。生産コストを低減し、競争力を強化する。
 日立のサーバーの基板は神奈川事業所でCPU(中央演算処理装置)などを実装。基本的にはメーンフレームなど上位機種は同事業所でそのまま組み立て、PCサーバーなどの中下位機種は豊川工場に基板を運んで装置を組み立てている。神奈川事業所に約1万平方メートルのスペースを確保。豊川工場が担当している中下位機種の組み立てラインを同事業所に移設し、約1億円を投じて増強する。豊川工場のサーバー組み立てラインは閉鎖する。



スズキ、インドで値上げ・全10車種、最大4%
 【ニューデリー=小谷洋司】スズキはインドで自動車価格を最大4%引き上げた。原材料の高騰を受けた措置で、稼ぎ頭のインド市場での収益悪化を食い止める。先にトヨタ自動車日産自動車は北米市場で値上げに踏み切っている。原料高の影響が日本メーカーの新興国市場での価格戦略にも波及した。
 値上げしたのは現地子会社マルチ・スズキが生産する全10車種。小型の世界戦略車「スイフト」とそのセダン版の「スイフト・ディザイア」の値上げ率は1.7―4%で、それ以外の車種は0.3―2.2%。値上げしても販売減速の影響が小さい人気車種の上げ幅を大きくした。



簡易型カーナビ、松下が世界展開・最大手米社と組む
 松下電器産業は簡易型カーナビゲーションシステム(PND)の世界展開に乗り出す。世界最大手の米ガーミンインターナショナル(カンザス州)と共同開発で提携したほか、自社ブランドのPNDを中国に投入する。松下はAV(音響・映像)性能が充実した高機能カーナビに強みを持つが、道案内に特化し低価格のPNDに需要がシフト。開発、生産体制を見直し海外需要を取り込む。
 松下とガーミンは自動車メーカーに直接納入する純正品を共同開発し、米自動車大手などに売り込む。消費者が店頭で購入する市販用PNDでは新興国市場の開拓を積極化。ロシア市場参入も視野に入れる。生産は大半を外部委託しているが、量産効果や納期短縮を狙い自社生産比率を高める方向で検討する。



日生、新契約高07年度3位・4割減、首位転落
 日本生命保険の2007年度に獲得した新契約から得られる保険金の総額(新契約高)が、前年度比約4割減の約6兆5000億円にとどまったもようであることが25日わかった。第一生命保険住友生命保険を下回り、3位に転落した。日生が通期で新契約高の首位を明け渡すのは戦後初とみられる。保険金の不払い問題などで、新規の顧客開拓が進まなかったことが影響した。
 新契約高は大手生保の主力商品である高額の死亡保障商品などがどれくらい売れたかを示す指標となる。大手生保は昨年、販売の主体である営業職員が不払い問題の調査などで既契約者の訪問活動に追われたため、いずれも新契約高を落とした。首位となった第一生命の新契約高は約8兆8000億円、2位の住友生命は7兆4000億円といずれも前年度比2ケタ台の落ち込みとなったもようだ。



温暖化ガス「2050年半減」サミット合意を・議長総括案、G8環境相一致
 神戸市で開催中の主要8カ国(G8)環境相会合が26日に発表する議長総括案が明らかになった。「2050年までに世界の温暖化ガス排出量を半減」との長期目標について7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)での合意に期待を表明。「先進国は50%を大きく上回る削減目標を掲げ、率先して削減対策に取り組む」との決意も示している。
 25日の協議で鴨下一郎環境相が50年までの排出半減を法的拘束力のないビジョンとしてサミットで共有すべきだと強調。G8各国はおおむね賛同した。



内閣支持率24%に・日経世論調査
 日本経済新聞社が23―25日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率は24%となり、4月末―5月初めの前回調査から3ポイント上昇した。不支持率は4ポイント低下の64%で依然、高水準だ。政党支持率民主党が36%で、自民党の31%を2回連続で上回った。後期高齢者医療制度への批判などが背景にあるとみられ「低所得者の保険料軽減措置の拡充」を求める声は35%に達した。
 内閣支持率は3回連続で30%を下回った。支持しない理由を複数回答で聞くと「指導力がない」が56%で最多。「政策が悪い」の52%、「安定感がない」の32%が続いた。支持する理由は「人柄が信頼できる」が38%、「自民党の内閣だから」が36%などだった。



日経社説 自助努力促す息の長いアフリカ支援を(5/26)
 日本が主導して28日から3日間、横浜で第4回アフリカ開発会議が開かれる。貧困、疫病、紛争にあえぎながら発展をめざすアフリカ諸国への支援策を話し合う。アフリカは日本から遠い。しかしアフリカの安定なくして世界の安定はない。知恵と資金を結集した息の長い支援が求められている。
 アフリカと言えば紛争という時代があった。最近では1994年にルワンダ虐殺が起きているし、アンゴラの内戦は75年から27年間も続いた。
紛争収拾で経済に活気
 しかし、実は近年紛争は目立って減っている。今もスーダンダルフール紛争エチオピアエリトリアの紛争などの例はあるが、アフリカ全体としては政治情勢は安定へ向かっている。
 紛争が減り、さらにアフリカの主要輸出品である金属、石油、紅茶、コーヒーなどの国際価格が急上昇していることもあってこのところ経済成長を続ける国が増えた。
 世界の貧困地域の代名詞のようになっているサブサハラサハラ砂漠以南)地域。その48カ国のうち23カ国で年間の実質経済成長率がここ3年、5%を超えた。
 緒方貞子国際協力機構(JICA)理事長はこのほど日本記者クラブでの会見で「アフリカはずいぶんと元気になった」と感想を述べたが、アフリカ支援にたずさわってきた世界の援助関係者に共通する認識であろう。
 しかし、アフリカは依然多くの困難に直面している。
 国連は、開発途上国の中で最も開発が遅れた国を「後発開発途上国」と定義する。そうした国は世界に49カ国あるが、そのうち33カ国がアフリカ諸国だ。
 サブサハラ地域の人口約7億人の半分が1日1ドル以下の極貧状態で生活しているし、そこでは平均寿命は46歳程度だ。HIVエイズウイルス)感染者・エイズ患者数は世界の6割以上を占める。
 2000年9月、国連に集まった各国首脳は飢餓に苦しむ人口を減らすなど8項目からなるミレニアム開発目標を採択した。アフリカの人たちの生活向上につながることばかりだが、目標達成にはほど遠い。
 アフリカは世界の中で最も支援を必要としている地域である。
 アフリカ諸国の大半は英仏など欧州列国の植民地だった。アフリカの開発の遅れはこれら旧宗主国の対応が要因となっている。しかもアフリカは地理的に欧州に近い。
 まずは欧州諸国が支援の役割を果たすべきだとのまっとうな主張がある。だが、日本も積極的に支援の輪に加わるべきだ。アフリカが遠くにあっても支援は経済大国の一員としての責務であろう。
 アフリカ支援には日本の外交基盤を強化するという意義もある。アフリカ諸国は国連全加盟国の約4分の1を占める。
 日本は05年にドイツなどと組んで安保理常任理事国入りを目指したが、アフリカ諸国の積極的な支持を得られなかったという苦い経験がある。
 中国が近年積極的なアフリカ外交を展開している。ただ傍観しているわけにもいかないだろう。
 支援を通じてアフリカ開発に参加することは日本経済にも恩恵をもたらすとの観点も重要だ。
 アフリカは資源大陸だ。日本が参加して資源開発を進める余地はあるはずだ。日本のアフリカ諸国との貿易は200億ドルを超えたが双方にとって比重は小さい。
洞爺湖でも議論主導を
 途上国支援の中心は政府開発援助(ODA)であり、今回のアフリカ開発会議で日本は贈与を中心に増額の方針を表明する。財政再建中だけにやりくりは大変だが、高く評価したい。現在、日本のアフリカ向けODAは全体の10%を少し上回る程度だが、今後比重は高まる。
 援助額と同時に援助の内容にも知恵を使わなければならない。会議は「成長の加速化」を第1の柱に据え議論する。経済成長を促し被援助国からの卒業に貢献する事業を重視すべきである。
 卒業を目指す努力は援助を受ける側にも求められる。紛争や政争に明け暮れながら国を発展させることはできない。
 途上国支援は援助がすべてというわけではない。途上国産品の市場を広げることも極めて重要だ。アフリカの場合、米欧が綿花、砂糖の生産に補助金を出し安く輸出していることが大きな打撃になっている。一方で援助しながら一方で障壁を設けていることは矛盾している。
 アフリカ支援は7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)でも主要議題となる。福田康夫首相は支援に誠実に取り組む日本の姿勢を横浜そして洞爺湖から発信してほしい。


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