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10大ネット流行語にみる中国社会の未来(COLUMN)
 12月始めに発表になった恒例の新語・流行語大賞は、「アラフォー」や「居酒屋タクシー」など日本の世相を表す言葉が選ばれた。一方、中国でも今年の「10大ネット流行語」が発表になり、中国の波乱の2008年を映すとともに今後の中国社会への示唆を与えてくれる言葉が並んだ。
■ネットの世界から現実社会へ
 2008年は間違いなく中国の歴史にその名を残すだろう。2008年の中国ネット社会も何年か後に「**元年」と名づけられて振り返られるに違いない。そのネット社会を彩る今年のネット流行語は豊作だった。
 これまでのネット言葉はパソコンマニアやオタクのイメージが強く、ネット世界でしか通用しなかったが、今年は違う。ネットから流行った言葉がテレビや新聞などのいわゆる主流メディアまで広がり、日常に浸透したといえるのだ。
 もちろん、中国ネットユーザーの増加もその一因だが、ネット社会がより真正面から現実社会と向き合うようになった要素も大きい。年初の雪災害、春先の聖火リレー、初夏の四川大地震、そして真夏の北京五輪と、初めて尽くしの出来事の連続は、ネット社会に格好の話題を提供しただけではない。ネット社会もその衝撃を受け止め、何倍ものエネルギーに転化して噴出し、現実社会に多大な影響を及ぼした。
 選ばれた流行語の数々は、まさにそのエネルギーの触媒だ。政府への賞賛や風刺もあれば、激動の社会にいる自分への自嘲や自省もあるが、その一つひとつが中国の現在を表現している。2億人以上のインターネットユーザー、5億人近くのモバイルユーザーはいかなる組織の想像も超えるようなネットワークを形成し、社会のため、そして自分のために新しい言葉を次々と生み出している。
■主流と傍流の激突
 十人十色といわれるように人間はそれぞれ違う。ただし今までの中国は権威社会でもあり、非主流の声は抹殺されがちだった。ところが今年の流行語トップ10には、主流への傍流の挑戦を表す言葉が二つもランクインしている。
 その一つ、「逃げる范さん」は、世論の前に我を忘れない冷静さや自然さを表現する言葉でほとんど異論はないが、もう一つの「山寨」は賛否両論だ。
 「山寨」は元々広東地方の方言だが、地方の中小企業がナショナルブランドの携帯端末の模倣品を違法に製造し、それが「山寨モバイル」と呼ばれるようになったことから、海賊版や模倣品の意味で使われるようになった。ところが、ここ一年でその否定的ニュアンスが薄れて有名ブランドを模倣した「山寨家電」がブームとなり、「山寨アイドル」といったものまで現れる一種の社会現象になった。
 こうした現象を支持する人は、「草の根による既存の権威への挑戦」だと主張するが、反対する人は著作権の侵害を問題視している。
 いわゆる「山寨もの」のなかにも、機能を追加したり改良したりして単に海賊版や模倣品で片付かないほどよくできたものも出てきた。こういうグレーな部分と、まだ十分に高いと言いがたい中国の一般市民の著作権意識から、「山寨ブーム」は起きたのだろう。
 ブームの底流に権威への挑戦意識があることは分からなくもないが、重要なのはその手段がルールに則っているかどうかである。著作権保護は現代社会のルールだ。中国ではいまだにルールが整備されず浸透も足りないが、こうした出来事を機に議論が深まるのであれば、意義はあるといえるかもしれない。
■キーワードは「民族復興」
 「做人不能太CNN」(人間としてCNNのようになってはいけない)や「別抛棄!別放棄!」(見捨てるな!諦めるな!)などもランクインしている。前者はチベット聖火リレー騒動におけるCNNの報道スタンスに反発したものであり、後者は四川大地震被災者への励ましの言葉だ。
 いずれもネットで発信され瞬時的に広がった。今年の一連の騒動や災害にネットはとてつもなく大きな役割を果たした。なぜならネットは世界中の中国人や華人・華僑を一つにし、政府をも動かしたからだ。
 その背後にあるのは中華民族の復興への切なる思いだ。中国ではなく中華民族というのが今年のキーワードである。それは主義・国家を超えたものでもある。
 過去100〜200年間の歴史で中華民族が被った傷はあまりにも深い。人々のプライドは傷つき、先祖に誇れる自信を失った日々が長く続いた。しかし、この30年の改革開放を経て、中国も世界の大国として再浮上した。中国にいる中国人、そして海外にいる華人・華僑も自分の祖国や母国の大国化に伴い、中華民族の復興に強い希望の灯を点した。
 もちろん、今まで経済発展一辺倒だった中国人も、民族復興のためには文化やヒューマニズムの復興が不可欠だと覚醒しつつある。それは今年相次いだ騒動や災害によって一気に噴出した。ナショナリズムといわれる場合もあるが、重要なのは世界との付き合い方だ。グローバル化している今、自覚を持ち世界と正しく付き合いながら地道にやっていく以外に民族復興の道はないことを、中国人一人ひとりに理解してもらいたい。
■ネットデモクラシー元年になれるのか?
 今年ほどネットが政府や社会から注目された年はなかっただろう。今まではせいぜい一産業に過ぎなかったネットは中国の情報インフラになろうとしている。しかもテレビや新聞などの既存メディアよりもはるかに影響が大きい。
 胡錦濤主席がネットでユーザーと直接会話を交わして以来、政府関係者のネットへの注目度は高まるばかりだ。それに応えるかのようにネットユーザーも積極的に情報を提供したりコメントをしたりして世論形成に寄与している。
 人民日報系の人民ネットが新聞より大胆な発言を掲載していることからうかがえるように、メディアの統制に厳しい政府もネットには比較的寛容な一面がある。統制が効かないのか、それともネットの力を借りたいのか。恐らく両方の要素があると思われるが、重要なのはネットが下意上達のチャンネルになっていることだ。
 面白いアイデアを思いついた。仮想世界でネット政府かネット政党を思い切り作ったらどうだろう。共産党に対抗できる政党が実質上ないだけに、現実社会の政府と政党はネット社会の政府と政党と切磋琢磨しながらやっていくほうが中国政府の統治改善にも役に立つと思う。技術的にも大変難しいかもしれないが2億人を超えるネットユーザーの力も侮れない。密かにそれを2009年の初夢にしたい気持ちだ。いずれにしても2008年が中国のネットデモクラシー元年と呼ばれるような、将来の中国を望みたい。



海外ブランド首脳「日本詣で」 営業テコ入れ陣頭指揮
 クリスマスを前に、欧米高級ブランド企業の経営者が続々と日本を訪れている。秋以降、大手だけでも仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、仏カルティエなど10人以上が来日。景気悪化でドル箱だった日本国内での売れ行きが落ち込んでおり、陣頭指揮で営業をテコ入れする狙いとみられる。
 今秋、2カ月連続で来日した伊フェンディのマイケル・バーク最高経営責任者(CEO)は「地下鉄の乗客までチェックしたが、日本人はもう高級ブランドというだけでは飛びつかない」との考えを表明。同じく今秋に2度来日したカルティエのベルナール・フォーナス社長は「店舗網の見直しも検討する」意向を表明した。



アジア主要空港、貨物取扱量が急減 11月、中国の輸出失速響く
 アジア主要空港の貨物取扱量が11月に急減した。香港国際空港シンガポールチャンギ空港、韓国の仁川空港の貨物量の前年同月比減少率は、いずれも2ケタになった。金融危機実体経済に波及して日米欧の需要が減速したのに加え、中国の輸出が同月にマイナスに転じたことも響いた。
 仁川空港は11月、貨物取扱量が20.4%減った。主力の半導体部品などの輸出が不振なうえに、通貨のウォン安を受けて高級品などの輸入も鈍った。香港国際空港は同18.7%減少、チャンギ空港は同14.2%減った。



愛知県、4年ぶりに交付団体転落へ 09年度 トヨタ業績悪化で
 トヨタの業績悪化などを受け、トヨタのおひざ元である愛知県は普通交付税の交付団体となる方向で総務省と最終調整に入った。県内には自動車関連企業が集積。法人2税の大幅な落ち込みなどで来年度の税収は今年度見込みから2割程度減少するという。愛知県は東京都と並ぶ不交付団体だったが、4年ぶりに交付団体に「転落」する。
 トヨタ関連の地域経済は一段と下振れする可能性が強まっている。内閣府は11月下旬、東海地方の景況判断を全国最大となる5段階分引き下げた。バークレイズ・キャピタル証券の森田京平氏は「いったん自動車の生産活動が縮小すると負の波及効果が生じやすい。09年半ばに向けて雇用環境も厳しくなる」とみている。



東京新聞社説】
トヨタ赤字へ 体質改善でけん引を
2008年12月23日
 トヨタ自動車の本年度決算が赤字になる見通しとなった。過去最高益から一転、来年の販売台数すら予測できない苦境に追い込まれた。市場の大幅減に対応する迅速で思い切った体質改善が急務だ。
 トヨタは来年三月期連結決算の予想で、営業損益を千五百億円の赤字に下方修正した。十一月初旬の修正から一カ月半で、車づくりなど本業での稼ぎが七千五百億円も減った計算だ。今年三月期には、二兆二千億円もあったことを考えれば、天国と地獄を一年で味わうことになる。
 トヨタの今年(暦年、ダイハツ、日野分含まず)の販売台数は、前年比5%減の約八百万台と、落ち幅はさほど大きくない。だが、もうけが多い大型車が米国で売れず、急激な円高が海外で得た利益を八千九百億円も目減りさせた。
 「各国市場は底が見えない」。会見で渡辺捷昭社長は自動車産業の置かれた環境をこう説明し、来年の生産や販売台数の計画公表を見送った。ただ、当面は世界販売で「七百万台になっても利益が出る体質づくり」を最大の課題とし、マツダ一社分相当の百万台減をにおわせた。
 ホンダも下期決算が千九百億円の赤字に転落する見通しを発表したばかり。両社とも新工場の操業開始を延期するなど、もはや聖域はなくなっている。
 十一月の貿易統計の輸出は、自動車の約31%減が響き過去最大の減少率となった。輸出や海外生産の拡大でもうけを増やし、国内では車種の豊富さや販売拠点の多さで「碁盤の目」を埋めるトヨタの戦略は練り直しを迫られている。
 トヨタは来年、全工場の一斉休業日を増やし減産を強める。正社員の雇用は守ると明言したが、非正規従業員を三月末に三千人まで減らす計画は変わらない。非正規従業員の大量解雇には、政府や自治体を中心に救済へ動いている。
 しかし最終製品をつくる企業が縮小均衡を目指せば、離職者が増えるばかりだ。一人当たりの仕事量を減らし雇用をつくるなど、体力を生かした職の提供方法はある。それは地域に生きる企業市民の責務でもあろう。
 下請け企業を含めたグループ全体で大胆な改善を進め、小型車や低燃費・ハイブリッド車の積極投入で回復を図るというシナリオは、トヨタの体質や技術力から見て効果があるはずだ。これが製造業全体の再生をけん引することを期待したい。