(゜Д゜)春よ来い新聞

総務省の「活性化プラン」で端末リストラが始まった(Column)
 三菱電機撤退に続き、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズがNTTドコモ向けの商品ラインアップを見直していくことが明らかになった。
 ソニー・エリクソンといえば、世界的にはシェア第4位であり、「ウォークマン」「BRAVIA」「サイバーショット」などの家電ブランドケータイを投入してきたメーカーでもある。果たして、ソニー・エリクソンに何があったというのか。
■「個性派」の陰で量販モデルに苦戦
 国内市場において、ソニー・エリクソンといえば、個性的な端末を投入してきたというイメージが強い。
 最近では、NTTドコモ向けにSO905iCSという「サイバーショットケータイ」、SO903iTVとして「BRAVIAケータイ」、au向けには「ウォークマンケータイ」であるW52Sを手がけている。
 過去にあった「premini」という超小型端末も記憶に新しいところだろう。
 日本国内でのソニー・エリクソンは、ワンセグ、音楽、カメラといった「AVマルチメディアモデル」で存在感を高めるとともに、スタンダードモデルをもうひとつの柱に成長させていくことが、経営の課題であった。
 NTTドコモ向け70xシリーズでは、アロマの香りが楽しめるSO703i、背面イルミネーションに注力したSO704i、SO705iを投入している。au向けでもW53Sは着せ替えパネルを前面に訴求したモデルとなっていた。
 AVマルチメディアモデルは個性が強く、メディア露出や店頭でのインパクトは強いが、必ずしも大量に売れるというわけではない。そこで、スタンダードモデルできっちりと販売数を稼ぐという、二本柱戦略があった。
 昨年末に発売されたSO905iは機能を盛り込み、スタンダードモデルとしてきっちりと売るためのスペックに仕上げていたはずだった。しかし、万人受けを狙ったためか個性に乏しく、三菱電機D905iとともに、905iシリーズの売り上げランキングでは低空飛行を続けてしまっていた。
■ドコモの割賦販売制度が追い討ち?
 折しも、905iシリーズでは割賦販売制度の「バリューコース」での売り方が基本となってしまっていた。これまでの販売奨励金を主体とした売り方であれば、多少売れなくても、奨励金を積むことによって、販売価格を一気に下げて在庫を処分することができた。しかし、割賦販売制度によって、人気機種でも頭金が0円となってしまうと、不人気機種はなお売れなくなっていく。
 三菱電機の撤退、ソニー・エリクソンのNTTドコモ向けの商品ラインアップ見直しは、まさに割賦販売制度の影響が少なからずあるだろう。
 NTTドコモ関係者も「バリューコースの導入が三菱電機撤退の後押しをしたとすると、本当に心苦しい」と本音を漏らしている。
総務省が主導した販売奨励金の見直し
 販売奨励金の見直しを進めたのは、総務省が昨年開催した「モバイルビジネス研究会」だった。議論を終えたあと、昨年9月に「モバイルビジネス活性化プラン」として方針案がまとめられ、販売奨励金の見直しや2010年までのSIMロックフリー化の検討、MVNO(仮想移動体通信事業者)市場の促進などが盛り込まれた。
 先週3月6日には、活性化プランがきちんと浸透しているかを話し合う「モバイルビジネス活性化プラン評価会議」が総務省で開催された。
 販売奨励金が見直され、新しい販売モデルが登場してきているが、現状、総務省ではどれだけ通信料金が安くなったかの検証結果は持ち合わせていないという。「多種多様な割引があり、無料通話分もあるので、検証しにくい状況だ」と総務省は語る。
 NTTドコモでは、バリューコースで購入すれば月額1680円が値引かれるという施策を行っているので、結果、ユーザーとしては毎月の支払いは安くなっているはずだ。
 しかし、表向きは安くなって歓迎すべきことではあるが、905iシリーズの端末価格は5万円を超えている。ユーザーはその価格を一括で支払うか、12回もしくは24回の割賦で購入せざるを得なくなっている。24回払いで買えば、2年間も契約が拘束され、キャリアを乗り換える自由度が失われる。
■消費者の「機能重視」を加速
 昨年のモバイルビジネス研究会での議論では「キャリア主導で端末を開発しているから、高機能モデルばかりになる。もっと機能はなくていいから、安い端末を出してほしい。販売奨励金を見直して、メーカーの競争力を高め、ミドルクラスの端末を増やすべきだ」という意見があった。
 しかし、ふたを開けてみれば、2年拘束が前提であるためユーザーはハイエンドモデルを選ぶ傾向が今まで以上に強くなった。905iシリーズの売れ行きに比べ705iシリーズがさっぱりなのは、こうしたユーザーの心理が影響しているように見える。
 モバイルビジネス活性化プラン評価会議のなかで、このような現状を把握している構成員はごく少数でしかない。現状を理解できないまま、表向きの消費者保護ばかりが優先され、本当のユーザーの利益につながる議論は行われずに評価会議が進行していこうとしている。
 そうしたなかで、三菱電機が撤退を決めてしまった。撤退報道があったのは3月3日。評価会議が開催されたのが6日。しかし、評価会議では三菱電機の撤退の話が出ることなく、議論が進行されていった。なぜ、老舗メーカーである三菱電機が撤退せざるを得なかったのか、そこには販売モデルの見直しが影響しているのではないか、という議論をしてこそ、本当の「評価会議」ではないのか。
■「活性化」に必要な議論は
 次回の評価会議は6月を予定しているという。しかし、猛スピードで変化しているケータイ業界を変えようとするのに、3カ月に一度という開催ペースでは完全に置いてきぼりにされるのではないだろうか。
 その間にもメーカーの撤退が続き、ユーザーの端末選択の楽しみが奪われていくことも考えられる。
 このままでは「モバイルビジネス活性化プラン」は「モバイルビジネス死滅化プラン」になりかねない。いまのケータイ業界をしっかりと理解したうえで、ユーザー、メーカー、キャリア、そして業界に参入している企業、すべてが恩恵を受けられる議論の展開を切に願っている。



3月の月例報告、景気判断を下方修正へ
 内閣府は3月の月例経済報告で、景気の基調判断を2カ月連続で下方修正することで関係省庁と調整に入った。原油をはじめとする原材料価格の上昇で企業収益が弱含んでいるほか、生産にも陰りがみられると判断した。米経済の後退観測や金融市場の混乱で景気を取り巻く環境は厳しく、内閣府は一段と警戒感を強める。
 3月の基調判断は景気が「回復」しているとのの表現は維持する。ただ、回復の勢いが鈍く、少なくとも一時的な停滞を示す「踊り場」のような局面にあることを示唆する方向だ。1年3カ月ぶりの下方修正だった2月の判断は「このところ回復が緩やか」だった。



光接続料、NTTに下げ求める・総務省審議会案
 NTTの光ファイバー通信回線を他社に貸し出す場合の接続料金について、総務省の審議会がまとめた最終答申案が15日、明らかになった。NTT東西に1月の申請からさらに接続料の引き下げを求めることが柱で、競争や参入を促す。100―120円の値下げになる見込み。KDDIソフトバンクなどが求めた光回線を小分けした形での料金設定は見送る。
 他の通信事業者はNTTから光回線を借り、接続料を支払う。接続料は光ファイバー一芯(8回線分)が最小単位。他社は1回線ごとの貸し出しを認め接続料に反映させるよう要求したが、答申案は「現時点では義務付けが必要不可欠とまでは言えない」などと明記。訴えを退けた。



地銀や信託、初任給上げ相次ぐ・人材確保狙う
 地方銀行や信託銀行で初任給を上げる動きが広がっている。有力地銀の千葉、東邦、京都などの各行は4月から初任給を引き上げる。信託では中央三井信託銀行住友信託銀行が上げる。大量採用で人材獲得の攻勢を強めるメガバンクや地域の有力企業に対抗する。
 初任給を上げる地銀は関東ではこのほか千葉興業、京葉、群馬銀行など。関西では滋賀やびわこ、池田の各行が上げる。



大丸、来店客の携帯に販促メール・顧客属性に合わせ18種類
 J.フロントリテイリング傘下の大丸は19日から、来店客の携帯電話にクーポンや催事など販促情報をメール送信するサービスを始める。年齢層や性別、購買履歴をもとに顧客属性を18種類に分類して情報を送り分ける。店内の客にタイムリーに情報を伝え、来店を購買や複数品目の買い回りにつなげる狙い。
 新サービスは食品専門店を含む全国の直営12店で始める。対象は携帯メールのアドレスを登録したカード会員。大丸は来店した顧客が店内の登録機にカードをかざすと、買い物をしなくてもポイントを発行している。新サービスではこの登録機を活用。来店客がポイントを登録すると顧客属性に合わせたメールを自動送信する仕組み。
 顧客属性を限定してのサンプル配布や、食品の売れ行きが悪い日に急きょ実施する割引の告知などにも活用できる。新サービスによりメールアドレスの登録数が増えれば店頭での販促にとどまらず、ダイレクトメールなどに比べ低コストできめ細かい情報発信もできると大丸では見ている。



米大手証券リーマン、40行から20億ドル無担保融資枠
 【ニューヨーク=財満大介】米大手証券リーマン・ブラザーズは14日、大手銀JPモルガン・チェースなど40行から、合計20億ドル(約2000億円)の無担保融資枠を確保したと発表した。3年間にわたり、枠を上限としてローンを借り換えることができる。
 既存の融資契約が3年の期限切れを迎えるのに合わせ、契約更新した。同社は「今回の契約は市場や主要銀行との信頼関係を示すものだ」とコメントした。



米大統領「異例の行動必要」・ベアー支援評価、強いドル支持
 【ワシントン=藤井一明】ブッシュ米大統領は14日、米CNBCテレビのインタビューに応じ、ニューヨーク連邦準備銀行による証券大手ベアー・スターンズへの緊急支援を踏まえ「(金融システムは)異例の行動を必要としている」と表明した。ドル安が進む為替相場については「我々の政策は変わらない。強いドルを支持している」と語った。
 大統領は経済の現状が「困難な局面」にあり、金融システムも非常時に直面しているとの判断を示した。ベアー・スターンズへの金融当局などの対応については「迅速な行動だった」と改めて評価した。同時に「バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長を全面的に信頼している」とし、今後も財務省FRBが市場安定化に取り組む方針を示した。



「地中海連合」構想を承認・EU首脳会議
 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)は14日に首脳会議を開き、サルコジ仏大統領が提唱する「地中海連合」の設立構想を基本的に認めた。地中海を挟んでEUに隣接する北アフリカや中東諸国と、温暖化対策や移民問題などで協力を強化する枠組み。ドイツなど欧州北部の加盟国の反対で、仏主導で新連合を立ち上げる構想は大幅に後退。EUの枠組みで欧州委員会が関係国との調整を進め、7月中旬に設立会合を開く。



チベット暴動「死者10人」、中国当局ダライ・ラマ非難
 【北京=尾崎実】国営の新華社は15日、中国チベット自治区ラサで14日に起きたチベット仏教僧らによる大規模暴動で、市民ら10人が死亡したと報じた。警官隊らは暴徒化したデモ隊に威嚇発砲したほか、催涙弾を使用。一般市民580人以上を安全な場所に避難させた。このうち3人は日本人旅行者だった。チベット自治区当局者は「暴動はダライ(・ラマ14世)の一派が組織、計画した十分な証拠がある」と述べた。
 一連の暴動で死者が確認されたのは初めて。新華社によるとけが人を含め外国人の被害は出ていない。中国政府はダライ・ラマ14世に対する敵対姿勢を改めて鮮明にした形だが、チベット仏教の最高指導者の関与を明言したことで、現地の僧侶や民衆らが反発を一層強める恐れもある。
 新華社によると、チベット自治区当局者は、死者10人について「善良な市民で、いずれも焼死した」と説明。ホテル従業員2人と商店主2人が含まれていた。当局者は「ごく少数のものが殴打、略奪などに及び、人民の生命と財産の安全を危険にさらした」と指摘。