(ノ゜Д゜)八(゜Д゜)ノ新聞

省エネ投資、税負担軽く 09年夏にも政府導入
 政府は企業の省エネルギー投資の全額を初年度に費用として一括計上し、税負担を軽くできる新たな「即時全額償却制度」を今夏にも導入する。省エネ投資が工場などのエネルギー効率を年1%以上高めることなどが条件。省エネ性能の高い液晶テレビなどを作る設備にも即時償却を認める。景気後退で省エネ事業の見直しを迫られている企業の投資意欲を下支えする。日本企業のエネルギー効率を一段と高め、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する効果も期待している。
 即時償却は、工場の機械などについて、取得額の全額を初年度に費用(損金)として課税所得から差し引く制度。投資する年の税負担が軽くなり、企業が資金を出しやすくなる。例えば、通常10年で減価償却する設備投資100億円について即時償却が認められた場合、その企業は初年度に法人税が40億円軽くなる。通常の償却の場合は軽減幅は10億円にとどまる。



データセンターの国内誘致へ優遇策、総務省が検討
 総務省は、インターネット関連企業のデータ管理センターを日本国内に設置できるようにするため税制上の優遇措置を柱とする総合的な対策の検討に入る。日本語のサイトなどを運営しながらも、米国をはじめとした海外に拠点を置く例が多いため、日本国内に誘致する仕組みをつくるのが狙い。ネット関連企業も事業の効率化につながり、成長力強化に向けた起爆剤と期待している。
 総務省によると、インターネットを通じ1秒あたりにやりとりされるデータの量を比較すると、海外発のデータは153ギガ(ギガは10億)ビット。国内発のデータ(141ギガビット)を昨年11月に初めて逆転し、差を広げ始めている。



米ネット業界、曲がり角 グーグル減速、イーベイ不振
 【シリコンバレー=田中暁人】世界景気減速で高成長を続けてきた米インターネット業界にも手詰まり感が出てきた。2008年10―12月期決算で新規上場から快進撃を続けてきたネット検索最大手グーグルの成長が鈍化、ネット競売最大手イーベイは初の減収となった。エンジン役であるグーグルの減速が続けば、ネット市場全体の成長にブレーキがかかる可能性もある。
 グーグルの10―12月期業績は、売上高が前年同期比18%増の57億100万ドル、投資先の株価下落による評価損で純利益は同68%減の3億8200万ドルだった。増収率も初めて20%を割り込むなど減速が鮮明になった。



フェリー業界に公的支援 高速1000円で打撃必至 国交省検討
 土日祝日の高速道路料金が割引されることを受けて、国土交通省がフェリー業界に対し、経営支援の検討を始めたことが25日、分かった。高速道路料金の割引によって旅客を奪われる可能性が高いとみており、港湾使用料の無料化などの支援が必要と判断している。すでに西日本に本社を置くフェリー会社9社が支援を求める要望書を国交省に提出しており、こうした動きは今後、全国に波及する可能性がある。国交省はフェリーを環境負荷の少ない輸送手段と位置づけており、公的支援によって高速料金割引による影響を最小限にとどめたい考えだ。
 国交省によると、日本各地を結ぶフェリーは現在、事業者数が約150、航路数が約170ある。だが、景気後退による観光需要の低迷や、重油価格の上昇などで経営は悪化しており、東証2部上場の関西汽船は平成20年6月中間連結決算で2億4000万円の最終赤字となったほか、昨年は沖縄、名古屋、大阪などを結ぶ航路を運営していた有村産業那覇市)が破産に追い込まれた。



世界新車販売、09年は14%減の5500万台 ゴーン日産社長見通し
 日産自動車カルロス・ゴーン社長は25日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれた経済関係の会合で、2009年の世界の新車販売台数は、08年比14%減の5500万台に落ち込むとの見通しを示した。また、ピーク水準である07年レベル(6900万台)に回復するには7年以上かかるとの認識も示した。
 ゴーン社長は「我々は金融危機の最初の犠牲者」と指摘。世界の金融機関が自動車ローンを引き締めているため、09年の新車販売台数は前年比9%減の08年よりさらに落ち込むと予測した。
 ゴーン社長は「この不況は長引く」と語り、11年までは新車販売台数が上昇に転じないとの見通しを明らかにした。危機的な状況が続く中、「業界再編が加速することは疑いの余地がない」と述べ、今後数カ月以内にM&A(合併・買収)が起こりうるとの考えも示した。



IMF「09年の世界成長率1.0―1.5%」 予測を再下方修正へ
 【ドバイ=太田順尚】国際通貨基金IMF)のサミュエルズ通貨・資本市場局次長は25日、2009年の世界経済の成長予測を1.0―1.5%の間に下方修正することを明らかにした。IMFは昨年11月にも予測を引き下げたが、消費者心理の悪化などを理由に再修正する。
 訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで、ロイター通信の取材に答えた。サミュエルズ氏は「世界的な経済の見通しはここ数カ月で非常に悪化している」と指摘、「消費者や企業心理がかつてないほどの低い水準に落ち込んでいる」との見方を示した。同氏によると、IMFは28日に再修正を正式発表する。
 IMFは昨年11月に09年の成長予測を3%から2.2%に引き下げた後、12月に再修正する見通しを示していた。



微量の薬で効果・副作用を予測 新薬開発に新たな手法
 臨床試験(治験)に先立ち、開発中の薬をごくわずか飲み、人体での効果や副作用を予測する技術の確立に向けた検証が、3カ年の計画でスタートした。人体への負担が少ないうえ、成功しそうにない治験は避けられ、1千億円ともいわれる新薬開発費を圧縮できる可能性がある。
 「マイクロドーズ試験」と呼ばれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)の委託で、東京大学や医薬品開発支援機構、製薬メーカーなどによるグループが実施する。
 すでに承認された約20種の薬で、服用量の100分の1以下を飲んでもらい、放射性同位体陽電子放射断層撮影(PET)などを用いて、体内での吸収や分布、代謝などを調べる。これで実際の効果や副作用をどの程度、予測できるかを検証する。
 厚生労働省は昨年6月、マイクロドーズ試験の実施にあたって、被験者へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)など、手続きや届け出のガイダンスを作製した。杉山雄一・東大薬学系研究科教授は「(マイクロドーズ試験の導入で)治験の成功確率を3割程度まで上げられれば新薬開発にとって飛躍的進歩になる」と話す。



ICタグ、日立が米欧開拓 北欧大手に製造委託
 日立製作所は小型チップに識別番号を記録し、無線で情報の読み出しや書き込みをするICタグ事業の海外展開を本格化する。ICタグ製造大手のフィンランドのUPMラフラタックに製造を委託した高性能ICタグを、近く米欧で販売する。海外企業と組んで海外需要を掘り起こす。
 セキュリティー性能を高めた「ミューチップhibiki」をUPM社に製造委託した。今後、日立の米欧法人とUPM社が組んでICタグの需要を開拓。フィンランドシステム開発会社とも協業し、メーカーの部品管理や流通業の在庫管理など大型システム開発案件の受注につなげる。



オバマ米大統領の支持率68%、就任直後でケネディ以来の高さ
 米ギャラップ社は24日、最新の世論調査オバマ米大統領の支持率が68%に達し、就任直後としては1961年のケネディ(72%)以来の高い数字を記録したと発表した。不支持率は12%。就任早々、矢継ぎ早に政策を打ち出すオバマ氏への党派を超えた期待の高さを改めて裏づけた。
 オバマ氏は日曜日の25日、就任から初めて公的な予定を入れなかったが、土曜日の24日はサマーズ国家経済会議(NEC)委員長らと景気対策法案や金融安定化を協議し、週末を返上した。



ロシア下院委員長「政府は外貨管理強化など検討」
 【モスクワ=坂井光】ロシア下院金融市場委員会のウラジスラフ・レズニク委員長は日本経済新聞に対し「政府は外貨管理強化など新たなルーブル安対策の検討に入った」ことを明らかにした。2009年は財政赤字となるが、政府が進める積極財政を下院は支持する考えを示した。
 委員長は中銀による為替介入以外にも「企業の外貨収入を強制的に市場で売却させたり、外貨の外国送金を制限するなどの緊急措置が検討され始めた」と述べ、政府などから非公式に提案を受けたことを明らかにした。ロシアでは06年まで段階的に外貨管理が緩和されたが、再び強化することで下落に歯止めを掛ける狙いだ。



日経社説 排出削減目標、内向き議論の危うさ(1/26)
 温暖化ガスの排出削減義務を定めた京都議定書の第一約束期間は、2012年で終わる。その次、ポスト京都の枠組みは、今年の年末にコペンハーゲンで開く国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP15)で決まる。難航が予想される国際交渉の焦点は20年までの国別排出削減目標、いわゆる中期目標である。日本でもようやくその検討が始まったが、内向きな議論が目に付き、強い既視感と危機感を覚える。
 ちょうど12年前の丑(うし)年、1997年の年末に京都で国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP3)が開かれ、先進国全体で12年までに90年比で5%削減する京都議定書が採択された。
 このときは削減幅について0%から5%まで政府部内でもまとまらず、一連の国際会議で決まった交渉の方向、先進国がまず差異ある責任を果たすために義務を負うという流れも見誤って、結果的に欧州と米国に交渉の主導権を握られた。
 今回も中期目標の決定は他の先進国に比べて遅れている。さらに、昨年のCOP14でも確認され、一昨年のCOP13で国際合意した交渉の行程、バリ・ロードマップを無視するような議論が行き交っている。
 バリ・ロードマップは、気候変動に関する政府間パネルIPCC)の第四次報告書が示す、カテゴリー1と呼ぶシナリオを採用している。20年までに先進国は90年比25―40%減という数字である。
 地球の温度上昇を何度以内に抑えるかで、IPCCは厳しい順にカテゴリー1から6まで六つのシナリオを提示している。1は産業革命からの気温上昇がセ氏2.0から2.4度で、6だと最大6.1度上昇する。欧州は1を採用している。オバマ新大統領の就任前の演説では、米国は20年までは次に厳しい2のシナリオに沿って削減し、50年までには1のシナリオに復帰するよう削減ペースを上げるという計画だ。
 削減計画の目標に、絶対的な正義や正解があるわけではない。ただ、科学的な根拠と、国際社会を納得させる合理性と説得性は不可欠だ。昨年来、国際交渉の場では国別総量目標にはふさわしくないと何回も明確に否定された、セクターごとの削減可能量の積み上げが、いまだに日本の選択肢として検討対象になっているのは、不可解というしかない。
 排出削減は経済の重荷という発想を変えないと、意欲的な目標は作れず、環境立国も成立しない。技術だけでなく、経営も社会も政治も、文明史的転換の縁にいる。