(゜Д゜)新聞

年金は2020年代に破綻、国庫負担率引き上げなければ
 厚生労働省は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げが実現しなければ、2020年代に年金積立金が枯渇して基礎年金が給付できなくなるとする試算をまとめた。
 試算には現在の世界的な金融危機の影響を織り込んだため、年金財政の破綻(はたん)が20年程度、早まった。こうした内容を盛り込んだ公的年金財政検証を月内にも公表するとともに、今国会に提出している国庫負担割合を引き上げる国民年金法改正案の早期成立を目指す方針だ。
 試算ではまた、3分の1から2分の1への引き上げが実現すれば、夫が平均収入の会社員、妻が専業主婦というモデル世帯の給付水準(所得代替率)が将来にわたり、現役世代の平均収入の50%台を維持できるとした。04年の年金改革の際、政府・与党は「50%」以上の水準確保を約束している。ただ、2055年の合計特殊出生率は1・26、年金積立金の運用利回りは名目で4・1%を試算の前提としており、楽観的という指摘もある。
 厚生年金と国民年金は04年の年金改革で、5年に1度、財政検証を行うことになっている。09年の財政検証では、15年度以降のおおむね100年間の財政状況の見通しを示す。



イオン、大型SC7施設凍結・延期 拡大路線転換
 イオンは主力の大型ショッピングセンター(SC)事業で7施設の出店を撤回・延期する。2009年春にも千葉県野田市に開業予定だった計画を凍結し、愛知、奈良県などの5施設は年内の開業を延ばす。茨城県笠間市では白紙に戻した。約100施設を運営する最大手だが、業績悪化で大型店主体の拡大路線を見直す。百貨店やスーパーに代わって小売業をけん引してきたSCにも消費不振が波及してきたのを受け、安売りなど小型店の出店を軸にした事業モデルへ転換する。
 SCはスーパーなどを核に専門店や映画館を複合している。イオンは07年11月、野田市に売り場面積約6万7000平方メートルの施設を建設する計画を公表していたが、テナントが集まらず「イオンから計画を当面ストップするとの説明を受けている」(地元関係者)。



<NHK>ワンセグ独自放送を開始 4月6日から
 NHKは18日、ワンセグ(携帯電話向け地上デジタル放送)の独自番組の放送「ワンセグ2」を、4月6日から教育テレビで始めると発表した。これまで固定テレビと同じ番組を流していたワンセグ放送の一部時間帯を差し替え、5〜15分のミニ番組を数本程度まとめて全国で放送する。
 放送枠は平日午後0時台の約40分間や土曜午後1時からの1時間などで、料理や旅の情報のほか、大河ドラマ天地人」のダイジェストを放送する。
 ワンセグ放送が視聴できる携帯電話は、昨年12月末で約5000万台(電子情報技術産業協会調べ)。NHKは、携帯を利用する若者世代にNHKの番組をアピールする場として活用したいとしている。



住宅対策を正式発表 米大統領、借り手救済へ7兆円
 【ワシントン=米山雄介】オバマ米大統領は18日、アリゾナ州で演説し「住宅ローンの危機がもたらす負の連鎖に歯止めをかけるため、大胆かつ迅速に行動すれば、1人ひとりの米国民が恩恵を受ける」と述べ、ローンの借り手救済に750億ドル(約7兆円)の公的資金を活用することなどを柱とする包括的な住宅対策を正式に発表した。
 大統領は、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を通じて住宅ローンを借り入れている400万―500万世帯を対象に「低利ローンへの借り換えを可能にする」と表明。
 債務不履行や住宅差し押さえに直面している借り手を対象に「ローンの返済条件を見直すための新たな奨励策を設ける」と述べた。



台湾の10−12月GDP、マイナス8.36% 史上最大の減少率
 【台北=新居耕治】台湾の行政院主計処(統計局)は18日、2008年10―12月の実質域内総生産(GDP)伸び率が前年同期比マイナス8.36%となり、史上最大の減少率になったと発表した。08年のGDP成長率は前年比0.12%と7年ぶりの低水準。同時に09年のGDP成長率が同マイナス2.97%になるとの見通しも発表した。
 台湾では経済成長のエンジンである輸出が大幅に落ち込んでおり、昨年12月、今年1月の輸出額はともに前年同期実績に比べ40%超減少した。内需の不振も鮮明になっており、不況色が一段と強まっている。



1月の米住宅着工、16.8%減 過去最低を更新
 【ワシントン=米山雄介】米商務省が18日発表した1月の住宅着工件数は季節調整済みの年率換算で46万6000戸となり、前月に比べ16.8%減った。7カ月連続の減少で過去最低水準を更新。先行指標の許可件数も過去最低となり、住宅市況の一段の悪化が鮮明になった。
 1月の着工件数は1959年の統計開始以来、過去最低だった昨年12月(改定値で56万戸)から大幅に減少した。市場予想平均の52万9000戸を大きく割り込み、住宅バブルの崩壊を起点とする米景気後退の深刻化を映した。



米成長率、09年はマイナス1.3%も FRB、経済見通し下方修正
 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は18日、四半期ごとに公表している米経済見通しを発表した。2009年の実質国内総生産(GDP)成長率をマイナス1.3―マイナス0.5%と予想。マイナス0.2―プラス1.1%としていた前回10月予測から大幅に下方修正した。失業率は8.5―8.8%と予想。7.1―7.6%とした前回予測から大幅な悪化を見込んだ。
 金融危機の影響が実体経済に波及。09年後半からの回復を見込むが、異例の緩やかなペースにとどまると予測した。



スペイン、15年ぶり景気後退 失業率15%に迫る
 【パリ=野見山祐史】スペインの国立統計研究所は18日、2008年10―12月の実質国内総生産(GDP)が前期比1.0%減ったと発表した。7―9月の前期比0.3%減に続く2四半期連続のマイナス成長。1993年以来15年ぶりの景気後退入りが確定した。失業率は15%に迫るなど同国経済は下げ止まりの兆しが見えない。
 米英独仏などからの不動産投資をテコに、スペイン経済は90年代後半以降、年率3%超の成長を保ってきたが、08年の成長率は1.2%に急減速。09年はマイナス成長を見込む声が多い。
 建設バブルの崩壊は移民労働者を大量に受け入れてきた労働市場を直撃。08年12月の失業率は14.4%と欧州内でも突出して高い。失業者数も330万人を超えている。政府は公共投資を上積みしたほか、移民労働者の一時帰国を促すなど相次ぎ対策を取っているが、経済の悪化は止まっていない。




アスース、「オフィス」搭載の低価格PC 従来ノートとの競合加速
 台湾アスースは18日、低価格パソコン「EeePC」に統合ソフト「オフィス」を搭載したモデルを21日に発売すると発表した。価格は5万7800円。台湾エイサーも20日にオフィスを搭載する新製品を6万円前後で発売する予定。低価格パソコンはオフィス非搭載が主流だったが、台湾勢2社の搭載機の本格投入で、従来型のノートパソコンとの競合がさらに加速しそうだ。
 発売するのは「1000H―X withオフィス」。マイクロソフトの「オフィス・パーソナル2007」を搭載する。画面サイズは10型ワイドで、記憶装置は160ギガ(ギガは10億)バイトのハードディスク駆動装置(HDD)。



政府系ファンド、利子所得非課税に 中東などから対日投資促す
 政府は中東諸国などが設立している政府系ファンド(SWF)について、国債や預金などに投資した際の利子所得を非課税にする。世界的に投資環境が悪化する中で、資源国のオイルマネーなどを呼び込むのが狙い。中東諸国の政府系ファンドは投資家として今後も有望とみられ、日本の懸案である国債の安定消化にもつなげる意向だ。
 現行制度では課税ルールを二国間で定める租税条約を結んでいない国の企業や投資家が日本の債券や預金などに投資した場合、利子に15%の所得税がかかる。条約を結んでも5―10%の税を取るのが一般的だ。



高島屋丸井今井の支援に名乗り 三越伊勢丹の対応焦点
 高島屋が1月末に民事再生法適用を申請した北海道の地方百貨店、丸井今井の再建支援企業に名乗りを上げたことが、18日わかった。高島屋は再建支援企業になれば、経営統合する阪急阪神百貨店エイチ・ツー・オーリテイリングの店舗網と合わせて、全国の主要都市を網羅する最大の百貨店グループとなる。丸井今井と提携している三越伊勢丹ホールディングスは、新たな出資を伴う再建支援に関しては検討段階にとどまっており、対応が注目される。
 高島屋は近く丸井今井の資産査定に入るとみられる。三越伊勢丹も再建支援を表明した場合は、両社による入札手続きに移行、数カ月後に再建支援企業が決まる見通し。



日経社説 混迷続く米ビッグスリーの再建(2/19)
 米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは米政府に新たな再建計画を提出し、両社合計で216億ドル(約2兆円)の追加支援を要請した。米自動車市場の落ちこみは止まらず、公的支援はさらに膨らむ恐れがある。発足早々のオバマ政権は難しい判断を迫られる。
 GMとクライスラーは昨年末の政府決定で計174億ドルの公的融資を受けた。ところが、その後も資金流出に歯止めがかからず、追加支援を要請せざるを得なくなった。GMなどは人員削減やブランドの整理を進めると表明したが、それで収支が均衡するかどうか微妙だ。
 再建の具体策をめぐって、関係者間の調整が難航していることも前途の多難さを示している。退職者向けの医療保険基金への拠出について、GMは負担軽減を要求しているが、全米自動車労組(UAW)は譲らず、着地点は見えていない。
 債権者に対しては「債権の株式化」を求めているが、こちらも先行き不透明だ。債権を株式化できれば貸借対照表の強化につながり、金利負担も軽減されるが、債権者の合意を取り付けられなかった。
 米自動車危機はGMなどの大手3社(ビッグスリー)にとどまらず、部品会社にも広がっている。米自動車部品工業会は破綻回避のために最大255億ドル(2兆3000億円)の支援を政府に要請した。部品会社が破綻すれば、そこから部品を購入する日系企業にも支障が出る。
 米政府としても多数の雇用を抱える自動車産業の先行きに無関心ではいられず、ガイトナー財務長官らが率いる特別チームをつくって、追加支援の是非などを検討する。
 GMが倒産した場合の世界経済に与える衝撃を考えれば、追加支援もやむを得まい。だが、公的支援は緊急避難のための一時的な措置で、そこから先は企業独自の力で経営を立て直す必要がある。そのためにはUAWなどの関係者も痛みを分かち合う覚悟が不可欠だ。
 いま世界的に自国企業優先主義の風潮が高まっているが、その出発点は米政府によるビッグスリーの救済問題だった。近く訪米する麻生太郎首相も、オバマ大統領に対して、自国企業の保護が行き過ぎないようしっかりクギをさしてほしい。
 民間企業は自由競争による優勝劣敗が原則であり、政府支援はあくまで例外措置だ。これが常態化すれば、競争条件はゆがみ、産業構造の転換も進まない。自由競争の原則に立ち戻るためにも、ビッグスリーの一日も早い経営再建が望まれる。