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キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用
 キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用。正社員への登用も進める。コマツも2009年3月末までに工場の派遣社員全員を期間社員に切り替える。待遇改善で優秀な人材を確保し、生産技術や品質など国際競争力の向上に役立てる。サービス・流通で進む非正社員正規雇用の動きが、製造業に本格的に広がり始めた。
 キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。



上場企業、株式持ち合いで含み損・シャープ110億円
 「株式持ち合い」など上場企業の株式保有で多額の含み損が生じ始めた。シャープが持つパイオニア株は110億円程度の含み損となり、住友商事が今年2月に追加取得した住友金属工業株も大幅に値下がりしている。3月末の株価次第では損失処理を迫られる企業も出てきそうだ。株価が高いうちは目立たなかった株式持ち合いへの批判が今後、株主から強まる可能性がある。
 シャープとパイオニアは2007年9月に提携を発表。シャープは415億円でパイオニア株の約14%を取得したが、株価は2割以上下がり、含み損が発生。一方、パイオニアが取得したシャープ株も20億円強の含み損を抱えている。



ダイムラー、アストンと提携交渉・独誌報道
 【フランクフルト=後藤未知夫】17日発売の独週刊誌シュピーゲルの最新号は、自動車大手の独ダイムラーが英高級車メーカーのアストン・マーチンと提携交渉に入ったと伝えた。ダイムラーは伝統的なスポーツ車メーカーでもある同社にエンジンなどを供給する。ランボルギーニなどスポーツ車ブランドが豊富なポルシェとフォルクスワーゲン(VW)の連合に対抗する狙いがある。
 同誌によると、ダイムラーはアストン・マーチンに対し、エンジンやプラットホーム(車台)の供給を検討。傘下の高級車メルセデス・ベンツのトップを兼務するツェッチェ社長が、アストン・マーチンの経営陣と交渉を始めた。長期的にはダイムラーが資本参加する可能性もあるという。
 アストン・マーチンは映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドの愛車として知られる高級車。昨年3月に米フォード・モーターが英投資家などに売却した。



消費者行政を一元的に、国民生活センターの機能強化・政府方針
 政府は独立行政法人国民生活センター(東京・港)の役割を巡り、消費者行政を一元的に担う「ワンストップサービス」の機能を強化していく方針を固めた。東京の本部と全国に約550カ所ある消費生活センターを結んで消費者の情報を収集・分析。商品や契約に関する相談や事故情報の受け付けや分析、消費者と事業者間のトラブルの解決までを手掛ける。
 内閣府の国民生活審議会(首相の諮問機関)が今月末にまとめる国民生活センターのあり方についての報告書に盛り込む。悪質な事業者や製品名を積極的に公表し、市場の監視機能も強化。さらに消費者行政の将来の政策立案にも反映させる。



コムスン解体から3カ月、継承会社の人手不足深刻
 グッドウィル・グループ傘下の介護大手コムスン(東京・港)が不正を機に、昨年12月1日までに介護事業から撤退して3カ月余り。全国で事業を引き継いだ15法人の多くは職員が2―3割も減り、人材不足から一部では同社が売り物にしていた深夜の訪問介護ができなくなった。引き継ぎの混乱で老人ホームの開業が遅れる例も出ている。コムスン解体に揺れたグッドウィルは米社の傘下で再出発するが、介護業界では余波が続いている。
 都道府県別に分割されたコムスンの在宅介護事業(訪問介護など)のうち、最多の14県を引き受けた同業大手のセントケア・ホールディング。従業員は2007年6月時点で合計約3200人いたが、すでに12月末時点で2割近く減った。



「金融収縮は未知の水域」・ルービン、サマーズ元米財務長官
 米クリントン政権時代に財務長官を務めたシティグループロバート・ルービン経営執行委員長とハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は14日、ワシントン市内で講演し「金融収縮は未知の水域に入った」と危機感を表明し、政府支援の拡大を訴えた。両氏とも公的資金活用の必要性を示唆しており、両氏の提言が民主党や同党大統領候補の政策に取り入れられる可能性がある。
 ルービン氏は「あくまでも個人の見解」と断ったうえで「低所得者層が家を失わないためにも(住宅ローン分野に)公的資金を使うべきか検討する段階に入った」と言明した。
 サマーズ氏は「米国が景気後退局面に入ったのは明らか」としたうえで、「(金融機関などの)市場仲介者が望もうと望まなくても、私的、公的な方法を問わず、自己資本を緊急に増強する必要が出てきた」と発言。金融機関を支援するべく政府の資金を利用する案を示唆した。



米ベアー、身売り観測が急浮上・格下げで資金調達困難に
 【ニューヨーク=財満大介】ニューヨーク連邦準備銀行と米大手銀JPモルガン・チェースが14日、米証券大手ベアー・スターンズに対し緊急の融資枠を設定したと発表したのを受け、米金融市場では同社の身売り観測が急浮上した。破綻の危機はひとまず脱したが、相次ぐ格下げで資金調達が厳しさを増し、単独での生き残りが困難との見方が強まったためだ。
 米金融当局は金融システムの維持に向けた強い意志を示したが、金融機関の信用リスクを示す指標は急速に悪化。市場関係者からは「信用不安の解消にはほど遠い」との声が漏れる。



排出量取引、日本の導入不可避・ブレア前英首相
 来日中のトニー・ブレア前英首相は15日、東京都内で日本経済新聞と会見し、温暖化ガスの排出量取引制度について「世界で生まれる様々な制度を統合する時が来ている」と述べ、日本も導入が避けられないとの見方を示した。
 ブレア氏は米ブッシュ政権が温暖化対策に力を入れ始めた点を評価。「今後2年以内に米国全体で排出量取引が導入されるだろう」と強調。日本の産業界については「対中競争力の低下を懸念しているようだ」と指摘する一方、排出量の上限設定と排出量取引に「前向きに踏み出しつつある」との見方を示した。



南ア、温暖化ガス削減目標で日米をけん制
 甘利明経済産業相は15日午後、南アフリカのファンスカルクビック環境・観光相と会談した。ファンスカルクビック環境相は「主要排出国という新しい範ちゅうをつくることには反対だ」と述べ、南アや中国、インドなど新興国にも温暖化ガスの削減目標を課すべきだとする日米の主張をけん制した。
 甘利経産相は「各国が共通の枠組みに入り、国情に応じて削減を進めることが重要だ」と述べた。



日経社説 天安門事件を連想させるチベット情勢(3/16)
 中国チベット自治区の中心都市ラサで14日、大規模な騒乱が起き、新華社によれば10人が死亡した。中国当局チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を名指しで非難しているが、力で抑え込もうとすれば悲劇の連鎖が続きかねない。胡錦濤政権の自制を求める。
 中国の支配に抗議するチベット仏教の僧侶らのデモは10日に始まった。ダライ・ラマのインド亡命につながった1959年の「チベット動乱」から49周年にあたる日だ。
 14日に抗議行動はエスカレートし、ラサ中心部のチベット仏教の聖地、ジョカン寺(大昭寺)周辺の繁華街で火災が発生した。警察車両への焼き打ちも起きた。新華社は、公安当局が催涙弾や威嚇射撃で対応したと伝え、10人の死者は「善良な市民で、焼死した」としている。
 新華社によれば騒乱は15日には終息した。ただ、当局はジョカン寺などの周辺をなお封鎖しているとの情報もある。外国メディアの現地入りを原則禁止するなど当局が厳しい情報統制を敷いているため、実情はよくわからない。
 ラサでの大規模な騒乱は、戒厳令の実施にまで発展した1989年の「動乱」以来、ほぼ19年ぶりだ。5カ月後の北京五輪をにらみ、国際社会にチベット問題をアピールする思惑があったとみられる。
 北京では5日から全国人民代表大会全人代、国会に相当)が開かれている。今年の全人代胡錦濤国家主席共産党総書記)の後継者候補である習近平氏を国家副主席に起用する節目の大会で、胡政権の揺さぶりをねらった可能性も大きい。
 実は89年の「動乱」では、当時チベット自治区のトップだった胡錦濤氏が自ら制圧を指揮した経緯がある。再び流血を防げなかったのは、胡政権にとって打撃だ。
 地元の当局者はダライ・ラマが関与した組織的、計画的な暴動だと一方的に非難した。半面、ダライ・ラマは声明を発表して「深い懸念」を示すと同時に、当局と市民の双方に自制を求めている。
 89年にラサで戒厳令が施行されたあと、北京では学生たちの民主化運動を武力で制圧する天安門事件が起きた。日米欧は対中制裁に踏み切り、中国は国際的に孤立した。
 北京五輪をひかえて中国の人権状況への国際的な関心が改めて高まっている。中国はいまや世界経済のけん引役で、国際的に孤立するようだと影響は大きい。人権への配慮を欠いた中国当局の高圧的な対応を憂慮する。