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「iモード」の成功体験捨て「最強の土管屋」めざすドコモ(Column)
 NTTドコモがこれまでの「一人負け」体質から脱却しようと躍起になっている。7月の地域会社統合を前に、新しいブランドロゴを発表するなど社員の意識改革を急ぐが、社内はどう受け止めているか。
 NTTドコモは5月13日に統合後の新しい経営陣を発表した。これまで4年間、NTTドコモを率いた中村維夫社長は相談役へ、新社長には山田隆持現副社長が就任する。
 新体制では組織体制を見直し、これまでの本部制をなくす。各部署をフラットな関係にし、社長の意向を通りやすくする狙いがあるという。名実ともにNTTドコモは生まれ変わろうとしているのだ。今回の大幅な変更は、MNP(番号継続制)前後で苦しい思いをしてきた中村社長の「置き土産」なのだろう。
■「これでますます“土管屋”に」
 では、実際に現場で働く社員の反応はどうだろうか。新体制発表後、多くのNTTドコモ社員に感想を聞いたのだが、まず最初に出てくる言葉と言えば、一様に「これでますます“土管屋”になっていきそうです」という感想だった。
 NTTドコモがこれからサービスを提供する会社というよりも、通信インフラ(土管)を提供して満足してしまう会社になってしまうというのだ。まさに今のNTTに逆戻りするという危機感がある。
 NTTドコモのプロパーとして入った社員からすると、新体制は「NTT色が濃厚になった」という。「社長が社内を改革しようと叫べば叫ぶほど、NTTから人がやってくる。新しいロゴは『docomo』よりも『NTT』の文字を大きくすればよかったのに」と現状を嘆く人間もいる。
 実際、近々、家庭内に設置されたADSLやFTTH回線に接続できるNTTドコモ端末が投入されると見られているが、これは「フレッツを持つNTTからの強い意向があって、仕方なくドコモが導入した」(NTTドコモ関係者)という。すでにNTT主導のビジネス展開は始まりつつあるのだ。
■夏野氏退社で広まる社内不安
 社員たちがNTT化が進むと危惧している背景には「iモード」と「おサイフケータイ」の生みの親でもある夏野剛執行役員が6月下旬で退社することも影響しているようだ。「今後、NTTドコモでサービスや機能を開発しても、これまでのように普及するかどうか……」と不安視する社員は多い。
 iモード以前のケータイ業界では、当時のデジタルホンがエリア品質と音質で人気を集めていた。さらに他社でメール文化が生まれ始めていたころでもあり、NTTドコモ(当時はNTT移動体通信網)は下位キャリアから攻められる立場にいた。
 そんななか、1999年2月にiモードが登場。それからのNTTドコモが、端末に様々な機能やサービスを載せて、業界をリードしてきたのは間違いない。iモードに代表されるコンテンツサービス、絵文字メール、アプリ、待ち受け画面、ダウンロードコンテンツ、赤外線通信、デコメールおサイフケータイなど、NTTドコモのケータイから普及していった機能やサービスは計りしれない。iモードがNTTドコモを救ったと言っても過言ではないだろう。
おサイフケータイFOMAも夏野氏の手柄
 先日、日本マクドナルドの記者会見に出席した夏野氏は「最近、『iモードの父』がドコモを去ると言うことで世間をお騒がせしている。11年間、ドコモにいて、一番大きかったプロジェクトがiモードの開発。その次がおサイフケータイだった。一つ(のメディア)ぐらいは『おサイフケータイの父』と呼んでほしい」と発言したが、その後で「実はFOMAの再生も僕がやったんですけどね」と付け加えた。
 FOMAの初期段階はテレビ電話などが差別化要素となっており、人気のある端末とは言えなかった。型番が「2001」「2051」シリーズのころは、開発が夏野氏の傘下にはなかった。夏野氏が開発に携わり、2004年に「900i」シリーズとして、FOMAがiモードサービスとの連携を強化したころからようやく順調に立ち上がりを見せるようになったのだ。
 今までのドコモの発展が、すべて夏野氏の手柄というわけではないだろうが、ケータイのあるべき姿をドコモ社内で示し、社員とメーカー、コンテンツプロバイダーといった業界を引っ張ってきたことは間違いないはずだ。
 ただ、その一方で、J-Phoneによる「写メール」のヒットに代表されるカメラ付きケータイや、auが火をつけた音楽配信サービスなどで、NTTドコモは他社に大きく遅れをとってしまった。この背景には夏野氏が他社で流行ったサービスをすぐに後追いしたくないというプライドがあったからかもしれない。
 写メールがヒットした当時、夏野氏はよく「あれはカメラ付きケータイが売れただけであって、ユーザーは画像をメールで飛ばしていない」と言って、興味がなさそうにしていたのが思い出される(実際は、水面下で急いで後追いしたのだろうけど)。
■iモードに代わる武器は何か
 これまではキャリアが仕様を決め、メーカーが下請けとして端末を開発するという垂直統合モデルにより、世界でもトップレベルのケータイサービスが実現されてきた。しかし、ここに来て、携帯電話に載せられる機能やサービスは行き着くところまで行ってしまったと指摘する人間も多くなり、業界には閉塞感が漂っている。
 時代は水平分離モデル、オープンな環境がやたらと、もてはやされるようになっている。確かに、かつてのようにキャリアがサービスを開発する時代は終わりに近づいているのかもしれない。
 実際、NTTドコモはすでにグーグルとの提携を発表し、グーグルのサービスを積極的に導入する準備が始まっている。また総務省を中心にMVNO(仮想移動体通信事業者)の推進が急ピッチで進んでいる。キャリアは通信インフラ(土管)を提供すればいい。あとの端末やサービスは別のところがつくれば、競争環境を促進できると期待されているのだ。
 そんな環境変化のなか、今のNTTドコモの動向を見ていると、過去10年間のiモード成功体験を捨てようとしているように見えてくる。
 iモード立ち上げ時、リクルートから松永真理氏を引っ張り、陣頭指揮を執ってきた榎啓一氏はこれまで、NTTドコモ東海の社長を務めていたが、6月30日の退任後はドコモエンジニアリングの社長になる。iモードを成功に導いた上層部は、もはやNTTドコモにはいなくなってしまうのだ。
 iモード依存体勢から脱却し、変わろうとする姿勢は評価できる。しかし今後、iモードから距離を置くNTTドコモは何を武器に他社と競争していくのだろうか。果たして、世界最強の土管屋に活路はあるのか。新体制がどんなビジョンを持ってドコモの未来を描くのか、興味深く見ていきたい。



ケネディ暗殺」発言、オバマクリントン正副大統領構想にも影響
 米大統領選で民主党オバマ上院議員ヒラリー・クリントン上院議員との「正副大統領候補」構想に陰りが出てきた。クリントン氏が23日に予備選を継続する理由として、1968年6月のロバート・ケネディ氏の暗殺を取り上げたためだ。オバマ氏に暗殺など不測の事態が起こる可能性を示唆したとも受け取れ、オバマ陣営の反発が強まっている。
 黒人初の大統領を目指すオバマ氏の安全への懸念は当初からあり、警護に当たるシークレットサービスは陣容を増強している。



途上国向け医薬品、開発促進で合意・WHO総会閉幕
 【ジュネーブ=市村孝二巳】世界保健機関(WHO)は24日最終日を迎えた年次総会で、途上国向けの医薬品開発を促す技術支援や資金協力の枠組みを作る世界戦略を採択した。製薬会社の特許に基づく医薬品が高価で手に入りにくいことを問題視している途上国はWHOの世界戦略を足がかりに新薬の共同開発や技術移転を求める意向だ。先進国は追加的な資金負担を迫られかねないと懸念を強めている。
 途上国特有の熱帯病や風土病は有効な薬を開発しても利益が上がらないため製薬会社が敬遠し患者も減らないという悪循環に陥っている。この状況を打開するため、193のWHO加盟国は2年がかりで世界戦略を巡る交渉を続けてきた。今後は世界戦略と具体的な行動計画に基づき、WHOと加盟国政府が対策を進めることになった。



アフリカの税関支援を強化 財務省、域内の貿易円滑化
 財務省は28日から横浜で開かれる第4回アフリカ開発会議(TICAD)に合わせ、アフリカ各国の税関に対する支援を強化する。約20カ国の関税局長らを招き、大陸内の貿易円滑化につながる税関制度について議論する。各国の課題を把握し、技術支援体制に役立てる。税関の技術協力は東アジア向けが中心だったが、今後はアフリカにも力を入れる。
 TICAD終了後の6月10日から3日間、都内でフォーラムを開催する。コートジボワールガボン中央アフリカマダガスカルなどの関税局長や長官を招き、財務省関税局や外務省、国際協力機構(JICA)などと議論を深める。世界税関機構(WCO)事務局長選挙に立候補している御厨邦雄・WCO事務局次長も参加する。



自衛隊海外派遣 もう特措法を卒業する時だ(5月25日付・読売社説)
 重大事態が発生する度に特別措置法を制定する手法から、もう卒業する時だ。平時の今こそ、自衛隊の国際平和協力活動の議論を冷静に深め、法整備を進めるべきだ。
 自民、公明両与党が、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の検討チームの初会合で、今国会中に法案要綱を策定することを決めた。
 インド洋で給油活動を行うための新テロ対策特措法の期限は来年1月に切れる。秋の臨時国会で恒久法を成立させるのが理想だが、両党の合意には至っていない。
 恒久法の整備は、2001年に旧テロ特措法、03年にイラク復興支援特措法をそれぞれ制定し、インド洋やイラク自衛隊を派遣して以来の懸案となっている。
 派遣の原則や可能な任務のメニュー法を事前に定める。実際の派遣は、個別に国会承認を受けて実施する。迅速で機動的な対応を可能にするには、当然の発想だ。
 06年の改正自衛隊法で、国際平和協力活動は自衛隊の付随的任務から本来任務に格上げされた。それなのに、国際活動の基本を定める法律がないのは不正常だ。
 一昔前の自衛隊は、日本有事に備えて「防衛力を整備し、訓練するだけの組織」だった。今は、様々な国内外の実任務をこなす「働く組織」となっている。この実態に法律を合わせる必要もある。
 恒久法は、日本の安全保障の重要法制だ。国会全体で合意をまとめることが望ましい。参院第1党の民主党も傍観するだけではすまされまい。自ら法案を検討し、与党との協議に臨んではどうか。
 恒久法の論点は、既に明らかになっている。
 一つは、国連安全保障理事会決議を自衛隊派遣の前提条件とするかどうかだ。国連決議は、派遣の是非を判断する一つの材料とすべきで、前提とするのは疑問だ。
 国連決議は国際政治のパワーゲームに左右される。一部の常任理事国が拒否権を行使すれば、採択できない。決議がなくても、国際平和協力活動に自衛隊を参加させうる選択肢を持つべきだ。
 次に、海外任務の内容だ。従来は、後方支援や停戦監視、人道復興支援に限られていたが、警護や船舶検査は加えていいだろう。
 船舶検査が追加されれば、インド洋で他国軍の艦船に給油するだけでなく、海上阻止活動自体に参加する道も開かれる。


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