┐(゜Д゜)┌新聞

スク・エニセガなどゲーム大手、新作もネット配信
 スクウェア・エニックスセガなどゲーム大手が新作ゲームのインターネット配信に乗り出す。任天堂が今月末に家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」での配信を始めることで大手ゲーム機3社のサービスが出そろううえ、家庭でのブロードバンド(高速大容量)回線の普及で配信環境が整ったと判断。過去作品や体験版にとどまっていた配信作品を一気に拡大する。店頭販売を補完する手法としてゲーム業界全体でネット対応が加速する。
 スク・エニは25日に主力作品「ファイナルファンタジー」シリーズの外伝ソフトを1500円で発売する。任天堂もネット配信サービス「Wiiウェア」の開始に合わせてパズルゲームや子会社のポケモンを通じて「みんなのポケモン牧場」(1000円)で配信する。



グッドウィル、米系2社主導で再建・みずほ銀、債権売却
 人材派遣大手グッドウィル・グループの主取引銀行であるみずほ銀行は10日、同社向けの貸出債権1000億円程度を米大手ファンド、サーベラスと米証券大手モルガン・スタンレーの2社連合に売却する方針を固めた。2社は買い取った貸出債権の一部を株式に転換、筆頭株主としてグッドウィル再建を主導する。筆頭株主折口雅博会長は退任、新社長には社外取締役堀井慎一氏が就く。
 グッドウィル・グループ訪問介護分野などでの相次ぐ行政処分で業績が悪化、2007年6月期に最終赤字に転落した。昨年秋に介護事業を売却し、現在は人材サービスに特化している。米社連合の主導による再建の方向が固まったことで、今後は提携先探しなどが課題となる。



NY原油大幅反発、一時108ドル台で最高値更新
【NQNニューヨーク=千田浩之】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に反発、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の4月物は前週末比2.75ドル高の1バレル107.90ドルで取引を終えた。一時は108.21ドルと、連日で過去最高値を更新した。株価やドルの下落基調を手掛かりに、買いが優勢となった。
 朝方は売りが先行したが、米株価が下げ幅を広げたことを受け、相対的に投資妙味のある原油先物に買いが入った。外国為替市場でドル相場が下落基調にあることも、ドル建ての原油価格に割安感があるとして支援材料となった。



ベスト電器さくらやを完全子会社化
 家電量販店7位のベスト電器は10日、40%を出資する連結子会社さくらや(東京)を完全子会社化したと発表した。両社間で商品政策や管理部門を統合し、業績が低迷するさくらやの本格再建に乗り出す。ベストは業界最大手のヤマダ電機や2位のエディオンが求める提携には応じない方針。今後、提携圧力を高めないためにはさくらやの再建によるグループの収益力向上が急務と判断した。
 ベスト電器は同日付で企業再生ファンド、フェニックス・キャピタルから残りのさくらや株60%(約1700万株)を取得した。取得額は公表していない。ベスト電器さくらやは今後、人事や経理など管理部門も順次一本化する。すでに一本化作業に着手したPOS(販売時点情報管理)システムに続き、会計処理システムも6月をめどに統合する。
 さくらやに関しては今後、店舗の統廃合や昨年秋に資本・業務提携したビックカメラのノウハウの活用を検討する。



経団連会長、円高の影響「105円前後なら半年で対応」
 日本経団連御手洗冨士夫会長は10日の記者会見で、円高が企業業績に与える影響に関して「輸入企業にとっては歓迎すべきこと。原油や資源、食料品の価格が上がっており、緩衝材になるメリットはある」と指摘した。輸出企業には円高が「一時的にショックになる」としたものの、「1ドル=105円前後であればどの企業も半年くらいで対応できる」と述べた。
 下落が続く株式相場には「日本の今の状況は(現状の株価ほど)悪化していないと思っている」との見方。ただ「ドル安のため相対的に円高になっている」と述べ、「輸出企業が直撃されることは容易に考えられる。株式市場は先行市場だからそういうことを考えた上で売りに転じている」と話した。
 政府が固めた日銀の正副総裁候補については「非常にベストな候補者」と評価した。財務省OBの武藤敏郎副総裁の総裁就任に民主党が反発している点には「大蔵省(現財務省)出身の名総裁はたくさんいる。世界にもそういう例はいっぱいある」と話し、総裁ポストの空白を避けるため議論の早期収束を与野党に求めた。



中国、輸出の伸びが急減速・サブプライム響く
 【北京=高橋哲史】中国税関総署は10日、2月の輸出額が1969億ドル(約20兆円)となり、前年同月に比べ6.5%の増加にとどまったと発表した。1月まで10カ月連続で20%を上回るペースで増えていたのと比べ、急減速となった。地域別では対米輸出の鈍化が際立っており、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響が中国の輸出にも表れてきた格好だ。
 2月の貿易黒字額は前年同月比63.9%減の85億ドル。輸出の伸びが鈍化する一方、原油価格の上昇などで輸入額が同35.1%増の1689億ドルと大幅に増え、貿易黒字の縮小につながった。
 中国では毎年1―2月に旧正月の大型連休があるため、この時期の輸出額は単月でみると異常値が出やすい。ただ、今年は1―2月でならしてみても輸出額は前年同期比16.8%増にとどまっており、輸出の減速傾向がはっきりしてきた。



インド、5年連続1位に・ODA供与
 外務省は10日、インドに総額1855億7500万円を限度とする円借款を供与すると発表した。内訳は首都デリーの地下鉄建設計画に721億円、南部ハイデラバードの外環道路の建設に418億円など。インドへの円借款は2007年度全体で2251億3000万円となり、日本の政府開発援助(ODA)の相手国としては、インドは5年連続でトップとなる見通し。



韓国、素材・部品の対日依存度を20%に削減・行動計画策定
 【ソウル=島谷英明】韓国政府は10日、対日赤字の縮小策を柱とする経済分野の行動計画を策定した。国内で取り扱う素材や部品の対日依存度を20%に引き下げる。6月末までに包括的な対策をまとめる。李明博(イ・ミョンバク)大統領は慢性的な対日赤字について「訪日を契機に対策を準備しなければならない」と指摘、新政権の重要課題に浮上している。
 韓国の2007年の対日貿易赤字は298億8000万ドル(約3兆円)と過去最大。行動計画では06年に25.6%だった素材や部品の対日依存度を、12年までに20%に抑える方針を明記。輸入依存度が高い半導体製造設備などの基礎技術を開発し、各種製品の国産化を図る。
 行動計画ではマクロ分野の経済目標も設定。08年の成長率を6%前後に高めるとともに、就業者を35万人程度増加させ、消費者物価上昇率を3.3%前後に抑える目標を掲げた。



国民年金加入者、4人に1人が非正社員社保庁調査
 社会保険庁は10日、2005年に実施した国民年金の加入者調査の確報をまとめた。臨時雇用やパート労働などの非正社員は24.9%と全体の4分の1を占め、無職の人の31.2%を加えると、半数以上は雇用や収入の不安定な人が占めていた。
 非正社員の加入者は前回調査(02年)に比べて3.9ポイント上昇した。自営業者は0.1ポイント低下した。
 雇用や収入が不安定な層ほど、免除や滞納などで保険料を納めていない人の割合が高い。非正社員のうち、保険料を納めていなかったのは52.5%。無職では47.5%を占めていた。一方、自営業者で保険料を納めていない人は28.5%と3割を切っていた。



モノライン最大手、高リスク業務から撤退
 【ニューヨーク=山下茂行】「モノライン」と呼ばれる米金融保証会社最大手MBIAは、経営不安の原因となった債務担保証券(CDO)など複雑な証券化商品の保証から完全に撤退する。リスク管理強化のため証券化商品、地方債など保証対象ごとの分社化も検討する。リスクの高い分野から手を引き経営を安定させると同時に、自社を発端とした金融市場の動揺の連鎖を防ぐ狙い。他のモノライン各社にも同様の動きが広がる可能性がある。
 モノラインは地方債や証券化商品が債務不履行に陥った際、元利払いを肩代わりする保証会社。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)を含んだ複雑な証券化商品を数多く保証していたことから、サブプライム問題の拡大とともに経営が悪化し、同様に保証を手掛けていた地方債市場などに悪影響が広がる懸念が高まっていた。



カカクコム、映画情報サイトにランキング・閲覧数などで順位
 カカクコムは子会社が運営する映画情報サイトに映画作品のランキング表示機能を追加する。各作品ページへのアクセス数、閲覧者のお気に入り登録数などの指標ごとに順位を公開し、利用者が見たい映画を選ぶのをサポートする。新機能追加に合わせてトップページを刷新。公開予定の映画の情報を一覧表示する機能も付加し、日程確認しやすいようにする。
 カカクコム子会社、エイガ・ドット・コム(東京・中央、駒井尚文社長)のサイトを週内にも刷新する。ランキングは「1週間以内のページアクセス数」や「1年以内の評価コメント投稿数」など、期間と項目別に表示する。



三菱重工、賃上げ原資の全額を成果反映に・一律配分を見直し
 三菱重工業の労使は10日、賃上げ原資の全額を個々の従業員の業務評価に応じて配分することで合意した。これまでは主に年功に応じて割り振ってきたが、従業員の意欲を引き出すには成果重視型への転換が必要と判断した。総人件費の大幅な伸びが見込めない中、賃上げ原資の一律配分を見直す動きとして来年以降の産業界の労使交渉にも影響を与えそうだ。
 同社の基本給は6割を「成績反映部分」、4割を年功的な要素が強い「生活給部分」が占める。賃金改善額のすべてを成績反映分に振り向ける。従来は賃上げの成果を全従業員が享受できたが、今後は平均を大きく上回る基本給の引き上げが実現する例がある半面、賃上げがない従業員が出る可能性もある。新配分方法は組合側が提案した。



日経社説 米景気下振れを警戒する株式市場(3/11)
 世界の株式市場が連鎖安となっている。10日の日経平均株価は2年半ぶりの安値を付けた。米景気の一段の下振れや金融動揺の広まりが、市場の不安心理を誘っている。福井俊彦日銀総裁の後任人事が難航している。日銀総裁空席といった事態を招き、内外市場の不透明さを増幅するようなことがあってはならない。
 2月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月比6万3000人減と、5年ぶりの大幅減になった。雇用減少は2カ月連続で、製造業、建設、流通、金融と幅広い産業で雇用の落ち込みが見られた。米企業の体力が低下し、雇用を抑制しだした。その結果、家計部門が消費を一段と抑え、経済全体がさらに落ち込む悪循環に陥ることが懸念される。
 ブッシュ大統領は「現在は困難な時期にある」と認め、ラジアー大統領経済諮問委員会(CEA)委員長も1―3月期の実質経済成長率がマイナスとなる可能性を示唆した。米国は景気後退に陥るかどうかの瀬戸際にあるといってよい。
 米連邦準備理事会(FRB)はフェデラルファンド(FF)金利を年3%まで引き下げたが、今後一段の利下げに踏み切るだろう。ブッシュ政権景気動向をにらんで減税幅を拡大する余地がある。こうした金融、財政政策は重要だが、そもそも今回の景気落ち込みの根本には住宅バブルの崩壊がある。
 住宅ローンの焦げ付きが担保処分の増加を通じ住宅価格の下落を招いているわけで、この点ではバーナンキFRB議長が「住宅ローンの元本削減」に言及したことが注目される。日本のバブル崩壊後と同様に、不良債権の増加は金融機関の経営悪化にもつながるだけに、住宅市場をにらんだ包括的な対策が欠かせない。
 週明けにアジアや日本の株式相場が下落したのも、米景気の先行き不安が引き金である。とりわけ3月末に年度末を迎える日本の場合、株安と同時に円高・ドル安が進行しているのが気掛かりだ。今回の「円高」は「ドル安」の裏側という面が強く、原因は米経済のふらつきにある。
 原油や食料など輸入原材料が高騰するなか、円高が輸入価格を抑えるのは確かだが、その一方で円が1ドル=100円を突破するような事態は、企業の輸出採算を大幅に悪化させる。日本は外需に頼って成長してきただけに、当面の景気にはマイナスの影響が大きいと懸念される。
 内外景気は極度の視界不良に陥っている。家計や企業の心理を一層冷やすような不確実性を重ねないことを、政治には強く求めたい。