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次世代モバイルはWiMAXかLTEか・悩めるKDDI(Column)
 米国ネバダ州ラスベガスで北米最大級の通信関連展示会「CTIA WIRELESS 2008」が4月1日から開催された。CTIAはアメリカの通信業界団体「Cellular Telecommunications and Internet Association」の略称で、毎年この時期に大きな展示会を実施している。
 いまアメリカで注目の携帯電話関連企業といえば、グーグルやアップルの名前が真っ先に上がるが、両社とも出展していない(グーグルは昨年は参加していた)。話題となりそうな端末はすでに2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2008」で発表されており、今回、大きな話題になるような端末はほとんどないような状況だ。
 そんななか、気になったのがネットワーク関連の展示だ。
 アメリカではスプリント・ネクステルによるモバイルWiMAXサービス「XOHM(ゾーム)」がまもなく開始される見込みだ。開業当初はシカゴ、バルチモア、ワシントンでサービスを開始。順次、ほかの地域に拡大するという。 
 ただ、スプリントは昨年、モバイルWiMAX事業で米クリアワイヤ社との提携合意を解消した経緯がある。スプリントが都市部、クリアワイヤが都市部以外をカバーするはずだったのだが、提携が解消されたことで、どれだけのエリア化がされるか不透明だ。
■WiMAX向け商品が具体化、いずれ日本にも?
 とはいえ、CTIAのXOHMブースでは、様々なモバイルWiMAX対応製品が展示されており、それなりの賑わいを見せていた。
 ノキアはインターネット端末「N810 WiMAX Edition」を展示。これまで無線LANに対応していたモデルをモバイルWiMAXでも使えるように進化させた。どこでも高速でネット接続ができる端末として重宝がられそうだ。製品のイメージはイー・モバイルの「EM・ONE」に近いと言えるだろう。
 日本でも2009年にKDDI系列の「UQコミュニケーションズ」がモバイルWiMAXサービスを開始する予定。今回、展示されたいくつかの端末が、日本でも投入される可能性はありそうだ。
■見えてきたLTE実用化
 「スピードは3Gの2〜3倍程度」(XOHM説明員)というモバイルWiMAXに対し、さらなる高速化を実現するのがLTE(Long Term Evolution)だ。
 昨年までは「まだ先の技術」として位置づけられてきたが、バルセロナのMWCに続き、CTIAでも「もうすぐやってくる技術」として語られつつある。
 NTTドコモのブースでは先日、屋外で下り最大250Mbpsという通信速度を達成した実験を映像で紹介。NTTドコモ向けの開発を手がけている富士通基地局などを展示していた。
 モトローラサムスンといったメーカーも大容量の映像をLTEを経由して映し出すデモを行うことで、LTEのすごさをアピールしていた。
 すでに仕様が固まり、サービス開始目前のモバイルWiMAXに対して、LTEはまだこれからの技術。それだけに、モバイルWiMAXに比べて低コストで高速化が実現できると見られている。モバイルWiMAXを手がけている会社は当然、モバイルWiMAXの優位性をアピールする。しかし、基地局や端末などのベンダーは、どちらに肩入れするわけでなく「とりあえず、モバイルWiMAXとLTEの両方をやっておく」というのが本音なのだろう。
 日本では、すでにNTTドコモがLTEの開発を率先しているだけでなく、ソフトバンクもLTEの屋内実験に成功している。LTEはW−CDMAの発展系であることから、両社が手がけるのも自然な流れだ。
■WiMAXのあてが外れたKDDI
 そんななか先日、KDDIが将来のネットワークにLTEを採用する、という報道が流れた。
 KDDIは現在、CDMA2000の発展系である「EV-DO Rev.A」を使用しており、一般的に考えれば「EV-DO Rev.B」、さらに「Rev.C」と言われていた「UMB」という技術に行くのが自然な流れと見えた。
 しかし、UMBはRev.Cと言われていたものの、実際はRev.Bとは異なる方式となっている。UMBを採用するには設備も新しいものにしなくてはならず、「新たな設備投資が必要なら、いっそのことLTEにする」という選択肢もあり得る。W−CDMA/HSDPA勢は世界でも採用するキャリアとメーカーが多く、端末の低コスト化にもつながりやすい。NTTドコモやソフトバンクモバイル向けに、海外の端末メーカーが参入しやすい状況にあるのも、W−CDMA/HSDPAだからこそだ。
 そもそもKDDIは、モバイルブロードバンドをモバイルWiMAXで実現し、他社と差別化できるサービスにすると位置づけていた。しかし、2.5GHz帯の周波数割り当ての際に直接手がけることができず、「出資が3分の1までの会社」なら事業に関与していいというルールが設けられてしまった。めでたく免許が割り当てられたものの「MVNO(仮想移動体通信事業者)などにネットワークを開放しなくてはならない」という条件がついた。そのため、KDDIとして、モバイルWiMAXを他社との競争軸にすることができなくなった背景がある。
 モバイルWiMAXで差別化したくてもそれが叶わず、LTEへの移行を検討しても新たな投資が必要になる。そうこうしているうちに、現在使っているEV-DO Rev.Aの発展系であるRev.Bはフェーズ1からフェーズ2に進化。今回のCTIAでは最高14.7Mbpsというスペックになっていた(デモ環境でも14Mbps程度が出ていた)。
 さらに、クアルコムではネットワークの混雑を解消し、実行速度を1.5〜2倍にアップさせる技術を開発。既存の3Gネットワークをさらに高速化できるようなメドが見えてきた。
■世界の次世代ネットワークの時流は
 今回、KDDIがLTEを採用するという報道が流れたが、KDDIは「どこから出てきた情報だか全くわからない」という。KDDIがLTEを採用すれば、3キャリア(イー・モバイルが採用すれば4キャリア)で通信方式が一緒になる。2010年にSIMロックを解除したい総務省としては、これでSIMロック解除をするメリットがでるだけに、願ったり叶ったりの報道だと言える。
 しかし、KDDIとしてはNTTドコモと同じ方式にしてしまっては差別化ができないだけに、勝ち目はなくなる。とはいえ、低コスト化などのことを考えると、導入も検討したくなってくる。モバイルWiMAXでは差別化できない一方で、既存の3Gネットワークもまだまだ進化するとあれば、今のうちはここを強化するという選択肢もあり得る。
 バルセロナのMWC、今回のCTIAなどの世界のネットワークの時流を見ると、モバイルWiMAXよりもLTEに優勢なような気がしなくもない。
 KDDIとして、まだまだ悩ましい日が続くような気がする。



衆院解散、今国会が「第一目標」=再可決なら首相問責も−小沢民主代表
 民主党小沢一郎代表は6日午前のフジテレビなどの番組で、今後の政局対応に関し「いろんな問題が起きており、国民の審判を仰ぐのが民主主義だ。(7月の)北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)前の衆院解散を第一目標にやる」と述べ、今国会で福田政権を解散に追い込む決意を明らかにした。
 衆院解散の時期について、小沢氏はこれまで、今国会中もあり得るとの見通しを示すにとどめていたが、サミット前を目指すとの戦略を明確にした。
 小沢氏は「サミット後であっても、今年中には解散をせざるを得なくなる」と、年内の解散は避けられないとの見通しを表明。福田内閣が総辞職した場合でも「誰が首相になろうと、早い機会に国民の審判を仰ぐ(べきだ)」と述べ、解散戦略は変更しないと強調した。衆院選後の政界再編については「可能性は否定できないが、まず野党政権を作ってからだ」と語った。
 一方、小沢氏は、与党がガソリン税暫定税率復活のため、租税特別措置法改正案を衆院で再可決した場合の対応に関し「国民から見ればこれほどの権力の乱用はない」と指摘。「徹底的に戦う。あらゆる選択肢を考える」と述べ、福田康夫首相に対する問責決議案の提出を検討する意向を示した。



鉄鋼原料高、長期化も・需要拡大や供給寡占化で
 新日本製鉄が豪英系資源大手BHPビリトンと進めていた2008年度の鉄鋼原料用石炭(原料炭)の価格交渉が、07年度比3倍前後の引き上げで決着する見通しになった。海外資源会社の大型再編による「供給寡占化」と新興国での「需要拡大」。需給それぞれの事情による値上げ圧力が組み合わされ、空前の幅の値上げにつながった。この傾向に変化の兆しはなく、鉄鋼原料高が長期化する懸念は強い。
 製鉄に使う高品位石炭の全量を日本は輸入に頼る。その6割を占める豪州でさらに寡占化が進む可能性がある。



米景気、停滞感増す・個人と企業の両輪陰る
 【ニューヨーク=発田真人】米経済成長の両輪である個人消費と設備投資の陰りが鮮明になってきた。2月の個人消費支出は前月比0.1%増で、物価上昇分を除くと伸び率は実質ゼロ。耐久財受注の大幅減などで、企業の1―3月期の設備投資が1年3カ月ぶりに前期比マイナスに転じるとの見方も出ている。金融市場の行方がなお不透明な中、実体経済の停滞感は一段と増している。
 米コンファレンスボードがまとめた3月の消費者信頼感指数は前月比11.9ポイント減の64.5と2003年3月のイラク開戦時以来の水準に低下した。2月の個人消費支出の前月比伸び率は06年9月以来の小幅にとどまった。



ガソリン、値下げ競争に一服感・関心は「税率復活」に
 ガソリンの暫定税率が失効してから初の週末となった5日、販売量は通常の週末より増えているが、激しい値下げ競争には一服感が出てきた。レギュラーガソリンの店頭価格は首都圏や関西の販売激戦区でほぼ1リットル120円台。給油所や消費者の関心は早くも「4月末に暫定税率が本当に復活するのか」(東京の環状7号沿いのスタンド)に移っている。
 東京の国道20号や環状8号沿いでは同日、123―126円の看板を掲げる店舗が多かった。大阪府豊中市吹田市でも124―126円が主流。3月末比でおおむね20円前後の下落。「当面はこれ以上の値下げは考えていない」という声が目立つ。先行して大幅に値下げしていた泉南市の角丸石油ガスは4日から逆に4円上げて119円で販売した。



大手銀や地銀、パートの正社員化を加速
 大手銀行や地方銀行がパート社員の正社員への登用を急いでいる。横浜銀行は勤続3年以上のパート社員を正社員に登用する制度を新設。三井住友銀行は今夏に派遣社員2000人を正社員にするほか、りそな銀行ではパート社員の処遇を正社員並みにする。パート社員の差別的な扱いを禁止する改正パートタイム労働法の4月施行に対応するとともに、優秀な人材をつなぎとめるのが狙いだ。
 横浜銀は4月から「行員転換制度」と呼ぶパート社員を正社員に登用する制度を導入した。勤続3年以上のパート社員が対象で、希望者を対象に面接や論文試験を実施する。試験は年2回行う予定。同行のパート社員は従業員の半数を占める約4000人で、やる気や能力のあるパート社員を積極的に活用する。



湾岸協力会議、通貨統合見直しへ・オマーンが不参加
 【ドバイ=加賀谷和樹】ペルシャ湾岸の6産油国でつくる湾岸協力会議(GCC)は加盟国の通貨統合計画を見直す。オマーンのザジャリ中央銀行総裁は日本経済新聞に対し計画への参加取りやめを表明。サウジアラビアバーレーンの当局者も「目標の2010年に域内単一通貨を発行するのは困難だ」と明言した。GCCの経済統合は最終段階で大きくつまずくことになる。
 ザジャリ総裁はオマーンの不参加を「政府の決定」と指摘し、カブース国王の勅命であることを示唆した。財政赤字国内総生産(GDP)の3%以下に抑えるなどと決めた参加条件に対応できないためとみられる。オマーンはこれまで「10年には間に合わないが、遅れて参加する」と説明していた。