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iモードブラウザー進化のインパクト 携帯夏商戦NTTドコモ編(COLUMN)
 NTTドコモが19日に発表した夏商戦モデルとなる4シリーズ18機種。注目はやはりグーグルが主導して開発した携帯プラットフォーム「Android(アンドロイド)」を搭載する「HT-03A」(台湾HTC製)の日本初上陸だ。
 NTTドコモが今回発表した18機種は、業界トップらしく幅広いユーザーを対象とし、あらゆるニーズに応える製品をそろえている。
■話題は日本初上陸のグーグル携帯
 多くのメディアの話題を集めたのは、日本初上陸となるアンドロイド搭載の「HT-03A」だ。昨年発売されたソフトバンクモバイルの「iPhone 3G」(アップル製)のライバル機種として、じっくりと取材するメディアが目についた。
 残念ながらHT-03Aの陰に隠れてしまったのが、東芝製の「T-01A」だった。東芝がNTTドコモに端末を供給するのは、2002年9月の「T2101V」以来というから、実に6年半ぶりの復活である。4.1インチの大画面液晶、米クアルコム製チップ「スナップドラゴン」(駆動周波数1GHz)を搭載した高速処理を売りとする意欲的な製品だけに、東芝としてはこれから宣伝活動に力を入れ、なんとか巻き返しを図りたいところだろう。
■印象は「マイナーバージョンアップ」だが・・・
 国内主要メーカーのラインアップを俯瞰すると、第一印象としては「マイナーバージョンアップ」という感が否めない。しかし、各社はそれぞれ、他社にはない独自の機能や技術を盛り込んでおり、そのあたりが商品選びのポイントになってきそうだ。
 シャープは「SH-06A」に1000万画素CCDカメラを搭載し、「SH-07A」では同社のブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーで録画した番組を簡単にコピーして持ち運べるようにした。つまり、カメラと家電との連携が売りである。
 NECの「N-06A」は無線LAN対応が特徴。無線LANスポットへの接続だけでなく、N-06A自体が無線LANスポットとなり、周辺の機器をネットワークに接続できるようにしている。
 既存の筐体を強化させたのが、パナソニックモバイルコミュニケーションズだ。「P-07A」は背面に2インチのカラー液晶を搭載し、本体を閉じた状態でもカメラを撮影できるスタイルにした。
 富士通は従来のイメージとは異なり、液晶を横向きに90度回転させる機構を持つ「F-09A」を投入してきた。ただ、富士通は今回は計2モデルしかなく、どちらかと言えば、「らくらくホン」に注力している感がある。
 シャープ、パナソニック富士通はそれぞれ防水対応機種を投入しており、一方、NECは防水よりも薄型をとったようだ。
■海外メーカー初のおサイフケータイ
 韓国LG電子は「PRIME」「STYLE」の2シリーズ向けに新製品を用意した。しかも、海外メーカーとしては初めて、おサイフケータイへの対応を実現している。日本独自のサービスであるおサイフケータイを使えるようにしたということは、それだけ日本市場に本気で取り組んでいる証拠だ。
 昨年「プラダフォン」を発表したときに、LG関係者は「おサイフケータイ対応の準備を進めている」と話していたが、いよいよ夏商戦から製品を投入できるようになったわけだ。
 ちなみに5月20日掲載の「上位モデルも低価格機も充実しているが・・・携帯夏商戦ソフトバンク編」では、ソフトバンクモバイルが他社をキャッチアップしていると書いたが、NTTドコモも他社を相当意識したラインアップになっているように思える。
 例えば、「エヴァンゲリヲンケータイ」は、ソフトバンクモバイルシャア専用ケータイ」に感化されたとしてもおかしくない。
■iモードブラウザーの進化に注目
 実は今回、最も関心があるポイントは、端末ではなくiモードブラウザーの機能強化だ。iモードブラウザーの操作性が向上し、スペックも大きく進化したのだ。
 まずiモードボタンを押すだけで、すぐにキャッシュされたiメニュー画面が出るようになった。トップ画面には「マイニュース機能」として、RSSリーダーが加わった。
 これまでは上下キーのみでしか操作できなかったが、今回からは左右キーも使えるようになる。これにより、少ない手数で目的のページに行けるだけでなく、Flashベースのゲームなどもテンキーを使わず十字キーで操作できるようになる。
 また、ページサイズを100KBから500KBまで拡大したことで、より表現力のあるコンテンツを閲覧できるようになった。さらに、ページ内でそのまま動画を再生することができ、JavaScriptにも対応する。
 フルブラウザー並みの機能が搭載されているが、現状はまだiモードブラウザーとは別にフルブラウザーが搭載されている。料金体系も当然異なり、iモードブラウザーのみであれば上限は4410円、フルブラウザーを使えば上限5985円である。
 ユーザーの立場からすれば、iモードの可能性がさらに広がり、上限5985円のフルブラウザーを使わなくてもリッチなコンテンツを楽しめるようになるのは歓迎すべき進歩だ。
 今後は優れた課金プラットフォームと、表現力の高いブラウザーが組み合わさることで、PCの世界では実現できなかったコンテンツの世界がiモード上に参入してくることも考えられるだろう。新たなiモードコンテンツ市場が創出されることに期待したい。
■コンテンツへの動線が重要
 音声通話収入が落ち込むなか、2010年に導入される次世代規格LTEを目前にして、携帯各社はコンテンツの拡充に全力を挙げている。
 例えば、NTTドコモであれば、エイベックスと手を組んだ「BEE TV」であり、ソフトバンクモバイルであれば、「S-1バトル」や「選べるかんたん動画」である。
 ただし、いくら優れたコンテンツを用意しても、そこまでの動線が使いやすく分かりやすいものでなければ、視聴してもらえない。今回、ソフトバンクモバイルはユーザーを誘導するのに「メール」に目をつけ、NTTドコモはブラウザーを進化させてきた。
 iPhoneを使っていて「快適」だと感じてネットに頻繁にアクセスするのは、「Safari」というブラウザーが使いやすいからだ。そういった意味でもiモードブラウザーの進化は注目に値する。
■端末の拡販がドコモの使命
 ただ気がかりなのは、端末の買い換え需要が冷え込み、新しいブラウザーを搭載したモデルが急速には普及しそうにない点だ。コンテンツプロバイダー関係者の多くが「機能が強化されても、普及するのに2年以上かかる。ビジネスが立ち上がるまで我慢が必要」と実情を語る。
 数年前であれば、一気に端末が売れて、新しいコンテンツが大量に流通する状況を期待できた。しかし、最近は端末の売れ行きが落ちたことで、コンテンツ市場の活性化にもブレーキがかかっている。
 端末が売れないのは、メーカーだけに関わる問題ではない。コンテンツプロバイダーにとっても厳しい時代になってしまったのだ。
 今後、新たなコンテンツが盛り上がっていくかどうかは、新iモードブラウザーの普及具合がカギを握る。そういった意味でも、ドコモはできるだけ多くの新製品を早期に売りまくらなくてはならないのだ。



1世帯あたり平均所得556.2万円 07年、19年ぶり低水準に
 厚生労働省が21日発表した国民生活基礎調査によると、2007年の1世帯あたりの平均所得額は前年比1.9%減の556万2000円と1988年以来19年ぶりの低水準となった。コスト削減を目的に企業が非正規社員の比重を増やしたことで所得水準が低下。高齢者などの単身世帯の増加も世帯あたりの平均値を押し下げた。
 調査は無作為抽出した全国の世帯を対象に、08年6月と7月に実施した。08年は秋に生じた金融危機以降、世界的に景気後退が鮮明となり、雇用情勢が悪化。世帯の平均所得はさらに落ち込んでいる可能性が高い。
 1世帯あたりの平均所得は1994年の664万円がピーク。これ以降はほぼ減少傾向にあり、07年までに16%減った。企業のコスト意識を反映し、賃金水準が相対的に低い非正規社員の割合は足元で労働者全体の3割を突破。働く人1人あたりの所得は07年に313万2000円と過去最低となった。



政府・政投銀、4兆円の緊急融資枠 官民折半、資金繰り支援
 政府と日本政策投資銀行は6月にも、中堅・大企業向けに民間金融機関と貸出額を原則折半する新たな緊急融資制度を導入する方針を固めた。政投銀との協調で民間金融機関が融資を手掛けやすくする一方、公的融資にリスクが過度に集中することを避ける狙い。政投銀が追加経済対策で決まった危機対応融資枠15兆円の中から2兆円、民間が2兆円の最大4兆円規模の資金枠を想定する。企業の資金繰りは引き続き楽観しにくい状況にあり、政府は企業金融支援に万全を期す。
 企業倒産の増加などで銀行の不良債権は高水準で推移しており、民間金融機関の融資姿勢は慎重さが目立つ。政府は融資額の原則半分を政投銀が負担することで民間の貸し出し意欲を引き出し、企業にお金を円滑に回す必要があると判断した。



日経社説 「アジア内需」に日本はどう貢献するか(5/22)
 世界的な経済危機の克服に当たって、21世紀の成長センターといわれるアジアの存在は大きい。麻生太郎首相は21日の演説で「アジア内需」の拡大を訴えたが、日本は主導的役割を果たせるのか。突きつけられている課題と責任は重い。
 首相は「経済危機を超え、再び飛躍するアジアへ」と題し、これまで輸出主導型だったアジア経済を内需主導型へと変えていくべきだと強調した。これにはアジア各国・地域も異論はないだろう。
 首相は先月、東アジア地域の経済規模を2020年までに現在より倍増する「アジア経済倍増構想」を発表している。池田勇人元首相が1960年代に提唱した「国民所得倍増計画」のいわばアジア版だ。実現には自国の内需だけでなく、輸出先も含めたアジア域内全体の内需拡大が欠かせない。
 首相は演説で「各国が内需拡大に足並みをそろえることが極めて大切だ」と述べた。まず日本が率先垂範することが求められる。
 15兆円を超す過去最大規模の追加経済対策を受けた2009年度補正予算案は参院で審議中だ。財政出動は必要だが、ばらまきにつながりかねない歳出は日本の成長力強化には寄与しない。規制緩和など構造改革も並行して進める必要がある。
 一方、アジア各国・地域から輸入に加え人材も受け入れなければなるまい。農産物の市場開放などには痛みも伴うが、避けては通れない。
 首相はアジア金融市場の安定・発展に関連して「危機の際に、各国に『円』を融通できるようにする」と表明した。日本政府が外貨不足に陥った国に日本円を緊急に貸し出すものだが、「円の国際化」を意識した発言ともいえる。
 アジアでは中国が東南アジア諸国連合ASEAN)など近隣国・地域との貿易取引について人民元建てでの決済を促している。「人民元通貨圏」を視野に入れた動きだ。
 中国は国内総生産(GDP)で米国、日本に次ぐ世界3位の経済大国だ。1、2年内には日本を抜く公算が大きい。だが、人民元の国際化は日本円以上にハードルが高い。
 首相はタイ、ベトナムなどメコン川流域5カ国の首脳を招き、年内に初めての「日メコン首脳会議」を開催することも明らかにした。中国と国境を接するメコン川流域諸国は地政学的にも重要である。
 日本はアジア各国・地域との連携や信頼を強め、アジア内需拡大への構想力を示すことが大事だ。それが日本経済の再生にもつながる。