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社会保障費伸び、「2200億円抑制」実質見直し 09年度政府検討
 政府は28日、2009年度の社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針について、たばこ税の引き上げを原資に抑制額を1000億円程度圧縮する検討に入った。残る1200億円は雇用保険への国庫負担削減などでまかない、医療や介護サービスの削減に直接結びつかないようにする。たばこ税は1本当たり3円(1箱20本で60円)の引き上げが軸。景気悪化などへの配慮から抑制目標を事実上見直すものだが、政府案通り調整が進むかは流動的だ。
 2200億円の社会保障国庫負担の縮減を巡っては、麻生太郎首相が有権者からの反発が強まっていることなどから27日に抑制方針の見直しを示唆。首相指示を踏まえ、財務省概算要求基準の範囲内で抑制額を減らす検討に着手した。



11月の国内新車販売、3割減 08年は34年ぶり低水準に
 国内の新車販売が急減している。11月の販売台数(軽自動車を除く)は27日現在で約15万9000台にとどまり、昨年の同時点に比べて33%減少した。月末まででも3割前後の減少になる公算が大きい。12月が前年並みで推移しても、2008年通年では325万台前後と石油危機直後の1974年以来34年ぶりの低水準に落ち込む見通しだ。販売不振は欧米でも深刻化。自動車各社が進める大幅減産により素材や機械など幅広い関連産業に影響が広がるのは必至だ。
 平日最終日の28日に登録手続きが集中したことを考慮しても、11月の販売は20万台前後にとどまる見通し。減少幅は9月が5%、10月が13%。11月は3割前後と、月を追って落ち込み幅が拡大している。



ヤマダ電機、食品拡充 牛乳や卵など冷蔵用品販売
 ヤマダ電機は卵や牛乳など冷蔵食品の販売を始めた。まず北関東地区の店舗で扱い、全国の大型店に広げる。消費不況で家電の売り上げが鈍っているが、ヤマダは需要が底堅い食品の品ぞろえを広げて、顧客の来店頻度の向上につなげる。スーパーなどとの価格競争が激しくなりそうだ。
 取り扱う冷蔵食品はたまごLサイズパック(10個入り208円)や牛乳(1リットル入り178円)など。ヤマダはすでに一部店舗で菓子や飲料など加工食品の売り場を設けており、売り場に専用の冷蔵ケースを設置する。弁当やおにぎり、サンドイッチ、ハム、ヨーグルトも販売する。



ルイ・ヴィトン」7%値下げ 円高・ユーロ安で
 仏高級ブランド最大手のLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)傘下の主力ブランド、ルイ・ヴィトンは28日、日本国内の小売価格を29日から平均7%引き下げると発表した。同ブランドは商品の大半をフランスから輸入しており、円高・ユーロ安を値下げ原資にする。景気後退で高額品の買い控えが広がっており、値下げで販売をてこ入れする。
 全国の56店で一斉に実施する。バッグ、時計、洋服、靴などほぼ全商品が対象。LVMHの日本での1―9月の売上高は前年同期比7%減った。値下げには為替の変動を価格に反映させるほか、減退する購買意欲を喚起する狙いがある。
 海外高級ブランドは日本での売り上げが落ち込み始めている。すでに仏宝飾のカルティエや独筆記具のモンブラン、伊服飾のサルヴァトーレ・フェラガモなどが1割前後の値下げを実施した。最大手のヴィトンが値下げに踏み切ることで、他ブランドにも価格引き下げの動きが一段と波及する可能性が高い。



マンション販売のモリモト民事再生法申請 負債総額1615億円
 東証2部上場のマンション販売会社、モリモトは28日、東京地裁民事再生法の適用を申請し、同日付で受理されたと発表した。負債総額は1615億円。不動産ファンドなどの投資家向け不動産開発を主軸にして今年2月に株式上場したばかりだが、不動産市況の冷え込みに伴って販売用不動産の在庫が膨らみ、資金繰りに行き詰まった。
 新日本監査法人から監査意見を得られず、2009年3月期の第2四半期報告書提出が遅れていた。同社の森本浩義社長は同日、東証で記者会見し「(監査意見を得られず)青天のへきれきという気持ち。金融機関に支援を約束してもらっていただけに理解できない」と述べた。
 東京商工リサーチによると、負債総額は今年8番目の大きさで、不動産関連業種としてはアーバンコーポレイションなどに次いで3番目。



景況判断、全11地域で下方修正 11月の地域経済動向
 内閣府は28日、11月の地域経済動向を発表した。全国11地域の景況判断は2001年8月調査以来、約7年ぶりに全地域で下方修正。「回復」という文言を入れた地域がなくなり、景気後退を裏付けた格好。逆に6年半ぶりに「悪化」が復活し、北海道と東北を各地域のなかで最も厳しい「やや悪化しつつある」とした。全国的に雇用情勢が悪化し、生産も減少基調に入りつつある。
 内閣府は3カ月ごとに生産、消費、雇用情勢をもとに各地域の景況判断を示している。今回は7―9月期の経済統計をもとに分析した。これまで堅調だった南関東と東海は評価を5段階下げて「弱まっている」に修正。自動車など製造業で生産調整が進み、雇用も急速に悪化したことが響いた。沖縄は観光が好調で全国で最もよい評価となった。



公的年金、上半期運用利回りマイナス3% 損失、最大の2.9兆円
 公的年金の積立金を市場運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は28日、2008年度上半期の市場運用利回りがマイナス3.13%になったと発表した。米金融危機に端を発した株安の直撃で、運用損失は上半期としては過去最大の2兆9000億円に達した。運用低迷が長引けば将来の国民負担につながる可能性もある。
 9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに世界的に株安が進行。7―9月期の運用成績が4兆2383億円の赤字(利回りはマイナス4.42%)に落ち込み、4―6月期の1兆3042億円の黒字(同プラス1.41%)を打ち消した。



国内金融機関、証券化商品の関連損失3.2兆円 9月末
 金融庁は28日、2008年9月末の国内の預金取扱金融機関の証券化商品の関連損失が3兆2730億円と、6月末に比べて27%増えたと発表した。国際金融市場の混乱で、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)とは直接関係ない証券化商品の価値も下落したことが主因だ。売却や減損処理が進み、保有額は5%減の22兆2710億円となった。
 対象は大手銀行や地域銀行、信用金庫や信用組合など預金を取り扱う金融機関。07年4月から08年9月末までの関連損失の累計と、9月末時点での評価損の合計をはじき出した。08年3月末の日本の預金取扱金融機関の中核的自己資本は約50兆円。その約6%がこれまでに吹き飛んだ計算になる。



タイの空港閉鎖、旅行キャンセル160万人 09年成長率3%以下に
 【バンコク三河正久】タイの反政府勢力「民主市民連合(PAD)」による首都バンコクの新旧2つの空港閉鎖で経済的な損失が拡大している。デモ隊乱入で閉鎖が4日目となった28日までに、航空便で入国を予定していた旅行者のキャンセルは約160万人に達した。
 タイ投資委員会(BOI)はタイ進出の電子部品業者を中心に空輸停止の被害が大きいとして、軍部に輸送機「C130」の運航による輸出協力を依頼した。野菜など農産物の輸出も滞り、タイ野菜果物生産業者協会は1日当たり3億バーツ(約8億円)分の輸出ができず、冷蔵倉庫での保管料で巨額損失が出る見通しという。
 タイ商工会議所大学の経済予測センターは空港閉鎖が11月末まで続き、その後も政治混乱が拡大すれば2009年の国内総生産(GDP)伸び率は2―3%にとどまり、08年見通しの4.5%から一段と悪化すると分析している。



消費税上げ言及見送る、景気に配慮…政府税調答申
 政府税制調査会(首相の諮問機関)は28日、2009年度税制改正の答申を取りまとめ、麻生首相に提出した。
 焦点だった消費税率の引き上げについては、具体的な言及を見送ったうえで、年末までに政府がまとめる税制抜本改革の「中期プログラム」に明記するよう求めた。景気悪化で増税検討に慎重な与党の空気を背景に、議論を「中期プログラム」に預けた格好だ。
 答申は、消費税率引き上げに関して、昨年の答申内容を「堅持すべき」と記すにとどめた。昨年は「(社会保障費を賄う)選択肢の一つとして幅広く検討を行うべき」としていた。
 そのうえで「中期プログラム」に「実施時期を明らかにすることを強く求めたい」と要請している。
 道路特定財源一般財源化についても、道路関連税制や暫定税率の今後の見直し方などには踏み込まなかった。「(必要と判断した道路は着実に整備すると定めた)本年5月の閣議決定に沿って対応すべき」とのみ記した。
 一方、納税者に特定の番号を付け、所得などを把握しやすくする「納税者番号制度」については、「適正・公平な課税の実現に向けて努力すべき」として、将来の導入に向けた検討を進めるよう求めている。
 政府が追加景気対策で住宅ローン減税の拡充などの減税政策を打ち出したことには、経済情勢を踏まえ「やむを得ない」と容認姿勢を示した。ただ、「財政健全化を阻害しないよう」とクギを刺し、減税を時限措置とするよう求めた。



失言警戒・麻生さんVS辛辣攻撃・小沢さん…初の党首討論
 麻生首相民主党の小沢代表による初めての党首討論は、2008年度第2次補正予算案の扱いなどを巡って小沢氏が攻勢をかけた。
これに対し、このところ失言などが続く首相は“安全運転”に徹し、防戦に回る場面が目立った。
 小沢氏は冒頭から辛辣(しんらつ)な言葉を首相にぶつけた。
 「民主党代表に就任し、きょうで3人の首相に3回目の(就任の)お祝いを申し上げた。このままだと、近いうちに4回目のお祝いを申し上げる状況になりかねない」
 約1年の在任期間で相次いで退陣した安倍元首相、福田前首相のように、麻生首相も足元が危うくなっていると揶揄(やゆ)したわけだ。
 小沢氏はさらに、10月30日に緊急の景気対策をまとめながら、2次補正予算案を今国会に提出しようとしない首相を、「筋道が通らない」と批判した。
 これに対し、首相は10月に成立した08年度第1次補正予算と2次補正予算案、09年度予算案を「3段ロケット」と位置付け、「中小企業(向けの融資枠拡大)は、年内に関しては1次補正で対応できる」などと「正当性」を強調した。
 ただ、補正先送りには、「迷走している定額給付金を盛り込んだ補正予算案を今の国会に提出しても、野党からたたかれるだけだ」(自民党筋)という事情も大きく影響しているのが現実だ。小沢氏がそれを見透かしたように、「来年に補正予算を送るなら、今ただちに衆院解散・総選挙して、国民の審判をあおいだらいいじゃないですか」と二の矢を放つと、野党側の席からは大きな拍手が起きた。
 「党首力」の勝負に自信を持っていた首相には、党首討論は国民にアピールする絶好の機会のはずだった。実際、11月1〜3日の読売新聞の世論調査では、「首相と小沢氏のどちらが首相にふさわしいか」を聞くと、首相が50%、小沢氏は22%だった。
 しかし、首相はその後、道路特定財源郵政民営化を巡る発言のぶれや医師批判などの失言を続けた。野党でなく、与党内からも「資質」を問う声が出る逆風状態の中、首相はこの日の討論を迎えた。
 首相は事前準備で、「プラスを目指すのではなく、マイナスにならないことが大事だ。小沢氏と対決するというより、国民に丁寧に説明する」(周辺)方針を確認したという。
 実際、小沢氏が「『綸言(りんげん)汗の如(ごと)し』(君主の言葉は、一度発せられれば汗と同じで元に戻せない)という言葉がある」と失言をとがめても、首相は「忠告いただき、ありがとうございます」と殊勝な姿勢を見せた。「あんた」「おたく」などの言葉は使わず、得意の「べらんめえ調」も封印した。
 首相は28日夜、記者団に「よかったと思いますねえ。テレビを通じて国民に、私と小沢氏の考え方の違いをかなりはっきり(示すことが)できたと思っていますんで」と満足そうに語った。ただ、与党では「これでは、『角を矯(た)めて牛を殺す』ことになりかねない。明朗で歯切れの良い首相のいい部分がなくなってしまう」という声も出ており、首相にとって、反転攻勢のきっかけというわけにはいかなかったようだ。



タイ空港占拠 国のイメージが低下した(11月29日付・読売社説)
 年末・年始の観光先にタイを選ぶ人は、確実に減るだろう。
 首都バンコクの国際空港が反政府勢力に不法占拠され、機能マヒの状態が続いている。
 ソムチャイ政権は閉鎖された別の国内空港と合わせ、両空港に非常事態宣言を発令した。すみやかに解決の道を探るべきだ。このままでは「微(ほほ)笑みの国・タイ」のイメージは下がるばかりだろう。
 来月には、タイのチェンマイで東アジア・サミットなどの国際会議が開催されるが、こんな状態で開けるのだろうか。
 タイ政治に影響力を持つ陸軍のアヌポン司令官が、事態打開を目指し、平和的解決、下院議会の解散と総選挙の実施、占拠の中止などを呼びかけた。
 軍首脳が仲裁に入るのは異例のことである。2006年の軍クーデター以降の失政ぶりを反省し、再度の軍事介入を回避するために、動いているのだろう。
 ソムチャイ首相は、昨年末の総選挙を経た正当な政府である、と主張して、軍首脳の提言を拒否する態度を示している。
 代わって首相が発令した非常事態宣言は、執行権限を軍ではなく警察に与えるという異例の策だ。その警察も強権発動には消極的だと言われている。
 これでは、首相の退陣まで占拠を解かないとする反政府勢力「市民民主化同盟(PAD)」を排除するのは、難しいだろう。
 憲法裁判所の判断がカギになるのでは、との見方もある。
 昨年12月の民政移管に向けた下院選での与党「国民の力党」の選挙違反事件に絡み、党の解体を求めた最高検察庁の訴えが先月、憲法裁に受理されたからだ。
 ソムチャイ首相の前任のサマック氏が首相資格を停止されたのも憲法裁の判決だった。
 下院選違反は党ぐるみと認定する判断が出る可能性は、高いと見られている。そうなれば、党幹部は政治活動禁止処分となり、ソムチャイ政権は崩壊する。司法による事態打開のシナリオである。
 憲法裁の審議は、証人調べなどは行わずに書面だけで済ませ、年内にも結審し、判決が出るとの情報もある。
 首都空港の閉鎖が長引けば、経済的な影響は避けられない。
 ホテルや運輸などの観光関連産業を含め、世界的な景気後退の余波で、タイ経済は10〜12月にマイナス成長に転落するとの懸念も出ている。政情不安は、海外投資家の心理にも影響するだろう。