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日経平均、07年度は27.5%下落・5年ぶり、ドル不安波及
 3月決算期末となった31日の東京市場では日経平均株価が大幅反落し、2007年度の下落率は27.5%と日本経済がデフレで苦しんだ02年度(27.7%)に匹敵する大きさとなった。日本株の下げは世界でも突出しており、株式時価総額は3年ぶりの400兆円割れ。為替市場では円相場が対ドルで18円も上昇して20年ぶりの上昇幅を記録した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を震源とするドル不安に、政治の機能不全が追い打ちをかけた。4月以降も波乱の展開を予想する向きが多い。
 日経平均終値は前週末比294円93銭安の1万2525円54銭。下落は04年度(0.4%)以来3年ぶりで、下落率は日経平均バブル経済崩壊後の最安値(7607円)をつけた局面に並んだ。
 株価が下げ足を速めたのはサブプライムローン問題が深刻化した昨年夏以降。上半期まで日本株を買い越した外国人が一斉に換金売りに走り、下半期だけで2兆4000億円強の売り越しに転じた。ドル建てで換算した日経平均も07年度は14.5%下落しており、外国人の見切り売りが加速した。



電力10社の設備投資計画、08年度16.5%増
 電力10社の2008年度設備投資計画が31日、出そろった。総額は前年度比16.5%増の2兆2062億円と3年連続のプラス。2兆円を上回るのは02年度以来6年ぶりとなる。原子力発電所の耐震補強工事や大口顧客向け送電線工事などが各社の設備投資を押し上げている。
 中国電力を除く9社が08年度の設備投資を増やす。44%増の関西電力原発の耐震工事や石炭火力の舞鶴2号機(京都府)の建設など電源設備で投資を増やす。38%増の北海道電力泊原発3号機の建設が本格化する。一方、18%増の中部電力は送電設備の改修が中心となる。



米ヤフー、インドとイスラエルにネット関連研究所
 【シリコンバレー=村山恵一】米ヤフーがインドとイスラエルに、インターネット関連の研究所を相次ぎ設立した。世界規模で優秀な人材を集め、技術力の底上げを狙う。単独でも成長を維持でき、企業価値が高いことを内外にアピールし、同社買収を目指すマイクロソフト(MS)をけん制する思惑がうかがえる。
 インドとイスラエルの拠点は、主力事業であるネット検索や広告にかかわる次世代技術などを研究する。陣容などは明らかにしていないが、ヤフーが両国に研究所を置くのは初めて。世界では計8カ所となる。インドではネット経由でコンピューターを利用する技術について、地元企業との研究協力も進める。



リクルート、求人広告事業を再編
 リクルートは主力の求人広告事業の組織を再編する。アルバイト・パート中心の地域密着型の求人媒体の営業を手がける子会社3社と本体の関連部門を4月1日付で統合。正社員の中途採用分野では人材紹介子会社との連携を拡大する。求人広告市場の競争激化を受け、業界首位のリクルートはグループ運営を強化して持続的成長を目指す。
 統合するのは無料求人情報誌タウンワーク」などの営業を担当するリクルートHRマーケティング(東京・中央)など東京・名古屋・大阪の100%子会社3社と本体の関連部門。



松下電器・電工、製品の一体開発を本格化
 松下電器産業松下電工はそれぞれの得意技術の相互利用や設計の共通化を進めて製品の一体開発を本格化する。第一弾となる製品を今秋投入するほか、続いて両社横断の研究チームも発足する。10月の「パナソニック」への社名変更とブランド統一に伴い、主に「ナショナル」を使ってきた白物家電などの分野での連携を深め、ブランド移行を円滑に進める。
 第一弾として9月にも共同開発したIH家電製品を搭載したシステムキッチンの新シリーズを発売する。松下電産が電工のキッチン向け専用に、IHクッキングヒーターや自動食器洗い乾燥機、生ゴミ処理機、換気扇など機能製品を一括して開発する。



松下電器、通信技術の研究で首都圏に新組織
 松下電器産業は31日、4月1日付で情報通信技術の研究部門「東京R&Dセンター」を首都圏に新設すると発表した。移動体通信機器、車載機器など首都圏の子会社や各部門などに分散する関連研究者を一つの組織に集約。省庁や大学などとの連携も加速し、次世代無線通信など将来の新事業につながる情報通信技術を研究・開発する。



後発薬中堅の昭和薬品化工がMBOへ・東京海上系ファンドが出資
 後発医薬品中堅の昭和薬品化工(東京・中央)は、東京海上日動火災保険系ファンドの出資を受け、4月下旬にも経営陣による企業買収(MBO)を実施する。買収総額は負債も含めて400億円弱とみられる。昭和薬はファンドの支援を受けて他社との提携や株式上場を目指す。4月からの政府の医療費抑制策によって、割安な後発薬の需要が拡大すると期待されている。有望市場を巡り国内外企業からの買収・再編の動きが活発化しそうだ。
 昭和薬の野村泉社長ら経営陣は、東京海上キャピタルが運用するファンドと協力し、昭和薬品化工持ち株会社であるカロナール(同)のほぼ全株を持つジャフコから株式を買い取る。東京海上系のファンドは過去に医療分野の企業買収を手掛けたことから、医薬業界に知見があるといい、数年内の株式上場を目指す。グループ全体の従業員約240人の雇用も継続する。



Jパワー、5年間で総額1兆円投資・中期経営計画
 Jパワーは31日、2008年度から12年度までの中期経営計画を発表した。原子力発電所の新設や海外発電事業の拡大などで5年間で総額1兆円を投資し、12年度の連結経常利益600億円以上を目指す。筆頭株主である英投資ファンドが先週発表した経営提言書については、「従来の主張の繰り返しにすぎない」(中垣喜彦社長)として取り上げない意向を改めて強調した。
 年間平均2000億円となる次期中計の投資計画は前回(05―07年度)の同1100億円に比べてほぼ倍増。内訳は同社初の原発となる大間原発青森県)など国内電源開発に3400億円、海外発電事業に2700億円、石炭関連ビジネスに1000億円など。海外では炭鉱開発プロジェクトへの新規参画や風力発電ビジネスなどを検討している。
 筆頭株主ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)は27日に電力販売先の多様化や持ち合い株売却などを提案し、経営計画に盛り込むように求めていた。



JR東、設備投資上積みし計1兆4000億円に・3年で
 東日本旅客鉄道JR東日本)は31日、2008年度からの「グループ経営ビジョン」を発表した。08年度から3年間の設備投資額をこれまでの3年間に比べ約2000億円上積みし、1兆4000億円に設定。東北新幹線への「スーパーグリーン車」(仮称)の導入などサービス向上や駅ビル開発などに積極投資し、10年度には連結営業利益で5180億円(07年度見込み4360億円)を目指す。
 設備投資は、運輸事業に1兆円、駅ビル開発など不動産や流通、電子マネー「スイカ」事業の強化などに4000億円をあてる。
 鉄道事業では東北新幹線新青森駅まで延伸される10年度をメドに従来のグリーン車より座席やサービスを向上させた「スーパーグリーン車」を導入するほか、在来線なども含め「新幹線のほか、在来線も含めた鉄道建設にかかわるコンサルタント事業なども展開し、海外にも打って出る」(清野智社長)考えを示した。



ペンタックスの社名消える・HOYAが吸収合併
 HOYAは31日付でペンタックスを吸収合併した。国産初の35ミリ一眼レフカメラを発売するなどカメラメーカーとして数多くの名機を生んだペンタックスは会社組織として89年の歴史に幕を下ろす。社名は消えるが、一事業部門「ペンタックス」としてブランドは残る。今後はHOYA傘下でデジタルカメラ内視鏡分野でさらなる成長を目指す。
 HOYAは当初、ペンタックスを完全子会社化する計画だったが、合併により事業部間の連携を強化するほか、経営の意思決定を速くする。
 ペンタックスの事業は「カメラ・双眼鏡」「ライフケア製品」など大きく四つの製品分野に分かれる。ペンタックス最後の社長となった谷島信彰氏はHOYAの「ペンタックス・ライフケア事業部長」に就く。



日本郵政、08年度の事業計画発表・民営化前の公表値下回る
 日本郵政は31日、持ち株会社と子会社の郵便事業会社、郵便局会社の3社について、2008年度の事業計画を発表した。郵便局会社の経常利益は379億円の見込み。保険の新規契約の不振など、足元の厳しい状況を織り込んだ結果、民営化前に公表した実施計画の数値(同年度で840億円)を下方修正した。
 一方、郵便事業会社の経常利益は707億円になる見込みで、民営化前の計画(570億円)を上方修正した。コストの削減が順調に進んだためで、グループ内で明暗が分かれた格好だ。



3月のユーロ圏消費者物価3.5%上昇・ユーロ導入後最高
 【ベルリン=赤川省吾】欧州連合(EU)統計局は31日、ユーロ圏15カ国の3月の消費者物価上昇率(速報値)が前年同月比で3.5%になったと発表した。食料品の値上がりが目立ち、単一通貨ユーロ導入後の過去最高を更新した。
 物価上昇率は2007年11月以降、3%を超える高い水準で推移している。主要国では家計の負担増に直結する生活必需品の価格上昇が相次いでおり、例えばドイツではパンやチーズといった最重要の食料品が1年間で1―3割、鉄道運賃や電気・ガス料金は最大で1割程度の値上げとなったもようだ。



日経社説 再可決して一般財源化の公約を果たせ(4/1)
 ガソリンにかかる揮発油税などの暫定税率が期限切れとなり、1日の出荷分からガソリンの税負担は1リットル当たり約25円下がる。道路関連以外の優遇措置の期限を5月末まで延長する「つなぎ法案」は成立し、最悪の事態だけは回避された。
 政府・与党は憲法の「60日みなし否決」ルールを適用して、今月末にも衆院で再可決し、税率を元に戻す方針だ。財政事情などを踏まえれば当然だろう。道路特定財源が温存されないように、福田康夫首相は自ら公約した2009年度からの一般財源化の方針を閣議などできちんと決める必要がある。
 首相は31日の記者会見で「政治のツケを国民に回す結果となったことを心よりおわび申し上げる」と述べ、期限切れを陳謝した。
 与野党は2日の参院本会議で揮発油税暫定税率維持を盛った租税特別措置法改正案の趣旨説明を実施することで合意した。参院に法案が送られてから、1カ月も審議されなかった。参院の主導権を握る民主党の態度はあまりに無責任である。
 与党と民主党が法案修正で合意することが本来は望ましい。しかし暫定税率を巡る溝は大きく、進展は期待薄の状況だ。
 定例日にこだわらず、2日から精力的に審議を進め、参院の意思を早く示すことが重要である。そうすれば法案が否決されても、月末まで待たずに再可決する条件が整う。
 暫定税率が全廃されると国、地方を合わせ年間で2兆6000億円の穴があく。7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)で環境問題が主要議題となるなかで、ガソリン消費を奨励するような暫定税率の撤廃は国際社会の理解も得られない。消費者の反発は避けられないが、政府・与党は再可決をためらってはならない。
 問題は、再可決されると政府案が無修正で成立し、道路特定財源がそのまま生き残ってしまうことだ。
 福田康夫首相は先の記者会見で特定財源の廃止を明言するとともに(1)10年間の道路中期計画を5年に短縮して見直す(2)与野党協議会を設置して一般財源の使途などを協議、決定する――などと表明した。
 自民党内には一般財源化に強い異論がある。首相は修正協議がまとまらなくても一般財源化を進める考えを示したが、再可決されれば自民党内で放置される恐れがある。
 私たちは環境対策の必要性などを挙げて、一般財源化を明言した首相の姿勢を評価してきた。党内の反対論を抑えて、一般財源化の道筋をつける仕事は首相にしかできない。