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テレビ各局、ネット配信強化 フジは新サービス発表
 テレビの在京キー局が、インターネット経由の番組有料配信に力を入れだした。フジテレビジョンは26日、動画配信サイト「フジテレビ オンデマンド」を4月1日に開設すると発表。従来のネット接続事業者への番組供給に加え、新たに自社サイトで携帯電話向け配信を本格化する。NHKも同様のサービス「NHKオンデマンド」の12月開始に向けて準備中。視聴者の要望に応えつつ、有料課金で収益増を図る狙いもある。
 フジテレビによると、自社サイトを運営することで「出演者などから著作権の許諾を得やすく、放送と連動させた素早い配信が可能になる」(塚本幹生デジタルビジネス推進部長)。
 「NHKオンデマンド」も自社サイトを構築する方針。過去のドキュメンタリーなどを順次公開するほか、朝の連続テレビ小説など最新の番組も放送翌日から最大10日間配信する。日本テレビは、すでに自社サイト「第2日本テレビ」で番組の無料配信を本格化させている。
 番組の違法コピーを公開する著作権侵害が横行するネット配信には、テレビ各局が慎重だったが、ブロードバンド利用が進み、著作権管理技術も向上したことで、自社主導の有料配信を目指す動きが加速。ネット広告の台頭で、経営を支える広告収入が減少し続けていることも、有料配信の強化に拍車をかけている。



家庭用冷食、一斉に減産・ニチレイや味の素3割
 食品大手が一斉に冷凍食品の大幅減産に入った。中国製ギョーザの中毒事件で家庭用の買い控えが広がっており、問題のギョーザを販売した日本たばこ産業(JT)が前年比で最大5割を削減。冷食2位のニチレイと4位の味の素は約3割減らし、最大手の加ト吉、3位のニチロも近く実施する。減産は当面2―3カ月だが、5社のシェアは計7割に達するだけに、包装資材の受注減など関連産業にも波及。長期化すれば各社の経営の打撃となりそうだ。
 2006年の冷食市場(業務用含む)は約1兆円(うち家庭用は3分の1)と、化粧品市場の約8割に相当する。1月末の事件発覚で主婦層などの冷食離れが広がり、主要スーパーの3月の冷食売り上げは前年比2―3割減った。各社は「販売回復に3カ月以上かかる」(味の素)と判断、家庭用の一斉減産に踏み切る。仮に業界全体で3割減産を1年間続けると約1000億円の減収になる。



モトローラ、携帯事業を分離・09年めど
 【ニューヨーク=小高航】携帯端末大手の米モトローラは26日、2009年をめどに携帯事業をその他の通信機器事業から分離すると発表した。株式上場を維持したまま、2つの企業体に分離する。不振が続く携帯事業の事業効率を高める狙いだが、今後、同業他社による買収など再編の焦点となる可能性がある。
 携帯端末の開発・製造部門と、ブロードバンド(高速大容量)向け通信機器などその他事業を手掛ける2つの独立した企業への分割手続きに入る。企業分割の手段は今後詰める。
 モトローラの携帯事業は07年通期の売上高が約190億ドル(約1兆9000億円)と、全事業の約半分を占める。ネット検索や音楽視聴ができる多機能端末の開発の遅れから業績が低迷し、同期の携帯事業の営業損益は約12億ドルの赤字(前年同期は27億ドルの黒字)に陥った。1月末に携帯事業の分離検討を発表したが、米著名投資家で株主のカール・アイカーン氏から経営改革を強く求められていた。



ソニー・ピクチャーズ、アニメ作品制作を日本企業に委託
 ソニーの映像娯楽部門、米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は日本の制作会社に委託してアニメーション作品の制作を始める。来年6月までに5作品を作り、まず専門チャンネルで放映する。ウォルト・ディズニーを含めハリウッドの娯楽大手が、技術力に定評がある日本の制作会社を陣営に引き込む動きが激しくなってきた。
 まずSPEのヒット映画を原作とする「ウルトラヴァイオレット」のアニメ版を12話のテレビ向けシリーズ作品として日本で作る。SPEの専門チャンネル「アニマックス」などを通じて放送する。



日立、エルピーダ全株売却へ・DRAM事業から完全撤退
 日立製作所保有しているエルピーダメモリ株1280万株(発行済み株式数の9.9%)を全株売却する方針を決めた。エルピーダは日立とNECが主要な半導体モリーであるDRAM事業を折半出資で統合した会社。既に経営は独立しており、事業上のつながりも薄れたことから、日立は資本関係を解消し、DRAM事業から完全撤退する。
 従業員の年金支払いなどに充当する退職給付信託を設定し、ここに保有するエルピーダ株を時価で全株拠出する。実質的な議決権は日立に残るが、将来は信託設定した株の売却を進めていく方針だ。日立は取引関係に関しては変更ないとしている。
 年金資産として拠出するのは、積み立て不足の圧縮と利益計上が狙い。2008年3月期の連結決算に210億円の株式売却益を計上する。業績見通しには織り込み済み。



08年度実質GDP暫定税率廃止で0.2%下げ・第一生命経済研試算
 第一生命経済研究所はガソリンなどにかかる暫定税率を廃止した場合の経済への影響を試算した。ガソリンの値下げにより個人消費などの押し上げ効果があるが、減収分の道路建設をすべてやめると2008年度の実質の国内総生産(GDP)は0.2%下がる。国債発行などで財源を確保し、すべての公共事業を予定通り続ければ実質GDPは0.2%上がる。
 中期的には燃料費が下がる企業が設備投資を増やし、個人消費も増えることで経済を押し上げるとみている。試算では10年度には経済活性化の効果が公共投資が減る影響を上回り、実質GDPを押し上げるとした。
 試算した永浜利広主任エコノミストは「暫定税率の廃止は中長期的な経済活性化策としての効果がある。一方で財政健全化を進めるには、税率を維持して道路特定財源一般財源化することも検討に値する」としている。



東京電力原発停止長期化で3火力発電所の運転開始前倒し
 東京電力は26日、2008年度の経営計画を発表した。新潟県柏崎刈羽原発の運転停止の長期化を受け、3つの火力発電所の運転開始時期を前倒しするほか、08年度は修繕費や研究費などグループ全体で1000億円以上のコスト削減を目指す。柏崎刈羽原発の運転停止で、割高な火力発電の比率は約7割と高水準。07年度に28年ぶりの経常赤字に転落する見通しの東電にとって厳しい経営環境が続く。
 前倒しするのは石炭火力の常陸那珂2号(100万キロワット)、LNG(液化天然ガス)火力の川崎2号系列(150万キロワット)など3発電所。開始時期を「14年度以降」としていた常陸那珂2号は13年度に、「17年度以降」だった川崎2号は一部について13年度にそれぞれ早める。一方、青森県東通原発1号(138.5万キロワット)の運転開始は1年延期する。
 08年度の設備投資は前年度比6%増の6026億円。08―10年度の3カ年平均は6300億円。今後、原発の耐震補強工事計画がまとまると設備投資額は大幅に増えると見られる。



日立製作所、電力損失減らす送配電方法・国連がCDMに承認
 日立製作所は26日、子会社の日立産機システムが製造するアモルファス変圧器を使った送配電網での温暖化ガスの削減プログラムが、クリーン開発メカニズム(CDM)の実施方法の1つとして国際連合に承認されたと発表した。同変圧器は待機電力が従来品の3分の1と少ないことから、送配電時の電力損失を抑えることで二酸化炭素(CO2)の排出を抑える方法の1つとして国連に承認を申請していた。
 火力発電に伴うCO2などの発生を低減できるとして、今後中国やインドで進められる送配電網の整備事業に納入する。仮に国内の配電用変圧器をアモルファスに改めると、年間400万トンのCO2を削減できるという。日立産機は今後5年で同変圧器の売り上げを倍増させる計画。
 CDMは先進国が発展途上国に技術や資金面で協力して温暖化ガスの排出を減らす見返りに、自国で減らした分として算入できる仕組み。



日立、省エネ型データセンター建設――消費電力量2割減
 日立製作所は26日、横浜市のデータセンターを拡充し、省エネルギー型の新棟を建設すると発表した。投資額は約100億円。日立グループの高効率な空調・電源設備を採用。IT(情報技術)機器の配置を最適化することで、既存施設に比べて設備の消費電力量を2割削減する。2008年4月に着工し、09年7月の稼働を目指す。
 横浜市のデータセンターは計3棟となる。新棟は地上7階建てで、延べ床面積約1万平方メートル。



資源大手、再編交渉30兆円規模に・BHPのリオ買収提案など
 【ロンドン=清水泰雅】鉄鉱石など資源価格の上昇を背景に、世界の資源大手が大型再編に乗り出している。英豪BHPビリトンによる英豪リオ・ティントへの買収提案など、水面下での交渉を含めると合計で30兆円規模のM&A(合併・買収)が成立する可能性がある。中国やインドなど新興国の需要拡大に備え、手元資金が増えた資源大手は優良鉱山を囲い込もうとしており、資源大手の再編を巡る攻防は一段と激しくなりそうだ。
 BHPはリオ1株にBHP株3.4株を割り当てる買収を提案、買収額は約1500億ドル(約15兆円)にのぼる。鉄鉱石や石炭、非鉄、ウランの生産量を増やすのが狙い。成立すれば、2000年に携帯電話最大手の英ボーダフォンが独マンネスマンを買収した際の1800億ユーロ(約28兆円)に次ぐ史上2番目の巨額買収となる。



米新聞業界、ネット広告を共同販売・専門会社に250社加盟
 米新聞業界でネット広告販売を共同運営する動きが広がっている。ニューヨーク・タイムズなど大手4社が設立した専門会社への加盟数が2月の120紙から先週末時点で250紙に倍増した。紙の広告収入が減少するなか、成長しているネット広告販売を強化する。
 専門会社のクアドラント・ワンは「USAトゥデー」を発行する最大手のガネットなど4社が2月に設立、4月に営業を始める。このほど3位のマクラッチーなど26社が新たに加盟。加盟社の発行地域は全米の主要20都市をカバーする。



日経社説 都民にツケ回した「石原銀行」救済の罪(3/27)
 東京都議会は26日予算特別委員会を開き、新銀行東京に都が400億円を出資する議案を自民、公明の賛成多数で可決した。28日の本会議でも可決される見通しだ。
 私たちは新銀行を早期に幕引きするようにこれまで繰り返し求めてきた。理由は大きく3点ある。
 まず、新銀行の存在意義が薄れているためだ。担保がなく、保証人もいない都内の中小零細企業を支援するために石原慎太郎知事は銀行を設立した。同行は今後、担保がなければ原則融資しない方針という。それならば他の金融機関と変わりがなく、民業圧迫のおそれすらある。
 次に、追加出資の前提である再建計画に疑問がある。今後、預金を20分の1に、貸出金を5分の1に絞り込むというが、それでどうやって利益を上げるのか。縮小均衡路線そのものはいいとしても、行員を4分の1に減らすなかで営業力や審査能力を高める道筋がまったくみえない。金融激戦地である東京で、健全な企業までが高い金利を払って同行と取引を続ける利点はないだろう。
 短期間に不良債権が膨らんだ新銀行のずさんな経営の背景に何があったのかもわからない。石原知事はトヨタ自動車出身の元代表ら旧経営陣の責任を強調しているが、設立を主導したのは知事や同行取締役会議長を務める元副知事らだ。
 都議会の審議でもこうした疑問点は解消されなかった。銀行の新旧経営陣の参考人招致や金融の専門家らの意見を聴く公聴会を開く時間はあったはずだが、議会は実態の解明に向けた努力すら怠った。
 最大会派の自民党に至っては審議が始まって早々に賛成を表明し、新銀行に関する質問はほとんどなかった。首長と議員を有権者がそれぞれ直接選ぶ二元代表制のもとでは、与党といえども行政を厳しく監視する役割を求められているはずだ。
 自民、公明が賛成に回ったのは来年夏の都議選を意識したためだ。福田康夫政権の支持率が低下するなかで、石原与党という立場を明確に打ち出す方が得策とみたのだろう。都庁に寄せられる意見や様々な世論調査をみても追加出資に反対する声が多いのに、両党は党利党略を優先して都民にツケを回した。時間がたてば新銀行問題について都民は忘れるとでも思っているのか。
 都議1人の報酬は年間約1700万円と地方議会のなかで最高の水準である。それでこのありさまだ。新銀行の経営が今後改善しない場合、石原知事はもちろん、都議会はどう責任をとるつもりなのだろうか。