○=(゜Д゜)=○新聞

ソフトバンク、春モデル 吉本芸人プレゼンの異色発表会
 ソフトバンクモバイルは29日都内で記者発表会を開き、携帯電話の09年春モデル9機種を30日から順次発売すると発表した。2系統のワンセグチューナーを内蔵する「932SH」(シャープ製)、0.99秒でカメラ機能が起動する「930CA」(カシオ計算機製)などで、低価格のコンテンツパックの投入も発表した。
 会場には事前の抽選で選ばれた一般入場者を招くとともに、新端末のプレゼンテーションを世界のナベアツ品川庄司など、吉本興業のお笑いタレントが漫談仕立てで行うという異色の発表会となった。これまで記者発表会ではすべての端末を自分で解説してきた孫正義社長はステージのオブザーバー席に座り、お笑いタレントのプレゼンを採点がてら、機種の説明を補足していた。
 孫社長は、「08年春の新製品発表会では、携帯電話はネットに常時接続するインターネットマシンに変わっていくと述べたが、今年はこうした高性能な携帯電話で何を楽しむのかが重要になる」と、コンテンツ重視の姿勢を示した。
 この一環として、月額約5000円分に相当するコンテンツを月額315円ですべて利用できる「コンテンツ得パック」の提供を3月18日に始める。ニュースサイトや辞書、交通乗り換え案内など20の共通コンテンツに加え、「+スポーツ」か「+ライフ」の2コース(各6コンテンツ)のどちらかを選び、合計26コンテンツを定額で利用できる。契約はコンテンツ事業者と個別にする必要がなく、コンテンツ得パックの1契約で済む。
 このほか、お笑いタレントのコント動画などをソフトバンク携帯ユーザーに配信する「S1バトル」を開催すると発表。配信された動画コンテンツを視聴したユーザーは、2人のコントのどちらがおもしろかったかをメールで投票する。投票で1位になった月間チャンピオンには1000万円、年間チャンピオンには1億円の賞金を贈る。年間チャンピオンに投票したユーザーにも抽選で1人に1000万円をプレゼントするという。孫社長は「ワンセグ機能がない携帯ユーザーにも、高品質な動画コンテンツを楽しんでもらいたい」と述べた。



KDDI、音楽・タッチ・3Dなど春モデル10機種 「auらしさ回復する」
 KDDIは29日、携帯電話の春モデル10機種を1月31日から順次発売すると発表した。小野寺正会長兼社長は発表会見で「auらしさを回復する1年にしたい」と語った。
 「やはり我々には音楽がある」。29日午前に都内で行った発表会見で、高橋誠執行役員常務が最初に取り上げたのは、Walkman Phone, Premier3。昨冬に発表した「Walkman Phone, Xmini」に続く音楽ケータイで、高音質の「着うたフルプラス」に対応するほか横開きもできる3型フルワイド液晶やワンセグなど音楽以外の機能も強化した。
 世界初という3Dに対応したWoooケータイ H001は映像にこだわったモデルの一環。ハードウエアによる処理でワンセグ映像などを立体表示できるという。 新サービスとしては、利用状況に応じて「シンプルモード」と「フルモード」を選べるよう改定した「EZナビウォーク」や、アニメーション付きのメールが送れる「デコレーションアニメ」を発表した。このほか、会場では近接無線転送技術「TransferJet」の実演デモも披露した。
 小野寺社長と高橋執行役員常務が強調したのは「生活に溶け込むケータイ」だ。「各要素の個別最適を目指すのではなく、生活者の利用シーンを想像するものづくりに取り組むことが重要」と小野寺社長は説明した。
 会見での主な一問一答は以下のとおり。
――昨年は苦戦したが、春モデルの手ごたえは。
小野寺社長 この業界は競争が激しいから、勝ったり負けたりは当たり前。今回の春モデルで当然、勝ちにいく。それを目指している。
――今回から型番を変えた理由は。
長島孝志コンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画本部長 これまでも機能を特化した端末にはペットネームのようなものをつけて提案したことがあるが、番号だけでなく、もっと分かりやすい名前をつける必要があると考えている。そういった呼び方が増えていくことを前提に、名前の付け方を変えてみた。今後、型番を見てもどんな端末か分からないということは少なくなる。
――「NEW STANDARD」という新しいコンセプトの2モデルを導入したが、従来のauデザインプロジェクトとの関係は?
長島氏 NEW STANDARDはとんがったデザインや最先端のデザインを主張するものではない。飽きがこない長く使ってもらうもので、持った時に手にしっくりなじむとか、厚みがあってもそれを感じさせないようなデザインにこだわった。これまでのデザインプロジェクトとは全く別のものとしてやっていく。



東芝、過去最悪の2800億円赤字に
 東芝は29日、2009年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想を下方修正した。
 本業のもうけを示す営業利益が08年9月に予想した1500億円の黒字から、過去最悪の2800億円の赤字に転落する。
 デジタル家電の販売不振で主力の半導体の需要減少に歯止めがかからず、採算が大幅に悪化した。税引き後利益も700億円の黒字から過去最悪の2800億円の赤字になると予想した。
 営業利益と税引き後利益の赤字はいずれも7年ぶり。売上高は7兆7000億円から1兆円少ない6兆7000億円に改めた。



東芝半導体の国内生産を縮小 2工場着工を延期
 東芝は業績が悪化している半導体事業の収益改善策をまとめた。半導体生産の「後工程」を手がける千葉県茂原市静岡県御前崎市の生産子会社を大幅に縮小し、代わりに海外での生産を拡大。三重県四日市市岩手県北上市で今春予定していた2工場の着工も、半年以上延期する。
 業績回復に向け、半導体の生産体制や投資を見直す。



シャープとソニー、液晶パネル合弁を1年延期
 シャープとソニーは29日、液晶パネルを製造する共同出資会社の設立を1年程度延期すると発表した。当初予定では「2009年4月」としていたが、「10年3月まで」とすることで合意し、覚書の内容を修正した。急激な経済環境の変化を受け、影響を見極める。
 共同出資会社を設立するための法的拘束力のある契約は、6月30日までに結ぶ方向で交渉を続ける。当初は「08年9月30日まで」としていたが、まだ締結していなかった。
 両社は、シャープが大阪府堺市に建設中のパネル工場にソニーが出資する形で合弁会社をつくる計画。シャープは、この工場の稼働時期については「当初公表通り10年3月まで」で変更しないとしている。



北海道の老舗百貨店・丸井今井、再生法申請へ 負債総額500億円
 北海道の老舗百貨店の丸井今井(札幌市、畑中幸一社長)は29日、民事再生法の適用を札幌地裁に申請する方針を固めた。負債総額は約500億円の見通し。2005年以降、伊勢丹の支援のもとで再建を進めてきたが不振が続いていた。昨秋以降の消費冷え込みで地方の有力百貨店が軒並み不振に陥っており、経営問題が広がりそうだ。
 丸井今井は同日午後の取締役会で正式決定する。景気後退で海外ブランドや衣料品の販売が落ち込み、08年1月期の売上高は815億円、最終損益は43億円の赤字に転落した。09年1月期には債務超過になる恐れがあった。



建機出荷額3割減 08年12月、減少率が過去最大に
 日本建設機械工業会(木川理二郎会長)が29日発表した2008年12月の建設機械出荷額は1550億9600万円と前年同月比32.3%の大幅減だった。国内向けは同31.5%減の497億2700万円、輸出は32.6%減の1053億6900万円と、いずれも世界的な景気悪化で大きく落ち込んだ。出荷総額の減少は3カ月連続で、減少率は1990年4月に統計を取り始めて以来最大だった。
 国内向けは9カ月連続、輸出は2カ月連続の減少となった。輸出は四川大地震の復興需要があった中国向けと中近東向けで前年を上回ったが、その他の地域は減少。特に欧州やアフリカ向けで落ち込みが大きかった。
 同時に発表した2008年の出荷額は前年比0.5%増の2兆5938億円だった。国内向けが同14.0%減の7686億円と大きく減った一方、海外向けは8.1%増の1兆8252億円だった。



景気後退、07年11月から 内閣府判定、回復期間は69カ月
 内閣府は29日午後、大学教授ら7人で構成する「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋東大教授)を開き、2002年2月から続いた景気回復局面の「山」が07年10月だったと判定した。翌11月から景気後退局面に入ったとしている。景気回復期間は69カ月で、1965年11月から57カ月の「いざなぎ景気」を抜き、過去最長となった。
 同研究会は、鉱工業生産指数など11の指標ごとに「山」「谷」を割り出し、その状況を指数化した長期移動平均値「ヒストリカルDI」によって全体の転換点を決めている。



米スタバ、300店を追加閉鎖 従業員6700人削減
 米スターバックスは28日、9月末までに全店舗の2%弱にあたる約300店を追加閉鎖すると発表した。従業員6700人も削減する。業績低迷が続く同社は2008年9月期から米国内で500店の閉鎖と1万2000人の削減を実施中で、一段の経費削減に踏み切る。
 新たに閉鎖を決めたのは米国内の200店と米国外の100店で、いずれも直営店。閉鎖する店舗に勤務する6000人と、間接部門などに従事する700人を削減する。昨年末に購入したばかりのジェット機(4500万ドル相当)も売却する方向。一連のリストラ策で、09年9月期に最大5億ドルのコスト削減を見込む。



任天堂、営業益が過去最高に ゲーム機伸びる
 任天堂は29日、2009年3月期の連結営業利益が前期比9%増の5300億円になる見通しだと発表した。為替の円高などで従来予想を1000億円下回るが、欧米を中心に据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」や携帯型機「ニンテンドーDS」の伸びが続き、過去最高を更新する。
 売上高は9%増の1兆8200億円になる見込み。従来予想は2兆円だった。欧米の最大需要期に当たるクリスマス商戦ではゲーム機、ソフトともに売上が伸び、08年1年間の欧米での販売台数はWii、DSともにゲーム機としての年間最高記録を更新した。ただ、円高で円換算した売上高が目減りするため、増収幅は縮小する。



NYタイムズ、赤字転落 前期、レッドソックス持ち株会社株売却へ
 【ニューヨーク=杉本晶子】米新聞大手ニューヨーク・タイムズは28日、2008年12月期通期の最終損益が5700万ドル(約52億2000万円)の赤字に転落したと発表した。前の期は2億800万ドルの黒字。柱の広告収入が13%減ったうえ、出資先のボストン・レッドソックス持ち株会社をはじめとする資産の評価損など一時損失計上が響いた。
 売上高は7.7%減の29億4800万ドル。売上高の約6割を占める広告収入が13.1%減ったことが足を引っ張った。同社は財務健全化を目的に、ボストン・レッドソックス持ち株会社の株式17.75%を売却する方針を決めた。



FRB、長期国債購入の用意 FOMC、ゼロ金利継続
 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は28日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現行の年0.0―0.25%で据え置くことを賛成多数で決めた。声明は市場への資金供給策として「長期国債を購入する用意がある」と、実施に向け準備段階に入ったことを明記。金融緩和の一段の強化に含みを持たせた。景気判断を下方修正するとともにデフレへの懸念もにじませた。
 今回はオバマ新政権発足後、初のFOMC。声明は「景気回復と物価安定へすべての手段を動員する」と改めて宣言。政権と足並みをそろえて、米経済再生に全力を挙げる姿勢を鮮明にした。