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ソフトバンク、中国ネット大手を傘下に・最大市場に攻勢
 ソフトバンクは中国のインターネット大手、オーク・パシフィック・インタラクティブ(OPI、北京市)を傘下に収めることで同社と合意した。約400億円で株式の40%を取得、経営権を握る。急成長する中国ネット市場で携帯電話経由の情報提供など新サービスの拠点とする。中国のネット人口は今年、2億2000万人超と米国を抜き世界最大に浮上する。国内大手のミクシィや米グーグルなど米国勢も事業展開を加速しており、巨大市場を巡る攻防が激化する。
 ソフトバンクはOPI株式の約14%を約100億円で取得。20数%分の新株予約権も得た。最終的に総額400億円を投じて出資比率を約40%に高める。同社創業者のジョー・チェン最高経営責任者(CEO)を上回る筆頭株主となり、孫正義ソフトバンク社長は取締役に就任する見通し。



サイバーエージェント、ブログの検索エンジン刷新
 ネット関連サービスのサイバーエージェントはブログ(日記風の簡易ホームページ)事業を強化する。検索エンジンを刷新し、ブログ利用者の利便性を向上。ヤフー子会社のオーバーチュア(東京・港)と組み検索連動型広告も採用し、広告収入の拡大を狙う。
 「アメーバブログアメブロ)」内の全情報を対象に検索できる自社製エンジンを開発し導入した。他社の検索エンジンを使っていたが、一定期間以上経過した情報が検索結果に含まれないなどの問題があった。
 これにあわせ、オーバーチュアの検索連動型広告アメブロの携帯版には30日から、パソコン版には6月初旬から導入する。検索したキーワードと関連のある広告が表示される仕組み。同広告の採用で、月間1億円強のブログ事業の売上高を1割程度拡大させる。



生保の団体年金運用利回り、平均マイナス14%超・07年度7社
 大手生命保険7社が企業年金から運用を受託している団体年金(特別勘定)の2007年度の運用利回りは、平均でマイナス14.81%と02年度以来5年ぶりにマイナスとなった。株式相場の低迷や急激な円高により運用成績は全社で2ケタのマイナスだった。上位から下位までマイナス幅に約3%の開きも出ており、企業年金の受託競争に影響が出そうだ。
 団体年金の特別勘定は一定の運用利回りを保証する一般勘定と違い、運用実績をそのまま運用利回りに反映する。企業は一般勘定に上乗せして生保に委託する。生保7社の06年度の運用利回りは平均で5.48%だった。



創業者の持ち株、幹部社員に贈与・セブン&アイ伊藤氏
 セブン&アイ・ホールディングスの創業者である伊藤雅俊名誉会長が、個人で保有する同社株の一部を社員に贈与することが明らかになった。対象はグループ社員のうち幹部ら5000人超で、拠出額は時価換算で計60億円程度に上るもよう。少子高齢化や消費低迷で小売業の経営環境が厳しさを増す中、前身のイトーヨーカ堂設立から今年で50周年を迎えるのを機に社員の士気を高める。
 大企業の創業者がこれほどの規模で保有株式を無償提供するのは珍しい。伊藤氏は2007年2月期末時点で2159万株(発行済み株式の2.2%)を個人で保有し、うち1割程度を拠出する見通し。84歳の誕生日である30日に対象の社員を決める方針。セブン&アイ傘下のヨーカ堂やセブン―イレブン・ジャパンなどの幹部や勤続年数が長い社員とみられ、贈与規模は1人当たり最低でも時価30万円以上になるもよう。



BMWダイムラー、純利益2ケタ減・1―3月、米景気後退懸念で
 【フランクフルト=後藤未知夫】米国の景気後退懸念の影響がドイツの高級車メーカーの業績にも波及してきた。BMWダイムラーが29日発表した2008年1―3月期決算は、純利益が前年同期比でともに2ケタの減益となった。ユーロ高による輸出車の採算悪化、資源高に伴う原材料の高騰に加え、有力市場である米国の低迷が今後の足かせになりそうだ。
 高級車で世界最大手の独BMWの1―3月期は純利益が前年同期比17%減の4億8700万ユーロ(約800億円)だった。売上高は11%増の132億8500万ユーロ。世界販売は6%増の35万1787台で過去最多だった昨年のペースを上回った。
 高級車2位のダイムラーの純利益は32%減の13億3200万ユーロだった。売上高は横ばいの234億5500万ユーロ。



GM、北米4工場で生産能力削減へ・14万台減産、大型車不振で
 【ニューヨーク=武類雅典】米ゼネラル・モーターズ(GM)は28日、ミシガン州ポンティアックなど北米の4完成車工場で大型車の生産能力を削減すると発表した。各工場は大型のピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)を生産している。7月以降にそれぞれ1シフトの操業を減らす。大型車の需要低迷に対応する。
 今回の措置で2008年末までに約14万台の生産が減る予定。操業シフトの削減に伴い、各工場は人員削減を進める見通し。GMは07年にピックアップやSUVを北米で年間270万台強生産した。



米ガソリン、5週連続値上がり・最高値更新、首都で抗議活動も
 米国でガソリン価格高騰に拍車がかかっている。米エネルギー省が28日まとめた直近1週間の全米平均のガソリン小売価格(レギュラー)は1ガロン=3.603ドル(1リットル=約99円)となり、前週に比べ2.7%上昇した。5週連続の値上がりで、過去最高値を再び更新した。
 前年比では21.2%上昇。3月下旬から再び騰勢を強めている。西海岸のカリフォルニア州では1ガロン=3.892ドル(1リットル=約107円)まで上昇。1ガロン=4ドル台が目前に迫ってきた。
 ディーゼル車用の軽油小売価格も全米平均で1ガロン=4.177ドル(1リットル=約115円)と、前週に比べ0.8%上昇。3週連続で値上がりした。



シェル、BPが大幅増益・原油高で利益急増
 【ロンドン=清水泰雅】石油メジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと英BPは29日、そろって好決算を発表した。2008年1―3月期の純利益は、シェルが前年同期比25%増の90億8300万ドル(約9500億円)、BPは63%増の76億1900万ドルだった。原油価格の高騰で利益が急増した。
 世界2位のシェルは上流の探鉱・生産部門が好調で、部門利益は51億4300万ドルと52%増えた。ナイジェリアの政情不安などの問題で原油の生産量は減少したが、原油価格が1バレル100ドルを超える水準で推移し、利幅が急拡大した。下流の石油製品部門は精製事業が不振だった。原油などの在庫評価を除いた実質利益は12%増の77億7600万ドル。
 世界3位のBPは、探鉱・生産部門の営業利益が100億7200万ドルと約6割増えた。原油価格の上昇に加え、アンゴラなど新しい油田の原油生産が貢献した。探鉱コストは大幅に増えたが、原油価格の上昇による利益拡大で補った。全体の実質利益は48%増の65億8800万ドルだった。



チベット騒乱の死者203人、負傷者1000人超・亡命政府発表
 【ニューデリー=長沢倫一郎】インド北部ダラムサラを拠点とするチベット亡命政府は29日、中国チベット自治区やその周辺での騒乱による死者の数が25日までに203人に達し、負傷者は1000人を超えたと発表した。亡命政府は3月に140人が死亡したと発表していた。また現在も5700人以上のチベット人が当局に拘束されているとしている。



日経社説 今こそ長期的視点に立った経営を(4/30)
 企業の経営環境は1年前と比べて様変わりである。特に年明け以降、国際的な金融不安に、株安、ドル安などが重なり、経営者の間で不安が高まっている。
 日銀の企業短期経済観測調査(短観)に見るとおり、企業の景況感は悪化の一途である。また弱気のムシが頭をもたげ始めたわけだが、企業に今こそ必要なのは、長期的視点に立った前向きの経営である。
将来への投資が重要
 バブル経済が崩壊して「失われた10年」といわれる中で、企業は設備、負債、人員の3つの過剰を削ってきた。身軽になった企業は、中国に代表される新興経済国の成長が引っ張る世界的な好景気に乗って、好業績を謳歌(おうか)した。おかげで蓄積できた資金を、ここで生かさない手はないだろう。
 日本経団連は「長期的視点に立った日本型経営」を誇るが、実際には経済のグローバル化投資ファンドの台頭などで、経営者は短期志向になりがちだ。もちろん今期の利益も重要である。しかしバランスよく、かつ辛抱強く長期的に戦略を展開しなければ、企業価値を持続的に向上できない。
 液晶テレビへの転換にいち早く取り組み成功したシャープは、前3月期連結決算で営業利益が1.5%減、経常利益も1.3%減と快進撃にブレーキが掛かった。今期も米国景気の低迷などで楽観できない。それでも同社は将来に向けて有形無形の投資を続ける構えである。
 2010年春までに完成を目指して、堺市で世界最大級の液晶パネル工場と薄膜型太陽電池工場を建設中だ。「21世紀型コンビナート」と銘打ち、液晶用の部品や工業用ガスなどの他社の工場も誘致する。同社の投資額は用地代を含めて4500億円あまりになる。
 さらに長期的な技術開発に力を入れるため、4月1日付で研究開発本部を設け、常務を本部長に、取締役2人を副本部長にそれぞれ任命した。今花開いている液晶を同社が実用化したのは30年あまり前である。将来に備えて種まきをしようというわけである。片山幹雄社長は07年に49歳で社長に就任した際、前任の町田勝彦会長から「10年先を考えてくれ」との注文を受けた。
 デジタル分野の変化は速いが、腰を据えて開発しなければ革新的な技術はものにできない。大手メーカーの中にも、当面の業績を取り繕うために人件費削減の一環として技術者まで大幅に減らして、今になって開発力の低下に悩むところがある。目先の対応にとらわれたつけだ。
 世界経済の変調をどう読むか、外航海運各社も、かじ取りが難しくなった。船舶投資を積極的に続ける商船三井は今後も、強気の姿勢で臨む方針である。
 同社は07―09年度の3カ年計画で船隊整備に約1兆1000億円を投じる。さらに10―12年度に約1兆4000億円を計画しており、変更しない。
 世界の海上貨物は乱高下が常とはいえ、新興国の成長により構造的に水準が跳ね上がったとみるからだ。09年3月期は利益が横ばいになるが、「基本的な認識を変えるつもりはない」(芦田昭充社長)という。
 ただし市況の急落や為替変動への備えは怠れない。同社は自己資本を増やしており、自己資本比率を08年3月末までの5年間に16%弱から36%弱まで高めた。
環境悪化は絶好の機会
 経営環境の悪化はチャンスももたらす。株安は海外からの企業買収を助長する要因だが、円高は逆に海外の企業を買いやすくする。サブプライムローン問題でファンドの活動も鈍ってきた。手持ち資金の豊富な企業にとっては、内外の企業を買収する絶好の機会である。
 武田薬品工業はこのほど米国のバイオ医薬品メーカーを88億ドルで買収すると発表した。これが成功するか高い買い物になるかは、すぐにはわからない。M&A(合併・買収)に限らず、事業にリスクはつきものである。それをどのように判断して利益に結びつけるかが経営だ。
 その巧拙によって格差が大きく開く局面に、企業は直面している。強まる一方の国際競争、激しい国際的な資金移動、資源価格の高騰など、計算しなければならないリスクは増えており、変化も目まぐるしい。
 こうした中で、事業の進路をどう定めるか、意思決定の精度を上げるために企業統治をどう整備するか、人材をどのように集め育成するか、即座に答えの出ない経営課題が目白押しだ。発生する問題に対応する経営では遅い。自ら課題を設定し先取りする経営でなければならない。
 経営者には、明快なビジョンが求められる。株主や従業員を納得させ、実行する力も要る。長期志向の経営の成否は最終的には、経営者のリーダーシップにかかっている。


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