ε=┏(゜Д゜)┛ダッシュ新聞

新日鉄、鋼材4割弱値上げ要請
 新日本製鉄は自動車や機械などに使う主要鋼材について4割弱の値上げを顧客に要請する。当初は約25%の値上げを求めたが、鉄鉱石など資源高で鉄鋼業界全体のコストが年3兆円強膨らむ見通しになったため、上げ幅を積み増す。他の鉄鋼大手も追随する見通しで、実現すれば鋼材価格は26年ぶりに過去最高値を更新する。ただ自動車や機械、電機業界は強く反発しており、世界的な資源高のコスト負担を巡る攻防はこれまでにない激しさになりそうだ。
 新日鉄宗岡正二社長が日本経済新聞記者と会い、値上げ方針を明らかにした。鋼材価格は現在平均で1トン約8万円だが、2008年度は「3万円の値上げをお願いしなければならない」と述べた。対象は自動車メーカーなどと直接取引する鋼材で、4月出荷分から実施したい考えだ。



プラズマパネル開発を松下に統合、パイオニアが技術陣転籍
 松下電器産業とパイオニアはプラズマパネルの開発・生産を統合する。高画質技術を持つパイオニアのパネル技術陣200人が松下に転籍し、両社共通仕様の高精細パネルを開発する。松下は自社ブランドの薄型テレビに採用するほか、パイオニアに年間50万枚を供給する。プラズマ首位の松下は国内3位のパイオニアの開発力を取り込み、薄型テレビの競争力を高める。
 両社が今週中にも記者会見を開き発表する。
 松下は画像の美しさの決め手となる黒色の表現力が業界随一とされるパイオニアのプラズマパネル技術を取り入れ、自社の高精細技術などと融合する。競合する液晶パネルでは表現しにくい高画質を目指す。



サントリー、緑茶飲料で米国参入
 サントリーは食品の世界最大手ネスレ(スイス)と提携を拡大し、5月から米国の茶飲料市場に参入する。全米に営業網を持つネスレに、まず看板商品の緑茶「伊右衛門」の独占販売権を与える。人口減で国内飲料市場が飽和する中、健康志向の高まる米国に着目、現地生産や欧州販売も検討する。同社は2003年からネスレのミネラルウオーターを国内で独占販売しており、両社は主力製品の相互供給に踏み込み世界市場を開拓する。
 対象は伊右衛門の煎茶(せんちゃ)とほうじ茶の2種類。伊右衛門の国内の年間販売は約1000億円と、茶飲料で伊藤園の「お〜いお茶」に次ぐ。米国では苦みや渋味を抑え、2.5ドル前後(360ミリリットルのガラス瓶入り)で高級スーパーを中心に販売。当面は日本から輸出し、まず年間20億円の売り上げを目指す。



強まる・主要企業アンケート
 主要企業による新卒採用活動の「前倒し」が一段と進んでいる。日本経済新聞社の「採用活動に関する緊急アンケート」によると、2009年春入社の新卒採用活動で、4月中旬までに事実上の内定である内々定を出した企業は74%に上り、前の年より5ポイント増えた。5月末までに内々定を出し終える企業も20ポイント上昇の58%に達した。企業は採用活動のピークを早めている。
 アンケートは4月14日から16日にかけて実施、49社が回答した。日本経団連は加盟企業に対し3月末まで実質的な選考活動を自粛するように呼びかけている。採用活動の解禁から2週間強で8割弱の企業が内々定を出したことになる。内訳は「一部出した」が70%、「ほとんど出した」が4%、「出していない」は25%にとどまった。



電子部品大手5社、08年度の設備投資2割減
 村田製作所など電子部品大手5社の2008年度の設備投資額は計2900億円前後と07年度に比べ約2割減る見通しだ。村田が4割減るほか、TDKや太陽誘電も前年度を下回る。各社は北京オリンピック特需を見込んで家電・情報機器向けなどに設備増強してきたが、こうした投資が一巡。日米景気の先行きが不透明になるなか需要動向を慎重に見極めながら「選別投資」する姿勢を強めている。
 村田製作所、TDK、京セラ、アルプス電気太陽誘電の主要5社の見通しをまとめた。村田は携帯電話や薄型テレビに使う主力製品のコンデンサーなどで06年度に1000億円、07年度に1200億円の大型投資を実施。主に福井県など国内工場の生産能力を増強した。



ローソン、新卒の3分の1を外国人に
 ローソンは2009年春に採用する新卒者のうち3分の1に当たる30―50人を外国人とする方針を決めた。今春に比べて3倍以上に増やす。人手不足に悩む国内店舗では外国人パート・アルバイトの活用が広がるほか、海外での出店も増えており、店舗の運営指導やサービス開発には外国人社員の参画が不可欠と判断した。
 同社は来春、110―130人の新卒採用を計画している。うち、30―50人を中国を中心にアジア諸国から日本に留学している外国人にする。フランチャイズチェーン(FC)店を含めた「ローソン」店舗向けの運営指導や商品・サービスの開発に当たらせる。今後の海外で出店拡大をにらみ、海外事業向け要員の育成にもつなげる方針だ。



3月のコンビニ売上高、2カ月ぶりマイナス
 日本フランチャイズチェーン協会が21日発表した3月のコンビニエンスストアの売上高(11社、既存店ベース)は5753億円と前年同月に比べ0.6%減少した。前年を下回るのは2カ月ぶり。ただ、2月はうるう年で1日多かったことが理由で前年を上回ったことから、同じ日数で比べると実質6カ月連続で下回ったことになる。来店客数が0.4%、平均客単価が0.3%それぞれ落ち込んだ。弁当類や飲料などが落ち込んだことが響いた。



07年度粗鋼生産量、34年ぶり過去最高更新・鉄連まとめ
 日本鉄鋼連盟が21日発表した、2007年度(07年4月―08年3月)の国内粗鋼生産量(速報値)は06年度比で3.2%増の1億2151万6000トンとなり、34年ぶりに過去最高を更新した。これまでの最高は1973年度の1億2001万7000トンだった。建築基準法の改正の影響で建築用鋼材などで一部需要が弱まったが、自動車や造船といった国内製造業、東南アジアでの需要拡大が寄与した。
 鋼種別では、普通鋼が前の年度比3.5%増の9510万5000トン、特殊鋼は同2.2%増の2641万1000トンだった。特殊鋼は6年連続で過去最高を更新した。
 粗鋼を延ばした熱間圧延鋼材(普通鋼と特殊鋼の合計)の生産も1億920万5000トンで過去最高を記録した。銑鉄生産は8786万7000トンと前の年度を3.5%上回る一方、リサイクルなどが進んでいることなどから史上4番目の水準だった。



自工会会長、道路一般財源化に改めて反対姿勢
 日本自動車工業会自工会)の張富士夫会長(トヨタ自動車会長)は21日の定例記者会見で、政府・与党が打ち出した道路特定財源の全額一般財源化について、「自動車ユーザーの税負担の公平性の観点から疑問」として改めて反対の姿勢を強調した。
 自動車関係諸税が現状のまま維持され、使途だけが一般財源化すると「自動車ユーザーだけが過重な負担を強いられる」と主張。受益者負担の考えを変えるのであれば、「自動車関係諸税も根本から見直すことが必要」と訴えた。



健保、08年度は9割が赤字・総額6000億円、最大に
 健康保険組合の集まりである健康保険組合連合会は21日、2008年度の予算早期集計を公表した。高齢者の医療保険のための支援金が膨らみ、08年度は約9割の健保が赤字に陥る。全体の赤字額は6000億円を超え過去最大。少なくとも141の健保が保険料率を引き上げる予定だ。高齢者の医療費の増加に伴い、現役世代の負担が膨らんでいる。
 健保連が1502の組合のうち、1285の組合の集計結果をもとに全体を推計した。
 健保は大企業が会社員のために設立する公的な医療保険。会社員は企業と分担し保険料を納める代わりに、会社員とその扶養家族が医療機関で治療を受けた際に医療費の助成を受ける。会社員と扶養家族を合わせ約3000万人が加入している。



介護人材確保へ法案修正で合意・自民と民主、賃上げ額明記せず
 介護職員の賃金引き上げを目指して民主党議員立法で今国会に提出していた「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」について、自民、民主両党が21日、修正に合意した。賃上げ額を明記することを断念するかわりに、「2009年4月1日までに必要な措置を講ずる」と盛り込んだ。
 民主党が提出済みの法案では介護労働者1人当たり月額2万円の賃上げを求めており、900億円程度が必要と試算している。与党は「財源の裏付けが不明確だ」と批判しており、成立のめどは立っていなかった。



食料高騰、サミット議題に・首相方針
 福田康夫首相は21日までに、7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)の議題として、食料価格の高騰問題を取り上げる方針を決めた。コメや小麦など主要穀物の価格暴騰が発展途上国を中心に深刻な社会不安を招いているため。国連の潘基文事務総長と世界銀行のゼーリック総裁に書簡を送り、情報提供など協力を要請した。
 首相は書簡で「食料価格の高騰は差し迫った深刻な世界的課題だ。主要8カ国(G8)として力強いメッセージを共同で出せるよう各国と協議する」と強調した。



外資による米企業買収基準、持ち株比率より実態重視・財務省
 【ワシントン=藤井一明】米財務省は21日、対米外国投資委員会(CFIUS)に適用する新たな審査基準の原案を公表した。外国企業による米国企業買収の妥当性を安全保障の観点から点検する際の指針となる。審査対象となる外国企業は「特定の持ち株比率や役員数によって定義されない」と強調。外国の個人や企業の影響力の実態に着目し、柔軟に審査できる仕組みを整える。
 CFIUSは財務長官が議長を務め、関係省庁の首脳で構成。これまで持ち株比率10%が審査の目安とされてきたが、新基準は「10%以下なら免除という規制は採用しない」と表明した。



日経社説 今度こそ未来志向の日韓新時代を(4/22)
 福田康夫首相は2月末の就任後初めて来日した李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領との首脳会談で、両国関係を成熟したパートナーシップ関係に発展し「日韓新時代」を切り開いていくことで合意した。
 「歴史問題が未来への支障になってはならない」と、未来志向の関係構築を強調した李大統領の姿勢を評価したい。
 日韓は盧武鉉ノ・ムヒョン)前政権時代、歴史認識問題を巡ってぎくしゃくし、首脳が定期的に相互訪問するシャトル外交も長らく止まっていた。両国の経済連携協定(EPA)交渉が2004年11月から中断したことも政治的な冷え込みとは無関係ではなかった。
 いまや日韓のヒトの往来は年500万人に迫り、「韓流」「日流」を通じた相互理解は飛躍的に進んだ。経済面でも日韓の貿易総額は年間800億ドルを超えた。それぞれ第3位の貿易相手国である。様々な分野で交流が進んでいるのに、政治面での相互信頼の欠如が関係強化の足を引っ張っていたともいえる。
 今回、首脳間の相互訪問活性化などを通じて「日韓新時代」構築に両国が乗り出したことを歓迎する。
 懸念もある。歴代の韓国政権は発足直後は日韓の関係強化を掲げつつ、途中で路線が変わるのが常だからだ。韓国大統領の任期は5年。国民人気が落ちてくると「反日」や「歴史認識問題」は政権浮揚の材料に使われかねない。
 今度こそ未来志向の確固とした日韓関係を築くにはどうすべきか。なによりも合意事項の着実な履行が肝要である。
 両首脳は今回、EPA交渉の再開に向けた予備協議を6月に開始することで合意した。北朝鮮の非核化や日本人拉致被害者問題の解決へ米国を含めた3国間の緊密な連携を深めることでも一致した。
 EPAを巡っては韓国内に慎重論もある。貿易は拡大しているが、昨年の韓国の対日赤字額は過去最大の約300億ドルに達した。液晶パネルなど韓国の主要輸出品の多くは日本製の素材や部品を利用している。貿易が増えれば増えるほど韓国の対日赤字が増えるという構造的問題があり、EPAが貿易不均衡をさらに拡大しないかという懸念である。
 「経済的実利」を重視する李大統領にとって貿易不均衡の是正は重要な課題だ。素材・部品産業の対韓投資拡大策なども絡め、相互利益につながるようなEPA交渉を進められるか。李政権を「反日」にしないための日韓双方の努力が求められる。


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