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資金調達、株から社債へ・07年度普通社債発行、9年ぶり9兆円超
 資本市場で企業の資金調達手段が株式から社債にシフトしている。2007年度は普通社債の発行額が昨年度に比べ3割強増え、9年ぶりに9兆円を突破する一方、新株発行による資金調達額は半減し、5年ぶりの低水準となる見通しだ。米住宅ローン問題に端を発した株価の低迷や長期金利の低下が背景にある。
 公募による普通社債の発行額が9兆円を超えるのは、金融機関の貸し渋りで発行が急増した1998年度(10兆円超)以来となる。米住宅ローン問題の深刻化で安全資産である国債を買う動きが加速し、社債の利回り基準である長期金利が年度後半に低下。社債による資金調達コストが下がっているのが原因だ。



使用済み携帯どこへ?――ドコモとソフトバンク、回収ボックス設置拡大
 携帯電話の国内契約数が1億件を突破し、毎年大量に発生する使用済み端末の処理が携帯事業者の課題になり始めた。端末販売店の店頭での回収量の減少に歯止めがかからないため。様々な希少金属を含む携帯端末はいわば都市に眠る「資源」だが、価値を知らずに捨てる利用者も多いようだ。NTTドコモとソフトバンクモバイルは回収ルートの拡充に乗り出し、KDDI(au)も新端末の販売時に従来端末を捨てないよう呼び掛けている。
 携帯電話の国内出荷台数は年間5000万台弱。業界では2001年から販売店の店頭での使用済み端末の共同回収を実施しているが、2006年の回収台数は01年実績から半減し662万台。出荷台数の15%程度にとどまっている。



電子部品価格、希少金属相場に連動・TDK、資源高を転嫁
 TDKは自動車や家電のモーターに使うフェライト磁石の価格を、主要材料の希少金属レアメタル)の相場変動に合わせて毎月変更する新しい値決め方式を導入する。様々な希少金属を使う電子部品各社は新興国の需要拡大などを背景にした資源価格の高騰に悩んでいる。TDKの新方式が定着すれば今後、他の電子部品にも同様の手法が広がる可能性がある。
 フェライト磁石で約3割の国内シェアを持つTDKは新方式に基づき4月から同部品を値上げする方向で顧客企業との交渉を始めた。資源価格に連動して製品やサービスの価格を変えるのは航空運賃や電力料金などの例があるが、価格の継続的な下落が前提になってきた電子部品では異例。



スズキ、自動車保守拠点をインドで4割増・先進国並みに
 スズキはインドの自動車保守拠点を2010年度までに現在の4割増の約1700カ所に拡大する。補修部品の補給拠点も主要都市に新設し、地方都市では最長で1週間必要だった配送期間を2日前後に短縮する。日米欧大手などとの競争が激化するなか、同国最大手のスズキはいち早く先進国並みのサービス体制を構築してインドでの販売を10年度までに07年度見込み比4割増の年100万台以上に拡大。5割のシェア維持をめざす。
 スズキは10年度までにインドでの販売事業に1000億円を追加投資し、販売店を10年に1000店に倍増する計画を打ち出している。今回のアフターサービス体制の強化もこうした販売強化の一環となる。修理などを手がける保守サービス拠点は主に大都市に置くが、新車販売が拡大する地方都市や農村部にも展開する。



和製新型検索エンジン、採用相次ぐ・サイジニアが開発
 ネット利用傾向分析技術のサイジニア(東京・品川、吉井伸一郎社長)が開発した「発見型」検索エンジンを採用するウェブサイトが相次いでいる。キーワードなど文字情報ではなく利用者の閲覧履歴を基に、推薦情報を探し出し表示する。日米EC(電子商取引)サイトが「おすすめ」表示に採用し始めた。
 新型エンジン「デクワス」を採用したのは、ライブドアホールディングス子会社で国内オンラインレンタルビデオ最大手のぽすれん(東京・港)、新興企業のマスチューン(東京・文京)が運営する株式投資家の交流サイト(SNS)「みんなの株式」など。米結婚関連ECのオンライン・ブライダル・ストアも採用した。ほかにも国内外で具体的に採用を検討する動きがあるという。



内閣支持率31%に急落・日経世論調査
 日本経済新聞社が21―23日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率は31%と2月の前回調査から9ポイント低下した。不支持率は54%と6ポイント上昇し、内閣発足以来初めて5割を超え、昨年7月の参院選前後の安倍内閣の水準に並んだ。日銀の福井俊彦前総裁の後任人事や、道路特定財源暫定税率問題などを巡る混乱などが要因とみられる。
 日銀総裁の空席について「政府・与党」に責任があるとしたのは41%で「野党」の27%を大きく上回った。参院で政府が提示した財務、大蔵次官経験者を相次いで否決した民主党の対応については「評価しない」が55%。「評価する」は30%にとどまった。



環境対応やFTA、日中韓で推進・韓国大統領会見
 【ソウル=山口真典】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領はこのほど、青瓦台(大統領府)で日本経済新聞をはじめ日韓英中の経済4紙と会見した。日韓経済連携協定(EPA)だけでなく日韓中3カ国の枠組みで自由貿易協定(FTA)や環境問題への対応を進めることを提唱、北東アジアの連携拡大を強調した。天皇陛下の韓国訪問に関しては「そろそろ一度来られてもよいのではないか。その時期が来た」と語った。日銀総裁人事など日本の政局混乱については「政治的に安定することが望ましい」と述べた。
 大統領の個別メディアとの会見は2月25日の就任後初めて。日本経済新聞の小孫茂東京本社編集局長に韓国の毎日経済新聞、英フィナンシャル・タイムズ(FT)、中国の経済日報を加えた4紙と会見した。



ジャスダック株式、独占反対の見解・取締役会決定へ、大証を牽制
 ジャスダック証券取引所は24日、取締役会を開き、ジャスダック株の大半の取得を目指している大阪証券取引所の独占保有に事実上反対する方針を決める。ジャスダック株の72.6%を保有する日本証券業協会大証に少なくとも50%超の株式を売却する方向で調整を進めているが、売却割合の決定に影響を与える可能性がある。
 ジャスダック取締役会は24日、「公共性の高い新興市場の運営が特定の一株主の意向で決まるのは望ましくない」との見解をまとめる。現在は日証協と約130社の証券会社が株主になっており、今後も取引所関係者が幅広く株式を持つべきだと主張する。



データセンター省エネ対策、海外大手団体に加盟・富士通
 富士通は米IBMや米インテルなど海外IT(情報技術)大手約50社が中心になって運営するデータセンターの省エネ対策団体に参画した。日本企業が加わるのは初めて。多数のコンピューターを配置するデータセンターの消費電力測定方法で国際規格を策定したり、機器の省エネ技術の開発に協力する。
 調査会社の米IDCによると、2005年のデータセンターの電力消費量は世界全体で毎時約1200億キロワットと5年間で倍増した。温暖化ガスの排出削減に向けてIT分野の電力消費の抑制が世界的課題となるなか、富士通は海外企業との技術交流の成果を今後の省エネ製品開発に生かす狙いだ。



ペット用チップ、登録増加・07年末11万件、迷子対策で
 飼い犬や猫の肩などの皮下にマイクロチップを埋め込む動きが広がっている。行方が分からなくなり保護・収容された際に飼い主の元に戻りやすくなるためだ。日本獣医師会などが組織する動物ID普及推進会議(AIPO、東京・港)によると、2007年末の登録数は約11万3000で06年度実績の2倍。飼い主責任が明確になるとして官民挙げての取り組みも活発になっている。
 チップは1センチメートル程度の細長い形状。注射器を使って犬や猫の首から肩にかけたやわらかい部位の皮下に注入する。チップを埋めたペットに読み取り装置をかざすと15ケタの個体識別番号が表示され、管理データベースと照合すれば飼い主の連絡先などがわかる。動物病院での獣医による施術が必要で、費用はデータベース登録料など含め7000―8000円(都内)。



日経社説 新興企業育てる投資の場を立て直せ(3/24)
 ベンチャー企業などの新興企業向け株式市場(新興市場)の低迷が長期化している。背景にはグローバル化する経済環境や、世界的な金融市場の混乱の影響もあるが、日本に固有の問題点も少なくない。
 少子高齢化社会を迎え、均衡のとれた成長を目指すには、若い企業を育てるとともに、既存の中小企業を活性化して新陳代謝を促す必要がある。企業と投資家の出会いの場を提供する新興市場の再生は、官民一体で取り組むべき重要課題だ。
不祥事で投資家離れる
 新興市場の株価は、ライブドア事件堀江貴文社長(当時)が逮捕される直前の2006年1月に高値を付け、下げに転じた。直近の株価指数ジャスダック証券取引所が約50%、東京証券取引所マザーズ大阪証券取引所ヘラクレスがともに約80%低い水準にある。売買高も、新規公開企業数も減っている。
 ライブドア事件などで損失を被った投資家の市場離れが続き、株価低迷で企業の公開意欲も弱まった。
 グローバル化する経済環境も新興市場には逆風だ。国際展開する大企業が高度成長期並みに業績を伸ばす一方、サービス系・非製造業中心の新興企業の業績は内需停滞もあって伸び悩んでいる。BRICs(新興諸国)の現地企業は成長率の高さで世界の投資資金を引き付け、日本でも中国株やインド株を組み込んだ投資信託が人気を集めている。国内新興企業は、大企業とBRICs企業の間で埋没し、投資対象としての魅力が薄れているという問題だ。
 日本に限らず、先進国の新興市場は2000年のIT(情報技術)バブル崩壊で低迷期に入り、ドイツやフランスの市場は閉鎖された。米ナスダックの株価も2000年の最高値から60%低い水準にある。
 一方で、日本固有の問題も山積している。ライブドア事件後も不祥事が後を絶たない。株式公開から間もない時点での業績の大幅下方修正、決算発表の延期、業績予想の頻繁な変更――。真夜中にインターネットで重要情報を開示するなど、投資家の不信を招く事例も多発している。
 上場企業の粗製乱造の背景には、上場手数料を得た後は手間を惜しんで企業の面倒を見ない証券会社、上場企業を増やすため審査を甘くする取引所などの利益優先の姿勢がある。個人投資家中心の新興市場では、ネット上で虚偽情報を流す株価操作まがいの行為も横行している。
 昨年の「警察白書」は暴力団の資金源と化す証券市場の問題を取り上げた。上場後に経営が悪化し、悪質な投資グループにつけ込まれ、もてあそばれるケースもある。新興市場に上場する企業が玉石混交なのはある程度やむを得ないが、犯罪の温床になるのは言語道断で、規律確保に官民挙げて取り組む必要がある。
 その上で、市場の質と機能を高めるための行動に取りかかる時だ。
 まず、企業の成長段階に応じて、誕生後間もない企業と、既に一定の事業基盤ができあがった企業で市場を分ける「プロ・アマ」分離だ。リスクが高い前者については、参加する投資家を資金力や目利き力のある機関投資家などのプロに限定し、上場基準や情報開示の要件を緩和する。他方、個人投資家などの一般投資家が参加する後者については、むしろ情報開示中心にルールを厳しくして投資家保護を徹底する。
 東証はロンドン証券取引所と提携し、内外企業を対象に自由度の高いプロ向け市場を開設する計画だ。
ニーズに応える再編を
 自由を売り物に世界の企業と投資家を引き付けている外国の成功例を取り入れる試みは評価できるが、英国は法律より厳しい証券会社や取引所の自主規制で高い規律を維持している点に留意する必要がある。
 次に、札幌、名古屋、福岡の地方取引所を含め、国内六市場が甘さを競うような状態で弊害を生んでいる点を反省し、再編に着手することだ。その際、企業と投資家双方の多様なニーズを満たすことが大事だ。
 日本証券業協会は傘下のジャスダック大証に譲渡する方針だが、注文がある。これを突破口に新興市場全体の再編につなげることと、ジャスダックが採用しているマーケットメーク制を維持することである。証券会社がいったん投資家の取引相手になる売買手法は、コストはかかるものの、知名度が低く売買が活発ではない企業の株に流動性を与える上で有効な仕組みだからだ。
 会社法で認められた多議決権株や無議決権株など種類株の上場ルールを明確にし、発行会社と投資家の選択肢を増やすことも考えるべきだ。伝統的な地場産業や同族企業の中にもオーナー経営を続けながら資金調達を行う需要はあり、議決権より配当を重視する投資家もいる。多様なニーズに応えることは、日本の産業のすそ野を構成する中小企業を活性化する意味で重要な視点だ。