(ノ゜Д゜)ノホレホレ新聞

LTE版iPhoneは2014年?
 日本でもヒット商品となった米アップルの「iPhone 3G」は、シリーズとしては初代iPhoneに続く2世代目の機種だが、第3世代移動体通信(3G)方式に対応したことから「3G」と名付けられた。
 iPhone 3Gが登場したのは2008年7月。日本でNTTドコモの3G方式の携帯電話サービス「FOMA」が始まった2001年10月から6年9カ月が、FOMAが急拡大するきっかけになった「900i」シリーズの携帯電話機が登場した2004年2月からは4年5カ月が経過していた。NTTドコモとアップルの製品投入時期はあくまで指標の一つではあるが、日本市場と米国市場の3Gに対する“時差”は、少なくとも4年5カ月の開きがあったと言える。
 日本市場と国外市場の時差はLTE(Long Term Evolution)でも残りそうだ。国内外には、依然としてモバイルデータ通信市場に対する温度差があるからだ。はたしてLTE版のiPhoneはいつ登場するのだろうか。
LTEでも日本が先行
 初期のLTE市場に関して、国内ではまとまった需要が見込まれている。例えば、NTTドコモは2014年度までに全契約者の約30%がLTEを契約するものと予測している。現在のNTTドコモの契約数は5500万を超えているので、同社の契約数だけでも1650万以上になる計算だ。
 エリクソンの予測。LTEは2013年時点でも全体のごく一部を占めるにすぎない。
 競合他社がNTTドコモに続いて2012年ころからLTEを順次商用化し始め、2014年時点では機器の値段が現時点よりも下がり、またKDDIが新たに800MHz帯を使って積極的にLTEのサービス地域を広げることなどを考えると、2014年度に総契約数が2000万契約を超える可能性は十分にある。国内市場全体でみれば、20%程度の規模となる。
 世界市場全体では、早期にLTEを導入する通信事業者はW-CDMA方式の3Gに比べて多いと見込まれているが、それでも市場全体からみるとごく一部である。図1は、エリクソンの無線方式別の市場予想だが、今後数年間で急増するのはHSPA(High Speed Packet Access)。2013年時点でLTEは、60億を超えるモバイルユーザーのごく一部を占めるにすぎない。
LTE対応iPhoneの登場は「2億契約が見込まれる時期」か
 LTEの普及度を測る指標の一つとして、LTEiPhoneの登場がいつになるか予想してみよう。現時点でLTE対応機の投入タイミングについてアップルは公言していないが、iPhone 3Gが登場したときの全世界の3Gユーザーの数を目安としてみることにする。
 
 通信機器メーカーによる業界団体GSA(グローバル・モバイル・サプライヤーズ・アソシエーション)の発表資料によると、iPhone 3Gが市場投入された2008年の時点で全世界での3G契約者は2億人を超えていた。アップルが契約者数を基準に製品の投入タイミングを決めるとすれば、LTEiPhoneが投入されるのも2億契約が見込まれる時期ということになる。
 世界市場でLTEの契約者が2億を超える時期は、調査会社によってばらつきがあるものの2014〜2015年ころと見込まれている。ここから、一つの可能性としてLTEiPhoneの登場時期は2014〜2015年という予測が成り立つ。
 この考察が的を射ているとは言い切れないが、ほかのメーカーでも市場が小さな段階でLTE対応機を積極的に投入するとは考えにくい。ユーザーの期待感で言えば、最新のコンピューティング性能、表示機能、通信機能を備えた端末が欲しいところだが、LTE対応端末が充実するのは少なくとも4年程度先になりそうだ。
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LTEで業界再編? 大型買収が相次ぐ
 このところ、通信機器メーカーの大型買収や提携が相次いでいる。各社とも高度化、複雑化する無線通信技術に対応するとともに、第2世代移動体通信(2G)以降の複数世代の通信方式を同一端末やネットワーク内で稼働させる必要があるため、買収によって弱点分野を補う狙いがあるようだ。
 2010年7月にノキアのモデム部門を約2億ドル(約180億円)で買収することを発表したルネサス エレクトロニクス。買収は、次世代通信技術に関するノキアとの提携強化の一環だという。
 ルネサスが得意とするのは、各種組み込み機器向けのマイコン技術やマルチメディア処理技術、無線通信技術である。グローバル市場で実績があるノキアの無線モデム部門を買収することで、「複数技術からなる統合プラットフォームを1社で提供できるようになる」(同社 SoC第二事業本部モバイルマルチメディア事業部の吉岡真一事業部長)。今後拡大が見込まれる電子書籍端末や車載機などの“コンバージェンス市場”にも有効とみる。
 ルネサスの発表とほぼ同時期にノキア シーメンス ネットワークスは、モトローラの無線通信部門を120億ドル(約9800億円)で買収することを明らかにした。モトローラは、通信方式ではCDMA2000系、市場では北米に強い。これまでCDMA2000系の技術を導入してきたKDDIが、CDMA2000と競合関係にあるGSM系のLTEを導入することに象徴されるように、通信機器メーカーには「既存のネットワークと新たに導入するLTEネットワークを統合管理できる“総合力”が求められる」(ノキア シーメンス ネットワークス ソリューションビジネス事業本部の小島浩技術部長)。新興市場などでは通信事業者に代わり通信機器メーカーがネットワーク運用を請け負うケースも多く、こうした市場でも有利と判断したのだろう。



GoogleCTS認証の対象拡大、3G非対応タブレットが「Android Market」を搭載
 従来は事実上,スマートフォンにしか搭載できなかった「Android Market」などの米Google社製のアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)を,スマートフォン以外の機器に搭載する道が開かれた。KDDIは2010年10月18日,韓国Samsung Electronics社が開発したAndroid搭載タブレット端末「SMT-i9100」を発表した。この製品は3Gに対応していないため音声通話機能を持たないにもかかわらず,Android Marketのアプリを搭載している。
 Android Marketを機器に搭載するには,Google社が用意する「Android Compatibility Test Suite(CTS)」というツールによる互換性の認証試験に合格する必要がある。従来,CTS認証はスマートフォンしか対象にしていなかったため,通話機能を持たない端末がこの認証を受けるのは事実上不可能だった。
 Google社は,2010年10月に対応製品が発売された「Google TV」で,テレビ向けアプリのAndroid Market経由での配信を2011年初めに開始する予定だ。Google社はこれに合わせ,CTS認証の対象をスマートフォン以外に拡張した可能性が高い。Samsung社は,Google社からこの新しいCTS認証を受け,通話機能を持たないSMT-i9100にAndroid Marketを搭載したと見られる。



AppleジョブズCEO「年内にまだサプライズ」 7インチiPadはなし?
 「年内にまだ幾つか、サプライズを用意している」――Appleスティーブ・ジョブズCEOは10月18日の四半期決算発表でこのように語り、さらなる新製品の投入を示唆した。
 同氏はサプライズの内容については明らかにしなかったが、Apple20日Mac関連の発表会を予定している。この発表会では、「Mac OS X」の新バージョンが披露される見込みだ。また、11.6インチのMacBook Air、iWorks、iLifeの新版の登場もうわさされている。
 Appleの今後の新製品に関しては、CDMAiPhoneのほか、7インチiPadも予想されている。しかしジョブズ氏は、7インチサイズのタブレットには小さすぎるという見方を示した。7インチの画面でiPad級のユーザーエクスペリエンスを実現するには「指をヤスリで削る必要がある」とし、使いやすいタブレットの最小サイズは10インチと語った。



7インチタブレットは「即死」――ジョブズCEOがライバル「口撃」
 Appleスティーブ・ジョブズCEOは10月18日、珍しくマーケットの期待に添わない業績を発表した後で、攻撃的な発言を繰り返した。だがそうした発言も、市場心理を覆すことはできなかった。
 2年ぶりに決算発表会に出席したジョブズ氏は、ライバルのGoogleとResearch In Motion(RIM)を激しく批判し、SamsungaやDellなどの競合が提供する小さめのタブレットを一蹴した。
 「今の7インチタブレットは即死する」とジョブズ氏は電話会見でアナリストに語った。「製造元は、自分たちのタブレットは小さすぎたというつらい教訓を学ぶだろう」
 Apple――Standard & Poor 500銘柄の中で、Exxon Mobilに次いで時価総額2位――の株価は時間外取引で6%下落した。Apple株の1日の値下げ幅としては、2008年以来最大だ。
 iPadは供給と生産が追いつかず、入荷や購入が数週間待ちになることもある。7〜9月期のiPad販売台数は419万台だった。
 「この点は少々がっかりだ。ウォール街のアナリストは500万台近い台数を予測していた。問題は供給だ。Appleは十分な台数を作れていない」とGleacher & Coのアナリスト、ブライアン・マーシャル氏は語る。
 アナリストは、Appleが供給問題を解決できれば、年末商戦に売り上げが急速に増えるはずだとしている。
 また、粗利率は目標を下回った。iPhoneよりも利益率が低いiPadの方が、売り上げに占める割合がiPhoneより大きかったためだ。投資家は、過去8期にわたってアナリスト予測を超えてきたAppleに対し、投資家はもっと好業績を予期していた。
 7〜9月期の部品コストは予想より抑えられたものの、粗利率は36.9%と、アナリストの予測平均である38.2%を下回った。
 「驚いたのは利益率だ。そのほかはすべて素晴らしい」とGartnerのアナリスト、バン・ベイカー氏は言う。
 しかしiPhoneに関しては失望するような点はなかった。売り上げは伸びており、アンテナ問題をめぐるPRの失敗の影響はほとんど見られなかった。
 iPhoneの販売台数は140万台と前年同期から91%増え、アナリスト予測を上回った。Appleは、依然として需要が供給を上回っていると語っている。iPhoneは現在、89カ国で販売されている。
 Macの販売台数は27%増えて390万台となり、アナリスト予測の最高値に達した。Appleのピーター・オッペンハイマーCFO最高財務責任者)は、Macが好調だったことは、iPadによるカニバリゼーションはないという証拠だと語った。
Androidは「分断されたOS」
 ジョブズ氏は、直近の四半期にiPhoneがRIMのBlackBerryよりも売れたと指摘。「近い将来、RIMがわれわれに追いつくとは思わない」とジョブズ氏は語った。
 同氏は、GoogleAndroidを「分断された」OSと批判した。RIMとGoogleにコメントを求めたが、回答はなかった。
 まだ新しいタブレット市場に、「信頼できる参入者は一握り」しかいないようだと同氏は語り、競合タブレットの価格は、499ドルからのiPadには対抗できないと主張した。
 一部のアナリストはジョブズ氏と同意見で、iPadは提供地域が増え、Wal-Martなどの小売店にも販路が広がったことで、来年活発に売れると予想している。
 調査会社iSuppliは、来年のiPadの販売台数は4370万台に跳ね上がると予測しており、業界の強気な姿勢を示している。
 「iPadは不調だったが、製造の問題もかなりあったと思う。だから、そのことはiPadの需要を示すいい指標だとは思わない」とFirst America Fundsのアナリスト、ジェーン・スノレック氏は語る。
 Appleが18日に報告した7〜9月期の利益は43億1000万ドル(1株当たり4.64ドル)で、前年同期の25億3000万ドル(1株2.77ドル)を上回った。Reuters I/B/E/Sがまとめたアナリスト予測平均の4.08ドルも超えた。
 売上高は67%増の203億ドルで、アナリスト予測の189億ドルを上回った。