(#゜Д゜)ノ新聞

温暖化ガス削減目標、日本は50年メドに60―80%・政府が調整
 政府は7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)を前に、2050年までの温暖化ガスの国内排出量の削減目標を設定する方針を固めた。削減幅は6―8割を軸に調整している。温暖化ガス排出の過不足分を企業間で取引する国内排出量取引制度の導入に前向きな方針も打ち出す。地球温暖化問題が主要議題となるサミット議長国として、自国に高い目標を課すことで国際交渉を主導する狙いだが、達成に向けたハードルは高そうだ。
 6月初めにも福田康夫首相が表明する見込み。町村信孝官房長官は10日、札幌市内での講演で「日本は50年にどうするのかという答えをまだ出していない。できれば6月上中旬に地球温暖化対策に関する福田ビジョンを発表しようと準備している」と述べた。「洞爺湖サミットが成功裏に進むように、いろんな国に働きかけていく」とも語った。



独VWと三洋、次世代電池を共同開発
 【フランクフルト=後藤未知夫】独フォルクスワーゲン(VW)と三洋電機環境対応車の心臓部として使うリチウムイオン電池を共同開発する。VWは2012年をめどに三洋から調達し、ハイブリッド車や電気自動車に組み込む。現行のニッケル水素電池に比べ燃費など環境性能を向上できるリチウム電池を巡っては、日産自動車―NECも量産を決めたばかり。次世代型の環境対応車を巡る開発競争が本格化する。
 三洋は繰り返し充電できるニッケル電池を量産し、ホンダや米フォード・モーターハイブリッド車に供給している。VWとも同電池を共同開発。VWや子会社のアウディは09年にも三洋製の電池を採用し、VWグループとして初のハイブリッド車を発売する。



ヤマダ電機、中国に進出
 家電量販最大手のヤマダ電機は中国へ進出する。上海周辺を候補地とし、2010年までに売り場面積5000―1万平方メートル程度の大型店を出す。中国沿岸部の富裕層に照準を合わせ、現地で高額商品である日本メーカーの薄型テレビなどを販売する。人口減で日本国内では大幅な需要の伸びが望みにくく、海外市場開拓に乗り出す。日本の家電量販の中国本土進出は初めて。
 近く上海に出店準備のための事務所を設け、本格的な市場調査や候補地選定に乗り出す。東アジア進出で先行する業界7位のベスト電器出身で海外出店ノウハウを持つ幹部をこのほど迎え入れ、準備を加速する。まず日本国内で展開している都市型店「LABI」と同様な年商数百億円規模の大型店を出し、多店舗展開を検討する。



米シティ、日本でもリストラ・消費者金融の売却も視野
 【ニューヨーク=松浦肇】経営再建中の米大手銀シティグループが今後2―3年かけて圧縮する4000億ドル超の非中核資産のうち、6割が住宅ローンなど個人向け金融部門で、日本では「ディック」の名称で営業する消費者金融事業の売却または大幅縮小を検討していることが明らかになった。個人向け金融事業は証券・銀行事業と並び、過去10年間にわたって買収を続けてきたが、拡大戦略を修正する。買収した日興コーディアルグループなど日本の証券部門は売却対象と考えていないもようだ。
 昨年末から新しい経営トップとなったパンディット最高経営責任者(CEO)は、1998年に銀行のシティコープと証券・保険のトラベラーズ・グループの合併を実現させたワイル元会長兼CEOや、前任のプリンス前会長兼CEOの拡大志向と決別する戦略を明確にした。前の経営体制までに築いた5000億ドルほどの不採算事業を「レガシー」(負の遺産)と呼び、今後2―3年でその8割分を売却か清算する予定だ。



欧米の年金・運用6社連携、日本企業に改革要求
 米公的年金最大手のカリフォルニア州職員退職年金基金カルパース)など欧米の有力年金や運用会社6社が、日本企業にコーポレートガバナンス企業統治)の改革を求める提言をまとめ、発表する。導入が広がる買収防衛策に原則、反対の立場を示すことなどが柱。日本企業のガバナンスに不満を強める欧米最大級の投資家が初めて共同歩調を取ることで、企業は何らかの対応を迫られそうだ。
 提言にはカルパースのほか、英最大の年金運用会社ハーミーズ、カナダ最大の機関投資家ブリティッシュコロンビア・インベストメントなどが参加。日本株保有残高は6社合計で2兆円超という。提言は15日前後に発表。同時に投資先の上場企業500社超に送付する。英ハーミーズのシニアアドバイザー、マイケル・コナーズ氏は「提言に真摯(しんし)に向き合わない企業には、今年6月の株主総会で反対票を投じる可能性がある」としている。



NTT、経理業務を統合・グループ情報、迅速に把握
 NTTはグループの経理業務を一本化する。今後3年間でシステムの統合やデータ集計の標準化を進め、関連コストの半減を目指す。グループ全体の経営情報を迅速に把握し、4月から義務付けられた内部統制報告制度への対応を急ぐ狙いもある。通信業界の競争激化に備え、グループの経営効率を高める。
 共通システムはNTTドコモ、NTTデータとその子会社を除く、国内の連結子会社162社で運用する。まず2009年3月期に持ち株会社のNTTのほか、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズなど65社に導入。来期に13社、再来期に28社を加える。



日立、HDD15%増産・08年1億台超す
 日立製作所はハードディスク駆動装置(HDD)を増産する。シンガポールや中国の拠点で設備増強などを進め、2008年は前年比15%増の1億300万台前後を生産する見込み。日立のHDD事業は5年連続営業赤字で立て直しが急務。高速大容量など高付加価値製品の生産・販売を増やし、収益改善を急ぐ。
 HDD事業子会社の日立グローバルストレージテクノロジーズ(米カリフォルニア州)のシンガポール工場で08年にサーバー向け製品を前年比4割増の650万台生産する。増産投資額は50億―100億円。主に高速製品などを増産する。



日本のサービス産業、企業集約・IT化遅れる・内閣府まとめ
 内閣府は日本のサービス産業は企業の集約とIT(情報技術)の導入が遅れ、生産性が低いとする調査をまとめた。小さな企業が多いことなどから原材料や商品などで有利な調達ができず、IT化の遅れは経営の効率改善を阻んでいる。こうしたサービス業は多くの雇用を抱えており、日本の成長力を上げるにはサービス業の生産性改革が課題になる。
 調査の対象は他産業の生産性を左右するインフラ産業(ソフトウエア・情報サービス、物流、人材ビジネス、通信・放送・コンテンツ)のほか、住宅・建設・不動産、食品加工、卸・小売り、宿泊・旅行の8業種。2000年から04年の就業者数に占める比率をみると、卸・小売りは18.2%、建設は9.4%を占める。



国連人権理が初の対日審査、12カ国が死刑制度廃止など求める
 【ジュネーブ=市村孝二巳】国連人権理事会は9日、初の対日定期審査を実施した。国連加盟国による相互監視の枠組みに基づき、欧州を中心に12カ国が日本に死刑執行停止や死刑制度の廃止などを求めたほか、警察署の留置場を拘置所の代わりに使う代用監獄問題や従軍慰安婦問題などに関する日本政府の姿勢を問いただすなど、人権状況の改善を求めた。
 今年から始まった国連人権理の定期審査は4年に1回の頻度で全加盟国を対象に実施する制度。昨年12月の国連総会で死刑執行の一時停止を加盟国に求める決議が採択されたにもかかわらず、日本での死刑執行が増えている状況を踏まえ、死刑制度廃止を訴える英仏などが説明を求めた。
 日本政府は「国民世論の多数が極めて悪質な犯罪については死刑もやむを得ないと考えている」と指摘。「国連総会決議の採択を受けて死刑執行の猶予、死刑の廃止を行うことは考えていない」との立場を表明した。人権理は14日に今回の審査報告をまとめる。



韓国大統領、支持率2割台に急落・与党に結束呼びかけ
 【ソウル=山口真典】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が支持率急落に危機感を強めている。急激な物価上昇や景況悪化に加えて、米国産牛肉の輸入制限撤廃への抗議運動が拡大。2月の就任時に6割近くあった支持率は2割台に落ち込んだ。大統領は10日、与党ハンナラ党反主流派の朴槿恵(パク・クンヘ)元代表と会談し結束を呼びかけたが、党内対立の火種はくすぶり厳しい政権運営が続きそうだ。
 世論調査機関のリアルメーターによると7日現在の大統領支持率は25.4%で、2週間前の47.2%に比べて21.8ポイント急落した。この数字は盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領の政権末期に匹敵する低い水準だ。
 大統領は国民の人気が高い朴氏と会談して国政運営への協力を取り付け、支持離れに歯止めをかけたい思惑だった。しかし、聯合ニュースによると10日の会談では4月の総選挙で公認漏れした朴氏支持グループの復党問題を巡り意見が折り合わず、かえって対立が浮き彫りになった格好だ。



3月期決算 6期連続の増収増益の先は(5月11日付・読売社説)
 上場企業の2008年3月期決算の発表がピークを迎えている。
 上場企業全体では、6期連続の増収増益となる見通しだ。経済のグローバル化に対応できた輸出企業などを中心に、好決算を維持したといえよう。
 だが、年明け以降、経営環境は急速に悪化した。サブプライムローン問題で米国経済が減速し、円高・ドル安が進んだ。原油や原材料価格も高騰した。三重苦と言える逆風が企業業績を直撃した。
 このため、今後については、逆風に負けない成長戦略をどう描くかが課題になる。
 08年3月期決算を象徴するのはトヨタ自動車だ。連結決算は、売上高と本業のもうけである営業利益とも、過去最高を更新した。
 燃費効率の良いトヨタ車は、欧米のほか、中国など新興市場でも販売が好調だった。売上高は、米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き、世界1位となった。
 ところが、09年3月期の業績予想では、売上高が前期比5%減の25兆円に落ち、営業利益も3割減の1兆6000億円となる。9期ぶりの大幅減益だ。
 今期の想定為替レートを1ドル=100円に設定した。円高などの為替変動で、営業利益は6900億円も押し下げられる。主力の北米市場の低迷が続きそうで、原材料高も利益を圧迫する。
 厳しい状況は、ホンダなど自動車や電機など、輸出企業に共通する。08年3月期決算で最高益となった新日本製鉄など鉄鋼各社も、資源高が経営の重しになり、今期は大幅減益の見通しだ。
 各社は従来、米国の好景気と円安という追い風を受けてきたが、恵まれた経営環境は終わった。上場企業の09年3月期決算は、7期ぶりの減益が予想される。
 だが、経営環境の悪化を悲観してばかりもいられない。各企業は強い経営体質を目指し、三重苦をはねのける工夫が求められる。
 減速が続く米国市場に過度に依存せず、成長が見込まれる中国を含めたアジアなどの新興国や、中東など資源国を含め、グローバルに稼ぐビジネス体制が重要だ。
 事業の選択と集中を一段と加速し、円高への抵抗力と、コスト競争力も強化しなければならない。国内市場のテコ入れも課題だ。容易な道ではないが、潮目の変化への機敏な対応がカギを握る。
 松下電器産業任天堂など、09年3月期も増益を見込む企業もある。環境が激変している今こそ、企業の成長戦略が問われる。


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