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ドコモ携帯、基本ソフトの設計簡素化へ
 携帯電話最大手のNTTドコモは、2010年までに端末の基本設計を抜本的に変更する方針を明らかにした。
 インターネット接続など高度な機能は基本ソフト(OS)から切り離し、同じOSで、通話などに機能を絞った「低機能・低価格」の海外向け端末と、「高機能・高価格」の国内向け端末の両方を開発・量産できるようにする。
 国内の携帯電話市場が飽和状態に近づき、国内端末メーカーの事業撤退・売却が相次いでいるため、ドコモは端末の設計変更でメーカーの海外進出を支援し、自社の海外戦略にも役立てる。
 ドコモは、設計変更で独自のネット接続サービス「iモード」や携帯に「お財布」の機能を持たせる非接触ICカード技術「フェリカ」などの機能をOSから分離し、OSを簡素化する。新しいOSは、ネット検索世界最大手のグーグルと共同開発した「アンドロイド」を採用する方向だ。
 ドコモは、これまでiモードなど高機能を組み込んだOSの携帯電話で、日本に独自の市場を形成し、他社も追随してきた。
 しかし、この方式は、機能が比較的単純で価格の安い端末が好まれる海外向けでは、OSを含め別途開発しなければならず、国内端末メーカーの海外進出の大きな障害になっている。国内の携帯電話市場の成長が見込めなくなると、事業撤退する端末メーカーが相次いだのはこのためだ。
 新OSの採用で、ドコモ向け端末を開発・生産している国内メーカーは海外向け端末の開発・量産が容易になる。高機能端末の需要が多い国内向けは、OSとは別にiモードなどの機能を追加して対応するほか、低価格端末を国内に投入する可能性もある。
 また、ドコモは、アジア地域の携帯電話会社への出資などを検討しており、低価格端末を地元市場に投入することも可能になる。



ドコモ携帯設計変更、背景に「ガラパゴス現象
 NTTドコモが携帯電話端末の基本設計を抜本的に変更するのは、三菱電機三洋電機など国内の端末メーカーの事業撤退・再編が相次いだことに危機感を強めたからだ。
 国内の携帯電話業界は、端末開発の主導権を携帯電話会社が握り、ドコモの「iモード」などに合わせて端末メーカーが高機能・高価格端末を開発し、市場の急拡大にもつながった。
 ただ、海外では「第2世代携帯」の通信方式が日本と異なり、低機能・低価格端末に人気があったため、通信会社も端末メーカーも海外進出に出遅れた。
  その結果、日本の携帯電話市場は、国内向けの端末だけ作る複数メーカーがひしめき、特殊な生態系が残る太平洋の島々になぞらえて「ガラパゴス現象」と指摘される状態になった。国内市場を外資から守る上でも、この路線はドコモの利害と合致してきた。



サッカーくじ売上、6年ぶりに600億突破
 サッカーくじを運営する日本スポーツ振興センターは23日、2007年度の売上額が同日で607億1967万6100円となり、くじが導入された01年度以来6年ぶりに600億円を突破したと発表した。
 同センターは「ビッグ」の好調な売り上げに加え、非予想系くじの「ミニビッグ」や「ビッグ1000」が好評なことなどを要因に挙げている。



租特法失効、土地売買など「増税」・ガソリン以外も影響
 ガソリン税率上乗せの延長などを盛り込んだ租税特別措置法改正案の年度内成立が厳しさを増してきた。ガソリンや自動車購入時の税率に注目が集まるが、もし改正案が通らなければ、たばこを海外から持ち込んだり、不動産を購入したりする際にかかる税率も4月から上がる。
 現在は海外旅行などで買った紙巻きたばこやウイスキーなどを日本に持ち込む場合、消費税はかからない。だがこれはあくまでも特例措置。仮に改正案が通らなければ消費税5%(たばこは200本超、ウイスキー4本以上の場合)がかかる。たばこの場合は現在1本当たり7円のたばこ税も1円弱上がる。ただし酒税は1リットル当たり100円下がる。



トヨタ、「国内3極体制」鮮明に・宮城に新工場
 トヨタ自動車宮城県に乗用車向けエンジンの新工場を建設する。東北を中部、北部九州に次ぐ生産拠点に育成しようという戦略が鮮明になってきた。輸出向けを中心に高水準の国内生産が続くなか、人材確保やリスク分散の観点から「国内3極体制」を整備する狙いだ。加えて世界的な需要動向の変化に柔軟に対応するには、従業員の熟練度が高い国内拠点の充実が不可欠との判断がある。
 トヨタは愛知県を中心とする中部に生産拠点を集中させてきたが、1990年代から北部九州での体制整備を進めてきた。福岡県では年内に子会社の車両生産能力を7%引き上げて年間46万台とするほか、今春にはエンジンの新ラインを稼働させて年産能力を44万基へと倍増する。



「第三者割当」透明化へ・東証、株主保護へ情報開示強化
 東京証券取引所は株式や新株予約権の不適切な第三者割当を防ぐ新たなルール作りに乗り出す。特定の企業やファンドを引受先とした大規模な第三者割当増資が横行すると、1株当たり利益の目減りにより、既存の株主が不利益を受けるためだ。引受先についての情報開示の強化などルールの詳細を年内にまとめ、来春にも適用する。
 東証は25日に発表する2008年度から3年間の中期経営計画で、市場の質の改善や信頼性向上を重要課題に位置づける。新興市場マザーズなどで株主軽視の資金調達が増えていることが、投資家離れに結びついていると見ているからだ。株主保護の姿勢を鮮明にすることで投資資金を呼び込み、低迷する株式市場の反転につなげたい考えだ。新ルールは有識者の意見を踏まえた上で年内に結論を出す。



D&M買収に名乗り 音響世界最大手、「デノン」など狙う
 高級スピーカー「JBL」ブランドで知られる世界最大手の音響機器専業メーカー、米ハーマンインターナショナルが、東証1部上場の音響メーカー、ディーアンドエムホールディングス(D&M)の買収に名乗りを上げたことが22日、明らかになった。
 「デノン」や「マランツ」など高級機器ブランドを手掛けるD&Mを傘下に収め、主力の欧米に加え、日本や中国などアジア市場でのシェア拡大が狙いとみられる。ハーマンの全世界での売上高は約35億ドル(3500億円)で、D&Mを買収すると高級オーディオ機器の分野で圧倒的なシェアとなる。
 D&M株の49%を保有する米買収ファンドのRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)が同日、売却先を決める入札を開始し、ハーマンなど十数社が応札。全株を取得すれば買収総額は700億円程度の見通し。
 入札には、ほかに米ベインキャピタルや英CVCなどの外資ファンド勢も参加。RHJは買収後の事業計画も考慮しながら、今春中にも売却先を決める。D&M株を12%持つオランダ家電大手フィリップスも保有株を売却する方針。
 D&Mは2002年、旧リップルが買収した旧日本コロムビアから分離したデノンと、フィリップス傘下の日本マランツ経営統合して発足。欧米の音響メーカーを相次ぎ買収する積極的な合併・買収(M&A)戦略で業容を拡大した。D&Mの08年3月期連結業績は売上高1085億円、営業利益64億円と過去最高を更新する見込み。



プーチン批判の富豪が失踪、自宅に血痕 情報機関関与か
 ロシアのプーチン大統領を強く批判していた同国出身の富豪が失踪(しっそう)、ラトビアの自宅で血痕が見つかり、警察当局が殺人事件に巻き込まれた可能性が高いとして捜査に乗り出したと23日付英紙メール・オン・サンデーが報じた。失踪したのはサンクトペテルブルク生まれでロンドンでビジネス紙を発行、米国でも映画会社を経営しているレオニード・ロジェツキン氏(41)。ラトビアの警察当局は、ロシアの情報機関の関与が疑われるとみて、元情報機関員リトビネンコ氏毒殺事件で旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員を容疑者と断定した英警察に協力を要請した。16日早朝に姿が見えなくなり自宅のほか車から血痕が発見された。
 同氏はロシアの携帯電話会社などへの投資で財をなしたが、株式取引をめぐりロシア当局との間でトラブルになったこともあったという。



プロ野球 テンポの良い試合が見たい(3月23日付・読売社説)
 野球シーズンが到来した。プロ野球は、パ・リーグに続き、セ・リーグも28日に開幕する。選抜高校野球も熱戦がスタートした。
 プロ野球では、両リーグの上位3チームが、日本シリーズ出場をかけて戦う「クライマックスシリーズ」の仕組みが変わる。リーグ優勝したチームには、1勝のアドバンテージが与えられる。
 リーグを制すれば、日本シリーズ出場に大きく近付く。144試合のレギュラーシーズンの重要度が、さらに増すことになる。
 試合のスピードアップが、今シーズンの課題だ。試合時間の短縮は長年、指摘されながら、実現できずにいる。過去10年間の平均試合時間は3時間18分だという。
 これでは長すぎる。ナイターを観戦すると、家に着くのは深夜になってしまう。翌日の学校や仕事に差し障るため、球場に行くのを敬遠するファンもいるだろう。
 日本プロ野球組織は、平均試合時間を3時間6分にまで短縮する目標を打ち出した。12球団は、攻守交代は2分15秒以内、投球間隔は15秒以内――などを申し合わせた。ぜひとも実行してほしい。
 テンポ良く試合が進めば、観客も飽きずにのめり込める。スピードアップは、大切なファンサービスである。
 ペナントレースの真っただ中の8月に北京五輪がある。各チームとも主力選手を送り出す。
 日本の野球が世界最高レベルにあることは、一昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝で証明済みだ。野球は2012年のロンドン五輪では競技から外れる。北京でぜひとも金メダルを、という期待は高い。
 主力が抜ける五輪期間中は、若手にとってチャンスともいえる。次代を担う巨人の坂本勇人選手、日ハムの中田翔選手らがペナントレースを盛り上げてほしい。
 米・大リーグの日本人選手は、マイナー契約を含め、約20人に上る。松坂大輔岡島秀樹両投手が所属するレッドソックスの開幕戦は25、26日に東京ドームで行われる。身近になった大リーグで、日本人選手が活躍すれば、野球ファンのすそ野が広がるだろう。
 読売新聞の世論調査で、「見るのが好きなスポーツ」の1位は、14年連続でプロ野球だ。依然として、幅広い年齢層のファンをつかんでいる。
 今年のプロ野球のスローガンは「野球力」だ。やっぱり野球は面白い――。そう思えるようなプレーを期待したい。