(((゜Д゜;)))新聞

いすゞ、サウジで生産・09年初めにもトラック工場、産油国開拓
 いすゞ自動車サウジアラビアで2009年初めにもトラックの生産を始める。同国への工場進出は日本の自動車メーカーで初めて。トヨタ自動車なども中東向け輸出車の増産を計画しており、同地域での日本車販売は今年初めて100万台を超す見通し。日米での需要不振が鮮明になるなか、原油高と人口増を背景に経済成長が続く中東が中国、インドなどに続く世界の自動車市場のけん引役に浮上してきた。
 いすゞはすでにサウジ政府関係者に進出の意向を伝えた。同国政府は若年人口の増加をにらんだ雇用拡大策として自動車工場の誘致に強い意欲を示してきた。日本の自動車会社で初となるいすゞの進出は世界最大の原油埋蔵量を持つサウジと日本の関係強化にも貢献しそうだ。



業績修正「下方」が8割・前期上場170社、為替など環境急変
 2008年3月期の業績が計画に届かない上場企業が続出している。3月以降、従来の連結最終損益予想を下方修正した企業は170社に達した。下方修正は同じ期間に同損益予想の修正を発表した企業数の8割に達し、収益が拡大局面に入った03年3月期以降の同期間で最高。米金融不安に端を発した円高・ドル安や株安、原材料高など急激な環境変化が企業の収益を圧迫している。
 前期予想を開示していた全国上場の1684社(金融、新興3市場を除く)を対象に、3月初めから4月18日までの修正の発表を集計した。07年の同期間では連結最終損益を下方修正した企業は95社と全体の6割だったが、今年はこれを2割上回った。



WTO交渉、進展の機運・貿易自由化ルール、5月にも閣僚会合
 世界貿易機関WTO)多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)で、焦点の農業と鉱工業品の貿易自由化ルールが大筋合意に達する機運が高まってきた。日米欧などによる農業交渉が進展したためで、5月にもジュネーブで非公式の閣僚会合を開き、各国に政治決断を迫る公算が大きい。難航を極めてきた交渉は、年内に最終合意にこぎ着けるかどうかのヤマ場が近づいてきた。
 現在、WTOの事務局があるジュネーブでは、農業や鉱工業品などの分野ごとに議長が示した合意案を事務レベルで調整中。各国の主張を考慮して合意案は既に一度見直されたが、5月上旬にもさらに改訂した案を議長が示し、それをたたき台に同中下旬にも約30カ国・地域の閣僚会合を開いて主な争点に決着をつける方向だ。



カルフールCEO「事態は深刻」・仏大統領、北京に特使派遣へ
 【パリ=野見山祐史】仏は中国での不買運動に困惑を強めている。カルフールのデュラン最高経営責任者(CEO)は20日の仏日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュで「事態は極めて深刻だ」と語った。AFP通信は同日、サルコジ大統領が今週中にラファラン元首相らを特使として北京に派遣すると報じた。パリでの聖火リレーの混乱をきっかけにした中仏関係のこじれを早期に修復させる考えだ。
 デュランCEOは「事態を極めて深刻に受け止めている。中国国内の店舗には毎日200万人が来る。顧客の反応は軽視できない」とした上で、「パリでの聖火リレーに多くの中国人は衝撃を受けたことを理解すべきだ」と述べた。



世界の楽曲販売、4割デジタルに・2012年、米民間調査
 【ニューヨーク=清水石珠実】米調査会社イン・スタットは、2012年までに世界の音楽ソフト販売のうち4割がネット配信などの「デジタル」販売になるとの見通しを発表した。07年、世界の音楽ソフト販売の市場規模は355億ドルだったが、そのうちデジタル分は10%(06年は6%)。市場規模全体は12年に370億ドルと約4%しか伸びないが、デジタル販売は4倍超拡大する。
 携帯音楽プレーヤーだけでなく、日本で定着している携帯電話への音楽ダウンロードなどが、デジタル化を加速するけん引役になると指摘している。



内閣支持率、29%に低下・日経世論調査
 日本経済新聞社が18―20日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率は29%と3月の前回調査から2ポイント低下し、内閣発足以来、最低となった。不支持率も5ポイント上昇の59%で最高を更新した。ガソリン税暫定税率については「上乗せを再開し一般財源として使う」「上乗せを再開して道路整備を続ける」をあわせた復活容認論が49%で、撤廃論の42%を上回った。
 内閣支持率の30%割れは昨年7月の参院選直後の安倍内閣(28%)以来。内閣を支持しない理由を複数回答で聞くと「指導力がない」が62%で最多。「政策が悪い」が44%で、前回より10ポイント上昇し2位になった。年代別では60歳代以上の支持が落ち込んだのが特徴で、4月に始まった後期高齢者医療制度の混乱などが影響したとみられる。
 支持する理由は「人柄が信頼できる」の46%が最も多く「自民党の内閣だから」(35%)が続いた。



ブログ広告仲介、動画でも・NTTコムが23日から
 NTTコミュニケーションズは個人が開設しているブログ(簡易型ホームページ)を媒体に動画で広告を提供する新サービスを23日に始める。すでに静止画を対象に同種の広告仲介事業を始めており、動画も使えるようにする。
 2007年10月に始めた広告仲介サービス「“My”アフィリエイト」に動画広告の新機能を加える。ブログを訪れた利用者が広告枠の再生ボタンをクリックするとテレビCMや映画の予告編など数十秒の動画が流れ、視聴が完了すると広告主のサイトを新しい画面で表示する。



イランの物価上昇率、9年ぶり高水準・3月22.5%
 【ドバイ=加賀谷和樹】イランで物価上昇が続いている。中央銀行によると、3月の消費者物価上昇率は前年同月比22.5%と、前月よりも2ポイント以上高くなり、ほぼ9年ぶりの高水準に達した。来年の再選を目指すアハマディネジャド大統領が銀行の貸出金利を無理に下げ、通貨供給量が増えているため。利下げで中小企業の資金繰りは改善したが、物価高は支持基盤の低所得者を直撃しそうだ。
 大統領は経済政策に反対するダネシュジャファリ経済財務相を更迭することで、利下げを続ける姿勢を確認。3月の総選挙で大統領に近いグループが最大勢力を維持した余勢をかり、来年の大統領選で勝利を目指す。



日経社説 根が深い食糧危機、国際協調で対応急げ(4/21)
 気候変動とエネルギー資源の制約、新興経済国の急成長、発展途上地域の人口増加、投機資金の流入による国際商品価格の高騰など、地球規模の変化に伴う様々なひずみが重なり合い、「食糧危機」という形で世界に襲いかかろうとしている。
 命と暮らしを左右する危機をどう食い止めるか。国連は6月中にも「食糧サミット」を開き、7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)でも食糧が重要議題になる見通しだ。日本も問題解決へ重い責任を負う。
投機沈静へ長期展望を
 コメや小麦、トウモロコシ、大豆など主要穀物の価格の暴騰は、異常事態と呼ぶべきだろう。シカゴ商品先物市場の価格推移をみると、いずれの品目も3年前の約3倍に上昇している。特にコメはここ2―3カ月間の値上がりが著しく、国民の所得水準が低い発展途上国で深刻な社会問題を引き起こしている。
 ハイチでは暴動が広がり、多くの死傷者が出た。タイの農村ではコメ泥棒が横行し、農家が自警団を組織している。アフリカ諸国でも抗議デモや暴動が収まらない。
 価格高騰によって、既存の援助の枠組みで調達できる食糧の量も減った。日々の生活の糧が手に入らない人々に対し緊急支援を急ぐ必要がある。世界銀行のゼーリック総裁は国連を通じて5億ドル規模の食糧支給を提案し、これを受けてブッシュ米大統領は2億ドルの援助を表明した。
 日本も率先して具体的な支援策を明示すべきだ。世界貿易機関WTO)の合意でミニマムアクセス(最低輸入量)を義務づけられたコメの在庫は今年3月末時点で約130万トンある。途上国援助の外交手段として活用する好機と考えたい。
 ただ、こうした途上国への支援は対症療法にすぎない。中長期的には国際社会が協調し、世界規模で食糧の需給均衡に向けた方策を探る必要がある。今回の危機を教訓に一連の国際会議で議論を深めるべきだ。
 農業生産や食糧確保に関する問題では各国の利害が対立しがちだ。今回も食糧危機の不安に駆られた国々は「自国民の食を守るためには外国の事情などにかまっていられない」というのが正直なところだろう。
 事実、食糧の輸出規制の動きは世界各国に広がりつつある。ロシアは小麦と大麦に輸出関税をかけ、国外流出を抑制し、ウクライナ穀物の輸出枠を縮小した。ベトナムカンボジアもコメの輸出を禁止した。
 世界最大のコメ輸出国、タイの動きも気になる。タイはコメの輸出価格について、インド、ベトナムと協議に入るという。世界のコメ輸出市場でこの三国のシェアは合計約60%。コメ版の石油輸出国機構(OPEC)のような輸出国カルテルを目指す動きなら、看過できない。
 輸出規制の広がりは供給不足への不安感をあおり、穀物価格をさらに押し上げる要因にもなる。規制緩和自由貿易の流れに逆行し、管理貿易に走る各国の動きに歯止めをかけるため、主要国首脳は強いメッセージを世界に向けて発すべきだ。
 投機資金の穀物市場への流入も無視できない。米国の金融不安が引き金となり証券などからシフトした資金が原油などと同様に穀物相場も押し上げた。現在の価格水準は「穀物バブル」とも呼べる金融要因で3―4割かさ上げされているという。
 地球温暖化が焦点となり、バイオ燃料への期待が高まったことも食糧問題に影響している。トウモロコシなどから生産するエタノールへの需要が高まるとの思惑が価格高騰の一因だし、燃料用の需要増は食用としての供給制約要因になるからだ。
日本も農業改革進めよ
 エタノール生産を奨励する米ブッシュ政権は「農業補助金」を抑える代わりに、燃料生産の支援制度や穀物相場上昇によって国内の農家を支えているという側面も指摘できる。
 たとえ投機や不安心理が鎮まっても、中長期的に食糧価格が安定する保証はない。世界的に食糧不足が進む可能性が否定できないからだ。
 需要面では中国やインドなど新興経済大国で中間層の人口が増え、食生活も豊かになってきた。世界の食糧をのみ込む巨大な胃袋は今後も膨らみ続けるだろう。66億人を超えた世界人口は今世紀半ばに90億人に達すると予測されている。
 供給面では気候変動、原油高、水資源の制約などが生産に影響を及ぼす。干ばつが続くオーストラリアでは昨年の麦類の生産が例年より4割減り、コメは最盛期の100分の1に激減した。アジアではパーム油などバイオ燃料の原料生産を優先し、食用穀物の作付けが減った地域もある。
 日本も安閑としてはいられない。今回の危機は、食料自給率がカロリーベースで39%まで低下した日本にも食糧危機が起きうるという警鐘と考えるべきだ。生産性を高め、国際競争力のある農業にするための日本の改革の遅れが心配である。


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